有価証券報告書-第74期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

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2021/06/28 9:00
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における事業環境は、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて経済・社会活動が制限されたことにより、経済環境は急激に後退しました。社会経済活動が停滞する中、政府による各種政策の効果により経済環境は持ち直しの動きも見られましたが、度重なる感染拡大によりコロナ禍の収束は見えておらず、経済環境は不透明な状況のまま推移してまいりました。また、住宅市場におきましても、新設住宅着工戸数に関して持家で若干の持ち直しの動きが見られたものの、貸家、分譲住宅はいずれも減少し、全体としては減少傾向で推移しました。
こうした経営環境のなか、当社グループは、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営戦略」に記載の基本戦略に則り、以下のように取り組んでまいりました。
商品面では、新型コロナウイルスの感染拡大を受けてソーシャルディスタンスが定着し、接触を最小限に抑えたいという要望が高まる中、手をかざすだけで水を出し止めできるセンサー式キッチン用シングルレバー水栓やセンサー式洗面用手洗い水栓のラインアップを増やし、新築ならびにリフォームの取替需要に対応しました。
海外事業では、訪問営業自粛期間は中国現地客先への営業をオンラインにて進めてまいりましたが、現在はオンライン営業に加え、徐々に訪問営業を再開し売上確保に努めています。
生産面では、KPS(KVK Production System)活動を柱に、最適生産をめざし、あらゆる無駄の排除とコスト競争力の強化を推し進めています。受注から生産、出荷まで全工程に亘る一貫生産体制のもと、工場内の部品在庫棚や作業台のレイアウト、作業者の動線をゼロベースから見直し、作業の効率化を図っています。また、工場の自働化の一環として主力製品の生産ラインの自働化を進めており、徐々に稼働率が上がり原価低減に寄与しています。
次の成長に向けた取り組みとしては、生産能力増強のため本社工場敷地内に新工場棟の増設準備を進めています。また、工場増設に合わせて、LNGガスによる発電設備とLNGサテライトを設置し、電気と排熱を利用した蒸気・温水の供給が可能となるコージェネレーションシステムの導入を予定しています。エネルギー使用量と二酸化炭素排出量の削減が図られ、コストと環境の両面に寄与していく予定です。
以上のような取り組みの結果、当連結会計年度における連結業績につきましては、巣ごもりによる住宅リフォーム需要により管工資材商ルートからの高付加価値商品の受注が堅調に推移したことや冬場の寒波による需要も加わり、売上高は25,441百万円(前期比3.7%増)となりました。利益面では、売上と同様に高付加価値商品の受注が貢献したこと、また、新型コロナウイルス感染拡大防止対策として営業活動の自粛や不要不急な外出制限等により販管費が減少したこともあり、営業利益は3,034百万円(前期比29.4%増)、経常利益は3,117百万円(前期比23.5%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、2,196百万円(前期比29.1%増)となりました。
セグメント毎の業績については以下の通りです。
日本におきましては、売上高は25,655百万円(前年同期比3.6%増)、セグメント利益は3,697百万円(前年同期比37.1%増)となりました。
売上につきまして、商流別には、特需(住宅設備機材メーカー)向け販売ルートは、新型コロナウイルス感染防止対策の影響による受注減が見られ、前期比で445百万円減(4.2%減)となりました。一方、管工機材商ルート(代理店)は、巣ごもりによる住宅リフォーム需要により高付加価値商品の受注が堅調に推移したことや冬場の寒波による需要も加わり、前期比で1,076百万円増(10.6%増)を確保しました。
利益につきましては、売上と同様に高付加価値商品の受注が貢献したこと、また、新型コロナウイルス感染拡大防止対策として営業活動の自粛や不要不急な外出制限等により販管費が減少したこともあり、セグメント利益は増加しました。
商流別売上高(単位:千円)
商流2019年度2020年度増減増減比(%)
特需ルート(千円)
(住宅設備機材メーカー)
10,549,94910,104,135△445,813△4.2
管工機材商ルート(千円)
(代理店)
10,182,36111,258,7641,076,40210.6
その他(千円)
(ホームセンター等)
3,702,4133,927,988225,5746.1

