半期報告書-第107期(2025/01/01-2025/12/31)
当社グループは防振ゴム事業を非継続事業に分類しており、前中間連結会計期間及び当中間連結会計期間の金額から非継続事業を控除しております。
詳細は、「第4 経理の状況 1 要約中間連結財務諸表 要約中間連結財務諸表注記 6.事業セグメント」に記載のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当半期報告書提出日現在において、判断したものであります。
(1) 業績の状況
① 業績全般
当中間連結会計期間(2025年1月1日から2025年6月30日)の需要環境は、新車用の乗用車用及び小型トラック用タイヤは、日本では自動車生産台数が増加しタイヤ需要は好調に推移した一方で、北米・欧州ではタイヤ需要は前年同期を下回りました。新車用トラック・バス用タイヤ需要は、日本では前年並みに推移した一方で、北米・欧州では前年同期を下回りました。市販用の乗用車用及び小型トラック用タイヤは、日本では今年6月の値上げ前駆け込み需要の影響もあり前年同期比で順調に推移しました。また、北米では米国・カナダのタイヤ製造者協会に参加する主要タイヤメーカーから構成される需要は前年並みで推移し、欧州での需要は堅調に推移しました。なお、高インチタイヤ(18インチ以上)は、北米・欧州の市販用を中心に需要伸張が継続しました。市販用トラック・バス用タイヤは、北米では前年同期比で好調に推移し、日本では今年6月の値上げ前駆け込み需要の影響もあり前年同期比で大幅に上回った一方で、欧州では前年並みに推移しました。なお、北米の市販用タイヤの需要については、乗用車用及び小型トラック用タイヤ・トラック・バス用タイヤともに、米国の関税政策による関税引き上げ前の駆け込み需要もあり、アジア品を中心とした廉価輸入タイヤの需要が前年同期比で伸張しました。
当社グループは、上記の需要環境の中、売上収益については、北米を中心とした市販用トラック・バス用タイヤの堅調な販売や、市販用の乗用車用プレミアムタイヤ(18インチ以上高インチタイヤ、各地域において高収益なプレミアムタイヤブランドなど)の拡販が継続した一方で、新車用タイヤを中心とした販売数量減や南米事業、化工品事業の減収影響に加えて、為替円高による影響が大きく、前年同期比で減収となりました。
調整後営業利益については、原材料高や棚卸未実現利益による減益影響を、売値・MIX改善や再編・再構築の着実な推進によるビジネス体質改善に加えて、地道なグローバルビジネスコストダウン活動を加速、稼ぐ力の強化でオフセットし、前年同期比で増益となりました。
営業利益については再編・再構築(第2ステージ)を着実に推進し関連費用を計上したことに加え、前年第2四半期に固定資産売却益の計上があり、前年同期比減益の着地となりました。
以上の結果、当社グループの当中間連結会計期間の売上収益は21,164億円(前年同期比3%減)、調整後営業利益は2,346億円(前年同期比2%増)、営業利益は1,645億円(前年同期比41%減)、税引前中間利益は1,554億円(前年同期比44%減)、親会社の所有者に帰属する中間利益は1,155億円(前年同期比42%減)となりました。今後も、「変化をチャンスへ」つなげ、グローバルでビジネス体質をより強化し、「守り」と「攻め」で、「質を伴った成長」への道筋を切り拓いてまいります。
② セグメント別業績
[日本]
売上収益は6,037億円(前年同期比3%増)、調整後営業利益は825億円(前年同期比12%減)となりました。
販売本数は、乗用車及び小型トラック用タイヤは順調に推移した一方、トラック・バス用タイヤは前年同期を大幅に上回りました。販売数量・売値が前年を上回った一方、原材料等のインフレ影響が利益を押し下げ、為替円高の向かい風もあり前年同期比増収減益となりました。
[アジア・大洋州・インド・中国]
売上収益は2,468億円(前年同期比5%減)、調整後営業利益は292億円(前年同期比5%増)となりました。
販売本数は、乗用車及び小型トラック用タイヤは堅調に推移した一方、トラック・バス用タイヤは前年同期を大幅に下回りました。販売数量減影響を、売値・MIX及び営業費の改善で吸収し、前年同期比減収増益となりました。
[米州]
売上収益は10,259億円(前年同期比6%減)、調整後営業利益は918億円(前年同期比4%増)となりました。
北米タイヤ事業において、販売本数は乗用車及び小型トラック用タイヤは前年同期を下回る一方、トラック・バス用タイヤは順調に推移しました。販売MIXの改善に加え、営業費が改善し、前年同期比減収増益となりました。
[欧州・中近東・アフリカ]
売上収益は4,113億円(前年同期並)、調整後営業利益は185億円(前年同期比151%増)となりました。
欧州では、販売本数は乗用車及び小型トラック用タイヤは前年同期を下回り、トラック・バス用タイヤは前年並みに推移しました。販売MIXの改善及び営業費の改善が、販売数量減少の影響を上回り、前年同期比増益となりました。
(注) セグメント別の金額はセグメント間の取引を含んでおり、連結合計の金額はそれらを消去した後の数値であります。
