四半期報告書-第15期第1四半期(平成31年4月1日-令和1年6月30日)
(1) 業績の状況
当社グループの当第1四半期連結累計期間の売上収益は、前年同四半期比235億円(10.4%)増収の2,492億円となりました。エドキサバン等の主力品の伸長に加え、アストラゼネカ社とのDS-8201(抗HER2 ADC)のグローバル開発及び商業化に係る契約一時金の収益計上(当第1四半期連結累計期間の期間対応額:25億円)等により、増収となりました。売上収益に係る為替の減収影響は22億円となりました。
営業利益は、前年同四半期比271億円(90.5%)増益の570億円となりました。売上総利益は、売上収益の増収に加え、販売製品の構成比の変化に伴い、売上原価率が改善したため、204億円(14.4%)増益の1,613億円となりました。販売費及び一般管理費は、有形固定資産売却益の増加に伴う販売費及び一般管理費の減少影響等により、25億円(3.7%)減少の632億円となりました。研究開発費は、アストラゼネカ社とのDS-8201に係る開発費折半の影響等により、43億円(9.4%)減少の412億円となりました。営業利益に係る為替の減益影響は12億円となりました。
税引前四半期利益は、前年同四半期比274億円(92.6%)増益の571億円となりました。
親会社の所有者に帰属する四半期利益は、前年同四半期比194億円(81.0%)増益の433億円となりました。
四半期包括利益合計額は、前年同四半期比741億円(72.8%)減益の277億円となりました。前年同四半期に、過年度の当社グループの事業再編に係る税金負債を取崩していたこと等から、大幅な減益となりました。
当社グループの主な地域別売上状況は次のとおりであります。
① 日本
日本の売上収益は、前年同四半期比121億円(8.5%)増収の1,544億円となりました。
[国内医薬事業]
国内医薬事業では、リクシアナ、ネキシウム、プラリア、ビムパット、カナリア等の主力品の伸長及びオーソライズド・ジェネリック(注1)製品の寄与により、売上収益は150億円(12.1%)増収の1,390億円となりました。なお、この売上収益には、ワクチン事業の売上収益及び第一三共エスファ㈱が取り扱うジェネリック事業の売上収益が含まれております。
当社は、2019年4月にタリージェ(一般名:ミロガバリンベシル酸塩)を末梢性神経障害性疼痛の適応症で、新発売いたしました。
当社は、2019年5月にミネブロ(一般名:エサキセレノン)を高血圧症の適応症で、新発売いたしました。
当社は、造影剤4製品(オムニパーク、オムニスキャン、ビジパーク、ソナゾイド)の独占的開発及び販売権を米国GEヘルスケア社に返還し、製造販売承認を同社の日本法人であるGEヘルスケアファーマ㈱に承継することを、2019年6月に決定いたしました。
(注)1.オーソライズド・ジェネリック:先発医薬品メーカーからの許諾を受けて製造される後発医薬品
[ヘルスケア事業]
ヘルスケア事業の売上収益は、第一三共ヘルスケア㈱が取り扱う製品の販売実績は前年同四半期並みであったものの、新会計基準の適用に伴う会計処理の変更(注2)により、30億円(16.1%)減収の154億円となりました。
(注)2.新会計基準の適用に伴う会計処理の変更:2019年3月期第2四半期以降、販売費及び一般管理費として計上していた販売奨励金を売上控除として計上
<日本の主な売上構成>(単位:億円)
(注)3.ジェネリック事業、ワクチン事業を含む
<国内医薬主力品売上収益>(単位:億円)
② 北米
北米の売上収益は、前年同四半期比42億円(10.6%)増収の438億円、現地通貨ベースでは、3千5百万米ドル(9.7%)増収の3億9千8百万米ドルとなりました。なお、この売上収益には、第一三共Inc.とアメリカン・リージェントInc.の売上収益が含まれております。
第一三共Inc.では、ウェルコールが減収となりました。
アメリカン・リージェントInc.では、インジェクタファーが増収となりました。
<第一三共Inc.主力品売上収益>(単位:百万米ドル)
(注)4.ベニカー/ベニカーHCT、エイゾール、トライベンゾール及びオルメサルタンのオーソライズド・ジェネリック
<アメリカン・リージェントInc.主力品売上収益>(単位:百万米ドル)
③ 欧州
