有価証券報告書-第89期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
(1)経営成績等の概要並びにそれらに関する認識及び分析・検討内容
① 事業全体
当連結会計年度における世界経済は、米中貿易摩擦の影響等により中国の景気は減速したものの、米国の着実な景気回復を中心として全体としては緩やかな拡大基調が続きましたが、期末にかけて新型コロナウイルス感染症の世界的大流行の影響により、急速に減速しました。
日本経済は、雇用・所得環境の改善、個人消費の持ち直しなどにより緩やかな回復が続きましたが、3月以降の外出自粛などにより、景気は急速に悪化しました。
こうした中、当連結会計年度における連結業績は、売上高45,509百万円(前期比4.3%増)、営業利益4,068百万円(同22.9%減)、経常利益3,716百万円(同29.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益2,359百万円(同63.7%減)となりました。
売上高については、チタン製品の最終需要先での業況が好調であったことから、前連結会計年度比増収となりました。営業利益は、原料となるチタン鉱石価格の上昇等により、前連結会計年度比減益となりました。
営業利益の対前連結会計年度比較を以下に示します。
なお、新型コロナウイルスの当連結会計年度の業績に与える影響は軽微であります。

また経常利益については、新たに連結の範囲に含めたサウジアラビアの合弁会社に係る操業立ち上げ期の持分法投資損失の計上、為替が期末にかけて円高で推移したことにより為替換算損を計上(前連結会計年度は円安の進行により為替換算益を計上)したことなどから、前連結会計年度比減益となりました。なお、親会社株主に帰属する当期純利益が、前連結会計年度比63.7%減と大きく減少しておりますが、これは前連結会計年度において、繰延税金資産の回収可能性について検討し、繰延税金資産額が増加し法人税等調整額を大きくマイナス計上したことによる一過性の増益要因があるためであります。
なお、当社グループが数値目標として掲げている「自己資本利益率(ROE)」について、目標10%以上に対し、当連結会計年度の実績は4.9%となりました。
② 各セグメント
セグメントごとの売上高、営業利益については、以下のとおりです。

金属チタン事業
当連結会計年度の金属チタン事業は、売上高29,168百万円(前期比7.6%増)、営業利益1,491百万円(同39.4%減)となりました。
金属チタンセグメントにおいては、一般工業向けにおいて年央より電力やプレート式熱交換器の需要に減速が見られたものの航空機向けの需要が堅調に推移し、売上高はスポンジチタンの増販を主因に前連結会計年度に比べ増加いたしました。
損益面では、増販による増益要因を、鉱石代をはじめとする原材料価格の上昇や、減価償却費等の諸コストの増加、為替が円高で推移したことなどの減益要因が上回り、営業利益は前連結会計年度に比べ減少いたしました。
機能化学品事業
当連結会計年度の機能化学品事業は、売上高16,341百万円(前期比1.1%減)、営業利益5,005百万円(同4.7%減)となりました。
機能化学品セグメントにおいては、プロピレン重合用触媒の需要は堅調に推移しましたが、米中貿易摩擦の影響を受けたスマートフォン向けの販売不振等により、積層セラミックコンデンサ向けの需要が減速し、年度後半に回復はみられたものの電子部品材料(超微粉ニッケル等)の販売が減少したことから、前連結会計年度比減収減益となりました。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
主な要因として、特定用途向けの需要が大きな割合を占めていることによる需要変動の影響、原料代及び電力代の変動、為替の変動等が挙げられます。詳細は、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
④ 財政状態の状況
資産の部は、現金及び預金の増加、たな卸資産及び未収入金の増加等はあったものの、減価償却による有形固定資産の減少や持分法投資損失計上による関係会社株式の減少等により、前連結会計年度末比527百万円減の87,118百万円となりました。
負債の部は、借入金の返済を主因に、前連結会計年度末比1,059百万円減の38,855百万円となりました。
純資産の部は、利益剰余金の増加等により前連結会計年度末比532百万円増の48,262百万円となりました。
これらの結果、自己資本比率は前連結会計年度末比0.9ポイント上昇し55.2%となりました。また借入金の返済が進み、財務基盤強化の目安指標であるD/Eレシオについては、前連結会計年度末比0.03ポイント改善し、当連結会計年度末の実績は0.66倍となりました。
⑤ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は2,641百万円と期首に比べ1,041百万円の増加となりました。キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは7,953百万円の収入となりました。これは、税金等調整前当期純利益3,544百万円、減価償却費5,265百万円等の資金増加要因の一方で、未収入金の増加1,028百万円、たな卸資産の増加448百万円等の資金減少要因があったことによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、4,482百万円の支出となりました。これは、維持保全投資及び若松工場における超微粉ニッケルの新工場建設等に係る有形固定資産の取得による支出4,149百万円等によるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、2,405百万円の支出となりました。これは、長期借入金の約定弁済や配当金の支払い等によるものです。
なお、キャッシュ・フロー関連指標は、次のとおりであります。
⑥ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、収益性を高めるとともに資産の圧縮を進め、手元流動性の向上と強固な財務基盤の構築を実現していく考えであります。
当社グループの主要な資金需要は、製品製造のための原材料費、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用、並びに設備新設、維持改修等に係る投資であります。
