半期報告書-第20期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当中間会計期間末における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当中間会計期間の財政状態及び経営成績は以下のとおりであります。
a.財政状態
当中間会計期間末の資産合計は、前事業年度末と比較して71,287千円増加して4,344,812千円となりました。当中間会計期間末の負債合計は、前事業年度末と比較して7,834千円増加して90,168千円となりました。当中間会計期間末の純資産合計は、前事業年度末と比較して63,453千円増加して4,254,643千円となりました。
b.経営成績
当社の当中間会計期間の売上高は北京泰德制药股份有限公司(以下、北京泰徳製薬と称します)との包括的支援契約に基づく報酬やコンサルティング収入等により2,800千円(前年同期比180.0%増)となりました。販売費及び一般管理費はPC-SOD(LT-1001)の試験費用等が発生したものの、基礎研究開発費や支払報酬等が減少したことにより292,672千円(前年同期比20.7%減)となったため、営業損失は289,872千円(前年同期は営業損失368,138千円)となりました。経常利益は中国における新型コロナウイルス感染症の影響により延期されていた北京泰徳製薬の受取配当金395,562千円の計上により103,963千円(前年同期比80.2%減)、中間純利益は62,767千円(前年同期比85.6%減)となりました。
なお、当社は単一セグメントであるため、セグメント業績の記載は省略しております。
創薬事業における現在開発中のパイプラインの状況は次のとおりであります。
当中間会計期間は、「PC-SOD(LT-1001)」について、ライセンス先の北京泰徳製薬による心筋梗塞を対象とする開発では、新型コロナウイルス感染症の影響などにより遅れはありましたが、引き続き第Ⅱ相臨床試験を進めております。一方で、CIPN(化学療法誘発性末梢神経障害)を対象とする臨床試験に向け準備を進めており、動物実験によりPC-SODが予防効果を示すことを発見しました。当中間会計期間では、医学専門家やPMDA(医薬品医療機器総合機構)などと協議を進め、9月には臨床試験実施計画書を完成させ、治験届をPMDAに提出しました。この疾患に対する臨床医の関心は大変高く、治験実施施設との契約は順調に進んでおり、年内には臨床試験を開始できる見込みであります。
「ドライアイ治療薬(LT-4002)」は既に後期第Ⅱ相臨床試験を終了しており、現在は今後の開発を共同で進めて頂けるパートナーを探しております。当中間会計期間において、シノバイオグループの企業の一つが興味を示しましたので、今後交渉を進めて参ります。
「新型コロナウイルス感染症治療薬(LT-4012)」は、筑波大学医学部のスクリーニング系と当社のDR技術により発見され、特許を共同で出願したパイプラインです。新しいメカニズムで新型コロナウイルスの増殖を抑える既承認薬であり、試験管内ではウイルスの増殖をほぼ完全に抑える効果が得られております。当中間会計期間では、動物実験において、新型コロナウイルス依存の個体死をこの既承認薬が抑制することを見出しました。今後、ライセンスアウトや国からの支援などの方法により、開発を進めたいと考えております。
ノーベルファーマ株式会社との共同研究に関しては、二件の共同臨床試験を行いました(LT-5001)。新型コロナウイルス感染症拡大のため、被験者のリクルートが難しく、コストを抑えるために目標症例数に達する前に中止に至りました。当中間会計期間に結果を解析したところ、一件の臨床試験で統計的有意差を持って有効性を確認することができましたので、次の臨床試験へ向けて準備を開始しました。
以上、主要なパイプラインの研究開発状況につきましては「第2事業の状況 5研究開発活動」に記載しております。
「資本政策活動」
水島徹が代表取締役に就任した2019年6月の取締役会では、「新経営陣は再上場等による株式流動化を望む株主様の声に真摯に対応する」と決定しました。そして、みずほ総合研究所に委託し、再上場の可能性を検討しました。
前事業年度においては、再上場への必須条件である、上場主幹事証券の経験を持つ証券会社とのコンサルティング契約を目指し、大手から中堅まで10社以上にアプローチしましたが、成功しませんでした。一方、2021年1月〜3月にかけて、当社の技術・ノウハウ・人材・パイプラインを評価したシノバイオが、当社との資本業務提携を目的とした公開買付けを実施しました。この公開買付けは、結果として上場廃止後初めて、当社株式売却の機会を株主様にご提供できたと一定の評価をしております。「売却できてありがたかった」とのお電話等も多く頂きました。引き続き株主として当社をご支援頂ける株主様には改めて感謝申し上げるとともに、現経営陣・シノバイオ・北京泰徳製薬と一緒に、当社の企業価値の向上とその先の再上場へ向けてともに歩んで頂きたいと思っております。
