有価証券報告書-第163期(2025/04/01-2026/03/31)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善により緩やかな回復基調で推移しております。一方で、継続的な物価上昇による消費マインドの遅れや、中東情勢の緊迫化で、原油の価格高騰や供給不足によるサプライチェーンの混乱、更なる物価や輸送費の高騰等、予断を許さない状況にあります。
このような状況のもと、当社グループにおきましては、「中期経営計画SOLID FOUNDATION2026」最終年度目標の達成に向けて取り組んでまいりました。
当連結会計年度は、住生活環境関連事業が減収となる中で、印刷情報関連事業と包材関連事業が前年度比で増収となり、グループ全体の売上高では前年度比増収となりました。
利益面につきましては、原材料・燃料価格の高騰に対する継続的な販売価格転嫁や、採算性改善の取り組みに加えて、円安も寄与し、前年度比で増益となりました。
その結果、売上高は44,227百万円(前年度比0.3%増)となりました。
利益面につきましては、営業利益2,304百万円(前年度比7.9%増)、経常利益2,458百万円(前年度比9.6%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、中国子会社売却益等の特別利益1,593百万円と、減損損失等の特別損失1,080百万円を計上し、2,493百万円(前年度比89.5%増)となりました。
対中期経営計画比では売上高(達成率96.1%)が未達だったものの、営業利益(達成率100.2%)、経常利益(達成率102.4%)、親会社株主に帰属する当期純利益(達成率152.3%)、ROE(達成率145.8%)と最終年度は計画を達成し、概ね良好な達成状況となりました。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。
なお、セグメントの売上高には、セグメント間の内部売上高又は振替高が含まれております。
a. 印刷情報関連事業
印刷被写体においては、市場規模が縮小する布クロス、紙クロスでは、不採算分野の見直しにより一部利益改善は進んでおりますが、前年度比減収となりました。また、ビニールクロスは、海外向けの手帳用表紙材の需給調整による受注減少で前年度比減収となりました。一方、フィルムコーティング製品は、自動販売機用途向けの環境対応素材等が好調に推移し、加えて、新規用途開発も進んだことから、前年度比増収となりました。
産業用の品質表示用ラベルは、国内市場でリネンサプライ用途が堅調に推移し、前年度比増収となりました。
印字媒体においては、ラベル等の印字用熱転写リボンが、食品包材用途で国内・海外向けともに堅調に推移し、前年度比増収となりました。
その他、金融機関向け等の帳票類、サプライ品販売も好調に推移し、有機EL用水分除去シートを含む電子特材分野も堅調で前年度比増収となりました。
その結果、当セグメントの売上高は22,393百万円(前年度比0.7%増)、営業利益は円安効果があったものの、トランプ関税によるコストアップもあり、2,292百万円(前年度比0.1%減)となりました。
b. 住生活環境関連事業
不織布全体では、前年度比増収となりました。展示会用カーペットは、好調な展示会・イベント需要を生産効率の改善により取り組み、前年度比増収となりました。また、住宅用床吸音材も堅調で、車輛内装材も前年度からは回復しました。
壁装材は、住宅向けの市況が回復せず受注が低調で、高付加価値品の比率も上がらず、前年度比大幅な減収となり収益性改善に苦戦しております。
産業用ターポリンは、トンネル工事用の風管用途の受注が堅調に推移しましたが、主力の樹脂運搬用フレキシブルコンテナ等の工業資材向け用途や住宅建材用途の市況が低調で、前年度比減収となりました。利益面では販売価格転嫁により利益改善が進み、前年度比増益となりました。
その結果、当セグメントの売上高は11,909百万円(前年度比2.6%減)、営業利益は421百万円(前年度比38.6%増)となりました。
c. 包材関連事業
食品包材・蓋材は、乳製品や乳酸菌飲料の蓋材は堅調に推移し、前年度比増収となりました。また、紙器の食品容器では、新規顧客の獲得等により前年度比増収となりました。
エンボス加工の医療用パップ剤用途は、海外向け受注が好調に推移し、前年度比増収増益となりました。
その結果、当セグメントの売上高は7,991百万円(前年度比4.0%増)、営業利益は425百万円(前年度比4.5%増)となりました。
d. その他
ファンシー商品は、主要顧客向けのノート・手帳類が受注回復傾向で、前年度比増収となりましたが、輸入仕入分の価格転嫁が進まず採算が悪化しました。一方、商品運送・庫内整理は全体的に荷動きが悪く、前年度比減収となりました。
その結果、売上高は3,039百万円(前年度比0.0%増)、営業利益は19百万円(前年度比42.3%減)となりました。
当連結会計年度末の資産、負債及び純資産の状況は次のとおりであります。
総資産は、前連結会計年度末と比較して931百万円増加し、62,017百万円となりました。これは主に減損損失計上等により有形固定資産が1,012百万円減少したことに対し、投資有価証券が1,441百万円、退職給付に係る資産が1,506百万円増加したことなどによるものであります。
