有価証券報告書-第157期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、豪雨・台風等の大規模な自然災害による影響があったものの、年初までは企業収益、雇用環境の改善が進み緩やかな回復基調で推移しました。しかしながら、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、飲食業・観光業等のサービス業をはじめ幅広い分野で影響がでており、先行きが不透明な状況にあります。
このような状況のもと、当社グループにおきましては、原材料のコストダウン等の原価改善に努めてまいりました。なお、当連結会計年度は新型コロナウイルス感染症による経営成績等への影響は軽微でありました。
その結果、当連結会計年度の売上高は40,866百万円(前年度比1.1%増)となりました。利益面につきましては、営業利益が1,045百万円(前年度比4.3%増)、経常利益が1,153百万円(前年度比7.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は726百万円(前年度比1.3%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
なお、セグメントの売上高には、セグメント間の内部売上高又は振替高が含まれております。
a. 印刷情報関連事業
印刷被写体においては、出版・文具用途では紙クロス・布クロスはクロス販売会社の子会社化による影響に加えて、紙クロスでは後半に教科書、小学校向け指導書の受注が伸び、前年度比増となりました。一方で文具用途のレザー製品は、主力の海外向けの受注が減少となった事が大きく影響して前年度比大幅減となりました。
また、産業用の品質表示ラベルは国内・海外ともに期を通して低調に推移し、前年度比減となりました。
印字媒体においては、主力のラベル等の印字用熱転写リボンは国内向けが若干低調でありましたが、海外向けは前年を上回り、全体では、ほぼ前年並みとなりました。
また、Dynic(U.K)Ltd.の業務の一部を新設したDYNIC(CZ)s.r.o.へ移管を進めてまいりました。
その結果、当セグメントの売上高は17,586百万円(前年度比1.6%増)、営業利益は印字媒体での為替影響や海外での体制見直しもあり、915百万円(前年度比7.7%減)となりました。
b. 住生活環境関連事業
不織布は、家電フィルター、住宅資材で苦戦しましたが、海外向けの車輛用フィルターの売上が伸び、前年並みとなりました。インテリアは、オリンピック関連の影響があったものの、後半に展示会開催の回数増加に伴う受注の増加で前年並みとなりました。
壁装材は、期を通じて販売量が堅調に推移し前年度比増となりました。
産業用ターポリンは、コンテナ等が堅調に推移し前年度比増となりました。
衣料用接着芯地は、国内・海外ともに低調で、前年度比減となりました。
当セグメントにおいては、販売・生産量が増加し、それに伴う原材料のコストダウン効果もあり、利益面での改善が図られました。
その結果、当セグメントの売上高は14,119百万円(前年度比2.1%増)、営業利益は535百万円(前年度比16.3%増)となりました。
c. 包材関連事業
食品包材・蓋材は、海外向けが堅調に推移し、前年度比増となりました。
また、利益面では原材料のコストダウンと工程費削減の効果により、利益改善が図られました。
食品鮮度保持剤は、ほぼ前年並みとなりました。
その結果、当セグメントの売上高は6,654百万円(前年度比2.1%増)、営業利益は425百万円(前年度比20.7%増)となりました。
d. その他
商品運送は、受注を選別したことなどから、前年度比減となりました。
ファンシー商品は、海外向けの売上が低調で前年度比減となりました。
その結果、売上高は3,767百万円(前年度比4.5%減)、営業利益は128百万円(前年度比8.3%減)となりました。
当連結会計年度末の資産、負債及び純資産の状況は次のとおりであります。
総資産は、前連結会計年度末と比較して1,835百万円減少し、52,752百万円となりました。これは主に電子記録債権が803百万円増加し、投資有価証券が2,882百万円減少したことなどによるものであります。
負債は、前連結会計年度末と比較して908百万円減少し、33,485百万円となりました。これは主に短期借入金が1,375百万円増加し、支払手形及び買掛金が1,595百万円、退職給付に係る負債が1,038百万円減少したことなどによるものであります。
純資産は、前連結会計年度末と比較して927百万円減少し、19,267百万円となりました。これは主に利益剰余金が514百万円増加し、その他有価証券評価差額金が1,522百万円減少したことなどによるものであります。
この結果、自己資本比率は35.8%(前連結会計年度末36.5%)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は3,269百万円と前年度と比べて186百万円の増加となりました。
営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益899百万円、減価償却費1,382百万円を計上した一方で、仕入債務の減少額1,587百万円、売上債権の増加額433百万円があったこと等により479百万円の収入となり、前年度と比べて416百万円の収入の減少となりました。
