有価証券報告書-第159期(2024/04/01-2025/03/31)
(1)業績等の概要
(単位:百万円)
1)全体の状況
当第4四半期において、当社グループが事業を行う市場の多くでは厳しい状況が続きましたが、改善の兆候が見られる地域もありました。欧州の建築用ガラス市場においては、ガラス価格が非常に低い水準から緩やかに回復しました。自動車用ガラス市場は前年度とほぼ同様で、高機能ガラス市場は改善しました。
2)セグメント別の状況
当社グループの事業は、建築用ガラス事業、自動車用ガラス事業、高機能ガラス事業の3種類のコア製品分野からなっています。
「建築用ガラス事業」は、建築材料市場向けの板ガラス製品及び内装外装用加工ガラス製品を製造・販売しており、当連結会計年度における当社グループの売上高のうち43%を占めています。太陽電池パネル用ガラス事業も、ここに含まれます。
「自動車用ガラス事業」は、新車組立用及び補修用市場向けに種々のガラス製品を製造・販売しており、当社グループの売上高のうち51%を占めています。
「高機能ガラス事業」は、当社グループの売上高のうち6%を占めており、ディスプレイのカバーガラスなどに用いられる薄板ガラス、プリンター用レンズ及び光ガイド、並びにエンジン用タイミングベルト部材などのガラス繊維製品の製造・販売など、いくつかの事業からなっています。
「その他」には、全社費用、連結調整、前述の各セグメントに含まれない小規模な事業、並びにピルキントン社買収に伴い認識された無形資産の償却費が含まれています。
セグメント別の業績概要は下表の通りです。
(単位:百万円)
建築用ガラス事業
当連結会計年度における建築用ガラス事業の売上高は3,630億円(前連結会計年度は3,718億円)、個別開示項目前営業利益は136億円(前連結会計年度は291億円)となりました。売上高および個別開示項目前営業利益は欧州を中心に多くの地域で販売数量の減少と販売価格の低下の影響を受け前年度比で減少しました。
欧州における建築用ガラス事業の売上高は、グループ全体における当事業売上高の35%を占めています。売上高
は、需要の低迷が供給過剰と販売価格低下を招いたため、前年度比で減少しました。市況の悪化による影響は、投入コストの低下により一部軽減されました。当第4四半期には、販売価格の上昇と燃料価格の低下により利益率が改善する兆しが見られました。需要が弱い市場に対応するため、当年度にドイツのフロート窯2基の生産を停止しました。
アジアにおける建築用ガラス事業の売上高は、グループ全体における当事業売上高の33%を占めています。売上高および個別開示項目前営業利益は前年度を上回りました。日本では困難な市場環境が継続したため減益となりました。その他東南アジアの市場も依然厳しい状況が続いています。太陽電池パネル用ガラスは2023年11月から稼働開始したマレーシアの生産設備の貢献もあり販売数量が増加しました。
米州における建築用ガラス事業の売上高は、グループ全体における当事業売上高の32%を占めています。個別開示項目前営業利益は前年度比で減少しました。北米では商業用建物市場が力強さを欠き、業績は減速しました。2025年1月16日に公表した通り、米国オハイオ州ロスフォード工場のガラス生産設備の火入れを行いました。以前は一般建築用のガラスを製造していましたが、今後は太陽電池パネル用ガラスを生産します。南米における需要も、アルゼンチンでの厳しい市場環境を反映し減少しました。
自動車用ガラス事業
当連結会計年度における自動車用ガラス事業の売上高は4,294億円(前連結会計年度は4,176億円)、個別開示項目前営業利益は77億円(前連結会計年度は113億円)となりました。売上高は、多くの地域において現地通貨ベースでは前年と同水準でしたが、円安による為替影響の恩恵を受けたため増加しました。
欧州における自動車用ガラス事業の売上高は、グループ全体における当事業売上高の41%を占めています。売上高は現地通貨ベースでは前年度比でやや減少しましたが、日本円ベースでは為替の影響により増加しました。個別開示項目前営業利益については前年度を下回りました。2025年1月24日に公表した通り、欧州市場における需要減少と継続するコスト上昇に対応するためドイツの生産体制の見直しを決定しました。
