有価証券報告書-第65期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/28 9:32
【資料】
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【項目】
108項目
(1)業績等の状況の概要
①財政状態の状況
(資産)
流動資産は、前事業年度末比3,813百万円の増加となりました。その主な要因は、現金及び預金1,515百万円、売上債権1,951百万円が増加した一方、グループ預け金700百万円が減少したことによるものです。
固定資産は、前事業年度末比3,820百万円の増加となりました。その主な要因は、設備投資による固定資産の取得5,163百万円に対し、減価償却費1,326百万円及び圧縮記帳68百万円を計上したことによるものです。
(負債)
負債は、前事業年度末比8,041百万円の増加となりました。その主な要因は、仕入債務2,764百万円、長期借入金8,700百万円が増加した一方、設備関係電子記録債務2,565百万円、前受金1,000百万円が減少したことによるものです。
(純資産)
純資産は、当期純損失を計上したこと等により前事業年度末比407百万円減少の12,622百万円となり、自己資本比率は37.2%となりました。
②経営成績の状況
当事業年度における二次電池業界は、新型コロナウイルス感染症の影響から世界における自動車販売台数は前事業年度比減少となる中、EVは中国及び欧州市場を中心に本格的な普及期が到来し、その流れは加速しております。その背景には世界的な環境規制に対し、各国が脱炭素社会の実現を目指しガソリン車の販売中止とEVはじめ環境対応車の導入拡大目標を打ち出し、補助金政策等の優遇策により環境対応車の普及を推進しております。こうした状況下、関連する産業においては異業種からの新規参入の動きも活発化し、車載用電池や電池材料事業においても積極的な増産投資計画が相次いで打ち出されており、供給体制の拡充と次世代電池の技術開発、また、使用原料である鉱物資源を確保する動きなど国際間での競争が一層激化し、産業構造に大きな変革をもたらすような状況となってきております。
このような市場環境の中、当社といたしましては、中長期的にはさらに伸長すると予測されている環境対応車用途の需要に対応するため、前々事業年度からリチウムイオン及びニッケル水素電池向け製品の増産体制を構築すべく、インフラを含めた新規の設備増強投資や既存の設備改造による生産能力の向上及び組織人員体制の強化を図ってきております。
足下の業績をみると、世界的なコロナ禍の影響を受け、二次電池を搭載した車載用途、民生用途ともに最終製品の需要減少や顧客の生産工場の操業停止といった事態を招いた結果、期初想定より販売は減少、生産調整を余儀なくされましたが、当第3四半期後半より緩やかながらも需要は回復基調にあり、とくに車載用途においては第4四半期にかけて増加いたしました。また、第2四半期間において、Northvolt社との前駆体製造技術支援契約に基づくライセンス及び技術支援の進捗に応じた売上高10億円を計上しております。以上より販売面では期初の想定からは減少したものの、前事業年度比では増加となりました。一方、コスト面では中期的な増産に向けた設備投資や組織人員体制の強化に伴い、主に減価償却費や労務費が前事業年度比で増加しており、業績採算面ではコスト先行の依然として厳しい状況が続いております。
今後の先行きについては、新型コロナウイルス感染症の収束時期を含め同感染症が経済社会へ与える影響を予測することは困難ですが、マクロ経済は短期的に下振れするものと考えられます。こうした中、当社が属する二次電池業界においては、世界各国で厳格化が加速している環境規制への対応や各国の経済復興策によりEV普及が後押しされているといった背景から、翌事業年度以降においては再び成長基調に回帰し需要が拡大していくものと仮定しております。
以上の結果、売上高22,754百万円(前事業年度比13.4%増)、営業損失20百万円(前事業年度は営業損失1,365百万円)、経常損失30百万円(前事業年度は経常損失1,503百万円)、当期純損失は414百万円(前事業年度は当期純損失1,628百万円)となりました。
主要な製品用途別の販売数量の概況は以下のとおりです。なお、当社は二次電池事業の単一セグメントであるため、セグメントごとに記載しておりません。
「リチウムイオン電池向け製品」
前事業年度比で17.2%の増加となりました。用途別の増減は次のとおりです。
・車載用途は、コロナ禍の影響で販売減少があったものの、当第3四半期より回復基調で推移したことや前事業年度に一時的に減少していた主要顧客への販売が増加したことから、前事業年度比で38.6%の増加となりました。
・民生用途は、コロナ禍の影響で最終製品の需要減少や顧客の生産工場の操業停止の影響により前事業年度比で10.3%の減少となりました。
「ニッケル水素電池向け製品」
前事業年度比で0.5%の減少となりました。用途別の増減は次のとおりです。
・車載用途は、コロナ禍の影響によるHV需要の減少を背景に主要顧客からの受注が減少しておりましたが、当第3四半期より需要が回復してきたことから、前事業年度比で2.7%の増加となりました。
・民生用途は、市場縮小から数量自体が少量ですが、前事業年度比で41.2%の減少となりました。
(ご参考)
(ニッケル国際相場:円換算) (単位:円/kg)
4~6月平均7~9月平均10~12月平均1~3月平均
2021年3月期1,3241,5251,6811,883
2020年3月期1,3601,6911,6861,400

