有価証券報告書-第93期(2023/04/01-2024/03/31)
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
(1) 経営成績等の概要並びにそれらに関する認識及び分析・検討内容
① 事業全体
当連結会計年度における我が国経済は、雇用・所得環境が改善している一方、物価上昇の影響で個人消費は弱含んでおり景気の持ち直しには一服感が見られました。
世界経済は、物価上昇率にピークアウトの動きがみられるが依然として水準は高く、インフレ抑制のための各国中央銀行による金融政策が景気回復の下振れ要因となりました。長期化する世界的な金融引き締めの影響や、中東地域をめぐる情勢、中国経済の先行き懸念などの海外経済の減速による下振れ要因に加え、物価上昇を背景とする個人消費の落込みやコスト高による設備投資の抑制等により先行き不透明な状況が続きました。
当社グループを取り巻く事業環境は、チタン事業においては航空機向け需要の本格的な回復に加えウクライナ紛争に起因するロシアからの調達回避もあり、製品販売は引き続き堅調に推移しましたが、触媒・化学品事業においては海外の景気低迷長期化等により販売は低調に推移しました。一方、為替円安による収益改善の効果はあるものの、コスト面では、輸入原材料・副資材コストの高止まりが、収益を大きく圧迫する要因となりました。
こうした中、当連結会計年度における経営成績は、売上高78,404百万円(前期比2.4%減)、営業利益5,628百万円(同47.4%減)、経常利益6,273百万円(同40.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益4,951百万円(同34.0%減)となりました。

営業利益の対前連結会計年度比較を以下に示します。

経常利益は、6,273百万円の利益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、4,951百万円の利益となりました。
なお、当社グループが数値目標として掲げている「自己資本利益率(ROE)」について、目標10%以上に対し、当連結会計年度の実績は9.0%となりました。
② 各セグメント
セグメントごとの売上高、営業利益については、以下のとおりです。