アジアにおける自動車用ガラス事業の売上高は、グループ全体における当事業売上高の19%を占めています。売上高・個別開示項目前営業利益は前年度比で増加しました。日本の販売数量は第3四半期まで一部の取引先における生産停止の影響を受けたものの、第4四半期には改善しました。
米州における自動車用ガラス事業の売上高はグループ全体における当事業売上高の40%を占めています。売上高は前年度比で増加したものの個別開示項目前営業利益は減少しました。北米の市場は全般的に安定していましたが、販売数量は一部取引先での生産停止の影響を受けました。南米では、前年度比でアルゼンチンの販売数量は減少したものの、ブラジルでは増加しました。
高機能ガラス事業
当連結会計年度における高機能ガラス事業の売上高は466億円(前連結会計年度は399億円)、個別開示項目前営業利益は76億円(前連結会計年度は71億円)となりました。
売上高および個別開示項目前営業利益は、多くの事業で需要が回復したため前年度比で増加しました。ファインガラス事業では、売上高は前年度比で増加しました。情報通信デバイス事業では、プリンターおよびスキャナーに対する需要回復に伴い販売数量が大きく回復しました。自動車エンジンのタイミングベルト用グラスコードは補修用市場での強い需要が継続しました。メタシャイン®の売上高は化粧品向けで増加しました。
その他
当連結会計年度におけるその他の売上高は13億円(前連結会計年度は33億円)、個別開示項目前営業損失は123億円(前連結会計年度は117億円)となりました。
このセグメントには、全社費用、連結調整、前述の各セグメントに含まれない小規模な事業、並びにピルキントン社買収に伴い認識された無形資産の償却費が含まれています。
持分法適用会社
持分法による投資利益は55億円(前年度は51億円)と改善しました。これは主にブラジルの建築用ガラス事業におけるジョイント・ベンチャーであるセブラセ社によるものです。前年度はロシアにおけるジョイント・ベンチャー売却に伴い一過性の利益48億円を計上しています。
(2)会計方針並びに重要な会計上の見積り、判断及び仮定
連結財務諸表において採用している重要性のある会計方針については、第5[経理の状況]の1(1)連結財務諸表の「⑤連結財務諸表注記」に記載されている通りです。なお、これらの会計方針に基づく連結財務諸表上の資産・負債並びに収益・費用の額の決定に際しては、当該取引の実態や過去の実績等に照らし合理的と思われる見積りや判断を要することがあります。
当連結会計年度末に実施したのれんの減損テストについては、⑤連結財務諸表注記 15.「のれん」をご参照ください。また、貸付を含むジョイント・ベンチャーへの長期的な投資の回収可能性については、注記 20.「持分法で会計処理される投資」をご参照ください。
(3)財政状態の分析
当社グループでは、今後の予測・見通しを踏まえて、既存の融資枠の範囲内で引き続き事業継続が可能なものと判断しています。当社グループは、既存の融資については、返済期限を迎える前にその更新を金融機関との間で交渉する方針としています。将来の借入条件に関する金融機関との交渉において、当社グループが受諾可能な条件での融資が不可能と想起させるような事実は発生していません。こうした状況を検討し、当社取締役会は、当社グループが予測可能な将来において継続事業として存続するのに十分な経営資源を引き続き有するという、合理的な見通しを持っています。従って、当社グループは、引き続き継続企業の前提に基づいて、当連結会計年度の連結財務諸表を作成しています。
1)総資産
2025年3月末時点の総資産は1兆329億円となり、2024年3月末時点から253億円増加しました。総資産の増加は主にアルゼンチン子会社における超インフレ調整によるもので、為替変動分によって完全に相殺されなかったことによるものです。
2)ネット借入残高
2025年3月末時点のネット借入残高は、2024年3月末より68億円増加して4,543億円となりました。ネット借入の増加の大部分は戦略投資の増加によるものですが、運転資本の減少により軽減されました。為替影響によるネット借入の減少は7億円でした。また、総借入残高は5,248億円となりました。
3)資本
2025年3月末時点の資本合計は1,424億円となり、2024年3月末時点の1,538億円から114億円減少しました。資本合計の減少は、主に当連結会計年度において純損失を計上したことによるものです。
(4)経営成績の分析
1)売上高
