有価証券報告書-第14期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2019年6月17日)現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、積極的なグローバル事業の展開による企業価値の向上に資するために、基準とすべき会計及び財務報告のあり方を検討した結果、資本市場における財務情報の国際的な比較、グループ内での会計処理の統一、グローバル市場における資金調達手段の多様化等を目的として、2014年3月期よりIFRSを適用しております。
当社グループの連結財務諸表の作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としており、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 3 重要な会計方針」に記載しております。
(1) 業績等の概要
当社グループの当連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)の売上収益は、前連結会計年度比305億円(3.2%)減収の9,297億円となりました。エドキサバン等の主力品が伸長したものの、独占販売期間の満了によるオルメサルタンの減収及び薬価制度改革に伴う薬価引下げの影響等により、減収となりました。売上収益に係る為替の減収影響は32億円となりました。
営業利益は、前連結会計年度比74億円(9.7%)増益の837億円となりました。売上総利益は、売上収益の減収に加え、販売製品の構成比の変化及び抗悪性腫瘍剤ゼルボラフ等に関する無形資産の減損損失(151億円)を計上したこと等により、売上原価が増加したため、491億円(8.0%)減益の5,651億円となりました。販売費及び一般管理費は、米国における経費削減効果に加え、有形固定資産売却益の増加に伴う販売費及び一般管理費の減少影響等により、242億円(8.0%)減少の2,777億円となりました。研究開発費は、前連結会計年度は制吐剤配合麻薬性鎮痛剤CL-108等に関する無形資産の減損損失(302億円)等を計上していたものの、当連結会計年度は減損損失が無かったため、323億円(13.7%)減少の2,037億円となりました。営業利益に係る為替の減益影響は14億円となりました。
税引前利益は、前連結会計年度比48億円(5.9%)増益の858億円となりました。外貨建資産等に係る為替差損益が悪化したこと等から、営業利益に比べて小幅な増益となりました。
親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度比331億円(55.0%)増益の934億円となりました。アストラゼネカ社とのDS-8201(抗HER2 ADC)に関する戦略提携に伴い、将来の課税所得見込み額が増加いたしました。その結果、繰延税金資産の追加計上が可能となり、法人税等が大幅に減額となったことから、大幅な増益となりました。
当期包括利益合計額は、前連結会計年度比1,020億円(164.8%)増益の1,639億円となりました。過年度の当社グループの事業再編に係る税金負債を取崩したこと等から、前連結会計年度に比べ、大幅な増益となりました。
地域別の売上状況は次のとおりであります。
① 日本
日本の売上収益は、前連結会計年度比232億円(3.8%)減収の5,897億円となりました。
[国内医薬事業]
国内医薬事業では、リクシアナ、カナリア、プラリア、ビムパット等の主力品の伸長及びオーソライズド・ジェネリック(注1)製品の寄与があったものの、薬価制度改革に伴う薬価引下げの影響及び独占販売期間の満了によるオルメテックの減収等により、売上収益は167億円(3.1%)減収の5,233億円となりました。この売上収益には、第一三共エスファ㈱が取り扱うジェネリック事業、並びに北里第一三共ワクチン㈱及びジャパンワクチン㈱等が取り扱うワクチン事業の売上収益が含まれております。なお、ジャパンワクチン㈱の事業を当社及びグラクソ・スミスクライン㈱に譲渡し、合弁事業を解消することを2018年12月に決定いたしました。
当社は、ヒドロモルフォン塩酸塩を主成分とする癌疼痛治療用注射剤ナルベイン注を2018年5月に新発売いたしました。さらに、経皮吸収型 持続性癌疼痛治療剤フェンタニルクエン酸塩1日用テープ「第一三共」を6月に新発売いたしました。医療用麻薬製品のラインナップを拡充することにより、がん疼痛治療の多様なニーズに応えて参ります。
当社は、当社及び当社の子会社である第一三共エスファ㈱が製造販売を行っている長期収載品41製品について、国内の製造販売承認をアルフレッサ ファーマ㈱に承継(譲渡)することを、2018年7月に決定いたしました。
当社は、抗HER2抗体トラスツズマブのバイオ後続品である抗悪性腫瘍剤トラスツズマブBS点滴静注用「第一三共」を2018年11月に新発売いたしました。
当社は、抗てんかん剤ビムパットのドライシロップ及び点滴静注を2019年3月に新発売いたしました。
(注)1.オーソライズド・ジェネリック:先発医薬品メーカーからの許諾を受けて製造される後発医薬品。