金属チタン事業
当連結会計年度における金属チタンの販売は、航空機向けは引き続き堅調に推移した一方で、一般産業用途向けは前年並みの水準を維持しました。また、半導体向け高純度チタンの需要は減速していますが、一部で回復の兆しが見られました。収益面については、原料鉱石、電力価格及び副資材費の高騰に対する販売価格転嫁はあるものの、前期寄与していたコスト上昇前の製品在庫販売による利益が剝落したことを主因に、当期の金属チタン事業は、売上高59,363百万円(前期比9.1%増)、営業利益4,510百万円(同30.3%減)となりました。
触媒事業
当連結会計年度における触媒事業の販売は、中国景気後退による軟化と中国ポリオレフィン製造設備新設による能力過剰のため、周辺諸国における大幅な減産が続きました。こうした状況に加え、新工場稼働による固定費増によるコスト高の影響もあり、当期の触媒事業は、売上高7,326百万円(前期比16.5%減)、営業利益1,952百万円(同31.7%減)となりました。
化学品事業
当連結会計年度における化学品事業の販売は、米国の利上げや中国の経済停滞長期化の影響に伴い、主要製品である超微粉ニッケルの主な用途である積層セラミックコンデンサー(MLCC)の需要減少が継続していることから、販売量は前年同期を下回る水準となりました。加えて原材料・資材・ユーティリティ類の値上がりの影響等により、当期の化学品事業は、売上高11,714百万円(前期比31.8%減)、営業利益936百万円(同64.5%減)となりました。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
主な要因として、特定用途向けの需要が大きな割合を占めていることによる需要変動の影響、原料代及び電力代の変動、為替の変動等が挙げられます。詳細は、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
④ 財政状態の状況
資産の部は、売掛債権及び棚卸資産の増加等により、前連結会計年度末比14,573百万円増の126,002百万円となりました。
負債の部は、借入金の増加等により、前連結会計年度末比11,306百万円増の69,454百万円となりました。
純資産の部は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により前連結会計年度末比3,266百万円増の56,547百万円となりました。
これらの結果、自己資本比率は前連結会計年度末比2.8ポイント悪化し44.9%となりました。財務基盤強化の目安指標であるD/Eレシオについては、前連結会計年度末比0.15ポイント悪化し、当連結会計年度末の実績は0.99倍となりました。
⑤ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は1,880百万円と期首に比べ1,535百万円の減少となりました。キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは3,135百万円の支出となりました。これは、売上債権の増加3,586百万円,棚卸資産の増加10,374百万円等による資金の減少があり、税金等調整前当期純利益6,192百万円、減価償却費7,397百万円等による資金の増加があったことによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、8,010百万円の支出となりました。これは、有形固定資産の取得による支出8,097百万円等によるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、9,613百万円の収入となりました。これは、短期借入金の増加等によるものです。
なお、キャッシュ・フロー関連指標は、次のとおりであります。
⑥ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、収益性を高めるとともに資産の圧縮を進め、手元流動性の向上と強固な財務基盤の構築を実現していく考えであります。
当社グループの主要な資金需要は、製品製造のための原材料費、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用、並びに設備新設、維持改修等に係る投資であります。
これらの資金需要について、短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本として、設備投資や長期運転資金は金融機関からの長期借入を基本として、それぞれ調達しております。
手許の運転資金につきましては、当社及び一部の国内連結子会社においてCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)により、余剰資金を当社へ集中し、一元管理を行うことで、資金効率の向上を図っております。
なお、当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、「⑤ キャッシュ・フローの状況」をご覧ください。
⑦ 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されており、その作成において必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。重要な会計方針及び見積りの詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項 4 会計方針に関する事項」、及び「同 連結財務諸表注記 重要な会計上の見積り」 をご覧ください。
(2) 生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は売価基準で算出しております。
② 受注実績
受注生産は行っておりません。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
3.当連結会計年度の㈱村田製作所については、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。
(1) 経営成績等の概要並びにそれらに関する認識及び分析・検討内容
① 事業全体
当連結会計年度における我が国経済は、雇用・所得環境が改善している一方、物価上昇の影響で個人消費は弱含んでおり景気の持ち直しには一服感が見られました。
世界経済は、物価上昇率にピークアウトの動きがみられるが依然として水準は高く、インフレ抑制のための各国中央銀行による金融政策が景気回復の下振れ要因となりました。長期化する世界的な金融引き締めの影響や、中東地域をめぐる情勢、中国経済の先行き懸念などの海外経済の減速による下振れ要因に加え、物価上昇を背景とする個人消費の落込みやコスト高による設備投資の抑制等により先行き不透明な状況が続きました。
当社グループを取り巻く事業環境は、チタン事業においては航空機向け需要の本格的な回復に加えウクライナ紛争に起因するロシアからの調達回避もあり、製品販売は引き続き堅調に推移しましたが、触媒・化学品事業においては海外の景気低迷長期化等により販売は低調に推移しました。一方、為替円安による収益改善の効果はあるものの、コスト面では、輸入原材料・副資材コストの高止まりが、収益を大きく圧迫する要因となりました。
こうした中、当連結会計年度における経営成績は、売上高78,404百万円(前期比2.4%減)、営業利益5,628百万円(同47.4%減)、経常利益6,273百万円(同40.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益4,951百万円(同34.0%減)となりました。

営業利益の対前連結会計年度比較を以下に示します。

経常利益は、6,273百万円の利益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、4,951百万円の利益となりました。
なお、当社グループが数値目標として掲げている「自己資本利益率(ROE)」について、目標10%以上に対し、当連結会計年度の実績は9.0%となりました。
② 各セグメント
セグメントごとの売上高、営業利益については、以下のとおりです。