欧州の売上収益は、前年同四半期並みの221億円(前年同四半期比0.3%減)、現地通貨ベースでは1億7千9百万ユーロ(前年同四半期比5.0%増)となりました。オルメサルタン及び配合剤が減収となったものの、リクシアナが伸長いたしました。
<第一三共ヨーロッパGmbH主力品売上収益>(単位:百万ユーロ)
(注)5.オルメテック/オルメテックプラス、セビカー及びセビカーHCT
④ アジア・中南米
アジア・中南米の売上収益は、前年同四半期比46億円(23.6%)増収の243億円となりました。なお、この売上収益には、海外ライセンシーへの売上収益等が含まれております。中国では、オルメサルタン及び配合剤並びに合成抗菌剤クラビット等の主力品が増収となりました。
(2) 財政状態
当第1四半期連結会計期間末における資産合計は2兆610億円となりました。有形固定資産が増加した一方で、営業債権及びその他の債権の減少等により、前連結会計年度末より271億円の減少となりました。
負債合計は8,061億円となりました。その他の金融負債(非流動負債)が増加した一方で、営業債務及びその他の債務、並びに社債及び借入金(流動負債)の減少等により、前連結会計年度末より323億円の減少となりました。
資本合計は1兆2,549億円となりました。配当金の支払による減少があった一方で、四半期利益の計上等により、前連結会計年度末より52億円の増加となりました。
親会社所有者帰属持分比率は60.9%となり、前連結会計年度末から1.0%増加しております。
(3) キャッシュ・フローの状況
当第1四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は、期首に比べ177億円増加し、2,609億円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前四半期利益571億円に加え、営業債権及びその他の債権の減少(主にDS-8201に係るアストラゼネカ社からの契約一時金の収入:745億円)による資金の増加等により、776億円の収入(前年同四半期は118億円の支出)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、設備投資による支出があった一方で、定期預金の払戻による収入等により、56億円の収入(前年同四半期は310億円の支出)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払や社債の償還等により、613億円の支出(前年同四半期は231億円の支出)となりました。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発費は412億円(前年同四半期比9.4%減)となり、売上収益に対する研究開発費の比率は16.5%となりました。
(6) 経営成績に重要な影響を与える要因
当第1四半期連結累計期間において、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因に重要な変更はありま
せん。
当社グループの当第1四半期連結累計期間の売上収益は、前年同四半期比235億円(10.4%)増収の2,492億円となりました。エドキサバン等の主力品の伸長に加え、アストラゼネカ社とのDS-8201(抗HER2 ADC)のグローバル開発及び商業化に係る契約一時金の収益計上(当第1四半期連結累計期間の期間対応額:25億円)等により、増収となりました。売上収益に係る為替の減収影響は22億円となりました。
営業利益は、前年同四半期比271億円(90.5%)増益の570億円となりました。売上総利益は、売上収益の増収に加え、販売製品の構成比の変化に伴い、売上原価率が改善したため、204億円(14.4%)増益の1,613億円となりました。販売費及び一般管理費は、有形固定資産売却益の増加に伴う販売費及び一般管理費の減少影響等により、25億円(3.7%)減少の632億円となりました。研究開発費は、アストラゼネカ社とのDS-8201に係る開発費折半の影響等により、43億円(9.4%)減少の412億円となりました。営業利益に係る為替の減益影響は12億円となりました。
税引前四半期利益は、前年同四半期比274億円(92.6%)増益の571億円となりました。
親会社の所有者に帰属する四半期利益は、前年同四半期比194億円(81.0%)増益の433億円となりました。