当中間会計期間においては、シノバイオとの資本業務提携発表後、これを評価した複数の証券会社からアプローチがあり、その内一社(上場主幹事証券の経験を持つ証券会社)と、再上場へ向けたコンサルティング契約を締結しました。その後、当該証券会社とは定期的に協議しています。具体的には、当社の状況を理解頂くとともに、過去の事例の調査(上場廃止から再上場に成功した事例など)もお願いしています。今後も、再上場へのロードマップの作成を目標に、活動を継続して参ります。現経営陣としましては、当該証券会社からの助言と、シノバイオや北京泰徳製薬の協力も得て、一日も早い再上場を達成したいと考えております。なお、上述のように、製薬企業との共同研究として行うPC-SODのCIPNに対する臨床試験など、再上場に必須な医薬品開発の成功へ向けた活動も活発化しております。またガバナンスに関しましても、内部監査の充実等を図っています。
「IR活動」
当社には3,000名を超える株主様がおり、株主様の声に真摯に耳を傾け、それを経営に反映させることは経営者の務めと現経営陣は認識しております。そこで、創業後初めての試みとして、個人株主の皆様を対象とした株主アンケートを2020年3月に実施しました。その結果、ホームページの適宜更新、リリースの充実など、医薬品開発に関するタイムリーな情報開示を求める声も多く頂きました。
そこで、当中間会計期間においても、リリースの充実に努めました。具体的には
・2021年4月7日:あすか製薬とのコンサルティング業務委託契約締結に関するお知らせ
・2021年5月6日:証券会社との契約締結に関するお知らせ(再上場へ向けたコンサル契約)
・2021年5月24日:LT-1001(PC-SOD)新適応に関する特許出願に関するお知らせ(CIPNに関する用途特許)
・2021年6月24日:LT-5001 の後期第II相臨床試験途中中止のお知らせ(ノーベルファーマ社との共同開発)
・2021年7月15日:日経バイオテク記事掲載のお知らせ(シノバイオとの資本業務提携に関する水島徹CEOのインタビュー記事)
・2021年7月28日:住所変更等、株主名簿記載事項変更に関する届け出のお願い
などのリリースを行いました。この内、7月28日のリリースは、株主様より「株主名簿の住所変更が行われていないために招集通知書等が届かない株主が増えているのは問題である」とのご指摘を受けて、当社が対応したものです。今後とも、株主様からの声を経営に反映していきたいと考えております。
また、これまでホームページ上に年一回公開するだけであった「株主通信」も、年二回の発行にし、さらにホームページをご覧頂けない株主様のために、郵送することにしました(2021年7月に最初の郵送を実施)。本年12月には、半期報告を兼ねた「株主通信」を株主様に郵送する予定です。
一方、中国事業の展開や医薬品開発の進捗、及び新ビジネスの誕生などにより、大幅な更新が必要な状況になりました。そこで、本年度中のホームページの全面リニューアルを目標に、当中間会計期間に活動を開始しました。
②キャッシュ・フローの状況
当中間会計期間末における現金及び現金同等物は、前事業年度末と比較して98,221千円増加し、2,752,773千円となりました。
当中間会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、100,604千円となりました(前年同期は262,104千円の資金の使用がありました)。これは、利息及び配当金の受取額が390,762千円増加したことが主な要因であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、1,350千円となりました(前年同期は198,580千円の資金を得られました)。これは前年同期においては有投資価証券の償還による収入が200,000千円であったところ、当中間会計期間では有形固定資産の取得による支出が1,350千円であったことが主な要因であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、1,032千円(前年同期は255,917千円の資金の使用)となりました。これは前年同期においては配当金の支払決議があったものの、当中間会計期間においては配当金の支払決議がなかったことによる減少であります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社の業務は、業務の性格上、生産実績として把握することが困難であるため、その実績は記載しておりません。
b.受注実績