(2) 財政状態の状況
当中間連結会計期間末における財政状態の状況は、以下のとおりであります。
(資産)
資産合計は、売買目的で保有する資産が311億円増加したものの、営業債権及びその他の債権が523億円、有形固定資産が1,176億円、使用権資産が308億円、それぞれ減少したことなどから、前連結会計年度末に比べ2,424億円減少し、54,812億円となりました。
(負債)
負債合計は、営業債務及びその他の債務が1,042億円減少したものの、非流動負債の社債及び借入金が1,098億円増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ64億円増加し、19,434億円となりました。
(資本)
資本合計は、親会社の所有者に帰属する中間利益の計上により1,155億円増加したものの、自己株式が1,072億円増加するとともに、配当金(親会社の所有者)により719億円、その他の資本の構成要素が1,870億円、それぞれ減少したことなどから、前連結会計年度末に比べ2,488億円減少し、35,377億円となりました。
その結果、親会社所有者帰属持分比率は、63.6%となり、前連結会計年度末に比べ1.6ポイントの減少となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間における当社グループの現金及び現金同等物(以下、「資金」)は、全体で159億円減少(前年同期は755億円の減少)し、当中間連結会計期間末には6,909億円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金収支は、2,791億円の収入(前年同期比676億円の収入増)となりました。これは、営業債務及びその他の債務の減少額380億円(前年同期は営業債務及びその他の債務の増加額145億円)、法人所得税の支払額321億円(前年同期は550億円)などがあったものの、税引前中間利益1,554億円(前年同期は2,769億円)や、減価償却費及び償却費1,762億円(前年同期は1,727億円)などがあったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金収支は、1,209億円の支出(前年同期比182億円の支出増)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出1,239億円(前年同期は1,487億円)などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金収支は、1,364億円の支出(前年同期比1,009億円の支出減)となりました。これは、長期借入れによる収入600億円(前年同期は収入なし)や、社債の発行による収入1,000億円(前年同期は収入なし)などがあったものの、短期借入金の減少額641億円(前年同期は短期借入金の増加額93億円)や、リース負債の返済による支出361億円(前年同期は364億円)、自己株式の取得による支出1,077億円(前年同期は5百万円)、配当金の支払額(親会社の所有者)719億円(前年同期は685億円)などがあったことによるものであります。
(4) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当中間連結会計期間において、前連結会計年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について、重要な変更はありません。
(5) 経営方針・経営戦略等並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等並びに事業上及び財務上の対処すべき課題について、重要な変更はありません。
(6) 研究開発活動
当中間連結会計期間におけるグループ全体の研究開発費は585億円であります。
また、当中間連結会計期間における研究開発活動の状況の重要な変更は次のとおりであります。
(新たな活動、及び社内外共創活動)
①東海カーボン株式会社、国立大学法人九州大学及び国立大学法人岡山大学との共創
当社は東海カーボン株式会社、国立大学法人九州大学及び国立大学法人岡山大学と連携し、使用済タイヤなどのゴムを含む高分子製品から再生カーボンブラック(rCB)を取り出し、石油・石炭由来の新品カーボンブラック(vCB)並みのゴム補強性を持つカーボンブラック(eCB)を生成する技術開発プロジェクトを2025年1月より開始しました。このプロジェクトは、NEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「グリーンイノベーション基金事業/CO2等を用いたプラスチック原料製造技術開発(追加公募)」に採択された実証事業の一環であります。使用済タイヤの熱分解によるrCBの回収と再利用は進められておりますが、不純物が多く、ゴム補強性に課題があります。自動車・交通需要の増加に伴い、今後もタイヤの需要伸長が見込まれる環境下において、vCBのリサイクルを可能にすることで資源循環の向上を目指します。東海カーボンの技術と、ブリヂストン、九州大学、岡山大学の知見を融合させ、2032年度までにeCBを5,000トン/年生産する実証プラントの稼働を目指します。また、使用済タイヤを熱分解せずにカーボンブラックを再利用する技術開発にも取り組み、資源の高度なリサイクルとCO2排出量の削減を目指します。