(コバルト国際相場:円換算) (単位:円/kg)
4~6月平均7~9月平均10~12月平均1~3月平均
2021年3月期3,6593,5273,6635,096
2020年3月期4,0283,7294,1864,199

※ ニッケル LME(ロンドン金属取引所)月次平均×TTS月次平均
コバルト LMB(ロンドン発行メタルブリテン誌)月次平均×TTS月次平均
③キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物は、前事業年度末比815百万円増加し、2,529百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローは次のとおりです。
営業活動によるキャッシュ・フローは、仕入債務の増加等による運転資本の減少に対して未収消費税等の増加により、90百万円の支出(前事業年度は1,936百万円の支出)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出等により、7,768百万円の支出(前事業年度は7,356百万円の支出)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入による収入等により、8,687百万円の収入(前事業年度は2,451百万円の収入)となりました。
④生産、受注及び販売の実績
当社は二次電池事業の単一セグメントであるため、品目別に生産、受注及び販売の状況を記載しております。
(生産実績)
当事業年度における生産実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
品目生産高(千円)前期比(%)
リチウムイオン電池向け製品19,702,734110.1
ニッケル水素電池向け製品2,113,47195.4
その他53,17898.8
合計21,869,385108.5

(注)生産金額は販売予定価額をもって示しております。
(受注実績)
当事業年度における受注実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
品目受注高(千円)前期比(%)受注残高(千円)前期比(%)
リチウムイオン電池向け製品19,411,210106.4884,45189.0
ニッケル水素電池向け製品2,167,19998.6113,75089.7
その他1,269---
合計21,579,679105.6998,20189.1

(注)受注金額は販売予定価額をもって示しております。
(販売実績)
当事業年度における販売実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
品目販売高(千円)前期比(%)
リチウムイオン電池向け製品19,520,819109.3
ニッケル水素電池向け製品2,180,318100.7
その他1,053,1781,956.1
合計22,754,316113.4

(注)最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前事業年度当事業年度
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
パナソニック㈱7,056,02035.29,903,51943.5
L&F Co.,LTD.3,384,53516.92,513,26711.1
丸紅㈱3,124,97515.62,386,73710.5

