四半期報告書-第81期第2四半期(令和3年7月1日-令和3年9月30日)

【提出】
2021/11/11 9:22
【資料】
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【項目】
37項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 業績の状況
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、昨年来続く新型コロナウイルス感染症が拡大する中、緊急事態宣言が発出・延長され、制約が多い中での経済活動を余儀なくされました。しかしながら、ワクチン接種が着実に進んでおり、徐々に国内経済は活性化していくことが期待され、景気の先行きも明るいものになりつつあります。
このような事業環境の下、当社グループの主たる事業である建設・梱包向のうち建設向は第1四半期における新設住宅着工戸数は22.1万戸(前年同期間比8.1%増)となり、また、第2四半期累計期間では44.5万戸(前年同期間比7.6%増)と本格的な回復に一歩ずつ近づいています。新型コロナウイルス感染症の第5波の収束を見据えた持家・貸家を中心とした住宅取得が鮮明になりつつあります。
一方、電気・輸送機器向ねじは、連結子会社である株式会社ナテックの当第2四半期において、自動車メーカーでの半導体不足や部品の調達難の影響も受けましたが、概ね堅調に推移しました。
この結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は、2,457百万円(前年同四半期2,195百万円、11.9%増)、その内訳は建設・梱包向は147百万円増(8.8%増)、電気・輸送機器向は113百万円増(22.0%増)となりました。
売上総利益は、386百万円と前年同四半期に比べ4百万円(1.2%増)の増益となり、これは、建設・梱包向で継続して製造コストの削減に努めつつ、販売価格の改定を進めたことが主因として挙げられます。営業損益は、販売費及び一般管理費の低減に努めたものの、運賃の上昇等により6百万円の損失(前年同四半期7百万円の利益)となりました。経常損益は、一部雇用調整助成金の活用等にて収支対策を行いましたが、12百万円の損失(前年同四半期0百万円の損失)となりました。
また、親会社株主に帰属する四半期純損益は、法人税等21百万円を差し引き、38百万円の損失(前年同四半期11百万円の損失)となりました。
当四半期連結累計期間におけるセグメントの業績は、次のとおりであります。
(建設・梱包向)
建設・梱包向セグメントは、新型コロナウイルス感染症の影響が続く中ではありますが、釘を多く使用する2×4等の木造住宅着工戸数は、前年同四半期に比べ、着実に回復傾向にあり、事業環境は改善されつつあります。
しかし、利益面は、材料価格や商品の輸入価格が大幅に急上昇し、販売価格の改定が適時に実施できず、売上数量増加に見合った利益の確保が難しい状況となりました。そのため、変動コストの低減、海外OEM品と国内生産品との販売比率変更等により材料価格の高騰を補うべく対処しましたが、十分効果を上げるまでには至りませんでした。
当セグメント売上高は、1,825百万円と前年同四半期に比べ147百万円増(8.8%増)となりましたが、販売費及び一般管理費の増加もあり、セグメント利益は前年同四半期に比べ30百万円減の43百万円となりました。
(電気・輸送機器向)
電気・輸送機器向セグメントは、連結子会社である株式会社ナテックの当第2四半期は、メインユーザーの自動車業界で、電気自動車やハイブリッド車関連のバッテリーやモーターなどにおいて、ライセンス品や特殊ボルトの需要が、第1四半期から引き続き堅調に推移しました。
また、利益面では、売上総利益の伸長により、前年同四半期比で増収増益となりました。この結果、当セグメントの売上高は、631百万円と前年同四半期に比べ113百万円増(22.0%増)となり、セグメント利益は前年同四半期に比べ23百万円増の46百万円となりました。
(2) 財政状態の分析
当第2四半期連結会計期間末の総資産は、5,411百万円(前連結会計年度末[以下「前年度末」という]比105百万円増)となりました。流動資産は、前年度末に比べ175百万円増加し、3,377百万円となりました。これは、受取手形及び売掛金が100百万円、商品及び製品が99百万円増加し、その他が34百万円減少したこと等によるものであります。固定資産は、前年度末に比べ70百万円減少し、2,033百万円となりました。これは主に有形・無形固定資産の減価償却費が83百万円であったこと等によるものであります。
負債合計は、前年度末に比べ170百万円増加し、4,269百万円となりました。流動負債は、前年度末に比べ275百万円増加し、2,955百万円となりました。これは支払手形及び買掛金が前年度末比222百万円増加、短期借入金が同5百万円増加、その他が66百万円減少したこと等によるものであります。また固定負債は、前年度末に比べ105百万円減少し、1,313百万円となりました。これは、長期借入金が前年度末に比べ70百万円減少、役員退職慰労引当金が26百万円減少したこと等によるものであります。
有利子負債(短期借入金、長期借入金)は前年度末に比べ65百万円減少し、2,832百万円となりました。
(純資産)
当第2四半期連結会計期間末の純資産は、前年度末に比べ64百万円減少し、1,141百万円となりました。
これは、当第2四半期連結累計期間の親会社株主に帰属する四半期純損失が38百万円、剰余金配当が5百万円であり、連結子会社である株式会社ナテックの株式を追加取得し完全子会社にしたことに伴い、前年度末の非支配株主持分47百万円がゼロとなり、一方、資本剰余金が30百万円増加したこと等によるものであります。