②株式会社ENEOSマテリアルと日揮ホールディングス株式会社との共創
当社は株式会社ENEOSマテリアルと日揮ホールディングス株式会社とともに、植物資源由来の合成ゴムを使用したタイヤの商業化に向けた連携を加速します。合成ゴムの素原料であるブタジエンは石油製品の一つであるナフサを熱分解した際の副生成物として工業的に生産されております。2022年より、各社は持続可能な社会の実現に向けて、植物資源由来のバイオブタジエン及びタイヤ用合成ゴム製造の技術検討や市場調査を進めてきました。2024年7月、ENEOSマテリアル及び日揮ホールディングスの2社が参画する「木質等の未利用資源を活用したバイオものづくりエコシステム構築事業」がNEDOの「バイオものづくり革命推進事業」に採択され、3社は植物資源由来の合成ゴムを使用したタイヤの商業化に向けた取り組みを促進します。2030年代前半の商業化を目指し、2028年までに技術実証を開始し、サプライチェーン構築や社会価値・顧客価値の検証を進めます。
③タイヤ・路面粉じんの環境影響把握に向けた捕集方法の開発
当社はタイヤ・路面摩耗粉じん(TRWP:Tire(タイヤ) and(アンド) Road(ロード) Wear(ウェア) Particles(パーティクルズ))の環境影響把握に向け、独自の実車捕集法を2025年3月に開発しました。東京都小平市のテストコースで高速度カメラとレーザーを用いて粒子の飛散を可視化し、その結果を基にTRWPを効率的に捕集可能なタイヤ全体を覆う装置を開発しました。更に、自動運転を使用することで一定の走行状態を保持するとともに、EVを使用することで排気粉じんとブレーキ粉じんの影響を排除した状態でのTRWPの捕集が可能となりました。また、物理試験機メーカーの株式会社上島製作所と共同で、実験室規模でゴム摩耗粉を生成・捕集できる試験機も開発し、低コストかつ短時間での評価を可能にしました。今回開発した捕集法を活用することで、TRWPの本質を理解し、環境影響を把握する取り組みを加速してまいります。
(開発の進展)
①使用済タイヤの精密熱分解実証プラント
当社は2025年1月に使用済タイヤを原材料として再利用する「タイヤ水平リサイクル」の実現に向け、岐阜県関市の関工場内に精密熱分解によるパイロット実証プラントを建設することを決定しました。2027年の稼働開始を予定しており、分解油や再生カーボンブラックを回収してタイヤ原材料に再利用するケミカルリサイクル技術の確立と最適化を目指します。
この取り組みは、Bridgestone Innovation(イノベーション) Park(パーク)での実証実験を基にしたもので、ENEOSや東海カーボンとの共同プロジェクトとして、NEDOの支援を受けて進められています。また、技術開発に加えて、操業ノウハウの蓄積や人材育成も推進されます。こうした共創活動を通じて、使用済タイヤを「資源」としてゴムや原材料に「戻す」リサイクル事業の事業化に向けた「EVERTIRE(エバータイヤ) INITIATIVE(イニシアチブ)」を展開し、カーボンニュートラルとサーキュラーエコノミーの実現に向けた取り組みを強化しています。
②次世代タイヤ「AirFree」の開発
当社は2025年1月に滋賀県東近江市、2月に富山県富山市と新たなグリーンスローモビリティの共創に向けた連携協定を締結いたしました。本協定は、地方自治体が運営するグリーンスローモビリティサービスに、ブリヂストンの空気充填が要らない次世代タイヤ「AirFree(エアフリー)」を装着し、その特性や機能、提供価値を検証するとともに、地域社会のモビリティを支えるための連携及び協力を目的としております。「AirFree」は、空気の代わりにリサイクル可能なスポーク形状の熱可塑性樹脂で荷重を支えるため、パンクの心配がなく、資源生産性の向上やメンテナンスの効率化を実現しております。また、スポーク部分には薄暗い時間帯においても視認性を最大化できる青色「Empowering(エンパワリング) Blue(ブルー)」を採用し、安心・安全な移動を支えております。「AirFree」は「地域社会のモビリティを支える」ことをミッションに、高齢化や過疎化、労働力不足といった地域交通に関する様々な課題の解決策として注目されている「グリーンスローモビリティ」をターゲットの一つとし、2026年の社会実装に向けて活動を推進してまいります。
③月面探査車用タイヤの開発