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する分析・検討内容は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容
当事業年度の財政状態の分析につきましては、「(1)業績等の状況の概要、①財政状態の状況」をご参照ください。
②経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高)
当社販売製品の主原料となるニッケル及びコバルトの国際相場が上下に変動したことに加え、製品の販売数量が増加したため、売上高は前事業年度比13.4%増の22,754百万円となりました。
(売上原価)
上記主原料の国際相場の変動、製品の販売数量の増加のため、売上原価は前事業年度比6.8%増の20,895百万円となりました。
(売上総利益)
以上の結果、売上総利益は1,859百万円(前事業年度は508百万円)となりました。また、売上総利益率は8.2%(前事業年度は2.5%)となりました。
(販売費及び一般管理費)
販売費及び一般管理費は、前事業年度と比較して6百万円増加の1,879百万円となりました。なお、販売費及び一般管理費に含まれる研究開発費は547百万円(前事業年度は546百万円)となりました。
(営業利益)
売上総利益から販売費及び一般管理費を控除した営業損失は20百万円(前事業年度は営業損失1,365百万円)、売上高営業利益率は△0.1%(前事業年度は△6.8%)となりました。
(営業外収益・費用)
当事業年度は、有利子負債にかかる利息から受取利息を差引いた純金利負担は49百万円(前事業年度は17百万円)となりました。営業外収益として、為替差益29百万円(前事業年度は為替差損19百万円)を計上いたしました。また、営業外費用として、シンジケートローン手数料10百万円(前事業年度は106百万円)を計上いたしました。以上の結果、営業外収益から営業外費用を差引いた金額は△9百万円となりました。
(経常利益)
以上の結果、営業損失に営業外収益・費用を加減算した経常損失は30百万円(前事業年度は経常損失1,503百万円)となりました。売上高経常利益率は△0.1%(前事業年度は△7.5%)となりました。
(特別利益・損失)
当事業年度は、特別利益として、補助金収入80百万円を計上いたしました。
特別損失として、固定資産圧縮損68百万円、固定資産除却損19百万円を計上いたしました。
(税引前当期純利益)
経常損失から特別利益・損失を加減算した税引前当期純損失は37百万円(前事業年度は税引前当期純損失1,499百万円)となりました。
(当期純利益)
以上の結果、当期純損失は414百万円(前事業年度は当期純損失1,628百万円)となりました。売上高当期純利益率は△1.8%、1株当たり当期純損失は12円74銭、自己資本当期純利益率は△3.2%となりました。
なお、当事業年度の目標とする経営指標である経常利益の黒字化を達成しておりません。
③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(キャッシュ・フロー)
当事業年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)業績等の状況の概要、③キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
当社の運転資金需要のうち主なものは、原材料の購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資によるものであります。
当社は、事業運営上必要な流動性と資金を安定的に確保するよう努めております。
また、事業活動に必要な資金の流動性を確保するため、取引金融機関と総額2,000百万円のコミットメントライン契約を締結しております。(借入未実行残高2,000百万円)
設備投資の長期的な資金につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当事業年度末における借入金の残高は13,800百万円、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は2,529百万円となっております。
(契約債務)
2021年3月31日現在の契約債務の概要は以下のとおりであります。
年度別要支払額(百万円)
契約債務合計1年以内1年超3年以内3年超5年以内5年超
長期借入金13,8001,5003,0003,0006,300

(注)1年内返済予定の長期借入金は、長期借入金に含めております。
(財務政策)
当社は、運転資金及び設備投資資金の調達を行うため主要取引金融機関とシンジケートローン契約を締結しております。
・借入残高(運転資金の調達) 5行 1,800百万円
・借入残高(設備投資資金の調達) 7行 12,000百万円(借入枠 12,000百万円)
・コミットメントラインの借入実行残高 5行 -百万円(総額 2,000百万円)
④経営成績に重要な影響を与える要因についての分析
(たな卸資産)
当社は、「棚卸資産の評価に関する会計基準」を適用しており、将来需要及び市場環境の変化により評価損の計上が必要となる可能性があります。
(固定資産の減損)
当社が有する固定資産のうち、「固定資産の減損に係る会計基準」において対象とされるものについては、損益報告や経営計画などの企業内部の情報、経営環境や資産の市場価格などの企業外部の要因に関する情報に基づき、資産又は資産グループ別に減損の兆候の有無を確認し、企業環境の変化や経済事象の発生によりその帳簿価額の回収が懸念されているかなど、減損損失の認識を判定しております。
この判定により減損損失を認識すべきと判断した場合には、その帳簿価額を回収可能価額まで減損処理を行っております。事業計画や経営・市場環境の変化により、回収可能価額が変更された場合には、減損損失の金額の増加又は新たな減損損失の認識の可能性があります。
⑤重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成されております。財務諸表の作成にあたっては、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、これらについては、過去の実績や現在の状況等を勘案し、合理的と考えられる見積り及び判断を行っております。ただし、これらには見積り特有の不確実性が伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
なお、財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

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