有価証券報告書-第161期(2023/04/01-2024/03/31)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の5類への移行による経済活動の正常化や、インバウンド消費等により、回復基調で推移しております。一方、円安の進行に伴う物価上昇や、ロシア・ウクライナ情勢、中東情勢等の地政学リスクとそれに伴う燃料や原材料価格の高騰も懸念され、先行き不透明な状況にあります。
このような状況のもと、当社グループにおきましては、「中期経営計画SOLID FOUNDATION2026」でセグメントごとに掲げた「強化する」、「改善する」、「変える」分野の取り組みに注力し、事業活動を進めてまいりました。原材料・燃料価格上昇分に対する価格転嫁や、生産部門での採算性改善を推進し、中期経営計画に沿った取り組みを進め、前年度比で増収増益となりました。
その結果、売上高は42,101百万円(前年度比1.3%増)となりました。利益面につきましては、営業利益1,238百万円(前年度比63.9%増)、経常利益1,488百万円(前年度比42.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は848百万円(前年度比63.0%増)となりました。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。
なお、セグメントの売上高には、セグメント間の内部売上高又は振替高が含まれております。
a. 印刷情報関連事業
印刷被写体においては、紙クロスは主力の出版・文具の分野で市場縮小する中、値上げと原価低減活動による採算性改善が進み、また展示会装飾用クロスの受注が好調に推移したこともあり、前年度比で増収増益となりました。フィルムコーティング製品は自動販売機用途で環境対応素材が好調に推移し、前年度比で増収増益となりました。産業用の品質表示用ラベルは、国内でリネンサプライ用途ラベルが好調に推移しましたが、海外向けはアパレル用途等が前半期までの需給調整の影響で、前年度比で減収となりました。
印字媒体においては、ラベル等の印字用熱転写リボンが、海外向けで前半期までの需給調整の影響を後半期でカバーしきれず、前年度比で減収となりました。
その他、有機EL用水分除去シートは、医療機器用途等が好調に推移し、前年度比で増収となりました。
その結果、当セグメントの売上高は19,056百万円(前年度比0.6%減)、営業利益は採算性が改善し1,467百万円(前年度比16.3%増)となりました。
b. 住生活環境関連事業
不織布は、展示会用カーペットが期を通して好調な受注に対応すべく生産を強化し、住宅用床吸音材や車輌用不織布も堅調に推移して、前年度比で増収となりました。
壁装材は市況が軟調で、出荷数量では前年度を下回りましたが、値上げ実施により、前年度比で増収となったものの、足元では、原材料価格の高騰が続き、利益を圧迫しました。
産業用ターポリンも苦戦が続き、全般的に低調で、前年度比で減収となりました。
その結果、当セグメントは、市況回復及び値上げ実施による増収と生産面強化による採算性改善で、売上高は13,716百万円(前年度比3.2%増)、営業利益は379百万円(前年度比353.7%増)と大幅な増益となりました。
c. 包材関連事業
食品包材・蓋材は、主に海外向けで乳製品・乳酸菌飲料等の消費が低調で、採算性改善に取り組んできましたが、原材料価格上昇分の販売価格転嫁が遅れたこともあり前年度比で減収減益となりました。
医療用パップ剤用フィルム加工は海外向け受注が堅調に推移し、前年度比で増収となりました。
その結果、当セグメントの売上高は7,235百万円(前年度比0.6%増)、営業利益は176百万円(前年度比27.0%減)となりました。
d. その他
ファンシー商品は、主要顧客向けを中心に堅調に推移し、前年度比で増収となりました。また、商品運送・庫内整理は、受注減少により前年度比で減収となりました。
その結果、売上高は3,346百万円(前年度比1.7%増)、営業利益は97百万円(前年度比9.6%増)となりました。
当連結会計年度末の資産、負債及び純資産の状況は次のとおりであります。
総資産は、前連結会計年度末と比較して2,344百万円増加し、59,972百万円となりました。これは主に退職給付に係る資産が1,172百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が660百万円、現金及び預金が605百万円増加したことなどによるものであります。
負債は、前連結会計年度末と比較して884百万円増加し、35,298百万円となりました。これは主に短期借入金が882百万円減少したことに対し、支払手形及び買掛金が775百万円、長期借入金が300百万円、未払法人税等が225百万円増加したことなどによるものであります。
純資産は、前連結会計年度末と比較して1,460百万円増加し、24,674百万円となりました。これは主に退職給付に係る調整累計額が684百万円、利益剰余金が638百万円増加したことなどによるものであります。
この結果、自己資本比率は40.7%(前連結会計年度末39.8%)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は4,511百万円と前年度と比べて568百万円の増加となりました。