当社は2019年から月面探査車用タイヤの研究を進めており、これまでに第1世代、第2世代のタイヤコンセプトモデルを開発し、地上走行試験やシミュレーションを重ねております。2025年3月に英「Tire Technology International」誌が主催する「Tire Technology International Awards 2025」において、月面探査車用タイヤで「Tire Concept of the Year」を受賞しました。この賞は、革新的なタイヤコンセプトに贈られるものであり、月面という極限環境に対応した独自の設計が高く評価されました。当社のタイヤは、空気を使用しない「AirFree」技術と金属製スポークを採用し、真空・温度変化・放射線といった過酷な条件下でも柔軟性と耐久性を両立しています。月面の微細な砂「レゴリス」上での走破性や、岩などの障害物への対応力も備えております。また2025年4月には、米国最大の宇宙関連イベント「Space Symposium」に出展し、中小型探査車向けに軽量化を図った第2世代タイヤのコンセプトモデルを展示しました。当社は、月面探査車用タイヤの開発を通じて宇宙モビリティの進化を支え、企業コミットメント「Bridgestone E8 Commitment」で掲げる「Extension(エクステンション) 人とモノの移動を止めず、さらにその革新を支えていくこと」に引き続き取り組んでまいります。
④新たなモータースポーツマネジメント体制を構築
当社は、モータースポーツ活動60周年を迎えた2023年を契機に、サステナブルなグローバルモータースポーツ活動を強化しております。その一環として、2025年3月1日付にてGlobal Chief Technology Officer(執行役副社長)下に、グローバルモータースポーツ管掌を設置し、新たなモータースポーツマネジメント体制を構築しました。当社にとって、グローバルモータースポーツ管掌を設置するのは初めてのことであり、次のステージへ向けてモータースポーツ活動を経営体制の面からも強化し、今後の拡大に応じて、進化させてまいります。
当社にとって、モータースポーツ活動は原点であり、ビジョンである「サステナブルなソリューションカンパニー」への変革の原動力であります。サステナブルなグローバルモータースポーツ活動を中核に、「サステナブルなプレミアム」ブランドの構築に挑戦するとともに、レースを「走る実験室」として、「究極のカスタマイズ」を追求する商品設計基盤技術「ENLITEN(エンライトン)」の進化やバリューチェーン全体におけるカーボンニュートラル化、サーキュラーエコノミーの実現を加速してまいります。
⑤「2025 Bridgestone World Solar Challenge」へ新たな再生資源を初採用した「ENLITEN」技術搭載タイヤを供給
2025年8月4日からオーストラリアで開催される「2025 Bridgestone(ブリヂストン) World(ワールド) Solar(ソーラー) Challenge(チャレンジ)(以下、BWSC)」にむけて、ENEOS株式会社との共創により開発した新たな再生カーボンブラック、日本製鉄株式会社及び山陽特殊製鋼株式会社との共創により開発した新たな再生スチールをタイヤに初採用して、再生資源・再生可能資源比率を65%以上に向上させた「ENLITEN」技術搭載タイヤを、17か国・地域から参加する33チームへ供給します。さらに、使用タイヤ本数の削減や低炭素な輸送手段の導入など、バリューチェーン全体においても、サーキュラーエコノミーの実現とカーボンニュートラル化に向けた取り組みを強化しております。
(注) 当社グループの研究開発活動には、特定のセグメントに紐づかないものがあり、またその成果はセグメント横断的に効果があるため、セグメント別の状況及び金額の記載を省略しております。
詳細は、「第4 経理の状況 1 要約中間連結財務諸表 要約中間連結財務諸表注記 6.事業セグメント」に記載のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当半期報告書提出日現在において、判断したものであります。
(1) 業績の状況
① 業績全般
| 当中間 連結会計期間 | 前中間 連結会計期間 | 増減 | ||
| 金額 | 比率 | |||
| 億円 | 億円 | 億円 | % | |
| 売上収益 | 21,164 | 21,768 | △603 | △3 |
| 調整後営業利益 | 2,346 | 2,292 | 55 | +2 |
| 営業利益 | 1,645 | 2,804 | △1,159 | △41 |
| 税引前中間利益 | 1,554 | 2,769 | △1,215 | △44 |
| 親会社の所有者に帰属する中間利益 | 1,155 | 1,991 | △836 | △42 |