金属チタン事業
当連結会計年度における金属チタンの販売は、航空機向けは引き続き堅調に推移した一方で、一般産業用途向けは前年並みの水準を維持しました。また、半導体向け高純度チタンの需要は減速していますが、一部で回復の兆しが見られました。収益面については、原料鉱石、電力価格及び副資材費の高騰に対する販売価格転嫁はあるものの、前期寄与していたコスト上昇前の製品在庫販売による利益が剝落したことを主因に、当期の金属チタン事業は、売上高59,363百万円(前期比9.1%増)、営業利益4,510百万円(同30.3%減)となりました。
触媒事業
当連結会計年度における触媒事業の販売は、中国景気後退による軟化と中国ポリオレフィン製造設備新設による能力過剰のため、周辺諸国における大幅な減産が続きました。こうした状況に加え、新工場稼働による固定費増によるコスト高の影響もあり、当期の触媒事業は、売上高7,326百万円(前期比16.5%減)、営業利益1,952百万円(同31.7%減)となりました。
化学品事業
当連結会計年度における化学品事業の販売は、米国の利上げや中国の経済停滞長期化の影響に伴い、主要製品である超微粉ニッケルの主な用途である積層セラミックコンデンサー(MLCC)の需要減少が継続していることから、販売量は前年同期を下回る水準となりました。加えて原材料・資材・ユーティリティ類の値上がりの影響等により、当期の化学品事業は、売上高11,714百万円(前期比31.8%減)、営業利益936百万円(同64.5%減)となりました。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
主な要因として、特定用途向けの需要が大きな割合を占めていることによる需要変動の影響、原料代及び電力代の変動、為替の変動等が挙げられます。詳細は、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
④ 財政状態の状況
資産の部は、売掛債権及び棚卸資産の増加等により、前連結会計年度末比14,573百万円増の126,002百万円となりました。
負債の部は、借入金の増加等により、前連結会計年度末比11,306百万円増の69,454百万円となりました。
純資産の部は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により前連結会計年度末比3,266百万円増の56,547百万円となりました。
これらの結果、自己資本比率は前連結会計年度末比2.8ポイント悪化し44.9%となりました。財務基盤強化の目安指標であるD/Eレシオについては、前連結会計年度末比0.15ポイント悪化し、当連結会計年度末の実績は0.99倍となりました。
⑤ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は1,880百万円と期首に比べ1,535百万円の減少となりました。キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは3,135百万円の支出となりました。これは、売上債権の増加3,586百万円,棚卸資産の増加10,374百万円等による資金の減少があり、税金等調整前当期純利益6,192百万円、減価償却費7,397百万円等による資金の増加があったことによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、8,010百万円の支出となりました。これは、有形固定資産の取得による支出8,097百万円等によるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、9,613百万円の収入となりました。これは、短期借入金の増加等によるものです。
なお、キャッシュ・フロー関連指標は、次のとおりであります。
| 2020年 3月期 | 2021年 3月期 | 2022年 3月期 | 2023年 3月期 | 2024年 3月期 | |
| 自己資本比率 | 55.2% | 48.6% | 47.9% | 47.7% | 44.9% |
| 時価ベースの自己資本比率 (株式時価総額/総資産) | 52.9% | 77.7% | 105.6% | 140.8% | 88.2% |
| キャッシュ・フロー対有利子負債比率 (有利子負債/営業キャッシュ・フロー) | 4.0 | 28.1 | 4.1 | 8.4 | - |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ (営業キャッシュ・フロー/利払い) | 46.7 | 8.4 | 56.3 | 31.1 | - |
⑥ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、収益性を高めるとともに資産の圧縮を進め、手元流動性の向上と強固な財務基盤の構築を実現していく考えであります。
当社グループの主要な資金需要は、製品製造のための原材料費、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用、並びに設備新設、維持改修等に係る投資であります。
これらの資金需要について、短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本として、設備投資や長期運転資金は金融機関からの長期借入を基本として、それぞれ調達しております。
手許の運転資金につきましては、当社及び一部の国内連結子会社においてCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)により、余剰資金を当社へ集中し、一元管理を行うことで、資金効率の向上を図っております。
なお、当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、「⑤ キャッシュ・フローの状況」をご覧ください。
⑦ 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されており、その作成において必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。重要な会計方針及び見積りの詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項 4 会計方針に関する事項」、及び「同 連結財務諸表注記 重要な会計上の見積り」 をご覧ください。
(2) 生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
| 金属チタン事業 | 41,985 | 123.1 |
| 触媒事業 | 9,737 | 96.5 |
| 化学品事業 | 15,975 | 78.3 |
| 合計 | 67,698 | 104.8 |
(注) 金額は売価基準で算出しております。
② 受注実績
受注生産は行っておりません。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
| 金属チタン事業 | 59,363 | 109.1 |
| 触媒事業 | 7,326 | 83.5 |
| 化学品事業 | 11,714 | 68.2 |
| 合計 | 78,404 | 97.6 |
(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| Titanium Metals Corporation | 20,237 | 25.2 | 26,269 | 33.5 |
| 日本製鉄㈱ | 12,212 | 15.2 | 15,583 | 19.9 |
| ㈱村田製作所 | 10,603 | 13.2 | - | - |
3.当連結会計年度の㈱村田製作所については、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。