四半期報告書-第82期第1四半期(令和4年4月1日-令和4年6月30日)

【提出】
2022/08/10 14:30
【資料】
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【項目】
34項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 業績の状況
当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症が収束していく中で、経済活動が正常化の方向に向かいました。しかしながら第7波が襲来する可能性も残しつつ、ロシアのウクライナ侵攻の長期化、中国のゼロコロナ政策による経済活動の抑制等々により、海外商品の製造が不安定化し、それに伴うサプライチェーンの混乱、部品等の供給不足が深刻化、資源高を背景とした物価上昇、海外金利の上昇等による為替下落(円安)等々の影響が国内経済にも波及し続け、今後も当面このような環境下での事業活動を強いられるものと捉えています。
上述の状況の下、当社グループの主たる事業である建設・梱包向のうち建設向は、第1四半期における新設住宅着工戸数が21.8万戸(前年同期間比1.3%減)となり、テレワークが定着し始めて緩やかながら回復傾向となっていましたが、建設資材の価格上昇による住宅価格の高騰等により直近では減少傾向に転じています。
一方、電気・輸送機器向ねじは、連結子会社である株式会社ナテックの当第1四半期において、自動車向で半導体不足の影響がありましたが、家電や遊戯関係向けの需要に支えられ概ね堅調に推移しました。
この結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は、1,274百万円(前年同四半期1,222百万円、4.3%増)となり、その内訳は建設・梱包向が72百万円増(8.0%増)、電気・輸送機器向は20百万円減(6.4%減)であります。
売上総利益は、214百万円と前年同四半期に比べ18百万円(9.6%増)の増益となり、これは、建設・梱包向および電気・輸送機器向で販売価格の改定が徐々に進んだこと、および生産性向上等による製造コストの削減が主因であります。営業利益は、販売費及び一般管理費の抑制効果もあり14百万円(前年同四半期0百万円)と増益になりました。経常損益につきましても、支払利息の低減等を通じて13百万円の利益(前年同四半期3百万円の損失)を確保しています。最終的な親会社株主に帰属する四半期純損益は、法人税等5百万円を差し引き、7百万円の利益(前年同四半期12百万円の損失)となりました。
当四半期連結累計期間におけるセグメントの業績は、次のとおりであります。
(建設・梱包向)
建設・梱包向セグメントは、新型コロナウイルス感染症が沈静化に向かう中、2×4等の木造住宅着工戸数は前年同四半期に比べ減少し、当社販売数量も前年同四半期対比で減少となりました。収益面では、販売価格の改定が徐々に浸透し、当セグメントの売上高は975百万円と前年同四半期に比べ72百万円増(8.0%増)となり、固定費の低減、海外OEM品と国内生産品の販売比率変更等の結果、セグメント利益は前年同四半期に比べ34百万円増の60百万円となりました。
(電気・輸送機器向)
電気・輸送機器向セグメントは、連結子会社である株式会社ナテックの当第1四半期(1~3月)において、メインユーザーの自動車業界で、新型コロナウイルスの影響による部品・半導体不足が継続し、減産が実施されました。その様な事態を受けて、電気自動車やハイブリッド車関連のバッテリーや自動化に伴うモーター関連において使用されるライセンス品や特殊ボルトの需要が一時的に落ち込みました。この結果、当セグメントの売上高は、299百万円と前年同四半期に比べ22百万円減(6.9%減)となり、セグメント利益は前年同四半期に比べ15百万円減の6百万円となりました。
(2) 財政状態の分析
当第1四半期連結会計期間末の総資産は、5,309百万円(前連結会計年度末[以下「前年度末」という]比77百万円増)となりました。流動資産は、前年度末に比べ74百万円増加し、3,263百万円となりました。これは、受取手形が74百万円減少、商品及び製品が71百万円増加、売掛金が53百万円増加、仕掛品が32百万円増加、電子記録債権が10百万円減少したこと等によるものであります。固定資産は、前年度末に比べ3百万円増加し、2,045百万円となりました。これは無形固定資産(ソフトウエア)の購入により14百万円増加、有形固定資産が12百万円減少したこと等によるものであります。
負債合計は、前年度末に比べ76百万円増加し、4,124百万円となりました。流動負債は、前年度末に比べ135百万円増加し、3,009百万円となりました。これは主に支払手形及び買掛金が前年度末に比べ134百万円増加したこと等によるものであります。固定負債は、前年度末に比べ58百万円減少し、1,115百万円となりました。これは、主に長期借入金が前年度末に比べ55百万円減少したことによるものであります。有利子負債全体(短期借入金及び長期借入金)では前年度末に比べ1百万円減少、2,572百万円となりました。
当第1四半期連結会計期間末の純資産は、前年度末に比べわずかに増加し、1,184百万円となりました。これは、当第1四半期連結会計期間の親会社株主に帰属する四半期純利益が7百万円、剰余金配当が5百万円あったことによるものであります。この結果、自己資本比率は、前年度末の22.6%から22.3%となり、1株当たり純資産は99.85円から99.94円となりました。
(3) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分
析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4) 経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等についての重要な変更はありません。
(5) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループ(当社及び当社の関係会社)が定めている経営上の目標の達成を判断するための客観的な指標等について重要な変更はありません。
(6) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(7) 研究開発活動
特記すべき事項はありません。
(8) 経営成績に重要な影響を与える要因
建設・梱包向、電気・輸送機器向の両セグメント共に、材料、外注加工、副資材、運賃、電気料等々の製造コストが軒並み上昇している中で、生産された製品の販売価格を引き上げることが肝要となります。
主要な建設向では、新設住宅着工戸数が当社釘製品の需要に対する指標となりますが、その着実な伸長が売上高の増加に直結する為、その動向には引続き注視する必要があります。加えてOEM商品の海外市況が高水準で推移していますが、その価格動向も収益増減の重要な要素となります。環境意識の高まりから住宅・非住宅を問わず国産木材、特に杉の使用が増加してくると見られており、当社新製品の需要増加に結び付く可能性があります。
また、輸送機器向では、自動車メーカー各社の生産水準の回復により当社子会社のねじ製品の需要が喚起されることが予想されますので、半導体・自動車部品不足の解消が当社グループにも好影響を及ぼすことになります。トレンドとして自動車の電動化は今後急速に進むことが予想され、車体軽量化に貢献する当社子会社製品への需要は益々高まってくる見込みであります。
第2四半期連結会計期間以降のセグメント別の状況は、次のとおりであります。
(建設・梱包向)
建設・梱包向は、新型コロナウイルス感染症の収束および物価の安定と共に個人消費が活性化し戸建て分譲・貸家を中心に新設住宅着工戸数は堅調に推移するものと想定しています。また非住宅建築物への木材活用が進むにつれ、当社製品に対する需要も増大することが期待されます。利益面では国内製品の製造コストの上昇、輸入商品の仕入価格高止まりの中、適切な販売価格への改定を継続実施する予定であります。
(電気・輸送機器向)
電気・輸送機器向は、徐々に半導体・部品不足が解消され、自動車メーカーの生産水準も回復してくることが見込まれます。自動車に対する需要は堅調であり、自動車メーカーの生産回復に伴い当社子会社製品の出荷量も回復基調に転じるものと考えられます。