当中間連結会計期間(2025年1月1日から2025年6月30日)の需要環境は、新車用の乗用車用及び小型トラック用タイヤは、日本では自動車生産台数が増加しタイヤ需要は好調に推移した一方で、北米・欧州ではタイヤ需要は前年同期を下回りました。新車用トラック・バス用タイヤ需要は、日本では前年並みに推移した一方で、北米・欧州では前年同期を下回りました。市販用の乗用車用及び小型トラック用タイヤは、日本では今年6月の値上げ前駆け込み需要の影響もあり前年同期比で順調に推移しました。また、北米では米国・カナダのタイヤ製造者協会に参加する主要タイヤメーカーから構成される需要は前年並みで推移し、欧州での需要は堅調に推移しました。なお、高インチタイヤ(18インチ以上)は、北米・欧州の市販用を中心に需要伸張が継続しました。市販用トラック・バス用タイヤは、北米では前年同期比で好調に推移し、日本では今年6月の値上げ前駆け込み需要の影響もあり前年同期比で大幅に上回った一方で、欧州では前年並みに推移しました。なお、北米の市販用タイヤの需要については、乗用車用及び小型トラック用タイヤ・トラック・バス用タイヤともに、米国の関税政策による関税引き上げ前の駆け込み需要もあり、アジア品を中心とした廉価輸入タイヤの需要が前年同期比で伸張しました。
当社グループは、上記の需要環境の中、売上収益については、北米を中心とした市販用トラック・バス用タイヤの堅調な販売や、市販用の乗用車用プレミアムタイヤ(18インチ以上高インチタイヤ、各地域において高収益なプレミアムタイヤブランドなど)の拡販が継続した一方で、新車用タイヤを中心とした販売数量減や南米事業、化工品事業の減収影響に加えて、為替円高による影響が大きく、前年同期比で減収となりました。
調整後営業利益については、原材料高や棚卸未実現利益による減益影響を、売値・MIX改善や再編・再構築の着実な推進によるビジネス体質改善に加えて、地道なグローバルビジネスコストダウン活動を加速、稼ぐ力の強化でオフセットし、前年同期比で増益となりました。
営業利益については再編・再構築(第2ステージ)を着実に推進し関連費用を計上したことに加え、前年第2四半期に固定資産売却益の計上があり、前年同期比減益の着地となりました。
以上の結果、当社グループの当中間連結会計期間の売上収益は21,164億円(前年同期比3%減)、調整後営業利益は2,346億円(前年同期比2%増)、営業利益は1,645億円(前年同期比41%減)、税引前中間利益は1,554億円(前年同期比44%減)、親会社の所有者に帰属する中間利益は1,155億円(前年同期比42%減)となりました。今後も、「変化をチャンスへ」つなげ、グローバルでビジネス体質をより強化し、「守り」と「攻め」で、「質を伴った成長」への道筋を切り拓いてまいります。
② セグメント別業績
| 当中間 連結会計期間 | 前中間 連結会計期間 | 増減 | |||
| 金額 | 比率 | ||||
| 日本 | 億円 | 億円 | 億円 | % | |
| 売上収益 | 6,037 | 5,867 | +170 | +3 | |
| 調整後営業利益 | 825 | 941 | △116 | △12 | |
| アジア・大洋州・ インド・中国 | 売上収益 | 2,468 | 2,605 | △137 | △5 |
| 調整後営業利益 | 292 | 278 | +13 | +5 | |
| 米州 | 売上収益 | 10,259 | 10,930 | △671 | △6 |
| 調整後営業利益 | 918 | 883 | +35 | +4 | |
| 欧州・中近東・ アフリカ | 売上収益 | 4,113 | 4,111 | +3 | +0 |
| 調整後営業利益 | 185 | 74 | +111 | +151 | |
| その他 | 売上収益 | 407 | 420 | △14 | △3 |
| 調整後営業利益 | 32 | 29 | +3 | +10 | |
| 連結 合計 | 売上収益 | 21,164 | 21,768 | △603 | △3 |
| 調整後営業利益 | 2,346 | 2,292 | +55 | +2 | |
[日本]
売上収益は6,037億円(前年同期比3%増)、調整後営業利益は825億円(前年同期比12%減)となりました。
販売本数は、乗用車及び小型トラック用タイヤは順調に推移した一方、トラック・バス用タイヤは前年同期を大幅に上回りました。販売数量・売値が前年を上回った一方、原材料等のインフレ影響が利益を押し下げ、為替円高の向かい風もあり前年同期比増収減益となりました。
[アジア・大洋州・インド・中国]
売上収益は2,468億円(前年同期比5%減)、調整後営業利益は292億円(前年同期比5%増)となりました。
販売本数は、乗用車及び小型トラック用タイヤは堅調に推移した一方、トラック・バス用タイヤは前年同期を大幅に下回りました。販売数量減影響を、売値・MIX及び営業費の改善で吸収し、前年同期比減収増益となりました。
[米州]
売上収益は10,259億円(前年同期比6%減)、調整後営業利益は918億円(前年同期比4%増)となりました。
北米タイヤ事業において、販売本数は乗用車及び小型トラック用タイヤは前年同期を下回る一方、トラック・バス用タイヤは順調に推移しました。販売MIXの改善に加え、営業費が改善し、前年同期比減収増益となりました。
[欧州・中近東・アフリカ]
売上収益は4,113億円(前年同期並)、調整後営業利益は185億円(前年同期比151%増)となりました。
