有価証券報告書-第158期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの感染拡大により、企業活動や個人消費が制限され、企業業績は大きく悪化しました。一時は政府の施策や段階的な経済活動再開により回復の兆しも見られましたが、今年の1月には2度目の緊急事態宣言が発出され、国内経済の先行きは依然として不透明な状況が続いております。
このような状況のもと、当社グループにおきましては、お取引先をはじめとして関係者の皆様と従業員の安全を最優先に考えた感染防止の対策をとり事業活動を進めてまいりました。
この1年を通じて、コロナ禍で、イベントや展示会が減少した事をはじめ、幅広い分野での需要減少が当社グループの収益に大きく影響しました。その一方で医療機器関連、空気清浄機といった用途で需要が増加し、印刷情報関連事業の市況回復もあり、緩やかに収益は持ち直してきております。
その結果、当連結会計年度の売上高は35,865百万円(前年度比12.2%減)となりました。利益面につきましては、営業利益が849百万円(前年度比18.8%減)、経常利益が968百万円(前年度比16.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は、海外子会社解散に伴う固定資産売却益等の特別利益もあり、925百万円(前年度比27.5%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
なお、セグメントの売上高には、セグメント間の内部売上高又は振替高が含まれております。
a. 印刷情報関連事業
印刷被写体においては、出版・文具用途では紙クロス、ビニールクロスではコロナ禍での学校の休校やイベント中止の影響で主に文具、パッケージの落ち込み等で前年度比大幅減となりました。
また、産業用の品質表示ラベルは、依然としてアパレル用途、車輌用途が国内・海外ともに低調で前年度比で大幅減となりましたが、海外を中心に受注は回復傾向にあります。
印字媒体においては、ラベル等の印字用熱転写リボンは、海外でのアパレル用途の市況悪化が影響して前年度比減となりましたが、好調な食品包材用途も含めて回復傾向にあります。
また、有機EL用水分除去シートは、医療機器用途や通信機器用途でコロナ禍による需要増や新製品での売上増等、年間を通じて好調に推移して前年度比大幅増となり、当セグメントの収益にも寄与しております。
その結果、当セグメントの売上高は15,539百万円(前年度比11.6%減)、営業利益は873百万円(前年度比4.6%減)となりました。
b. 住生活環境関連事業
不織布は、展示会等のイベント中止によるインテリア用途の大幅な売上減と、期前半の自動車各社の減産が大きく影響し、前年度比減となりました。その中で、家電用フィルターは、コロナ禍の影響で空気清浄機用途をはじめ販売好調でした。
産業用ターポリンは、イベント中止によるテント材販売の減少や、工事の減少に伴う樹脂運搬需要の低下でコンテナ販売も低調で、前年度比減となりました。
壁装材は、2020年7月に発生した滋賀工場の火災事故による影響があったものの、現在は完全復旧しており、受注も堅調に推移し前年度比増となりました。
衣料用芯地は、在宅勤務の増加によるスーツ需要の低下と婦人衣料の販売が減少する等、国内・海外ともに市況が悪化し、大幅な減収となりました。
その結果、当セグメントの売上高は11,863百万円(前年度比16.0%減)、営業利益は329百万円(前年度比38.5%減)となりました。
c. 包材関連事業
食品包材・蓋材は、期前半には堅調に推移していた海外向けの販売が、期後半はコロナ禍により市況が大きく落ち込んだ事により、通期では前年度比減となりました。
食品鮮度保持剤においては、コロナ禍で長期保存出来る食品向けの需要が伸び、前年度比増となりました。
その結果、当セグメントの売上高は6,317百万円(前年度比5.1%減)となりましたが、原材料のコスト削減効果もあり、営業利益は443百万円(前年度比4.1%増)となりました。
d. その他
ファンシー商品は、期前半の主要顧客のコロナ禍での店舗休業による影響が大きく、前年度比減となりました。
また、コロナ禍によるグループ内外の売上減少に伴い、運送・庫内整理の扱いも減少し、前年度比減となりました。
その結果、売上高は3,401百万円(前年度比9.7%減)、営業利益は114百万円(前年度比11.2%減)となりました。
当連結会計年度末の資産、負債及び純資産の状況は次のとおりであります。
総資産は、前連結会計年度末と比較して627百万円減少し、52,125百万円となりました。これは主に建設仮勘定が409百万円、退職給付に係る資産が948百万円増加し、現金及び預金が614百万円、受取手形及び売掛金が752百万円、商品及び製品が312百万円が減少したことなどによるものであります。
負債は、前連結会計年度末と比較して1,999百万円減少し、31,486百万円となりました。これは主に支払手形及び買掛金が996百万円、短期借入金が924百万円が減少したことなどによるものであります。
純資産は、前連結会計年度末と比較して1,372百万円増加し、20,639百万円となりました。これは主に利益剰余金が671百万円、退職給付に係る調整累計額が731百万円増加したことなどによるものであります。
この結果、自己資本比率は38.9%(前連結会計年度末35.8%)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は2,668百万円と前年度と比べて601百万円の減少となりました。