投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の純増加399百万円、有形固定資産の取得による支出1,111百万円等により1,541百万円の支出となり、前年度と比べて359百万円の支出の増加となりました。
財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の純増加1,492百万円、非支配株主からの払込みによる収入127百万円に対し、配当金の支払額212百万円等をあわせて1,264百万円の収入となり、前年度と比べて1,214百万円の収入の増加となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産高(千円) | 前年度比(%) |
| 印刷情報関連事業 | 9,676,924 | △0.3 |
| 住生活環境関連事業 | 7,789,960 | 3.7 |
| 包材関連事業 | 5,719,437 | △2.6 |
| その他 | 234,457 | 9.8 |
| 合計 | 23,420,778 | 0.5 |
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は、製造原価によっております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 仕入高(千円) | 前年度比(%) |
| 印刷情報関連事業 | 4,395,826 | 4.6 |
| 住生活環境関連事業 | 3,279,757 | △2.8 |
| 包材関連事業 | 37,943 | 3.2 |
| その他 | 707,666 | △20.4 |
| 合計 | 8,421,192 | △1.0 |
(注) 1.金額は、仕入価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c. 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(千円) | 前年度比(%) | 受注残高(千円) | 前年度比(%) |
| 印刷情報関連事業 | 17,285,859 | 0.6 | 1,025,292 | △8.9 |
| 住生活環境関連事業 | 14,118,955 | 2.3 | 474,833 | 1.2 |
| 包材関連事業 | 6,501,827 | △1.9 | 1,037,953 | △12.7 |
| その他 | 2,713,237 | △8.0 | ― | ― |
| 合計 | 40,619,878 | 0.1 | 2,538,078 | △8.8 |
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
d. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(千円) | 前年度比(%) |
| 印刷情報関連事業 | 17,386,258 | 1.5 |
| 住生活環境関連事業 | 14,113,138 | 2.1 |
| 包材関連事業 | 6,653,482 | 2.1 |
| その他 | 2,713,237 | △8.0 |
| 合計 | 40,866,115 | 1.1 |
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.主な相手先別の販売実績は連結売上高の100分の10以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
特に重要な会計方針及び見積もりは以下の通りであります。
なお、新型コロナウィルス感染症の影響に関しましては、一定期間、少なくとも半年間は継続するものと想定しておりますが、不確実性が大きく、当連結会計年度末時点で入手可能な範囲での情報を基に業績数値に反映させております。
a. 貸倒引当金
売上債権、貸付金等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案して回収不能見込額を計上しております。今後、取引先の財政状態が悪化して支払能力が低下した場合は、追加引当が必要となることがあります。
b. 繰延税金資産
繰延税金資産については、将来の合理的な見積可能期間内の課税所得の見積額を限度として、当該期間内の一時差異等のスケジューリングの結果に基づき、その範囲内で回収可能性があると判断できるものについて計上しております。繰延税金資産の計算は、将来の課税所得に関する予想、仮定を含めた様々な予想、仮定に基づいており、実際の結果がかかる予想、仮定とは異なる可能性があります。
c. 退職給付費用
従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算定されております。見積りには、割引率、将来の報酬水準、退職率、直近の統計数値に基づいて算定される死亡率及び資産の収益率なども含まれます。割引率は、退職給付の支払見込期間及び支払見込期間ごとの金額を反映した単一の加重平均割引率を使用しており、長期期待運用収益率は現在及び予想される年金資産の配分と、年金資産を構成する多様な資産からの現在及び将来期待される長期の収益率を考慮して算定しております。実際の結果が前提条件と異なる場合や、前提条件が変更された場合には、その影響は将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼすことがあります。