欧州では、販売本数は乗用車及び小型トラック用タイヤは前年同期を下回り、トラック・バス用タイヤは前年並みに推移しました。販売MIXの改善及び営業費の改善が、販売数量減少の影響を上回り、前年同期比増益となりました。
(注) セグメント別の金額はセグメント間の取引を含んでおり、連結合計の金額はそれらを消去した後の数値であります。
(2) 財政状態の状況
当中間連結会計期間末における財政状態の状況は、以下のとおりであります。
(資産)
資産合計は、売買目的で保有する資産が311億円増加したものの、営業債権及びその他の債権が523億円、有形固定資産が1,176億円、使用権資産が308億円、それぞれ減少したことなどから、前連結会計年度末に比べ2,424億円減少し、54,812億円となりました。
(負債)
負債合計は、営業債務及びその他の債務が1,042億円減少したものの、非流動負債の社債及び借入金が1,098億円増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ64億円増加し、19,434億円となりました。
(資本)
資本合計は、親会社の所有者に帰属する中間利益の計上により1,155億円増加したものの、自己株式が1,072億円増加するとともに、配当金(親会社の所有者)により719億円、その他の資本の構成要素が1,870億円、それぞれ減少したことなどから、前連結会計年度末に比べ2,488億円減少し、35,377億円となりました。
その結果、親会社所有者帰属持分比率は、63.6%となり、前連結会計年度末に比べ1.6ポイントの減少となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
| 当中間連結会計期間 | 前中間連結会計期間 | 増減 | ||
| 金額 | ||||
| 億円 | 億円 | 億円 | ||
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 2,791 | 2,115 | +676 | |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △1,209 | △1,027 | △182 | |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | △1,364 | △2,372 | +1,009 | |
| 現金及び現金同等物に係る換算差額 | △355 | 534 | △889 | |
| 現金及び現金同等物の増減額 | △137 | △750 | +613 | |
| 現金及び現金同等物の期首残高 | 7,067 | 7,246 | △179 | |
| 売却目的で保有する資産に含まれる現金及び現金同等物の増減額 | △22 | △5 | △17 | |
| 現金及び現金同等物の中間期末残高 | 6,909 | 6,491 | +417 | |
当中間連結会計期間における当社グループの現金及び現金同等物(以下、「資金」)は、全体で159億円減少(前年同期は755億円の減少)し、当中間連結会計期間末には6,909億円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金収支は、2,791億円の収入(前年同期比676億円の収入増)となりました。これは、営業債務及びその他の債務の減少額380億円(前年同期は営業債務及びその他の債務の増加額145億円)、法人所得税の支払額321億円(前年同期は550億円)などがあったものの、税引前中間利益1,554億円(前年同期は2,769億円)や、減価償却費及び償却費1,762億円(前年同期は1,727億円)などがあったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金収支は、1,209億円の支出(前年同期比182億円の支出増)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出1,239億円(前年同期は1,487億円)などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金収支は、1,364億円の支出(前年同期比1,009億円の支出減)となりました。これは、長期借入れによる収入600億円(前年同期は収入なし)や、社債の発行による収入1,000億円(前年同期は収入なし)などがあったものの、短期借入金の減少額641億円(前年同期は短期借入金の増加額93億円)や、リース負債の返済による支出361億円(前年同期は364億円)、自己株式の取得による支出1,077億円(前年同期は5百万円)、配当金の支払額(親会社の所有者)719億円(前年同期は685億円)などがあったことによるものであります。
(4) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当中間連結会計期間において、前連結会計年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について、重要な変更はありません。