負債は、前連結会計年度末と比較して2,402百万円減少し、32,089百万円となりました。これは主に電子記録債務が2,239百万円、繰延税金負債が676百万円増加したことに対し、支払手形及び買掛金が3,184百万円、短期借入金が1,995百万円減少したことなどによるものであります。
純資産は、前連結会計年度末と比較して3,333百万円増加し、29,927百万円となりました。これは主に利益剰余金が2,288百万円、その他有価証券評価差額金が995百万円増加したことなどによるものであります。
この結果、自己資本比率は48.3%(前連結会計年度末43.5%)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は3,908百万円と前年度と比べて300百万円の減少となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益2,970百万円、減価償却費1,406百万円を計上した一方で、関係会社株式売却益1,274百万円、仕入債務の減少1,066百万円、法人税等の支払額608百万円があったこと等により2,465百万円の収入となり、前年度と比べて1,200百万円の収入の増加となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出1,684百万円を計上した一方で、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入554百万円、定期預金の払戻による収入557百万円、投資有価証券売却による収入394百万円があったこと等により366百万円の支出となり、前年度と比べて773百万円の支出の減少となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の純減少額2,130百万円、配当金の支払額251百万円を計上したこと等により2,448百万円の支出となり、前年度と比べて1,913百万円の支出の増加となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産高(千円) | 前年度比(%) |
| 印刷情報関連事業 | 12,802,957 | △1.8 |
| 住生活環境関連事業 | 7,047,818 | △5.1 |
| 包材関連事業 | 6,875,404 | 2.7 |
| その他 | 137,657 | 4.0 |
| 合計 | 26,863,836 | △1.6 |
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は、製造原価によっております。
b. 仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 仕入高(千円) | 前年度比(%) |
| 印刷情報関連事業 | 4,212,708 | △8.8 |
| 住生活環境関連事業 | 2,040,194 | △12.4 |
| 包材関連事業 | 32,099 | 267.0 |
| その他 | 465,462 | 26.2 |
| 合計 | 6,750,463 | △7.9 |
(注) 金額は、仕入価格によっております。
c. 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(千円) | 前年度比(%) | 受注残高(千円) | 前年度比(%) |
| 印刷情報関連事業 | 22,375,395 | 0.4 | 1,358,520 | △0.4 |
| 住生活環境関連事業 | 12,409,028 | 1.6 | 911,937 | 121.6 |
| 包材関連事業 | 7,731,662 | △2.1 | 1,359,393 | △16.0 |
| その他 | 1,932,670 | △1.2 | 22,196 | △38.6 |
| 合計 | 44,448,755 | 0.2 | 3,652,046 | 6.5 |
(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。
d. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(千円) | 前年度比(%) |
| 印刷情報関連事業 | 22,381,380 | 0.7 |
| 住生活環境関連事業 | 11,908,531 | △2.6 |
| 包材関連事業 | 7,990,641 | 4.0 |
| その他 | 1,946,606 | 0.3 |
| 合計 | 44,227,158 | 0.3 |
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績は連結売上高の100分の10以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
特に重要な会計方針及び見積もりは以下の通りであります。
翌連結会計年度に重要な影響を及ぼすリスクがあるものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
a. 貸倒引当金
売上債権、貸付金等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案して回収不能見込額を計上しております。今後、取引先の財政状態が悪化して支払能力が低下した場合は、追加引当が必要となることがあります。
b. 繰延税金資産