四半期包括利益合計額は、前年同四半期比741億円(72.8%)減益の277億円となりました。前年同四半期に、過年度の当社グループの事業再編に係る税金負債を取崩していたこと等から、大幅な減益となりました。
当社グループの主な地域別売上状況は次のとおりであります。
① 日本
日本の売上収益は、前年同四半期比121億円(8.5%)増収の1,544億円となりました。
[国内医薬事業]
国内医薬事業では、リクシアナ、ネキシウム、プラリア、ビムパット、カナリア等の主力品の伸長及びオーソライズド・ジェネリック(注1)製品の寄与により、売上収益は150億円(12.1%)増収の1,390億円となりました。なお、この売上収益には、ワクチン事業の売上収益及び第一三共エスファ㈱が取り扱うジェネリック事業の売上収益が含まれております。
当社は、2019年4月にタリージェ(一般名:ミロガバリンベシル酸塩)を末梢性神経障害性疼痛の適応症で、新発売いたしました。
当社は、2019年5月にミネブロ(一般名:エサキセレノン)を高血圧症の適応症で、新発売いたしました。
当社は、造影剤4製品(オムニパーク、オムニスキャン、ビジパーク、ソナゾイド)の独占的開発及び販売権を米国GEヘルスケア社に返還し、製造販売承認を同社の日本法人であるGEヘルスケアファーマ㈱に承継することを、2019年6月に決定いたしました。
(注)1.オーソライズド・ジェネリック:先発医薬品メーカーからの許諾を受けて製造される後発医薬品
[ヘルスケア事業]
ヘルスケア事業の売上収益は、第一三共ヘルスケア㈱が取り扱う製品の販売実績は前年同四半期並みであったものの、新会計基準の適用に伴う会計処理の変更(注2)により、30億円(16.1%)減収の154億円となりました。
(注)2.新会計基準の適用に伴う会計処理の変更:2019年3月期第2四半期以降、販売費及び一般管理費として計上していた販売奨励金を売上控除として計上
<日本の主な売上構成>(単位:億円)
区分 | 前第1四半期 連結累計期間 | 当第1四半期 連結累計期間 | 対前年同四半期増減 |
国内医薬事業(注)3 | 1,239 | 1,390 | 150 12.1% |
ヘルスケア事業 | 184 | 154 | △30 △16.1% |
(注)3.ジェネリック事業、ワクチン事業を含む
<国内医薬主力品売上収益>(単位:億円)
製品名 | 前第1四半期 連結累計期間 | 当第1四半期 連結累計期間 | 対前年同四半期増減 |
リクシアナ抗凝固剤 | 147 | 216 | 68 46.4% |
ネキシウム 抗潰瘍剤 | 198 | 219 | 21 10.6% |
メマリーアルツハイマー型認知症治療剤 | 129 | 137 | 8 6.4% |
プラリア 骨粗鬆症治療剤・関節リウマチに伴う骨びらんの進行抑制剤 | 66 | 82 | 16 23.5% |
テネリア 2型糖尿病治療剤 | 64 | 69 | 5 7.6% |
ロキソニン 消炎鎮痛剤 | 79 | 78 | △1 △1.4% |
イナビル 抗インフルエンザウイルス剤 | 1 | 0 | △0 △21.3% |
ランマーク がん骨転移による骨病変治療剤 | 39 | 47 | 7 18.7% |
エフィエント 抗血小板剤 | 36 | 38 | 2 6.6% |
レザルタス 高血圧症治療剤 | 41 | 42 | 1 2.0% |
カナリア 2型糖尿病治療剤 | 20 | 32 | 12 61.1% |
ビムパット 抗てんかん剤 | 14 | 27 | 13 91.1% |
オムニパーク 造影剤 | 33 | 30 | △2 △7.1% |
オルメテック 高血圧症治療剤 | 42 | 35 | △6 △14.9% |
② 北米
北米の売上収益は、前年同四半期比42億円(10.6%)増収の438億円、現地通貨ベースでは、3千5百万米ドル(9.7%)増収の3億9千8百万米ドルとなりました。なお、この売上収益には、第一三共Inc.とアメリカン・リージェントInc.の売上収益が含まれております。
第一三共Inc.では、ウェルコールが減収となりました。
アメリカン・リージェントInc.では、インジェクタファーが増収となりました。
<第一三共Inc.主力品売上収益>(単位:百万米ドル)