これらの資金需要について、短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本として、設備投資や長期運転資金は金融機関からの長期借入を基本として、それぞれ調達しております。
手許の運転資金につきましては、当社及び一部の国内連結子会社においてCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)により、余剰資金を当社へ集中し、一元管理を行うことで、資金効率の向上を図っております。
なお、当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、「⑤ キャッシュ・フローの状況」をご覧ください。
⑦重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されており、その作成において必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。重要な会計方針及び見積りの詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項 4 会計方針に関する事項 をご覧ください。
なお、新型コロナウイルス感染拡大の影響や主要顧客の情勢等、先行きを予想することは極めて困難でありますが、入手可能な外部の情報等を踏まえ、当連結会計年度末時点で合理的であると思われる様々な要因を勘案した上で、金属チタン事業の販売数量の低迷は一年程度継続し、機能化学品事業の販売は年度前半は減少するもののその後回復するとの仮定のもと、会計上の見積りを行っております。詳細は、同 連結財務諸表注記 追加情報 をご覧ください。
(2)生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は売価基準で算出しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
② 受注実績
受注生産は行っておりません。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
3.当連結会計年度の㈱村田製作所については、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。
4.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(1)経営成績等の概要並びにそれらに関する認識及び分析・検討内容
① 事業全体
当連結会計年度における世界経済は、米中貿易摩擦の影響等により中国の景気は減速したものの、米国の着実な景気回復を中心として全体としては緩やかな拡大基調が続きましたが、期末にかけて新型コロナウイルス感染症の世界的大流行の影響により、急速に減速しました。
日本経済は、雇用・所得環境の改善、個人消費の持ち直しなどにより緩やかな回復が続きましたが、3月以降の外出自粛などにより、景気は急速に悪化しました。
こうした中、当連結会計年度における連結業績は、売上高45,509百万円(前期比4.3%増)、営業利益4,068百万円(同22.9%減)、経常利益3,716百万円(同29.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益2,359百万円(同63.7%減)となりました。
売上高については、チタン製品の最終需要先での業況が好調であったことから、前連結会計年度比増収となりました。営業利益は、原料となるチタン鉱石価格の上昇等により、前連結会計年度比減益となりました。営業利益の対前連結会計年度比較を以下に示します。
なお、新型コロナウイルスの当連結会計年度の業績に与える影響は軽微であります。

また経常利益については、新たに連結の範囲に含めたサウジアラビアの合弁会社に係る操業立ち上げ期の持分法投資損失の計上、為替が期末にかけて円高で推移したことにより為替換算損を計上(前連結会計年度は円安の進行により為替換算益を計上)したことなどから、前連結会計年度比減益となりました。なお、親会社株主に帰属する当期純利益が、前連結会計年度比63.7%減と大きく減少しておりますが、これは前連結会計年度において、繰延税金資産の回収可能性について検討し、繰延税金資産額が増加し法人税等調整額を大きくマイナス計上したことによる一過性の増益要因があるためであります。
なお、当社グループが数値目標として掲げている「自己資本利益率(ROE)」について、目標10%以上に対し、当連結会計年度の実績は4.9%となりました。
② 各セグメント
セグメントごとの売上高、営業利益については、以下のとおりです。

金属チタン事業
当連結会計年度の金属チタン事業は、売上高29,168百万円(前期比7.6%増)、営業利益1,491百万円(同39.4%減)となりました。
金属チタンセグメントにおいては、一般工業向けにおいて年央より電力やプレート式熱交換器の需要に減速が見られたものの航空機向けの需要が堅調に推移し、売上高はスポンジチタンの増販を主因に前連結会計年度に比べ増加いたしました。
損益面では、増販による増益要因を、鉱石代をはじめとする原材料価格の上昇や、減価償却費等の諸コストの増加、為替が円高で推移したことなどの減益要因が上回り、営業利益は前連結会計年度に比べ減少いたしました。
機能化学品事業
当連結会計年度の機能化学品事業は、売上高16,341百万円(前期比1.1%減)、営業利益5,005百万円(同4.7%減)となりました。
機能化学品セグメントにおいては、プロピレン重合用触媒の需要は堅調に推移しましたが、米中貿易摩擦の影響を受けたスマートフォン向けの販売不振等により、積層セラミックコンデンサ向けの需要が減速し、年度後半に回復はみられたものの電子部品材料(超微粉ニッケル等)の販売が減少したことから、前連結会計年度比減収減益となりました。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
主な要因として、特定用途向けの需要が大きな割合を占めていることによる需要変動の影響、原料代及び電力代の変動、為替の変動等が挙げられます。詳細は、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
④ 財政状態の状況
資産の部は、現金及び預金の増加、たな卸資産及び未収入金の増加等はあったものの、減価償却による有形固定資産の減少や持分法投資損失計上による関係会社株式の減少等により、前連結会計年度末比527百万円減の87,118百万円となりました。