繰延税金資産については、将来の合理的な見積可能期間内の課税所得の見積額を限度として、当該期間内の一時差異等のスケジューリングの結果に基づき、その範囲内で回収可能性があると判断できるものについて計上しております。繰延税金資産の計算は、将来の課税所得に関する予想、仮定を含めた様々な予想、仮定に基づいており、実際の結果がかかる予想、仮定とは異なる可能性があります。
c. 退職給付費用
従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算定されております。見積りには、割引率、将来の報酬水準、退職率、直近の統計数値に基づいて算定される死亡率及び資産の収益率なども含まれます。割引率は、退職給付の支払見込期間及び支払見込期間ごとの金額を反映した単一の加重平均割引率を使用しており、長期期待運用収益率は現在及び予想される年金資産の配分と、年金資産を構成する多様な資産からの現在及び将来期待される長期の収益率を考慮して算定しております。実際の結果が前提条件と異なる場合や、前提条件が変更された場合には、その影響は将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼすことがあります。
d. 固定資産の減損処理
固定資産のうち減損の兆候がある資産グループについて、資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回った場合には、当該資産グループの帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、環境の変化等により前提条件や仮定に変更が生じた場合、その時点で再見積もりをし、その結果として減損処理が必要となる可能性があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループはグループ全体の収益基盤の強化に全力を挙げて取り組んでおります。代替原料や設計仕様変更等の徹底した原価低減活動に努めるなど、更なる採算性向上の諸施策を図っております。
また、利益剰余金及び退職給付に係る調整累計額の増加などにより自己資本比率が増加し、前連結会計年度43.5%から当連結会計年度48.3%となりました。今後も引き続き自己資本比率30%以上の維持に努めてまいります。
a. 売上高
当連結会計年度は、売上高44,227百万円と前連結会計年度と比べて154百万円(前年度比0.3%)増加しました。
セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討については、(1) 経営成績等の状況の概要をご参照下さい。
b. 営業利益
度重なる原材料及び燃料価格の高騰に対し販売価格への転嫁や採算性の改善を推進したことにより増益となりました。その結果、営業利益は前連結会計年度2,136百万円に対し168百万円(前年度比7.9%)増加し2,304百万円となりました。
c. 営業外収益(費用)
営業外収益から営業外費用を差引いた純額は、前連結会計年度106百万円の収益(純額)から、当連結会計年度154百万円の収益(純額)となりました。これは、為替差損の減少及び受取配当金が増加したこと等によるものです。また、支払利息から受取利息を差引いた純額は、前連結会計年度の254百万円(受取利息24百万円、支払利息277百万円)に対し、当連結会計年度は280百万円(受取利息2百万円、支払利息282百万円)と26百万円費用が増加しました。
d. 経常利益
以上の結果、当連結会計年度の経常利益は前連結会計年度2,242百万円に対し、216百万円(前年度比9.6%)増加し2,458百万円となりました。
また、売上高経常利益率は0.5ポイント増加し、5.6%となりました。
e. 特別利益(損失)
特別利益は、前連結会計年度7百万円に対し、当連結会計年度は1,593百万円と1,586百万円増加しました。当連結会計年度は、投資有価証券売却益317百万円、関係会社株式売却益1,274百万円等を計上いたしました。
特別損失は、前連結会計年度391百万円に対し、当連結会計年度は1,080百万円と690百万円増加しました。当連結会計年度は、減損損失925百万円、事業整理損失126百万円等を計上いたしました。
f. 親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度1,315百万円に対し、当連結会計年度は2,493百万円と1,178百万円増加しました。その結果、1株当たり当期純利益は、前連結会計年度157円25銭に対し、当連結会計年度は302円58銭となりました。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については次のとおりであります。
当連結会計年度の借入金は、前連結会計年度末の19,468百万円から当連結会計年度末の17,599百万円と1,870百万円減少いたしました。借入金につきましては主に営業キャッシュ・フローを返済原資として残高の削減に努めてまいります。
また、当社グループの活動を維持するために必要な運転資金及び設備資金は、主に手元の現預金と借入により調達しております。
借入金については、調達コストの観点から長期と短期のバランス及び金利情勢を勘案しながら、安定的な資金調達に努めてまいります。
グループの総力を挙げて一層の収益基盤の拡大を図ることに邁進し、上記施策を推進することにより、財務体質の更なる強化を図ってまいります。