製品名 | 前第1四半期 連結累計期間 | 当第1四半期 連結累計期間 | 対前年同四半期増減 |
オルメサルタン(注)4 高血圧症治療剤 | 29 | 28 | △1 △2.6% |
ウェルコール 高コレステロール血症治療剤 ・2型糖尿病治療剤 | 45 | 23 | △21 △47.6% |
(注)4.ベニカー/ベニカーHCT、エイゾール、トライベンゾール及びオルメサルタンのオーソライズド・ジェネリック
<アメリカン・リージェントInc.主力品売上収益>(単位:百万米ドル)
製品名 | 前第1四半期 連結累計期間 | 当第1四半期 連結累計期間 | 対前年同四半期増減 |
インジェクタファー 鉄欠乏性貧血治療剤 | 103 | 125 | 22 21.6% |
ヴェノファー 鉄欠乏性貧血治療剤 | 75 | 85 | 9 12.1% |
③ 欧州
欧州の売上収益は、前年同四半期並みの221億円(前年同四半期比0.3%減)、現地通貨ベースでは1億7千9百万ユーロ(前年同四半期比5.0%増)となりました。オルメサルタン及び配合剤が減収となったものの、リクシアナが伸長いたしました。
<第一三共ヨーロッパGmbH主力品売上収益>(単位:百万ユーロ)
製品名 | 前第1四半期 連結累計期間 | 当第1四半期 連結累計期間 | 対前年同四半期増減 |
リクシアナ 抗凝固剤 | 75 | 109 | 35 46.2% |
オルメサルタン(注)5 高血圧症治療剤 | 63 | 52 | △11 △17.8% |
エフィエント 抗血小板剤 | 15 | 6 | △8 △56.4% |
(注)5.オルメテック/オルメテックプラス、セビカー及びセビカーHCT
④ アジア・中南米
アジア・中南米の売上収益は、前年同四半期比46億円(23.6%)増収の243億円となりました。なお、この売上収益には、海外ライセンシーへの売上収益等が含まれております。中国では、オルメサルタン及び配合剤並びに合成抗菌剤クラビット等の主力品が増収となりました。
(2) 財政状態
当第1四半期連結会計期間末における資産合計は2兆610億円となりました。有形固定資産が増加した一方で、営業債権及びその他の債権の減少等により、前連結会計年度末より271億円の減少となりました。
負債合計は8,061億円となりました。その他の金融負債(非流動負債)が増加した一方で、営業債務及びその他の債務、並びに社債及び借入金(流動負債)の減少等により、前連結会計年度末より323億円の減少となりました。
資本合計は1兆2,549億円となりました。配当金の支払による減少があった一方で、四半期利益の計上等により、前連結会計年度末より52億円の増加となりました。
親会社所有者帰属持分比率は60.9%となり、前連結会計年度末から1.0%増加しております。
(3) キャッシュ・フローの状況
当第1四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は、期首に比べ177億円増加し、2,609億円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前四半期利益571億円に加え、営業債権及びその他の債権の減少(主にDS-8201に係るアストラゼネカ社からの契約一時金の収入:745億円)による資金の増加等により、776億円の収入(前年同四半期は118億円の支出)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、設備投資による支出があった一方で、定期預金の払戻による収入等により、56億円の収入(前年同四半期は310億円の支出)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払や社債の償還等により、613億円の支出(前年同四半期は231億円の支出)となりました。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発費は412億円(前年同四半期比9.4%減)となり、売上収益に対する研究開発費の比率は16.5%となりました。
(6) 経営成績に重要な影響を与える要因
当第1四半期連結累計期間において、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因に重要な変更はありま
せん。