営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益1,286百万円、減価償却費1,386百万円、売上債権の減少額734百万円を計上した一方で、仕入債務の減少額934百万円、法人税等の支払額246百万円があったこと等により1,882百万円の収入となり、前年度と比べて1,403百万円の収入の増加となりました。
投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出1,393百万円等により1,295百万円の支出となり、前年度と比べて245百万円の支出の減少となりました。
財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の純減少702百万円、配当金の支払額254百万円等をあわせて1,166百万円の支出(前年度は1,264百万円の収入)となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産高(千円) | 前年度比(%) |
| 印刷情報関連事業 | 8,977,932 | △7.2 |
| 住生活環境関連事業 | 6,716,285 | △13.8 |
| 包材関連事業 | 5,506,354 | △3.7 |
| その他 | 224,779 | △4.1 |
| 合計 | 21,425,350 | △8.5 |
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は、製造原価によっております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 仕入高(千円) | 前年度比(%) |
| 印刷情報関連事業 | 3,686,731 | △16.1 |
| 住生活環境関連事業 | 2,613,832 | △20.3 |
| 包材関連事業 | 36,154 | △4.7 |
| その他 | 547,401 | △22.7 |
| 合計 | 6,884,118 | △18.3 |
(注) 1.金額は、仕入価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c. 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(千円) | 前年度比(%) | 受注残高(千円) | 前年度比(%) |
| 印刷情報関連事業 | 15,481,258 | △10.4 | 1,211,619 | 18.2 |
| 住生活環境関連事業 | 11,998,663 | △15.0 | 611,098 | 28.7 |
| 包材関連事業 | 6,293,714 | △3.2 | 1,014,751 | △2.2 |
| その他 | 2,414,492 | △11.0 | 23,692 | ― |
| 合計 | 36,188,127 | △10.9 | 2,861,160 | 12.7 |
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
d. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(千円) | 前年度比(%) |
| 印刷情報関連事業 | 15,294,931 | △12.0 |
| 住生活環境関連事業 | 11,862,398 | △15.9 |
| 包材関連事業 | 6,316,916 | △5.1 |
| その他 | 2,390,800 | △11.9 |
| 合計 | 35,865,045 | △12.2 |
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.主な相手先別の販売実績は連結売上高の100分の10以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
特に重要な会計方針及び見積もりは以下の通りであります。
なお、新型コロナウィルス感染症の影響に関しましては、一定期間、少なくとも一年間は継続するものと想定しておりますが、不確実性が大きく、当連結会計年度末時点で入手可能な範囲での情報を基に業績数値に反映させております。
また、翌連結会計年度に重要な影響を及ぼすリスクがあるものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)に記載しております。
a. 貸倒引当金
売上債権、貸付金等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案して回収不能見込額を計上しております。今後、取引先の財政状態が悪化して支払能力が低下した場合は、追加引当が必要となることがあります。
b. 繰延税金資産
繰延税金資産については、将来の合理的な見積可能期間内の課税所得の見積額を限度として、当該期間内の一時差異等のスケジューリングの結果に基づき、その範囲内で回収可能性があると判断できるものについて計上しております。繰延税金資産の計算は、将来の課税所得に関する予想、仮定を含めた様々な予想、仮定に基づいており、実際の結果がかかる予想、仮定とは異なる可能性があります。
c. 退職給付費用