負債の部は、借入金の返済を主因に、前連結会計年度末比1,059百万円減の38,855百万円となりました。
純資産の部は、利益剰余金の増加等により前連結会計年度末比532百万円増の48,262百万円となりました。
これらの結果、自己資本比率は前連結会計年度末比0.9ポイント上昇し55.2%となりました。また借入金の返済が進み、財務基盤強化の目安指標であるD/Eレシオについては、前連結会計年度末比0.03ポイント改善し、当連結会計年度末の実績は0.66倍となりました。⑤ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は2,641百万円と期首に比べ1,041百万円の増加となりました。キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは7,953百万円の収入となりました。これは、税金等調整前当期純利益3,544百万円、減価償却費5,265百万円等の資金増加要因の一方で、未収入金の増加1,028百万円、たな卸資産の増加448百万円等の資金減少要因があったことによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、4,482百万円の支出となりました。これは、維持保全投資及び若松工場における超微粉ニッケルの新工場建設等に係る有形固定資産の取得による支出4,149百万円等によるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、2,405百万円の支出となりました。これは、長期借入金の約定弁済や配当金の支払い等によるものです。
なお、キャッシュ・フロー関連指標は、次のとおりであります。
| 2016年 3月期 | 2017年 3月期 | 2018年 3月期 | 2019年 3月期 | 2020年 3月期 | |
| 自己資本比率 | 43.4% | 46.8% | 49.9% | 54.3% | 55.2% |
| 時価ベースの自己資本比率 (株式時価総額/総資産) | 69.5% | 74.3% | 103.4% | 77.1% | 52.9% |
| キャッシュ・フロー対有利子負債比率 (有利子負債/営業キャッシュ・フロー) | 3.2 | 6.3 | 5.6 | 3.9 | 4.0 |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ (営業キャッシュ・フロー/利払い) | 35.6 | 21.8 | 27.9 | 40.7 | 47.4 |
⑥ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、収益性を高めるとともに資産の圧縮を進め、手元流動性の向上と強固な財務基盤の構築を実現していく考えであります。
当社グループの主要な資金需要は、製品製造のための原材料費、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用、並びに設備新設、維持改修等に係る投資であります。
これらの資金需要について、短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本として、設備投資や長期運転資金は金融機関からの長期借入を基本として、それぞれ調達しております。
手許の運転資金につきましては、当社及び一部の国内連結子会社においてCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)により、余剰資金を当社へ集中し、一元管理を行うことで、資金効率の向上を図っております。
なお、当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、「⑤ キャッシュ・フローの状況」をご覧ください。
⑦重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されており、その作成において必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。重要な会計方針及び見積りの詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項 4 会計方針に関する事項 をご覧ください。
なお、新型コロナウイルス感染拡大の影響や主要顧客の情勢等、先行きを予想することは極めて困難でありますが、入手可能な外部の情報等を踏まえ、当連結会計年度末時点で合理的であると思われる様々な要因を勘案した上で、金属チタン事業の販売数量の低迷は一年程度継続し、機能化学品事業の販売は年度前半は減少するもののその後回復するとの仮定のもと、会計上の見積りを行っております。詳細は、同 連結財務諸表注記 追加情報 をご覧ください。
(2)生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
| 金属チタン事業 | 26,535 | 106.1 |
| 機能化学品事業 | 16,760 | 95.7 |
| 合計 | 43,296 | 101.8 |
(注)1.金額は売価基準で算出しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
② 受注実績
受注生産は行っておりません。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
| 金属チタン事業 | 29,168 | 107.6 |
| 機能化学品事業 | 16,341 | 98.9 |
| 合計 | 45,509 | 104.3 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| 日本製鉄㈱ | 11,408 | 26.1 | 10,016 | 22.0 |
| TITANIUM METALS CORPORATION | 6,279 | 14.4 | 8,652 | 19.0 |
| ㈱村田製作所 | 4,440 | 10.2 | - | - |
3.当連結会計年度の㈱村田製作所については、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。
4.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。