(5) 経営方針・経営戦略等並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等並びに事業上及び財務上の対処すべき課題について、重要な変更はありません。
(6) 研究開発活動
当中間連結会計期間におけるグループ全体の研究開発費は585億円であります。
また、当中間連結会計期間における研究開発活動の状況の重要な変更は次のとおりであります。
(新たな活動、及び社内外共創活動)
①東海カーボン株式会社、国立大学法人九州大学及び国立大学法人岡山大学との共創
当社は東海カーボン株式会社、国立大学法人九州大学及び国立大学法人岡山大学と連携し、使用済タイヤなどのゴムを含む高分子製品から再生カーボンブラック(rCB)を取り出し、石油・石炭由来の新品カーボンブラック(vCB)並みのゴム補強性を持つカーボンブラック(eCB)を生成する技術開発プロジェクトを2025年1月より開始しました。このプロジェクトは、NEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「グリーンイノベーション基金事業/CO2等を用いたプラスチック原料製造技術開発(追加公募)」に採択された実証事業の一環であります。使用済タイヤの熱分解によるrCBの回収と再利用は進められておりますが、不純物が多く、ゴム補強性に課題があります。自動車・交通需要の増加に伴い、今後もタイヤの需要伸長が見込まれる環境下において、vCBのリサイクルを可能にすることで資源循環の向上を目指します。東海カーボンの技術と、ブリヂストン、九州大学、岡山大学の知見を融合させ、2032年度までにeCBを5,000トン/年生産する実証プラントの稼働を目指します。また、使用済タイヤを熱分解せずにカーボンブラックを再利用する技術開発にも取り組み、資源の高度なリサイクルとCO2排出量の削減を目指します。
②株式会社ENEOSマテリアルと日揮ホールディングス株式会社との共創
当社は株式会社ENEOSマテリアルと日揮ホールディングス株式会社とともに、植物資源由来の合成ゴムを使用したタイヤの商業化に向けた連携を加速します。合成ゴムの素原料であるブタジエンは石油製品の一つであるナフサを熱分解した際の副生成物として工業的に生産されております。2022年より、各社は持続可能な社会の実現に向けて、植物資源由来のバイオブタジエン及びタイヤ用合成ゴム製造の技術検討や市場調査を進めてきました。2024年7月、ENEOSマテリアル及び日揮ホールディングスの2社が参画する「木質等の未利用資源を活用したバイオものづくりエコシステム構築事業」がNEDOの「バイオものづくり革命推進事業」に採択され、3社は植物資源由来の合成ゴムを使用したタイヤの商業化に向けた取り組みを促進します。2030年代前半の商業化を目指し、2028年までに技術実証を開始し、サプライチェーン構築や社会価値・顧客価値の検証を進めます。
③タイヤ・路面粉じんの環境影響把握に向けた捕集方法の開発
当社はタイヤ・路面摩耗粉じん(TRWP:Tire(タイヤ) and(アンド) Road(ロード) Wear(ウェア) Particles(パーティクルズ))の環境影響把握に向け、独自の実車捕集法を2025年3月に開発しました。東京都小平市のテストコースで高速度カメラとレーザーを用いて粒子の飛散を可視化し、その結果を基にTRWPを効率的に捕集可能なタイヤ全体を覆う装置を開発しました。更に、自動運転を使用することで一定の走行状態を保持するとともに、EVを使用することで排気粉じんとブレーキ粉じんの影響を排除した状態でのTRWPの捕集が可能となりました。また、物理試験機メーカーの株式会社上島製作所と共同で、実験室規模でゴム摩耗粉を生成・捕集できる試験機も開発し、低コストかつ短時間での評価を可能にしました。今回開発した捕集法を活用することで、TRWPの本質を理解し、環境影響を把握する取り組みを加速してまいります。
(開発の進展)
①使用済タイヤの精密熱分解実証プラント
当社は2025年1月に使用済タイヤを原材料として再利用する「タイヤ水平リサイクル」の実現に向け、岐阜県関市の関工場内に精密熱分解によるパイロット実証プラントを建設することを決定しました。2027年の稼働開始を予定しており、分解油や再生カーボンブラックを回収してタイヤ原材料に再利用するケミカルリサイクル技術の確立と最適化を目指します。
この取り組みは、Bridgestone Innovation(イノベーション) Park(パーク)での実証実験を基にしたもので、ENEOSや東海カーボンとの共同プロジェクトとして、NEDOの支援を受けて進められています。また、技術開発に加えて、操業ノウハウの蓄積や人材育成も推進されます。こうした共創活動を通じて、使用済タイヤを「資源」としてゴムや原材料に「戻す」リサイクル事業の事業化に向けた「EVERTIRE(エバータイヤ) INITIATIVE(イニシアチブ)」を展開し、カーボンニュートラルとサーキュラーエコノミーの実現に向けた取り組みを強化しています。