d. 固定資産の減損処理
固定資産のうち減損の兆候がある資産グループについて、資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回った場合には、当該資産グループの帳簿価額を回収可能額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、環境の変化等により前提条件や仮定に変更が生じた場合、その時点で再見積もりをし、その結果として減損処理が必要となる可能性があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループはグループ全体の収益基盤の強化に全力を挙げて取り組んでおります。代替原料や設計仕様変更等の徹底した原価低減活動に努めるなど、更なる採算性向上の諸施策を図っております。
また、退職給付財政の改善を目的として、当社が保有する上場株式の一部を退職給付信託に拠出及び保有有価証券の時価下落によりその他有価証券評価差額金が減少したことなどにより、自己資本比率が減少し、前連結会計年度36.5%から当連結会計年度35.8%となりました。今後も引き続き自己資本比率30%以上の維持に努めてまいります。
a. 売上高
当連結会計年度は、売上高40,866百万円と前連結会計年度と比べて440百万円(前年度比1.1%)増加しました。
セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討については、(1) 経営成績等の状況の概要をご参照下さい。
b. 営業利益
英国のEU離脱に備えて欧州での販売体制を見直したことや為替の影響もあり、印刷情報関連事業では減益となりました。一方で、原材料のコストダウンや工程費削減効果が奏効し、住生活環境関連事業及び包材関連事業で増益となりました。その結果、営業利益は前連結会計年度1,001百万円に対し44百万円(前年度比4.3%)増加し1,045百万円となりました。
c. 営業外収益(費用)
営業外収益から営業外費用を差引いた純額は、前連結会計年度72百万円の収益(純額)から、当連結会計年度108百万円の収益(純額)となりました。これは、借入金の増加に伴う支払利息増加及び持分法による投資損益の減少がありましたが、一方で前連結会計年度の為替差損79百万円が当連結会計年度7百万円と減少したことによるものです。また、支払利息から受取利息を差引いた純額は、前連結会計年度の160百万円(受取利息22百万円、支払利息182百万円)に対し、当連結会計年度は169百万円(受取利息26百万円、支払利息195百万円)と9百万円費用が増加しました。
d. 経常利益
以上の結果、当連結会計年度の経常利益は前連結会計年度1,073百万円に対し、79百万円(前年度比7.4%)増加し1,153百万円となりました。
また、売上高経常利益率は0.1ポイント増加し、2.8%となりました。
e. 特別利益(損失)
特別利益は、前連結会計年度25百万円に対し、当連結会計年度は608百万円と583百万円増加しました。当連結会計年度は、退職給付財政の改善のために当社が保有する上場株式の一部を退職給付信託に拠出し、退職給付信託設定益606百万円を計上いたしました。
特別損失は、前連結会計年度57百万円に対し、当連結会計年度は861百万円と805百万円増加しました。当連結会計年度は、当社の滋賀工場製造設備の一部を減損したことによる減損損失116百万円及び保有有価証券の時価下落に伴う投資有価証券評価損215百万円並びに海外子会社であるNC Staflex Co., Pte., Ltd.の解散決議に伴う関係会社整理損492百万円を計上いたしました。
f. 親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度717百万円に対し、当連結会計年度は726百万円と9百万円増加しました。その結果、1株当たり当期純利益は、前連結会計年度84円58銭に対し、当連結会計年度は85円65銭となりました。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については次のとおりであります。
当連結会計年度の借入金は、前連結会計年度末の18,265百万円から当連結会計年度末の19,709百万円と1,444百万円増加いたしました。借入金につきましては主に営業キャッシュ・フローを返済原資として残高の削減に努めてまいります。
また、当社グループの活動を維持するために必要な運転資金及び設備資金は、主に手元の現預金と借入により調達しております。
借入金については、調達コストの観点から長期と短期のバランス及び金利情勢を勘案しながら、低コストかつ安定的に資金を調達するとともに、不測の事態に備えた機動的な資金調達体制の確保にも努めてまいります。
なお、新型コロナウイルス感染症拡大により不確実な要素もありますが、大きな影響はないと考えております。
グループの総力を挙げて一層の収益基盤の拡大を図ることに邁進し、上記施策を推進することにより、財務体質の更なる強化を図ってまいります。