営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、減価償却費1,557百万円、税金等調整前当期純利益1,310百万円を計上し、棚卸資産の減少額730百万円を計上した一方で、売上債権の増加額765百万円があったこと等により3,029百万円の収入となり、前年度と比べて2,454百万円の収入の増加となりました。
投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出1,118百万円、定期預金の預入による支出664百万円があったこと等により1,449百万円の支出となり、前年度と比べて1,011百万円の支出の増加となりました。
財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の純増加額423百万円を計上した一方で、短期借入金の純減少額1,178百万円等をあわせて1,092百万円の支出(前年度は440百万円の収入)となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産高(千円) | 前年度比(%) |
| 印刷情報関連事業 | 11,881,717 | 2.0 |
| 住生活環境関連事業 | 8,462,494 | 10.3 |
| 包材関連事業 | 6,397,979 | △0.6 |
| その他 | 133,957 | 1.8 |
| 合計 | 26,876,147 | 3.8 |
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は、製造原価によっております。
b. 仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 仕入高(千円) | 前年度比(%) |
| 印刷情報関連事業 | 3,564,588 | △14.2 |
| 住生活環境関連事業 | 2,727,844 | 4.3 |
| 包材関連事業 | 5,277 | △75.3 |
| その他 | 442,737 | △0.1 |
| 合計 | 6,740,446 | △6.8 |
(注) 金額は、仕入価格によっております。
c. 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(千円) | 前年度比(%) | 受注残高(千円) | 前年度比(%) |
| 印刷情報関連事業 | 19,042,838 | 1.0 | 1,287,137 | 11.8 |
| 住生活環境関連事業 | 13,644,692 | 3.6 | 432,961 | △13.5 |
| 包材関連事業 | 7,293,054 | 2.4 | 1,400,024 | 4.3 |
| その他 | 2,257,606 | 3.6 | 22,432 | 90.6 |
| 合計 | 42,238,190 | 2.2 | 3,142,554 | 4.6 |
(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。
d. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(千円) | 前年度比(%) |
| 印刷情報関連事業 | 18,906,716 | 0.0 |
| 住生活環境関連事業 | 13,712,367 | 3.3 |
| 包材関連事業 | 7,235,214 | 0.6 |
| その他 | 2,246,945 | 3.0 |
| 合計 | 42,101,242 | 1.3 |
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績は連結売上高の100分の10以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
特に重要な会計方針及び見積もりは以下の通りであります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響に関しましては、5類への移行により社会活動も正常化しておりますが、長期間の行動制限等による様々な影響など不確実性が大きく、当連結会計年度末時点で入手可能な範囲での情報を基に業績数値に反映させております。
また、翌連結会計年度に重要な影響を及ぼすリスクがあるものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
a. 貸倒引当金
売上債権、貸付金等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案して回収不能見込額を計上しております。今後、取引先の財政状態が悪化して支払能力が低下した場合は、追加引当が必要となることがあります。
b. 繰延税金資産
繰延税金資産については、将来の合理的な見積可能期間内の課税所得の見積額を限度として、当該期間内の一時差異等のスケジューリングの結果に基づき、その範囲内で回収可能性があると判断できるものについて計上しております。繰延税金資産の計算は、将来の課税所得に関する予想、仮定を含めた様々な予想、仮定に基づいており、実際の結果がかかる予想、仮定とは異なる可能性があります。