※以上の商流別売上高の記載に関しましては、外部顧客への売上高25,058百万円に、一部、セグメント間の内部売上高を含んでおります。
中国におきましては、中国大連工場周辺地域でも複数の新型コロナウイルス感染者が確認され、年末から年始にかけて大連市の一部の地区において移動制限が発令されました。それに伴い従業員の出社が困難となり、本社工場への輸出品の一部に遅延が発生した結果、セグメント間の内部売上高は、380百万円減少となり、売上高は4,081百万円(前期比5.5%減)、セグメント利益は277百万円(前期比16.3%減)となりました。外部顧客への売上高は、新型コロナウイルス感染症の影響による中国現地客先への訪問営業自粛期間は、オンラインでの商談を進め、第4四半期は徐々に訪問営業を再開し売上確保に努めた結果、382百万円(前期比60.2%増)となりました。
フィリピンにおきましては、グループ間のみの売買取引となります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前連結会計年度末に比べ2,019百万円増加し、6,701百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、2,822百万円の収入(前期比1,002百万円の収入減)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益3,073百万円、売上債権の増加額860百万円、仕入債務の増加額407百万円等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、424百万円の支出(前期比1,209百万円の支出減)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出516百万円等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、443百万円の支出(前期比3百万円の支出増)となりました。これは主に配当金の支払額408百万円等によるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
イ.生産実績
当社グループは、給水栓・給排水金具・継手及び配管部材の製造・加工・仕入れ及び販売を主事業とする専門メーカーで、当社及び子会社2社で構成された所在地別セグメント情報を報告セグメントとしております。
当連結会計年度の生産実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
前年同期比(%)
日本(千円)22,980,642106.2
中国(千円)2,142,96384.0
フィリピン(千円)94,74274.1
合計(千円)25,218,349103.7

(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
ロ.受注実績
当社グループは、大部分の品目につき見込み生産を行っておりますので、記載を省略しております。
ハ.販売実績
当社グループは、給水栓・給排水金具・継手及び配管部材の製造・加工・仕入れ及び販売を主事業とする専門メーカーで、当社及び子会社2社で構成された所在地別セグメント情報を報告セグメントとしております。
当連結会計年度の販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
前年同期比(%)
日本(千円)25,058,946103.2
中国(千円)382,355160.2
フィリピン(千円)--
合計(千円)25,441,301103.7

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先(日本)前連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)
タカラスタンダード株式会社2,738,19411.22,928,96511.5
パナソニック住宅設備株式会社2,528,74710.32,129,6018.4