当連結会計年度の売上高は、前年度をやや上回りの8,404億円(前連結会計年度は8,325億円)となりました。これは自動車用ガラス事業と高機能ガラス事業における改善によるものです。
2)個別開示項目前営業利益
個別開示項目前営業利益は165億円(前連結会計年度は359億円)と減益で、主に建築用ガラス事業の減益によるものです。
3)税引前利益
当連結会計年度の税引前損失は85億円となりました(前連結会計年度は176億円の利益)。税引前損益の悪化は、個別開示項目前営業利益の減少に加え、個別開示項目費用(純額)が増加したこと、及び前連結会計年度においてはロシアにおけるジョイント・ベンチャーの売却に伴う一過性の利益を計上したことによるものです。これらのマイナス要因は当連結会計年度における金利の引き下げに伴う金融費用の減少によって一部相殺されました。
4)親会社の所有者に帰属する当期利益
親会社の所有者に帰属する当期損失は、個別開示項目前営業利益の減少、個別開示項目費用(純額)の増加の結果、138億円(前連結会計年度は106億円の利益)となりました。
5)1株当たり指標
連結会計年度の基本的1株当たり当期損失は173.20円となり、前連結会計年度の基本的1株当たり当期利益95.40円から悪化しました。基本的1株当たり当期利益は、親会社の所有者に帰属する当期利益からA種種類株式に係る配当金を控除した金額を、発行済普通株式の加重平均数で除して算出しています。当連結会計年度において、A種種類株式に係る配当20億円(前連結会計年度は20億円)がこの計算に含まれています。
(5)キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、524億円のプラスとなりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による547億円の支出等により424億円のマイナスとなりました。以上より、フリー・キャッシュ・フローは100億円のプラス(前年度は153億円のプラス)となりました。
財務キャッシュ・フローと為替換算影響を考慮した後のベースで、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べて187億円増加し、630億円となりました。
(6)生産・受注及び販売の実績
1)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次の通りです。
(注)1.金額は、販売価格によっています。
2.上記の金額には、消費税等は含まれていません。
2)受注実績
受注生産形態をとらない製品が多く、セグメント毎に示すことは難しいため記載していません。
3)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次の通りです。
(注)1.上記の金額には消費税等は含まれていません。
2.セグメント間の取引については相殺消去しています。
3.主な販売先としてFirst Solar, Inc.があり、当連結会計年度(2025年3月期)の販売実績は85,013百万円(前連結会計年度(2024年3月期)64,860百万円)、当連結会計年度の当該販売実績の総販売実績に対する割合は10.1%(同7.8%)です。
(単位:百万円)
| 売上高 | 個別開示項目前 営業利益 | 税引前利益 | 当期利益 | 親会社の所有者に帰属する 当期利益 | |
| 当連結会計年度 | 840,401 | 16,491 | △8,525 | △13,466 | △13,831 |
| 前連結会計年度 | 832,537 | 35,860 | 17,597 | 10,930 | 10,633 |
| 増減率 | 0.9% | △54.0% | -% | -% | -% |
1)全体の状況
当第4四半期において、当社グループが事業を行う市場の多くでは厳しい状況が続きましたが、改善の兆候が見られる地域もありました。欧州の建築用ガラス市場においては、ガラス価格が非常に低い水準から緩やかに回復しました。自動車用ガラス市場は前年度とほぼ同様で、高機能ガラス市場は改善しました。
2)セグメント別の状況
当社グループの事業は、建築用ガラス事業、自動車用ガラス事業、高機能ガラス事業の3種類のコア製品分野からなっています。