c. 退職給付費用
従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算定されております。見積りには、割引率、将来の報酬水準、退職率、直近の統計数値に基づいて算定される死亡率及び資産の収益率なども含まれます。割引率は、退職給付の支払見込期間及び支払見込期間ごとの金額を反映した単一の加重平均割引率を使用しており、長期期待運用収益率は現在及び予想される年金資産の配分と、年金資産を構成する多様な資産からの現在及び将来期待される長期の収益率を考慮して算定しております。実際の結果が前提条件と異なる場合や、前提条件が変更された場合には、その影響は将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼすことがあります。
d. 固定資産の減損処理
固定資産のうち減損の兆候がある資産グループについて、資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回った場合には、当該資産グループの帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、環境の変化等により前提条件や仮定に変更が生じた場合、その時点で再見積もりをし、その結果として減損処理が必要となる可能性があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループはグループ全体の収益基盤の強化に全力を挙げて取り組んでおります。代替原料や設計仕様変更等の徹底した原価低減活動に努めるなど、更なる採算性向上の諸施策を図っております。
また、利益剰余金及び退職給付に係る調整累計額の増加などにより自己資本比率が増加し、前連結会計年度39.8%から当連結会計年度40.7%となりました。今後も引き続き自己資本比率30%以上の維持に努めてまいります。
a. 売上高
当連結会計年度は、売上高42,101百万円と前連結会計年度と比べて549百万円(前年度比1.3%)増加しました。
セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討については、(1) 経営成績等の状況の概要をご参照下さい。
b. 営業利益
社会経済活動も正常化する中、度重なる原材料及び燃料価格の高騰に対し販売価格への転嫁や採算性の改善を推進したことによりに増益となりました。その結果、営業利益は前連結会計年度755百万円に対し482百万円(前年度比63.9%)増加し1,238百万円となりました。
c. 営業外収益(費用)
営業外収益から営業外費用を差引いた純額は、前連結会計年度288百万円の収益(純額)から、当連結会計年度251百万円の収益(純額)となりました。これは、売電収入が増加した一方で支払利息が増加したこと等によるものです。また、支払利息から受取利息を差引いた純額は、前連結会計年度の150百万円(受取利息23百万円、支払利息172百万円)に対し、当連結会計年度は248百万円(受取利息19百万円、支払利息267百万円)と98百万円費用が増加しました。
d. 経常利益
以上の結果、当連結会計年度の経常利益は前連結会計年度1,043百万円に対し、445百万円(前年度比42.7%)増加し1,488百万円となりました。
また、売上高経常利益率は0.4ポイント増加し、3.5%となりました。
e. 特別利益(損失)
特別利益は、前連結会計年度105百万円に対し、当連結会計年度は13百万円と92百万円減少しました。当連結会計年度は、固定資産売却益13百万円を計上いたしました。
特別損失は、前連結会計年度334百万円に対し、当連結会計年度は192百万円と142百万円減少しました。当連結会計年度は、海外子会社における追加で発生した事業整理損90百万円及び固定資産処分損81百万円等を計上いたしました。
f. 親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度520百万円に対し、当連結会計年度は848百万円と328百万円増加しました。その結果、1株当たり当期純利益は、前連結会計年度61円96銭に対し、当連結会計年度は101円31銭となりました。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については次のとおりであります。
当連結会計年度の借入金は、前連結会計年度末の19,894百万円から当連結会計年度末の19,312百万円と582百万円減少いたしました。借入金につきましては主に営業キャッシュ・フローを返済原資として残高の削減に努めてまいります。
また、当社グループの活動を維持するために必要な運転資金及び設備資金は、主に手元の現預金と借入により調達しております。
借入金については、調達コストの観点から長期と短期のバランス及び金利情勢を勘案しながら、低コストかつ安定的な資金調達に努めてまいります。
グループの総力を挙げて一層の収益基盤の拡大を図ることに邁進し、上記施策を推進することにより、財務体質の更なる強化を図ってまいります。