有価証券報告書-第22期(2023/04/01-2024/03/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当事業年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりであります。
a.財政状態
当事業年度末の資産合計は、前事業年度末と比較して122,668千円増加して4,337,590千円となりました。当事業年度末の負債合計は、前事業年度末と比較して47,901千円減少して164,541千円となりました。当事業年度末の純資産合計は、前事業年度末と比較して170,569千円増加して4,173,049千円となりました。
b.経営成績
当事業年度のわが国経済は、円安・物価高・物不足などの影響により厳しい状況が続いている一方で、株高・賃上げなど、明るい兆しも感じられるようになりました。
医薬品業界では、薬剤費の抑制、新薬開発コストの増大などの問題は厳しさを増していますが、アルツハイマー病治療薬レカネマブの承認などもあり、国民の製薬企業への期待は高まっています。当社も「DR(ドラッグ・リポジショニング)のパイオニア企業」という自負を持ち、優れた医薬品を世界中の人々に届けられるよう尽力しております。
このような環境の中、当社の当事業年度の売上高は、シノバイオとの業務提携契約及び北京泰徳製薬との包括的支援契約に基づく報酬や中国向けの医薬品原料販売等により74,912千円(前期比390.5%増)となりました。販売費及び一般管理費の研究開発費は、CIPN(化学療法誘発性末梢神経障害)を対象とする臨床試験費用等により518,271千円(前期比18.6%減)、販売費及び一般管理費のその他は178,903千円(前期比26.2%減)となったため、営業損失は649,463千円(前期は営業損失864,730千円)となりました。営業外収益として、北京泰徳製薬の2022年12月期に属する配当金1,147,392千円を計上しました。以上のことから、経常利益は555,153千円(前期比585.3%増)、当期純利益は299,412千円(前期比326.1%増)となりました。
創薬事業における現在開発中のパイプラインの状況は下記のとおりであります。

「PC-SOD(LT-1001)」に関しては、オキサリプラチンによるCIPN(化学療法誘発性末梢神経障害)を対象とする前期第Ⅱ相臨床試験では、一部の副次的評価項目においては目標とした有意水準で有効性を示すことに成功しました。またこの臨床試験で本剤の新たな薬理効果も発見され、当該薬理効果に関して用途特許を出願しました。そこで、治験薬の製造スケジュールを決定したり、PMDA(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)との相談(対面助言)を実施したりするなど、次の臨床試験に向けて準備を進めております。
ノーベルファーマ株式会社との共同開発では、同社が既に発売している既承認薬(LT-5001)を別の疾患に適応拡大(DR)することを目指し、臨床試験を共同で実施したところ、統計的有意差を持って有効性を確認することができました。そこで第Ⅲ相臨床試験を開始し当事業年度に終了しました。残念ながら目標とした有意水準では有効性は確認できず、この対象疾患に関して承認申請を行うことは難しいと判断しました。一方、この第Ⅲ相臨床試験とは別の対象疾患(非開示)に対する LT-5001 の第Ⅲ相臨床試験(医師主導治験)を当事業年度に開始しました。被験者登録も順調に進んでおりますので、2024年中には結果が判明すると考えております。
当事業年度で最も注力したのは、CIPN治療薬としてのPC-SOD(LT-1001)のライセンス活動です。国内に関しては、これまでの事業開発活動から絞り込んだ数社の製薬企業と秘密保持契約を取り交わし、現在先方企業が評価を進めております。海外に関しましても、海外でのライセンス会議をきっかけに多くの企業が関心を持ち、既に秘密保持契約を取り交わした企業も複数あります。CIPNに関しては現在治療薬がなく、世界的に見ても当社がその開発のトップランナーとして走っています。海外での開発パートナーもなるべく早く決定し、この薬を世界中の患者に届けたいと考えております。
以上、主要なパイプラインの研究開発状況につきましては「6研究開発活動」に記載しております。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物は、前事業年度末に比べ269,718千円増加し、2,643,894千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得た資金は、355,822千円(前事業年度は64,229千円の収入)となりました。この主な要因は、利息及び配当金の受取額が253,557千円増加したこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により得た資金は、41,061千円(前事業年度は403,034千円の支出)となりました。この主な理由は、投資有価証券の償還による収入700,000千円があったこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は、前事業年度と比較して126,929千円増加し127,165千円となりました。これは、配当金の支払額127,165千円があったことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社の業務は、業務の性格上、生産実績として把握することが困難であるため、その実績は記載しておりません。
b.受注実績
当社の売上高(事業収益)は、北京泰徳製薬の包括的支援契約に基づく報酬等であり、受注生産は行っておりませんのでその実績は記載しておりません。
c.販売実績
当社は単一セグメントであり、その実績は以下のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当事業年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 前期比(%) |
| 創薬事業(千円) | 74,912 | 490.5 |
| 合計(千円) | 74,912 | 490.5 |
(注)最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、以下のとおりであります。
| 相手先 | 前事業年度 (自2022年4月1日 至2023年3月31日) | 当事業年度 (自2023年4月1日 至2024年3月31日) | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| 中国生物製薬有限公司 | 12,000 | 78.5 | 36,000 | 48.0 |
| 北京泰德製薬股份有限公司 | 2,071 | 13.5 | 32,862 | 43.8 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(資産の部)
当事業年度末における資産合計の残高は、前事業年度末と比較して122,668千円増加して4,337,590千円となりました。この主な要因は、現預金の増加によるものであります。
(負債の部)
当事業年度末における負債合計の残高は、前事業年度末と比較して47,901千円減少して164,541千円となりました。この主な要因は、未払金が減少したことによるものであります。
(純資産の部)
当事業年度末における純資産の残高は、前事業年度末と比較して170,569千円増加して4,173,049千円となりました。この主な要因は、繰越利益剰余金が167,544千円増加したことによるものであります。
(売上高)
当事業年度の売上高は、74,912千円(前期比390.5%増)となりました。内容は北京泰德製薬股份有限公司に対する包括的支援契約による報酬や中国生物製薬(シノバイオ)との事業提携契約による報酬等が主なものとなっております。
(営業損失)
当事業年度の営業損失は、649,463千円(前事業年度は営業損失864,730千円)となりました。この主な要因は、売上高の増加や研究開発費の減少等によるものであります。
(経常利益)
当事業年度の経常利益は、555,153千円(前期比585.3%増)となりました。この主な要因は、受取配当金の増加等によるものであります。
(当期純利益)
当事業年度の当期純利益は、299,412千円(前期比326.1%増)となりました。この主な要因は、経常利益が増加したことによるものであります。
②資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社の事業資金は北京泰徳製薬の配当金によりそのほとんどが賄われており、キャッシュ・フローの状況につきましては、前記「(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。