「建築用ガラス事業」は、建築材料市場向けの板ガラス製品及び内装外装用加工ガラス製品を製造・販売しており、当連結会計年度における当社グループの売上高のうち43%を占めています。太陽電池パネル用ガラス事業も、ここに含まれます。
「自動車用ガラス事業」は、新車組立用及び補修用市場向けに種々のガラス製品を製造・販売しており、当社グループの売上高のうち51%を占めています。
「高機能ガラス事業」は、当社グループの売上高のうち6%を占めており、ディスプレイのカバーガラスなどに用いられる薄板ガラス、プリンター用レンズ及び光ガイド、並びにエンジン用タイミングベルト部材などのガラス繊維製品の製造・販売など、いくつかの事業からなっています。
「その他」には、全社費用、連結調整、前述の各セグメントに含まれない小規模な事業、並びにピルキントン社買収に伴い認識された無形資産の償却費が含まれています。
セグメント別の業績概要は下表の通りです。
(単位:百万円)
| 売上高 | 個別開示項目前営業利益(△は損失) | |||
| 当連結会計年度 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 前連結会計年度 | |
| 建築用ガラス事業 | 363,025 | 371,777 | 13,574 | 29,087 |
| 自動車用ガラス事業 | 429,444 | 417,558 | 7,667 | 11,343 |
| 高機能ガラス事業 | 46,584 | 39,945 | 7,568 | 7,146 |
| その他 | 1,348 | 3,257 | △12,318 | △11,716 |
| 合計 | 840,401 | 832,537 | 16,491 | 35,860 |
建築用ガラス事業
当連結会計年度における建築用ガラス事業の売上高は3,630億円(前連結会計年度は3,718億円)、個別開示項目前営業利益は136億円(前連結会計年度は291億円)となりました。売上高および個別開示項目前営業利益は欧州を中心に多くの地域で販売数量の減少と販売価格の低下の影響を受け前年度比で減少しました。
欧州における建築用ガラス事業の売上高は、グループ全体における当事業売上高の35%を占めています。売上高
は、需要の低迷が供給過剰と販売価格低下を招いたため、前年度比で減少しました。市況の悪化による影響は、投入コストの低下により一部軽減されました。当第4四半期には、販売価格の上昇と燃料価格の低下により利益率が改善する兆しが見られました。需要が弱い市場に対応するため、当年度にドイツのフロート窯2基の生産を停止しました。
アジアにおける建築用ガラス事業の売上高は、グループ全体における当事業売上高の33%を占めています。売上高および個別開示項目前営業利益は前年度を上回りました。日本では困難な市場環境が継続したため減益となりました。その他東南アジアの市場も依然厳しい状況が続いています。太陽電池パネル用ガラスは2023年11月から稼働開始したマレーシアの生産設備の貢献もあり販売数量が増加しました。
米州における建築用ガラス事業の売上高は、グループ全体における当事業売上高の32%を占めています。個別開示項目前営業利益は前年度比で減少しました。北米では商業用建物市場が力強さを欠き、業績は減速しました。2025年1月16日に公表した通り、米国オハイオ州ロスフォード工場のガラス生産設備の火入れを行いました。以前は一般建築用のガラスを製造していましたが、今後は太陽電池パネル用ガラスを生産します。南米における需要も、アルゼンチンでの厳しい市場環境を反映し減少しました。
自動車用ガラス事業
当連結会計年度における自動車用ガラス事業の売上高は4,294億円(前連結会計年度は4,176億円)、個別開示項目前営業利益は77億円(前連結会計年度は113億円)となりました。売上高は、多くの地域において現地通貨ベースでは前年と同水準でしたが、円安による為替影響の恩恵を受けたため増加しました。
欧州における自動車用ガラス事業の売上高は、グループ全体における当事業売上高の41%を占めています。売上高は現地通貨ベースでは前年度比でやや減少しましたが、日本円ベースでは為替の影響により増加しました。個別開示項目前営業利益については前年度を下回りました。2025年1月24日に公表した通り、欧州市場における需要減少と継続するコスト上昇に対応するためドイツの生産体制の見直しを決定しました。