[ヘルスケア事業]
ヘルスケア事業の売上収益は、第一三共ヘルスケア㈱が取り扱うトランシーノシリーズ等が伸長いたしました。一方、新会計基準の適用に伴う会計処理の変更(従来、販売費及び一般管理費として計上していた販売奨励金を、当連結会計年度より売上控除として計上)により、65億円(9.0%)減収の664億円となりました。
<日本の主な売上構成>(単位:億円)
(注)2.ジェネリック事業、ワクチン事業を含む。
<国内医薬主力品売上収益>(単位:億円)
② 北米
2019年1月より、旧ルイトポルド・ファーマシューティカルズInc.の会社名をアメリカン・リージェントInc.に変更いたしました。製品ブランド「アメリカン・リージェント」は、従来から、ほとんどの同社製品に使用され、米国で広く普及しております。
北米の売上収益は、前連結会計年度比261億円(14.5%)減収の1,541億円、現地通貨ベースでは、2億3千6百万米ドル(14.5%)減収の13億8千9百万米ドルとなりました。この売上収益には、第一三共Inc.とアメリカン・リージェントInc.の売上収益が含まれております。
第一三共Inc.では、5月にジェネリック品が参入したウェルコールに加え、オルメサルタン及び配合剤、エフィエントが減収となりました。
アメリカン・リージェントInc.では、インジェクタファーが増収となりました。
<第一三共Inc.主力品売上収益>(単位:百万米ドル)
(注)3.ベニカー/ベニカーHCT、エイゾール、トライベンゾール及びオルメサルタンのオーソライズド・ジェネリック
<アメリカン・リージェントInc.(注4)主力品売上収益>(単位:百万米ドル)
(注)4.旧ルイトポルド・ファーマシューティカルズInc.
③ 欧州
欧州の売上収益は、前連結会計年度期比91億円(11.5%)増収の886億円、現地通貨ベースでは7千7百万ユーロ(12.6%)増収の6億9千万ユーロとなりました。オルメサルタン及び配合剤、エフィエントが減収となったものの、リクシアナが伸長したこと等により、増収となりました。
第一三共ヨーロッパGmbHは、高コレステロール血症治療剤ベムペド酸の欧州における独占的販売権を取得するライセンス契約を2019年1月に米国Esperion Therapeutics, Inc.と締結いたしました。
<第一三共ヨーロッパGmbH主力品売上収益>(単位:百万ユーロ)
(注)5.オルメテック/オルメテックプラス、セビカー及びセビカーHCT
④ アジア・中南米
アジア・中南米の売上収益は、前連結会計年度期比73億円(9.0%)増収の877億円となりました。なお、この売上収益には、海外ラインセンシーへの売上収益等が含まれております。
中国では、合成抗菌剤クラビット等の主力品が増収となりました。
韓国では、リクシアナやオルメサルタン及び配合剤等が増収となりました。
(2) 生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
(注)1.金額は正味販売価格によっております。
2.上記金額には消費税等を含めておりません。
② 受注実績
当社グループは、主に販売計画に基づいて生産計画を策定し、これにより生産を行っております。受注生産は一部の連結子会社で行っておりますが、受注残高の金額に重要性はないため、記載を省略しております。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
(注)1.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
2.上記金額には消費税等を含めておりません。
(3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループは、「がんに強みを持つ先進的グローバル創薬企業」となることを2025年ビジョンとして掲げ、研究開発活動、ライセンス活動に取り組んでおります。当社グループでは、引き続き財務の健全性を保ち、営業活動によるキャッシュ・フローを創出すること等によって、必要な資金調達が可能であると考えております。
① 財政状態
当連結会計年度末における資産合計は2兆881億円となりました。営業債権及びその他の債権の増加等により、前連結会計年度末より1,903億円の増加となりました。
負債合計は8,383億円となりました。未払法人所得税及び引当金が減少した一方で、営業債務及びその他の債務、並びにその他の非流動負債の増加等により、前連結会計年度末より736億円の増加となりました。
資本合計は1兆2,497億円となりました。配当金の支払により減少した一方で、当期利益の計上等により、前連結会計年度末より1,167億円の増加となりました。
親会社所有者帰属持分比率は59.8%となり、前連結会計年度末より0.1%増加いたしました。
② キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、1,145億円減少の2,432億円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前利益858億円、減価償却費及び償却費462億円、及び減損損失152億円等の非資金項目の他、法人所得税の支払等による資金の減少により、920億円の収入(前連結会計年度は1,084億円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金への預入による支出及び設備投資や無形資産の取得による支出等により、1,425億円の支出(前連結会計年度は1,086億円の収入)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払及び借入金の返済等により、662億円の支出(前連結会計年度は1,018億円の支出)となりました。
(4) 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2018年10月、DS-8201をはじめとするがん領域の新製品開発が順調に進む中、がん事業
の成長を加速させるため、当初の計数目標を見直しております。がん事業に投資を増強・集中することで、当初の2025年度売上収益目標3,000億円を上回る5,000億円に育てることを目指すことといたしました。また、当初の2020年度目標(売上収益1兆1,000億円、営業利益1,650億円、ROE8%以上)は2年遅れの2022年度の実現を目指すことといたしました。
当連結会計年度においては、売上収益9,297億円、営業利益837億円、ROE7.8%となりました。なお、目標達成に向けた主な取り組み課題と実績については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。
(5) 経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりであります。
(のれんの償却)
日本基準では、のれんは、その効果が発現すると見積もられる期間で償却することとしておりましたが、IFRSでは、IFRS移行日以降、のれんの償却を行わず、毎期減損テストを行っております。この結果、当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、日本基準に比べて61億円減少しております。
(無形資産)
日本基準では、技術導入契約の一時金等の支出は、費用として認識しておりましたが、IFRSでは、IAS第38号による無形資産の定義を満たすものについては資産化しております。この結果、当連結会計年度の研究開発費は、日本基準に比べて206億円減少しております。
(金融収益及び金融費用)
日本基準では、資本性金融商品の売却損益を純損益にて認識しておりましたが、IFRSでは、資本性金融商品の公正価値の変動を純損益ではなく、その他の包括利益として表示することを選択しております。この結果、当連結会計年度の税引前利益は、日本基準に比べて106億円減少しております。
(法人所得税)
日本基準では、資本性金融商品の売却損益に係る法人所得税費用を純損益にて認識しておりましたが、IFRSでは、資本性金融商品の公正価値の変動に係る法人所得税費用を純損益ではなく、その他の包括利益として表示することを選択しております。この結果、当連結会計年度の当期利益は、日本基準に比べて664億円減少しております。
なお、当連結会計年度の発生内容については「16.法人所得税」に記載しております。
当社グループは、積極的なグローバル事業の展開による企業価値の向上に資するために、基準とすべき会計及び財務報告のあり方を検討した結果、資本市場における財務情報の国際的な比較、グループ内での会計処理の統一、グローバル市場における資金調達手段の多様化等を目的として、2014年3月期よりIFRSを適用しております。
当社グループの連結財務諸表の作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としており、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 3 重要な会計方針」に記載しております。
(1) 業績等の概要
当社グループの当連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)の売上収益は、前連結会計年度比305億円(3.2%)減収の9,297億円となりました。エドキサバン等の主力品が伸長したものの、独占販売期間の満了によるオルメサルタンの減収及び薬価制度改革に伴う薬価引下げの影響等により、減収となりました。売上収益に係る為替の減収影響は32億円となりました。
営業利益は、前連結会計年度比74億円(9.7%)増益の837億円となりました。売上総利益は、売上収益の減収に加え、販売製品の構成比の変化及び抗悪性腫瘍剤ゼルボラフ等に関する無形資産の減損損失(151億円)を計上したこと等により、売上原価が増加したため、491億円(8.0%)減益の5,651億円となりました。販売費及び一般管理費は、米国における経費削減効果に加え、有形固定資産売却益の増加に伴う販売費及び一般管理費の減少影響等により、242億円(8.0%)減少の2,777億円となりました。研究開発費は、前連結会計年度は制吐剤配合麻薬性鎮痛剤CL-108等に関する無形資産の減損損失(302億円)等を計上していたものの、当連結会計年度は減損損失が無かったため、323億円(13.7%)減少の2,037億円となりました。営業利益に係る為替の減益影響は14億円となりました。