②次世代タイヤ「AirFree」の開発
当社は2025年1月に滋賀県東近江市、2月に富山県富山市と新たなグリーンスローモビリティの共創に向けた連携協定を締結いたしました。本協定は、地方自治体が運営するグリーンスローモビリティサービスに、ブリヂストンの空気充填が要らない次世代タイヤ「AirFree(エアフリー)」を装着し、その特性や機能、提供価値を検証するとともに、地域社会のモビリティを支えるための連携及び協力を目的としております。「AirFree」は、空気の代わりにリサイクル可能なスポーク形状の熱可塑性樹脂で荷重を支えるため、パンクの心配がなく、資源生産性の向上やメンテナンスの効率化を実現しております。また、スポーク部分には薄暗い時間帯においても視認性を最大化できる青色「Empowering(エンパワリング) Blue(ブルー)」を採用し、安心・安全な移動を支えております。「AirFree」は「地域社会のモビリティを支える」ことをミッションに、高齢化や過疎化、労働力不足といった地域交通に関する様々な課題の解決策として注目されている「グリーンスローモビリティ」をターゲットの一つとし、2026年の社会実装に向けて活動を推進してまいります。
③月面探査車用タイヤの開発
当社は2019年から月面探査車用タイヤの研究を進めており、これまでに第1世代、第2世代のタイヤコンセプトモデルを開発し、地上走行試験やシミュレーションを重ねております。2025年3月に英「Tire Technology International」誌が主催する「Tire Technology International Awards 2025」において、月面探査車用タイヤで「Tire Concept of the Year」を受賞しました。この賞は、革新的なタイヤコンセプトに贈られるものであり、月面という極限環境に対応した独自の設計が高く評価されました。当社のタイヤは、空気を使用しない「AirFree」技術と金属製スポークを採用し、真空・温度変化・放射線といった過酷な条件下でも柔軟性と耐久性を両立しています。月面の微細な砂「レゴリス」上での走破性や、岩などの障害物への対応力も備えております。また2025年4月には、米国最大の宇宙関連イベント「Space Symposium」に出展し、中小型探査車向けに軽量化を図った第2世代タイヤのコンセプトモデルを展示しました。当社は、月面探査車用タイヤの開発を通じて宇宙モビリティの進化を支え、企業コミットメント「Bridgestone E8 Commitment」で掲げる「Extension(エクステンション) 人とモノの移動を止めず、さらにその革新を支えていくこと」に引き続き取り組んでまいります。
④新たなモータースポーツマネジメント体制を構築
当社は、モータースポーツ活動60周年を迎えた2023年を契機に、サステナブルなグローバルモータースポーツ活動を強化しております。その一環として、2025年3月1日付にてGlobal Chief Technology Officer(執行役副社長)下に、グローバルモータースポーツ管掌を設置し、新たなモータースポーツマネジメント体制を構築しました。当社にとって、グローバルモータースポーツ管掌を設置するのは初めてのことであり、次のステージへ向けてモータースポーツ活動を経営体制の面からも強化し、今後の拡大に応じて、進化させてまいります。
当社にとって、モータースポーツ活動は原点であり、ビジョンである「サステナブルなソリューションカンパニー」への変革の原動力であります。サステナブルなグローバルモータースポーツ活動を中核に、「サステナブルなプレミアム」ブランドの構築に挑戦するとともに、レースを「走る実験室」として、「究極のカスタマイズ」を追求する商品設計基盤技術「ENLITEN(エンライトン)」の進化やバリューチェーン全体におけるカーボンニュートラル化、サーキュラーエコノミーの実現を加速してまいります。
⑤「2025 Bridgestone World Solar Challenge」へ新たな再生資源を初採用した「ENLITEN」技術搭載タイヤを供給
2025年8月4日からオーストラリアで開催される「2025 Bridgestone(ブリヂストン) World(ワールド) Solar(ソーラー) Challenge(チャレンジ)(以下、BWSC)」にむけて、ENEOS株式会社との共創により開発した新たな再生カーボンブラック、日本製鉄株式会社及び山陽特殊製鋼株式会社との共創により開発した新たな再生スチールをタイヤに初採用して、再生資源・再生可能資源比率を65%以上に向上させた「ENLITEN」技術搭載タイヤを、17か国・地域から参加する33チームへ供給します。さらに、使用タイヤ本数の削減や低炭素な輸送手段の導入など、バリューチェーン全体においても、サーキュラーエコノミーの実現とカーボンニュートラル化に向けた取り組みを強化しております。
(注) 当社グループの研究開発活動には、特定のセグメントに紐づかないものがあり、またその成果はセグメント横断的に効果があるため、セグメント別の状況及び金額の記載を省略しております。