アジアにおける自動車用ガラス事業の売上高は、グループ全体における当事業売上高の19%を占めています。売上高・個別開示項目前営業利益は前年度比で増加しました。日本の販売数量は第3四半期まで一部の取引先における生産停止の影響を受けたものの、第4四半期には改善しました。
米州における自動車用ガラス事業の売上高はグループ全体における当事業売上高の40%を占めています。売上高は前年度比で増加したものの個別開示項目前営業利益は減少しました。北米の市場は全般的に安定していましたが、販売数量は一部取引先での生産停止の影響を受けました。南米では、前年度比でアルゼンチンの販売数量は減少したものの、ブラジルでは増加しました。
高機能ガラス事業
当連結会計年度における高機能ガラス事業の売上高は466億円(前連結会計年度は399億円)、個別開示項目前営業利益は76億円(前連結会計年度は71億円)となりました。
売上高および個別開示項目前営業利益は、多くの事業で需要が回復したため前年度比で増加しました。ファインガラス事業では、売上高は前年度比で増加しました。情報通信デバイス事業では、プリンターおよびスキャナーに対する需要回復に伴い販売数量が大きく回復しました。自動車エンジンのタイミングベルト用グラスコードは補修用市場での強い需要が継続しました。メタシャイン®の売上高は化粧品向けで増加しました。
その他
当連結会計年度におけるその他の売上高は13億円(前連結会計年度は33億円)、個別開示項目前営業損失は123億円(前連結会計年度は117億円)となりました。
このセグメントには、全社費用、連結調整、前述の各セグメントに含まれない小規模な事業、並びにピルキントン社買収に伴い認識された無形資産の償却費が含まれています。
持分法適用会社
持分法による投資利益は55億円(前年度は51億円)と改善しました。これは主にブラジルの建築用ガラス事業におけるジョイント・ベンチャーであるセブラセ社によるものです。前年度はロシアにおけるジョイント・ベンチャー売却に伴い一過性の利益48億円を計上しています。
(2)会計方針並びに重要な会計上の見積り、判断及び仮定
連結財務諸表において採用している重要性のある会計方針については、第5[経理の状況]の1(1)連結財務諸表の「⑤連結財務諸表注記」に記載されている通りです。なお、これらの会計方針に基づく連結財務諸表上の資産・負債並びに収益・費用の額の決定に際しては、当該取引の実態や過去の実績等に照らし合理的と思われる見積りや判断を要することがあります。
当連結会計年度末に実施したのれんの減損テストについては、⑤連結財務諸表注記 15.「のれん」をご参照ください。また、貸付を含むジョイント・ベンチャーへの長期的な投資の回収可能性については、注記 20.「持分法で会計処理される投資」をご参照ください。
(3)財政状態の分析
当社グループでは、今後の予測・見通しを踏まえて、既存の融資枠の範囲内で引き続き事業継続が可能なものと判断しています。当社グループは、既存の融資については、返済期限を迎える前にその更新を金融機関との間で交渉する方針としています。将来の借入条件に関する金融機関との交渉において、当社グループが受諾可能な条件での融資が不可能と想起させるような事実は発生していません。こうした状況を検討し、当社取締役会は、当社グループが予測可能な将来において継続事業として存続するのに十分な経営資源を引き続き有するという、合理的な見通しを持っています。従って、当社グループは、引き続き継続企業の前提に基づいて、当連結会計年度の連結財務諸表を作成しています。
1)総資産
2025年3月末時点の総資産は1兆329億円となり、2024年3月末時点から253億円増加しました。総資産の増加は主にアルゼンチン子会社における超インフレ調整によるもので、為替変動分によって完全に相殺されなかったことによるものです。
2)ネット借入残高
2025年3月末時点のネット借入残高は、2024年3月末より68億円増加して4,543億円となりました。ネット借入の増加の大部分は戦略投資の増加によるものですが、運転資本の減少により軽減されました。為替影響によるネット借入の減少は7億円でした。また、総借入残高は5,248億円となりました。
3)資本
2025年3月末時点の資本合計は1,424億円となり、2024年3月末時点の1,538億円から114億円減少しました。資本合計の減少は、主に当連結会計年度において純損失を計上したことによるものです。
