有価証券報告書-第70期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/26 13:12
【資料】
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【項目】
121項目
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1) 経営成績の状況
① 事業全体およびセグメント情報に記載された区分ごとの状況
a. 事業全体の状況
当事業年度(2019年4月1日~2020年3月31日)におけるわが国経済は、期中まで雇用・所得環境の改善が続き緩やかな回復基調が続いていましたが、事業年度後半から中国を始めとする海外経済の減速、消費税増税に加え、新型コロナウイルス感染症の拡大や原油価格等の暴落を受け、企業業績の悪化が鮮明となりました。
一方、海外においても長期化する米中の貿易摩擦、英国のEU離脱問題、日韓関係の悪化等不安定な情勢が続き、加えて新型コロナウイルスのグローバルでの急拡散により、堅調であった米国経済も大きな影響を受け、景気は後退局面を迎えています。
このような状況下、当社は安定した利益の確保を最重要課題に掲げ、売上高の確保及び材料歩留改善、生産性改善、購入価格低減、固定費削減などの原価低減活動に注力しましたが、急激な受注減に対応できませんでした。
当社の業績に大きな影響がある主要材料価格は、前年に比べ、APT(タングステン材料)は20%下落、MoO3(モリブデン材料)は8%下落、自動車用電極材料のイリジウムは5%上昇しました。
売上高は、事業年度後半以降、半導体市場や自動車業界の落ち込みによるタングステン・モリブデン販売の減少や工期遅れによる超硬合金の不振により、3,750百万円(前期 4,157百万円)と前年比9.8%の大幅減収となりました。
損益面は、緊急対策を含め原価低減活動に努めましたが、大幅な受注減少を吸収するだけの固定費削減ができず、営業損失183百万円(前期 営業利益144百万円)、経常損失163百万円(前期 経常利益160百万円)、当期純損失169百万円(前期 当期純利益74百万円)となりました。
なお、新型コロナウイルス感染症拡大による当社業績に与えた影響は、売上・受注面では、当該要素に起因しているとの明確な立証ができず、把握できておりません。
b. セグメント情報に記載された区分ごとの状況
(電気・電子)
タングステン・モリブデン製品の売上高は、事業年度後半以降半導体市場に加え自動車業界の急激な落ち込みにより、1,322百万円(前期 1,588百万円)と16.8%の大幅減収となりました。
合金及び電気・電子部品の売上高においても、641百万円(前期 658百万円)と2.5%の減収となりました。
その他製品において、自動車用電極部品の販売は好調に推移しておりましたが、第3四半期以降、顧客の在庫調整により急激な減少に転じ、市況価格連動に伴う販売価格の上昇による効果はありましたが、売上高は1,360百万円(前期 1,433百万円)と5.0%の減収となりました。
この結果、電気・電子合計の売上高は3,324百万円(前期 3,680百万円)と9.7%の大幅減収となり、損益面においては、急激な販売減に固定費削減が追いつかず、営業損失142百万円(前期 営業利益159百万円)となりました。
(超硬合金)
超硬合金は、工期の遅れによる軟弱地層でのトンネル工事の補助用工法の販売減により、売上高は426百万円(前期477百万円)と10.7%の減収となり、営業損失41百万円(前期 営業損失15百万円)となりました。
② 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当事業年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
セグメントの名称生産高(千円)前期比(%)
電気・電子3,205,506△11.6
超硬合金376,496△19.8
合 計3,582,002△12.5

(注) 1 金額は平均販売価格によっております。
2 セグメント間取引については、相殺消去しております。
3 記載金額には消費税等は含まれておりません。
4 記載金額は千円未満を切り捨てて表示しております。
b. 受注実績
当事業年度における受注実績及び受注残高をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(千円)前期比(%)受注残高(千円)前期比(%)
電気・電子3,191,682△13.0223,237△4.9
超硬合金383,154△19.820,46437.8
合 計3,574,836△13.7243,701△2.3

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 記載金額には消費税等は含まれておりません。
3 記載金額は千円未満を切り捨てて表示しております。
c. 販売実績
当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称品 種販売高(千円)前期比(%)
電気・電子タングステン製品712,502△14.7
モリブデン製品609,515△19.1
タングステン・モリブデン製品計1,322,017△16.8
合金及び電気・電子部品641,795△2.5
その他の製品1,360,851△5.0
電気・電子合計3,324,663△9.7
超硬合金超硬合金製品426,165△10.7
合 計3,750,829△9.8

(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先第69期第70期
販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)
日本特殊陶業株式会社1,195,46928.81,124,02530.0