従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算定されております。見積りには、割引率、将来の報酬水準、退職率、直近の統計数値に基づいて算定される死亡率及び資産の収益率なども含まれます。割引率は、退職給付の支払見込期間及び支払見込期間ごとの金額を反映した単一の加重平均割引率を使用しており、長期期待運用収益率は現在及び予想される年金資産の配分と、年金資産を構成する多様な資産からの現在及び将来期待される長期の収益率を考慮して算定しております。実際の結果が前提条件と異なる場合や、前提条件が変更された場合には、その影響は将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼすことがあります。
d. 固定資産の減損処理
固定資産のうち減損の兆候がある資産グループについて、資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回った場合には、当該資産グループの帳簿価額を回収可能額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、環境の変化等により前提条件や仮定に変更が生じた場合、その時点で再見積もりをし、その結果として減損処理が必要となる可能性があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループはグループ全体の収益基盤の強化に全力を挙げて取り組んでおります。代替原料や設計仕様変更等の徹底した原価低減活動に努めるなど、更なる採算性向上の諸施策を図っております。
また、利益剰余金及び退職給付に係る調整累計額の増加などにより自己資本比率が増加し、前連結会計年度35.8%から当連結会計年度38.9%となりました。今後も引き続き自己資本比率30%以上の維持に努めてまいります。
a. 売上高
当連結会計年度は、売上高35,865百万円と前連結会計年度と比べて5,001百万円(前年度比△12.2%)減少しました。
セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討については、(1) 経営成績等の状況の概要をご参照下さい。
b. 営業利益
コロナ禍による学校の休校や在宅勤務及び展示会等のイベント中止の影響により市況が落ち込み、印刷情報関連事業及び住生活環境関連事業では大きな減益となりました。一方で、コロナ禍による長期保存できる食品向の需要増により包材関連事業で増益となりました。その結果、営業利益は前連結会計年度1,045百万円に対し196百万円(前年度比△18.8%)減少し849百万円となりました。
c. 営業外収益(費用)
営業外収益から営業外費用を差引いた純額は、前連結会計年度108百万円の収益(純額)から、当連結会計年度119百万円の収益(純額)となりました。これは、持分法による投資損失の増加及び受取配当金の減少がありましたが、一方で借入金の減少に伴い支払利息が減少したことによるものです。また、支払利息から受取利息を差引いた純額は、前連結会計年度の169百万円(受取利息26百万円、支払利息195百万円)に対し、当連結会計年度は135百万円(受取利息22百万円、支払利息156百万円)と34百万円費用が減少しました。
d. 経常利益
以上の結果、当連結会計年度の経常利益は前連結会計年度1,153百万円に対し、185百万円(前年度比△16.0%)減少し968百万円となりました。
また、売上高経常利益率は0.1ポイント減少し、2.7%となりました。
e. 特別利益(損失)
特別利益は、前連結会計年度608百万円に対し、当連結会計年度は742百万円と134百万円増加しました。当連結会計年度は、主に海外子会社であるNC Staflex Co., Pte., Ltd.の解散に伴い発生した固定資産の売却を含む固定資産売却益244百万円、新型コロナウイルス感染症に係る雇用調整等に対する補助金収入345百万円等を計上いたしました。
特別損失は、前連結会計年度861百万円に対し、当連結会計年度は424百万円と438百万円減少しました。当連結会計年度は、当社の滋賀工場の火災による損失112百万円及び主に感染拡大防止を背景とした緊急事態措置等により臨時休業等を実施した期間に係る人件費等として新型コロナウイルス感染症による損失275百万円を計上いたしました。
f. 親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度726百万円に対し、当連結会計年度は925百万円と199百万円増加しました。その結果、1株当たり当期純利益は、前連結会計年度85円65銭に対し、当連結会計年度は109円17銭となりました。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については次のとおりであります。
当連結会計年度の借入金は、前連結会計年度末の19,709百万円から当連結会計年度末の18,745百万円と963百万円減少いたしました。借入金につきましては主に営業キャッシュ・フローを返済原資として残高の削減に努めてまいります。
また、当社グループの活動を維持するために必要な運転資金及び設備資金は、主に手元の現預金と借入により調達しております。
借入金については、調達コストの観点から長期と短期のバランス及び金利情勢を勘案しながら、低コストかつ安定的に資金を調達するとともに、不測の事態に備えた機動的な資金調達体制の確保にも努めてまいります。
なお、新型コロナウイルス感染症拡大により不確実な要素もありますが、大きな影響はないと考えております。
グループの総力を挙げて一層の収益基盤の拡大を図ることに邁進し、上記施策を推進することにより、財務体質の更なる強化を図ってまいります。