(4)経営成績の分析
1)売上高
当連結会計年度の売上高は、前年度をやや上回りの8,404億円(前連結会計年度は8,325億円)となりました。これは自動車用ガラス事業と高機能ガラス事業における改善によるものです。
2)個別開示項目前営業利益
個別開示項目前営業利益は165億円(前連結会計年度は359億円)と減益で、主に建築用ガラス事業の減益によるものです。
3)税引前利益
当連結会計年度の税引前損失は85億円となりました(前連結会計年度は176億円の利益)。税引前損益の悪化は、個別開示項目前営業利益の減少に加え、個別開示項目費用(純額)が増加したこと、及び前連結会計年度においてはロシアにおけるジョイント・ベンチャーの売却に伴う一過性の利益を計上したことによるものです。これらのマイナス要因は当連結会計年度における金利の引き下げに伴う金融費用の減少によって一部相殺されました。
4)親会社の所有者に帰属する当期利益
親会社の所有者に帰属する当期損失は、個別開示項目前営業利益の減少、個別開示項目費用(純額)の増加の結果、138億円(前連結会計年度は106億円の利益)となりました。
5)1株当たり指標
連結会計年度の基本的1株当たり当期損失は173.20円となり、前連結会計年度の基本的1株当たり当期利益95.40円から悪化しました。基本的1株当たり当期利益は、親会社の所有者に帰属する当期利益からA種種類株式に係る配当金を控除した金額を、発行済普通株式の加重平均数で除して算出しています。当連結会計年度において、A種種類株式に係る配当20億円(前連結会計年度は20億円)がこの計算に含まれています。
(5)キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、524億円のプラスとなりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による547億円の支出等により424億円のマイナスとなりました。以上より、フリー・キャッシュ・フローは100億円のプラス(前年度は153億円のプラス)となりました。
財務キャッシュ・フローと為替換算影響を考慮した後のベースで、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べて187億円増加し、630億円となりました。
(6)生産・受注及び販売の実績
1)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次の通りです。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
| 建築用ガラス事業 | 357,186 | 95.9 |
| 自動車用ガラス事業 | 425,070 | 99.1 |
| 高機能ガラス事業 | 42,933 | 107.8 |
| 報告セグメント計 | 825,189 | 98.1 |
| その他 | 2,215 | 66.8 |
| 合計 | 827,404 | 98.0 |
(注)1.金額は、販売価格によっています。
2.上記の金額には、消費税等は含まれていません。
2)受注実績
受注生産形態をとらない製品が多く、セグメント毎に示すことは難しいため記載していません。
3)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次の通りです。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
| 建築用ガラス事業 | 363,025 | 97.6 |
| 自動車用ガラス事業 | 429,444 | 102.8 |
| 高機能ガラス事業 | 46,584 | 116.6 |
| 報告セグメント計 | 839,053 | 101.2 |
| その他 | 1,348 | 41.4 |
| 合計 | 840,401 | 100.9 |
(注)1.上記の金額には消費税等は含まれていません。
2.セグメント間の取引については相殺消去しています。
3.主な販売先としてFirst Solar, Inc.があり、当連結会計年度(2025年3月期)の販売実績は85,013百万円(前連結会計年度(2024年3月期)64,860百万円)、当連結会計年度の当該販売実績の総販売実績に対する割合は10.1%(同7.8%)です。