この結果、自己資本比率は、前年度末の21.8%から21.1%に低下し、1株当たり純資産は98.42円から96.99円となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動により141百万円の収入、投資活動により82百万円の支出、財務活動により92百万円の支出となり、資金は前年度末に比べ34百万円減少し、601百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
売上債権が125百万円の増加、棚卸資産が121百万円の増加、仕入債務が271百万円増加し、また、税金等調整前四半期純損失12百万円、減価償却費83百万円等であったため、営業活動で得られた資金は141百万円となりました。(前第2四半期連結累計期間は35百万円の収入)
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
有形固定資産の取得による支出84百万円等により、投資活動に使用した資金は82百万円となりました。(前第2四半期連結累計期間は129百万円の支出)
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
短期借入金の純増が10百万円であり、長期借入金は、270百万円を借入れ、返済による支出が345百万円であった等により、財務活動に使用した資金は92百万円となりました。(前第2四半期連結累計期間は217百万円の収入)
(4)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分 析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(5) 経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等についての重要な変更はありません。
(6) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループ(当社及び当社の関係会社)が定めている経営上の目標の達成を判断するための客観的な指標等について重要な変更はありません。
(7) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(8)研究開発活動
特記すべき事項はありません。
(9) 経営成績に重要な影響を与える要因
当第2四半期連結累計期間の売上高は、建設・梱包向は、新型コロナウイルス感染症がワクチンの普及により鎮静化しつつあり、経済活動も正常化に向かっている環境下、新設住宅着工戸数が増加に転じており、当社の業績は、出荷数量の増加により売上高が下支えされていますが、販売価格の値上げ改定に時間を要している関係で収益面で仕入価格の上昇が先行する形となっていることが収益の悪化を招いています。
一方、電気・輸送機器向は、自動車メーカーの堅調な生産に牽引され、業績は順調に推移しています。
しかしながら半導体不足や自動車部品の調達難による自動車メーカーの減産が拡大する可能性があることが懸念されます。
第3四半期連結会計期間以降のセグメント別の状況は、次のとおりであります。
(建設・梱包向)
新設住宅着工戸数が、貸家(賃貸住宅)の着工を中心に、2021年3月以降、7か月連続で前年同月実績を上回っており、今後も当面はこの傾向が続くものと見込まれます。しかし、新型コロナウイルス感染症の第5波は去りましたが、第6波の発生が危ぶまれており、また鋼材や木材の価格上昇の影響がいつまで続くか不透明感は残るため、第3四半期連結会計期間以降、需要は緩やかな改善に留まる可能性が高いと経営環境を分析しております。
利益面では、仕入価格、特に海外商品の大幅な価格上昇が、収益を圧迫し続けており、依然原材料の価格上昇傾向が続く状況になりますが、値上げの浸透により収益の改善を目指すことになります。
また、今年度も5月中旬まで雇用調整助成金制度を活用しながら生産調整を行い、製造コストや販管費の抑制を継続して実施して参りましたが、今後も固定費を始めとした経費の新たな削減活動に着手していく方針であり、今後製造設備の無人化運転による省人化等々によって製造コストを更に圧縮していきます。
依然として当社にとっては見通し辛い経済環境下にありますが、開発営業の促進、販路の拡大、新製品の市場への浸透を図り、業容を拡大・発展させて参る所存です。
(電気・輸送機器向)
電気・輸送機器向事業の需要は、第3四半期連結会計期間以降、自動車メーカーが大幅な減産を発表しており、自動車用の部材を主力商品とする当社にとって、懸念材料となっています。半導体や自動車部品不足の影響等で自動車生産のサプライチェーンに支障をきたしていることに加え、鋼材価格の値上げが本格化していく下期にかけて収益を圧迫する要素になることが危惧され、業績を大きく上伸させることは難しくなると考えています。
利益面では、材料価格の高騰については適時に販売価格を改定しながら、更に製造コストの削減を図りながら固定費圧縮に努めて参りたいと考えています。
今後、各ユーザーへ“品質第一"を掲げ、実績のあるメーカーとの協業も進めながら、特に自動車関連では、電気自動車やハイブリッド車のバッテリー関連や自動運転に必要な軽薄短小化される部品向のライセンス製品の需要が増してくるものと考えられる為、昨年新設した岩手工場内の第3工場のフル活用及び今後必要になる機械設備の増強等を行うことで、新しい需要に対応して参ります。