半期報告書-第23期(2024/04/01-2025/03/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当中間会計期間末における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当中間会計期間の財政状態及び経営成績は以下のとおりであります。
a.財政状態
当中間会計期間末の資産合計は、前事業年度末と比較して817,474千円増加して5,155,065千円となりました。当中間会計期間末の負債合計は、前事業年度末と比較して10,587千円増加して175,129千円となりました。当中間会計期間末の純資産合計は、前事業年度末と比較して806,886千円増加して4,979,936千円となりました。
b.経営成績
当社の当中間会計期間の売上高は、中国生物製薬(シノバイオ)との業務提携契約及び北京泰德製薬股份有限公司との包括的支援契約に基づく報酬等により21,707千円(前年同期37,931千円)となりました。販売費及び一般管理費の研究開発費は、前期から引き続きPC-SOD(LT-1001)のCIPN(化学療法誘発性末梢神経障害)を対象とする試験費用等により218,776千円(前年同期比19.1%減)、販売費及び一般管理費のその他は88,610千円(前年同期比2.4%増)となったため、営業損失は286,588千円(前年同期は営業損失332,824千円)となりました。また受取配当金は2023年12月期に属する配当金1,256,832千円が計上されたことにより、経常利益は952,773千円(前年同期比11.5%増)、中間純利益は807,800千円(前年同期比9.7%増)となりました。
なお、当社は単一セグメントであるため、セグメント業績の記載は省略しております。
創薬事業における現在開発中のパイプラインの状況は次のとおりであります。
「PC-SOD(LT-1001)」については、オキサリプラチンによるCIPNを対象とした前期第Ⅱ相臨床試験が終了し、一部の副次的評価項目において目標とした有意差水準で有効性を示すことに成功しました。さらにこの臨床試験でオキサリプラチンアレルギーに対する予防効果も発見され、複数の大学と共同研究契約を結び、そのメカニズム解明を目的とした基礎研究を進めております。
また、今回の前期第Ⅱ相臨床試験結果に関しては、がん分野で最も権威の高い国際学会として知られているAmerican Society of Clinical Oncology 2024(ASCO、米国臨床腫瘍学会)にて発表を行いました。その結果、多くの海外の製薬企業が興味を示し、ライセンス活動に繋がりました。
一方、2024年9月20日には独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)による対面助言(医薬品第Ⅱ相試験終了後相談)を実施しました。当社はオキサリプラチンによるCIPNで多くの患者が苦しんでいる一方、予防薬・治療薬が世界的にも全くない状況を鑑み、第Ⅲ相臨床試験(検証試験)を速やかに実施することを提案しました。協議の結果PMDAは、次の臨床試験を第Ⅲ相臨床試験(検証試験)として実施すること、及び当社が提案した臨床試験計画(主要評価項目や症例数等)について受入れ可能と判断しました。当社は現在、第Ⅲ相臨床試験に向けて準備を進めております。
さらにこれまでの基礎研究により、PC-SODがパクリタキセルによるCIPNにも有効であることを発見しました。臨床医へのヒアリング、臨床試験計画の作成、臨床試験にご協力いただける医療施設の選定、PMDAによる対面助言などの準備を進め、当中間会計期間にパクリタキセルによるCIPNに対するPC-SODの前期第Ⅱ相臨床試験を開始し、2024年9月には最初の被験者が登録されました。
国立研究開発法人・量子科学技術研究開発機構とのPC-SODに関する共同研究では、2024年5月に開催された第18回日本分子イメージング学会総会・学術集会においてその成果を発表しました。
ノーベルファーマ株式会社との共同開発では、既承認薬(LT-5001)を別の疾患に適応拡大(DR)することを目指しており、前事業年度においてある対象疾患(非開示)に対して本剤の第Ⅲ相臨床試験(医師主導治験)を開始しました。この臨床試験も順調に進み、当中間会計期間に終了しました。現在、結果を詳細に解析しており、近いうちに皆様にご報告できると考えております。
「ドライアイ治療薬(LT-4002)」は、後期第Ⅱ相臨床試験を終了しており、現在は今後の開発を共同で進めるパートナーを探しております。
「肺線維症治療薬(LT-4010)」は、当社のDR技術と武蔵野大学の肺線維症研究を活かした共同研究により見出された肺の線維化を改善する新しいメカニズムの既承認薬です。当中間会計期間においては、ライセンス活動に注力しました。
当社が牽引してきたDR研究は多くの製薬企業が注目する創薬戦略となり、創薬の基本戦略として定着しました。当社においてもDRグラントなどを通じて積極的にアカデミアのDR研究を支援しています。当社がアカデミアのDR研究に伴走し、アカデミアのパイプラインを製薬企業へ導出する際に障壁となっている問題(特許の排他性、臨床試験の未実施など)を解決するというビジネススキームを身につけていくことで、当社のパイプラインだけではなく、アカデミアのDR研究から産まれたパイプラインの開発も推進できると考えております。
以上、主要なパイプラインの研究開発状況につきましては「第2 事業の状況 5 研究開発活動」に記載しております。
「事業開発活動」
当社は、「ポートフォリオ型創薬ベンチャー」を目指しております。これは、自社研究開発に絞り込むのではなく、資金力を活用して環境や状況に応じて外部の経営資源を有効に活用し、安定的にリターンを獲得する事業戦略です。
ライセンス活動では当中間会計期間(2024年6月)に、BIO International Convention 2024 San Diegoに参加し、国内外の製薬企業およそ40社と直接面談しました。特にPC-SOD(LT-1001)については、ライセンスや共同開発に興味を持つ企業が大変多く、ライセンス契約を成功させるための足掛かりを築くことができました。
また、当中間会計期間で最も注力したのは、CIPN治療薬としてのPC-SOD(LT-1001)に関する事業開発活動です。第Ⅲ相臨床試験の実施がPMDAから正式に承認されたことにより、ライセンス契約などによる資金調達が重要となってまいります。
国内に関しては、医薬品卸会社や臨床試験受託会社、或いはベンチャーキャピタル等の金融機関からの資金調達など、幅広く提携先を検討しております。海外に関しましても、海外でのライセンス会議をきっかけに、既に秘密保持契約を取り交わした企業も複数あります。
アカデミアとのDR共同研究を推進するため、アカデミアから提案された優れたアイデアに対して、既承認薬ライブラリだけでなく研究費も当社が提供するという取り組み(DRグラント)を推進しております。当中間会計期間では、応募いただいた多くの提案の中から1件を採択しました。