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績等は、以下のとおりであります。
イ.財政状態の分析
当連結会計年度における資産合計及び負債純資産合計は、以下の要因により、前連結会計年度末比3,213百万円増加の30,484百万円となりました。
(資産)
資産は、前連結会計年度末に比べ3,213百万円増加し、30,484百万円となりました。これは主に有形固定資産が601百万円減少したものの、現金及び預金が2,019百万円、電子記録債権が1,043百万円、投資不動産が474百万円増加したことによります。
(負債)
負債は、前連結会計年度末に比べ909百万円増加し、8,515百万円となりました。これは主に営業外電子記録債務が121百万円減少したものの、電子記録債務が471百万円、未払法人税等が163百万円増加したこと及び当連結会計年度より新たに製品保証引当金を146百万円計上したことによります。
(純資産)
純資産は、前連結会計年度末に比べ2,304百万円増加し、21,969百万円となりました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益の発生により利益剰余金が1,787百万円増加したことによります。
これにより、自己資本比率は72.1%(前連結会計年度末は72.1%)となりました。
ロ.経営成績の分析
(売上高及び営業利益)
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度比909百万円増加の25,441百万円となり、営業利益は前連結会計年度比689百万円増加の3,034百万円となりました。
セグメントごとの売上高と営業利益の概況については、「(1)経営成績の状況と概況①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
(営業外損益及び経常利益)
当連結会計年度の営業外損益は、前連結会計年度の177百万円の収益(純額)に対して82百万円の収益(純額)となりました。前期には為替差益44百万円を計上しましたが、当期には為替差損70百万円を計上したことなどにより、95百万円の収益減少となりました。また、当期中に取得した投資不動産の取得関連費用が発生したものの、投資不動産による賃貸収入は安定した収入源になると考えております。
この結果、当連結会計年度の経常利益は前連結会計年度比593百万円増加の3,117百万円となりました。
(特別損益及び税金等調整前当期純利益)
特別損益は、前連結会計年度の57百万円の損失(純額)に対して44百万円の損失(純額)となり、13百万円の損失減少となりました。当連結会計年度に投資有価証券償還損を14百万円計上したものの、減損損失が前期は58百万円、当期は28百万円の計上と減損損失計上額が減少したことによります。
この結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は前連結会計年度比607百万円増加の3,073百万円となりました。
(法人税等及び親会社株主に帰属する当期純利益)
法人税等は増益により前連結会計年度比111百万円増加の876百万円となりました。
この結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度比495百万円増加の2,196百万円となりました。
ハ.経営方針・経営戦略、経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等
当期の目標に対する達成率は、売上高目標24,000百万円に対して106.0%、営業利益目標2,400百万円に対して126.4%となりました。
売上高につきましては、新型コロナウイルスの感染拡大を受けてソーシャルディスタンスが定着し、接触を最小限に抑えたいという要望が高まる中、手をかざすだけで水を出し止めできるセンサー式水栓の需要および巣ごもりによる住宅リフォーム需要により、管工資材商ルートからの高付加価値商品の受注が堅調に推移したことや冬場の寒波による需要も加わり、目標を上回る結果となりました。
営業利益につきましては、売上と同様に高付加価値商品の受注が貢献したこと、また、新型コロナウイルス感染拡大防止対策として営業活動の自粛や不要不急な外出制限等により販管費が減少したこともあり、目標を上回る結果となりました。
また、ROEにつきましては、当面の目標とする10.0%に対して10.6%となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
イ.キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
ロ.資金の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料の仕入れのほか、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業経費であります。投資目的とした資金需要は、設備投資のほか、投資有価証券等の取得であります。また、株主還元については、財務の健全性に留意しつつ、配当政策に基づき実施してまいります。
運転資金及び設備投資資金並びに株主還元等については、主として営業活動から得られるキャッシュ・フローを源泉とする自己資金及び金融機関からの借入を基本方針としております。
なお、当連結会計年度末におけるリース債務を含む有利子負債の残高は39百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は6,701百万円となっております。
現時点では金融機関からの借入は行っておりませんが、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、新型コロナウイルス感染症拡大により当社の経営成績が悪化する場合には、手元資金を確保するため、金融機関からの借入について検討いたします。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。連結財務諸表の作成に当たっては、会計上の見積りを行う必要があり、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響等不確実性が大きく将来事業計画等の見込み数値に反映させることが難しい要素もありますが、期末時点で入手可能な情報を基に検証等を行っております。
(繰延税金資産)
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。
(貸倒引当金)
当社グループは、債権の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については、個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。なお、取引先の財政状態が予測を大幅に超えて悪化し、その支払能力が著しく低下した場合、追加引当処理が必要となる可能性があります。
(製品保証引当金)
当社グループは、製品の無償修理費用の支払に備えるため、過去の実績を基礎として無償修理見込額を計上しております。なお、実際の製品不良、修理費用が見積りと異なる場合は、見積り所要額の修正を必要とし、追加引当を計上する可能性があります。
(固定資産の減損処理)
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び判定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損損失の金額に影響を及ぼす可能性があります。

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