税引前利益は、前連結会計年度比48億円(5.9%)増益の858億円となりました。外貨建資産等に係る為替差損益が悪化したこと等から、営業利益に比べて小幅な増益となりました。
親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度比331億円(55.0%)増益の934億円となりました。アストラゼネカ社とのDS-8201(抗HER2 ADC)に関する戦略提携に伴い、将来の課税所得見込み額が増加いたしました。その結果、繰延税金資産の追加計上が可能となり、法人税等が大幅に減額となったことから、大幅な増益となりました。
当期包括利益合計額は、前連結会計年度比1,020億円(164.8%)増益の1,639億円となりました。過年度の当社グループの事業再編に係る税金負債を取崩したこと等から、前連結会計年度に比べ、大幅な増益となりました。
地域別の売上状況は次のとおりであります。
① 日本
日本の売上収益は、前連結会計年度比232億円(3.8%)減収の5,897億円となりました。
[国内医薬事業]
国内医薬事業では、リクシアナ、カナリア、プラリア、ビムパット等の主力品の伸長及びオーソライズド・ジェネリック(注1)製品の寄与があったものの、薬価制度改革に伴う薬価引下げの影響及び独占販売期間の満了によるオルメテックの減収等により、売上収益は167億円(3.1%)減収の5,233億円となりました。この売上収益には、第一三共エスファ㈱が取り扱うジェネリック事業、並びに北里第一三共ワクチン㈱及びジャパンワクチン㈱等が取り扱うワクチン事業の売上収益が含まれております。なお、ジャパンワクチン㈱の事業を当社及びグラクソ・スミスクライン㈱に譲渡し、合弁事業を解消することを2018年12月に決定いたしました。
当社は、ヒドロモルフォン塩酸塩を主成分とする癌疼痛治療用注射剤ナルベイン注を2018年5月に新発売いたしました。さらに、経皮吸収型 持続性癌疼痛治療剤フェンタニルクエン酸塩1日用テープ「第一三共」を6月に新発売いたしました。医療用麻薬製品のラインナップを拡充することにより、がん疼痛治療の多様なニーズに応えて参ります。
当社は、当社及び当社の子会社である第一三共エスファ㈱が製造販売を行っている長期収載品41製品について、国内の製造販売承認をアルフレッサ ファーマ㈱に承継(譲渡)することを、2018年7月に決定いたしました。
当社は、抗HER2抗体トラスツズマブのバイオ後続品である抗悪性腫瘍剤トラスツズマブBS点滴静注用「第一三共」を2018年11月に新発売いたしました。
当社は、抗てんかん剤ビムパットのドライシロップ及び点滴静注を2019年3月に新発売いたしました。
(注)1.オーソライズド・ジェネリック:先発医薬品メーカーからの許諾を受けて製造される後発医薬品。
[ヘルスケア事業]
ヘルスケア事業の売上収益は、第一三共ヘルスケア㈱が取り扱うトランシーノシリーズ等が伸長いたしました。一方、新会計基準の適用に伴う会計処理の変更(従来、販売費及び一般管理費として計上していた販売奨励金を、当連結会計年度より売上控除として計上)により、65億円(9.0%)減収の664億円となりました。
<日本の主な売上構成>(単位:億円)
| 区分 | 前連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 増減 |
| 国内医薬事業(注)2 | 5,400 | 5,233 | △167 △3.1% |
| ヘルスケア | 729 | 664 | △65 △9.0% |
(注)2.ジェネリック事業、ワクチン事業を含む。
<国内医薬主力品売上収益>(単位:億円)
| 製品名 | 前連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 増減 |
| ネキシウム抗潰瘍剤 | 865 | 783 | △83 △9.6% |
| リクシアナ抗凝固剤 | 453 | 649 | 196 43.2% |
| メマリーアルツハイマー型認知症治療剤 | 486 | 502 | 17 3.4% |
| ロキソニン 消炎鎮痛剤 | 365 | 305 | △60 △16.4% |
| プラリア骨粗鬆症治療剤・関節リウマチに伴う 骨びらんの進行抑制剤 | 232 | 274 | 42 18.1% |
| テネリア 2型糖尿病治療剤 | 263 | 253 | △10 △3.7% |
| イナビル 抗インフルエンザウイルス剤 | 253 | 182 | △71 △28.0% |
| オルメテック 高血圧症治療剤 | 446 | 149 | △297 △66.7% |
| ランマーク がん骨転移による骨病変治療剤 | 154 | 164 | 10 6.5% |
| エフィエント 抗血小板剤 | 128 | 139 | 11 8.3% |
| レザルタス 高血圧症治療剤 | 168 | 155 | △13 △7.5% |