このDRグラントはアカデミアとの共同研究を推進するのに大変優れたシステムです。そこで、PC-SODの新しい適応疾患の発見を目指した研究提案を日本国内の研究者を対象に広く募集することにしました(PC-SODグラント)。PC-SODの新しい適応疾患を検討したいアカデミアからの優れた提案に対してはPC-SODと研究費を支給し共同研究を実施します。
「中国関連事業」
当中間会計期間においても包括的支援契約を延長し、北京泰徳製薬が中国でPC-SODをCIPNに対して開発することを検討するため、日本の著名な医師や製薬企業関係者との面談を企画・実施しました。また同社が今年新たに発売する新薬(日本では上市済みです)に関して、この医薬品に詳しい日本の医師へのインタビューを企画・実施しました。このインタビューでは、多くの重要な情報を得ることができ、今後の中国でのマーケティング活動に大いに役立つとして、北京泰徳製薬は当社の支援を高く評価しました。
また、北京泰徳製薬の100%子会社である河北鼎泰有限公司(医薬品中間体及び医薬品原薬の研究/製造/販売を行う会社)への支援活動も当中間会計期間に行いました。具体的には、同社が日本の製薬企業からの受託製造を受注できるように、当社が現地視察後、当社HPにこの会社の特徴や強みを紹介しました。
一方、北京泰徳製薬董事長でありシノバイオのCEOでもある謝承潤氏と、当社CEOの水島徹が日本で面談しました。十分な情報共有と今後の戦略に関する深い議論がなされ、大変有意義な面談となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当中間会計期間末における現金及び現金同等物は、前事業年度末と比較して555,089千円増加し、3,198,983千円となりました。
当中間会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、566,617千円となりました(前年同期は660,966千円の資金を得られました)。これは、利息及び配当金の受取額が1,230,312千円発生したことが主な要因であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、11,184千円となりました(前年同期は27,265千円の資金を得られました)。これは敷金及び保証金の差入による支出12,490千円が主な要因であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、342千円となりました(前年同期は126,725千円の資金の使用がありました)。これは配当金の支払342千円が要因であります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社の業務は、業務の性格上、生産実績として把握することが困難であるため、その実績は記載しておりません。
b.受注実績
当社の売上高(事業収益)は、シノバイオ及び北京泰德製薬の包括的支援契約に基づく報酬等であり、受注生産は行っておりませんのでその実績は記載しておりません。
c.販売実績
当社は単一セグメントであり、その実績は以下のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当中間会計期間 (自 2024年4月1日 至 2024年9月30日) | 前年同期比(%) |
| 創薬事業(千円) | 21,707 | 57.2 |
| 合計(千円) | 21,707 | 57.2 |
(注)前中間会計期間及び当中間会計期間の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前中間会計期間 (自2023年4月1日 至2023年9月30日) | 当中間会計期間 (自2024年4月1日 至2024年9月30日) | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| 中国生物製薬有限公司 (Sino Biopharmaceutical Limited) | 18,000 | 47.5 | 18,000 | 82.9 |
| 北京泰德製薬股份有限公司 | 16,431 | 43.3 | 2,207 | 10.1 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当中間会計期間末において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社の中間財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この中間財務諸表の作成にあたり、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っておりますが、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。また、重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況」に記載のとおりであります。
②当中間会計期間の財政状態の分析
(資産の部)
当中間会計期間末における資産合計の残高は、前事業年度末と比較して817,474千円増加して5,155,065千円となりました。この主な要因は、現金及び預金が555,089千円増加したこと等によるものであります。
(負債の部)
当中間会計期間末における負債合計の残高は、前事業年度末と比較して10,587千円増加して175,129千円となりました。この主な要因は、未払法人税等が21,592千円増加したこと等によるものであります。
(純資産の部)
当中間会計期間末における純資産の残高は、前事業年度末と比較して806,886千円増加して4,979,936千円となりました。この主な要因は、繰越利益剰余金が807,800千円増加したこと等によるものであります。
③当中間会計期間の経営成績の分析
(売上高)
当中間会計期間の売上高は、21,707千円(前年同期37,931千円)となりました。この主な要因は、シノバイオとの業務提携契約、北京泰徳製薬との包括的支援業務契約によるものであります。
(営業損失)
当中間会計期間の営業損失は、286,588千円(前年同期営業損失332,824千円)となりました。この主な要因は、販売費及び一般管理費の研究開発費が減少したことによるものであります。
(経常利益)
当中間会計期間の経常利益は、952,773千円(前年同期比11.5%増)となりました。この主な要因は、受取配当金の増加等によるものであります。
(中間純利益)
当中間会計期間の中間純利益は、807,800千円(前年同期比9.7%増)となりました。この主な要因は、経常利益が増加したことによるものであります。
④資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社の事業資金は北京泰德製薬の配当金によりそのほとんどが賄われており、キャッシュ・フローの状況につきましては、前記「(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。