当社の売上高(事業収益)は、北京泰德制药股份有限公司の包括的支援契約に基づく報酬等であり、受注生産は行っておりませんのでその実績は記載しておりません。
c.販売実績
当社は単一セグメントであり、その実績は以下のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当中間会計期間 (自 2021年4月1日 至 2021年9月30日) | 前年同期比(%) |
| 創薬事業(千円) | 2,800 | 180.0 |
| 合計(千円) | 2,800 | 180.0 |
(注)前中間会計期間及び当中間会計期間の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前中間会計期間 (自2020年4月1日 至2020年9月30日) | 当中間会計期間 (自2021年4月1日 至2021年9月30日) | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| あすか製薬株式会社 | - | - | 1,800 | 64.3 |
| 北京泰德制药股份有限公司 | 1,000 | 100.0 | 1,000 | 35.7 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当中間会計期間末において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社の中間財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この中間財務諸表の作成にあたり、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っておりますが、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。また、重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況」に記載のとおりであります。
②当中間会計期間の財政状態の分析
(資産の部)
当中間会計期間末における資産合計の残高は、前事業年度末と比較して71,287千円増加して4,344,812千円となりました。この主な要因は、現金及び預金が98,221千円増加したこと等によるものであります。
(負債の部)
当中間会計期間末における負債合計の残高は、前事業年度末と比較して7,834千円増加して90,168千円となりました。この主な要因は、未払金が9,875千円増加したこと等によるものであります。
(純資産の部)
当中間会計期間末における純資産の残高は、前事業年度末と比較して63,453千円増加して4,254,643千円となりました。この主な要因は、繰越利益剰余金が62,767千円増加したことによるものであります。
③当中間会計期間の経営成績の分析
(売上高)
当中間会計期間の売上高は、2,800千円(前年同期比180.0%増)となりました。この主な要因は、あすか製薬株式会社からのコンサルティング収入等によるものであります。
(営業損失)
当中間会計期間の営業損失は、289,872千円(前年同期は営業損失368,138千円)となりました。この主な要因は、支払報酬及び研究開発費が減少したことによるものであります。
(経常利益)
当中間会計期間の経常利益は、103,963千円(前年同期比80.2%減)となりました。この主な要因は、受取配当金の減少及び為替差損の増加等によるものであります。
(中間純利益)
当中間会計期間の中間純利益は、62,767千円(前年同期比85.6%減)となりました。この主な要因は、法人税等が減少したものの、経常利益も減少したことによるものであります。
④資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社の事業資金は北京泰德制药股份有限公司の配当金によりそのほとんどが賄われており、キャッシュ・フローの状況につきましては、前記「(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
⑤重要事象等について
当社は、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、継続的な営業損失を計上しております。これにより、継続企業の前提に関する重要事象等が存在しております。しかし、次期の事業活動を遂行するにあたり、創薬事業での収入や北京泰德制药股份有限公司からの受取配当金等を見込んでおり、これらに加え充分な手元資金が確保されております。従いまして、次期の事業継続にあたり重要な不確実性は存在していないことから、本報告書において継続企業の前提に関する注記は、前事業年度に引き続き記載しておりません。