| ユリーフ排尿障害治療剤 | 111 | 103 | △9 △7.7% |
| オムニパーク 造影剤 | 140 | 120 | △20 △14.4% |
| カナリア 2型糖尿病治療剤 | 27 | 92 | 65 241.9% |
| ビムパット抗てんかん剤 | 26 | 66 | 39 148.5% |
② 北米
2019年1月より、旧ルイトポルド・ファーマシューティカルズInc.の会社名をアメリカン・リージェントInc.に変更いたしました。製品ブランド「アメリカン・リージェント」は、従来から、ほとんどの同社製品に使用され、米国で広く普及しております。
北米の売上収益は、前連結会計年度比261億円(14.5%)減収の1,541億円、現地通貨ベースでは、2億3千6百万米ドル(14.5%)減収の13億8千9百万米ドルとなりました。この売上収益には、第一三共Inc.とアメリカン・リージェントInc.の売上収益が含まれております。
第一三共Inc.では、5月にジェネリック品が参入したウェルコールに加え、オルメサルタン及び配合剤、エフィエントが減収となりました。
アメリカン・リージェントInc.では、インジェクタファーが増収となりました。
<第一三共Inc.主力品売上収益>(単位:百万米ドル)
| 製品名 | 前連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 増減 |
| オルメサルタン(注)3高血圧症治療剤 | 192 | 97 | △96 △49.6% |
| ウェルコール高コレステロール血症治療剤 ・2型糖尿病治療剤 | 306 | 121 | △185 △60.5% |
| エフィエント抗血小板剤 | 96 | 22 | △74 △77.1% |
| サベイサ 抗凝固剤 | 20 | 21 | 1 5.8% |
| モバンティックオピオイド誘発性便秘薬 | 42 | 38 | △4 △9.7% |
(注)3.ベニカー/ベニカーHCT、エイゾール、トライベンゾール及びオルメサルタンのオーソライズド・ジェネリック
<アメリカン・リージェントInc.(注4)主力品売上収益>(単位:百万米ドル)
| 製品名 | 前連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 増減 |
| ヴェノファー鉄欠乏性貧血治療剤 | 279 | 261 | △18 △6.6% |
| インジェクタファー 鉄欠乏性貧血治療剤 | 310 | 399 | 89 28.7% |
(注)4.旧ルイトポルド・ファーマシューティカルズInc.
③ 欧州
欧州の売上収益は、前連結会計年度期比91億円(11.5%)増収の886億円、現地通貨ベースでは7千7百万ユーロ(12.6%)増収の6億9千万ユーロとなりました。オルメサルタン及び配合剤、エフィエントが減収となったものの、リクシアナが伸長したこと等により、増収となりました。
第一三共ヨーロッパGmbHは、高コレステロール血症治療剤ベムペド酸の欧州における独占的販売権を取得するライセンス契約を2019年1月に米国Esperion Therapeutics, Inc.と締結いたしました。
<第一三共ヨーロッパGmbH主力品売上収益>(単位:百万ユーロ)
| 製品名 | 前連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 増減 |
| オルメサルタン(注)5高血圧症治療剤 | 258 | 213 | △45 △17.5% |
| エフィエント抗血小板剤 | 62 | 44 | △17 △28.1% |
| リクシアナ 抗凝固剤 | 208 | 357 | 148 71.3% |
(注)5.オルメテック/オルメテックプラス、セビカー及びセビカーHCT
④ アジア・中南米
アジア・中南米の売上収益は、前連結会計年度期比73億円(9.0%)増収の877億円となりました。なお、この売上収益には、海外ラインセンシーへの売上収益等が含まれております。
中国では、合成抗菌剤クラビット等の主力品が増収となりました。
韓国では、リクシアナやオルメサルタン及び配合剤等が増収となりました。
(2) 生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
| 医薬事業 | 513,215 | 100.8 |
| 合計 | 513,215 | 100.8 |
(注)1.金額は正味販売価格によっております。
2.上記金額には消費税等を含めておりません。
② 受注実績
当社グループは、主に販売計画に基づいて生産計画を策定し、これにより生産を行っております。受注生産は一部の連結子会社で行っておりますが、受注残高の金額に重要性はないため、記載を省略しております。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
| 医薬事業 | 929,717 | 96.8 |
| 合計 | 929,717 | 96.8 |