3 記載金額には消費税等は含まれておりません。
4 記載金額は千円未満を切り捨てて表示しております。
(2) 財政状態の状況
(流動資産)
当事業年度末における流動資産は2,733百万円(前事業年度末 3,028百万円)となり、295百万円減少しました。主たる要因は、売掛金の減少204百万円、受取手形の減少127百万円、及び仕掛品の増加58百万円によるものです。
(固定資産)
当事業年度末における固定資産は2,081百万円(前事業年度末 1,977百万円)となり、103百万円増加しました。主たる要因は、有形固定資産の増加179百万円、及び投資有価証券の減少71百万円によるものであります。
(流動負債)
当事業年度末における流動負債は1,690百万円(前事業年度末 1,693百万円)となり、2百万円減少しました。主たる要因は、電子記録債務の減少113百万円、買掛金の減少48百万円、未払法人税等の減少17百万円、賞与引当金の減少10百万円、及び短期借入金の増加200百万円によるものであります。
(固定負債)
当事業年度末における固定負債は1,050百万円(前事業年度末 1,021百万円)となり29百万円増加しました。主たる要因は、長期借入金の増加55百万円、及び役員退職慰労引当金の減少23百万円によるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産は2,073百万円(前事業年度末 2,291百万円)となり218百万円減少しました。主たる要因は、当期純損失169百万円、及びその他有価証券評価差額金の減少49百万円によるものであります。
(3) キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末に比べ2百万円増加し、334百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金は27百万円の増加(前事業年度は47百万円の増加)となりました。主な要因は、売上債権の減少額323百万円(資金の増加)、減価償却費160百万円(資金の増加)、税引前当期純損失162百万円(資金の減少)、仕入債務の減少額161百万円(資金の減少)、その他の減少54百万円(資金の減少)、受取利息及び受取配当金25百万円、(資金の減少)、及び役員退職慰労引当金の減少額23百万円(資金の減少)であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金は235百万円の減少(前事業年度は167百万円の減少)となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出260百万円、及び利息及び配当金の受取額25百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金は209百万円の増加(前事業年度は110百万円の増加)となりました。主な要因は、有利子負債の純増加239百万円、リース債務の返済による支出17百万円、及び利息の支払額12百万円であります。
資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社は事業の運営に必要な資金を内部資金及び借入金によって調達しております。
2020年3月末日現在の借入金残高は、短期借入金が650百万円、長期借入金が900百万円(うち、1年内返済予定の長期借入金305百万円)であります。
当社は収益性向上を通じた営業活動によるキャッシュ・フローの改善を財務政策の最重要事項として位置づけております。
(4) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、中期的な会社の経営戦略としての重点戦略を実施し、売上高 2017年3月期比35%以上増加、営業利益率3%以上、経常利益率2.5%以上、自己資本比率50%以上を2020年3月期に達成することを目標(ビジョン)として掲げ、取り組んでまいりました。当事業年度においては、半導体市場や自動車業界における需要の急激な落ち込みを受け、緊急対策を含め原価低減活動に努めましたが、大幅な受注減少を吸収するだけの固定費削減ができず、売上高 2017年3月期比113%、営業利益率△4.9%、経常利益率△4.4%、自己資本比率43.1%となりました。売上高については、タングステン、モリブデン及びその他の製品において、期後半からの半導体市場や自動車業界向けの需要の急落を受け、受注が低迷したことに加えて、超硬合金においても、工期の中断、遅延により鉱山土木用工具が販売不振となったことが未達成の主要因であります。営業利益率、経常利益率は、赤字となり中期的な目標を達成することはできず、自己資本比率も、当期純損失の計上及び保有上場株式の下落等により、2017年3月期の46.2%を下回る結果となりました。
(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症の拡大にともなう業績の悪化等により、財務諸表の作成において固定資産の減損や貸倒引当金を増額する可能性があるものの、今後の広がり方や収束時期等について、外部の情報源に基づく客観性のある情報が入手できないため、当事業年度末時点で入手可能な情報をもとに検証等を行っております。
財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
a. 退職給付費用及び退職給付債務
当社は従業員の退職給付に備えるため、当事業年度末における退職給付債務の見込額に基づき計上しております。
退職給付費用は、割引率及び予想昇給率等の仮定によって算出しております。割引率は、金利の変動等を含む現状の市場動向等を、予想昇給率は実績及び直近の見通しを考慮して決定しております。
当社は現在使用している仮定は妥当であると考えておりますが、仮定の変更により退職給付費用及び退職給付債務に影響を与える可能性があります。
b. 繰延税金資産
当社は繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を慎重に計上しておりますが、繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
c. 投資有価証券の評価
当社はその他有価証券で時価のあるものについては、期末日の時価が取得価額に比べて著しく下落したものを減損の対象としております。将来、株式市況や投資先の業績が悪化した場合には、追加的な減損損失の認識が必要となる場合があります。
d. 貸倒引当金
当社は債権の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。一般債権の貸倒実績率は原則として過去3年間の実績をもとに算出しております。貸倒引当金の金額は、以後の各事業年度の個別債権の回収の状況等に応じて貸倒実績率や個別債権の回収可能性の判断が変化することで、増減する可能性があります。
e. 固定資産の減損処理
当社は固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変化が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。

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