(注)1.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| アルフレッサ ホールディングス 株式会社及びそのグループ会社 | 199,809 | 20.8 | 195,578 | 21.0 |
| 株式会社スズケン及びそのグループ会社 | 98,603 | 10.3 | 93,697 | 10.1 |
2.上記金額には消費税等を含めておりません。
(3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループは、「がんに強みを持つ先進的グローバル創薬企業」となることを2025年ビジョンとして掲げ、研究開発活動、ライセンス活動に取り組んでおります。当社グループでは、引き続き財務の健全性を保ち、営業活動によるキャッシュ・フローを創出すること等によって、必要な資金調達が可能であると考えております。
① 財政状態
当連結会計年度末における資産合計は2兆881億円となりました。営業債権及びその他の債権の増加等により、前連結会計年度末より1,903億円の増加となりました。
負債合計は8,383億円となりました。未払法人所得税及び引当金が減少した一方で、営業債務及びその他の債務、並びにその他の非流動負債の増加等により、前連結会計年度末より736億円の増加となりました。
資本合計は1兆2,497億円となりました。配当金の支払により減少した一方で、当期利益の計上等により、前連結会計年度末より1,167億円の増加となりました。
親会社所有者帰属持分比率は59.8%となり、前連結会計年度末より0.1%増加いたしました。
② キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、1,145億円減少の2,432億円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前利益858億円、減価償却費及び償却費462億円、及び減損損失152億円等の非資金項目の他、法人所得税の支払等による資金の減少により、920億円の収入(前連結会計年度は1,084億円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金への預入による支出及び設備投資や無形資産の取得による支出等により、1,425億円の支出(前連結会計年度は1,086億円の収入)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払及び借入金の返済等により、662億円の支出(前連結会計年度は1,018億円の支出)となりました。
(4) 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2018年10月、DS-8201をはじめとするがん領域の新製品開発が順調に進む中、がん事業
の成長を加速させるため、当初の計数目標を見直しております。がん事業に投資を増強・集中することで、当初の2025年度売上収益目標3,000億円を上回る5,000億円に育てることを目指すことといたしました。また、当初の2020年度目標(売上収益1兆1,000億円、営業利益1,650億円、ROE8%以上)は2年遅れの2022年度の実現を目指すことといたしました。
当連結会計年度においては、売上収益9,297億円、営業利益837億円、ROE7.8%となりました。なお、目標達成に向けた主な取り組み課題と実績については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。
(5) 経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりであります。
(のれんの償却)
日本基準では、のれんは、その効果が発現すると見積もられる期間で償却することとしておりましたが、IFRSでは、IFRS移行日以降、のれんの償却を行わず、毎期減損テストを行っております。この結果、当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、日本基準に比べて61億円減少しております。
(無形資産)
日本基準では、技術導入契約の一時金等の支出は、費用として認識しておりましたが、IFRSでは、IAS第38号による無形資産の定義を満たすものについては資産化しております。この結果、当連結会計年度の研究開発費は、日本基準に比べて206億円減少しております。
(金融収益及び金融費用)
日本基準では、資本性金融商品の売却損益を純損益にて認識しておりましたが、IFRSでは、資本性金融商品の公正価値の変動を純損益ではなく、その他の包括利益として表示することを選択しております。この結果、当連結会計年度の税引前利益は、日本基準に比べて106億円減少しております。
(法人所得税)
日本基準では、資本性金融商品の売却損益に係る法人所得税費用を純損益にて認識しておりましたが、IFRSでは、資本性金融商品の公正価値の変動に係る法人所得税費用を純損益ではなく、その他の包括利益として表示することを選択しております。この結果、当連結会計年度の当期利益は、日本基準に比べて664億円減少しております。
なお、当連結会計年度の発生内容については「16.法人所得税」に記載しております。