有価証券報告書-第60期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/25 14:24
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【項目】
135項目
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績
a.ドラム事業の状況
経営環境について
当連結会計年度における日本経済は、世界的なコロナ禍の影響で大幅に悪化した後、第一波の収束による緊急事態宣言の解除、政府の緊急経済対策やワクチンの早期普及への期待等から後半にかけて持ち直しました。ただ年度末にかけても感染者の増加が再燃しており、完全な終息には暫く時間が掛かるものと思われ、先行きに不透明感を残しています。これを受け当社の主要な需要家である化学・石油業界も、急激な減産に見舞われた後に回復に向かい、当社の事業分野である産業用容器業界の全国200リットル新缶ドラム缶の販売実績は、12月以降には前年同月を若干上回る所まで回復しました。但し通年では前半の落込みが大きく12,824千缶(前期比5.4%減)となりました。(4-12月では前年同期比9.3%減)
一方当社が国内と並んで事業展開している中国においても、同様に後半は景気回復が見られましたが、当連結会計年度に計上されるのはロックダウンが実施されて落込みの最も激しかった時期を含んだ2020年1-12月となることもあり、事業環境は日本に比べても厳しいものとなっています。
またドラム缶の主要な材料となる鋼材の需給が第3四半期から逼迫して鋼材価格が中国、日本国内ともに大幅かつ急激に高騰しています。2021年4月以降もこの傾向は益々激しくなっており、これが大きなコストアップ要因となって収益を圧迫し始めています。
売上数量及び売上高について
上述の事業環境の悪化を受けて、当社の売上数量は国内、中国とも大幅に落ち込み、2014年3月期以来の9百万缶割れとなる8,816千缶(前期比8.6%減)となり、売上高もこの販売数量減を主因に272億73百万円(同21億29百万円減、7.2%減)となりました。
経常利益について
国内、中国ともに大幅な数量減を余儀なくされたことに加えて、後半には上述の鋼材価格高騰の影響も出始めており、後述の収益改善を行いましたが、経常利益は25億39百万円(前期比1億19百万円減、4.5%減)となりました。
b.高圧ガス容器事業の状況
コロナ禍の影響、緊急事態宣言による外出自粛で在宅医療用酸素容器の需要が急減したこと等により、売上高は1億94百万円(前期比1億62百万円減、45.6%減)となり、経常損失は前連結会計年度から若干縮小はしましたが1億87百万円となりました。
c.連結の状況
以上の各セグメントを合わせた当連結会計年度の当社の連結業績は売上高が274億67百万円(前期比22億92百万円減、7.7%減)、経常利益は24億37百万円(同70百万円減、2.8%減)となりました。
尚、物流合理化により不要となった資産の売却や保有株式の売却、従業員退職年金制度変更等の特別利益や中国浙江工場での固定資産減損損失があり、親会社株主に帰属する当期純利益は18億31百万円(同1億56百万円増、9.3%増)となりました。
浙江工場での固定資産減損損失は、競争力強化のための高付加価値品製造設備の投資に伴い、同工場の固定資産の一部を除却することによるものです。
②財政状態及びキャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローは営業キャッシュ・フローが26億77百万円の収入(前期比95百万円収入増)、投資キャッシュ・フローが5億5百万円の支出(同6億56百万円の支出減)、財務キャッシュ・フローが6億12百万円の支出(同1億68百万円支出増)となり、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は前連結会計年度末に比べて15億68百万円増加いたしました。
当連結会計年度末の総資産は399億65百万円(前期末比13億38百万円増)、負債94億14百万円(同1億33百万円減)、純資産305億50百万円(同14億72百万円増)となりました。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
セグメントの名称生産高(千円)前年同期比(%)
ドラム缶26,977,39092.3
高圧ガス容器177,44054.9
合計27,154,83091.9

(注)1 金額は販売価格で表示しております。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当社グループは大部分の製品につき、受注生産方式をとっておりますが、大部分が受注から納品までの期間が2日~5日程度であり、したがって、受注残高は僅少ですので、販売実績を受注実績とみて大差ありません。
c.販売実績
セグメントの名称販売高(千円)前年同期比(%)
ドラム缶27,273,03092.8
高圧ガス容器194,58554.4
合計27,467,61592.3

(注)1 金額には、消費税等は含まれておりません。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度当連結会計年度
販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)
日新容器株式会社3,861,17213.03,459,65212.6

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討は次のとおりであります。尚、文中の将来に関する事項は当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①経営成績
当社グループは2018~2020年度を対象として第6次中期経営計画を立案し、2020年度はその最終年度にあたります。
この中期計画と比較すると、当年度は世界的なコロナ禍により国内、中国共に大幅な需要減少となり、特に中期計画で数量増を期待していた中国については大幅な数量減と競争激化によるスプレッド縮小に見舞われ、厳しい経営環境となりました。
国内ドラム事業を中心に収益改善を行いましたが、連結経常利益は中期計画最終年度目標30億円に対して24億37百万円にとどまりました。
2020年度実績第6次中期経営計画
(2020年度)
ドラム缶販売数量8,816千缶11,000千缶
売上高274億円320億円
経常利益24.3億円30.0億円

2018~2020年度
実績
第6次中期経営計画
(2018~2020年度)
設備投資(採択)・修繕費
研究開発費
中期経営計画通り2015~2017年度実績比50%増

a.ドラム事業の状況
国内については全国のドラム缶需要が後半回復に向かったとはいえ、年間でリーマンショック後の2009年3月期を下回る(全国200リットル新缶ドラム缶の販売実績2021年3月期12,824千缶、2009年3月期12,945千缶)という厳しい環境に対して、当社としては回復し始めた需要を的確に捉えていくことは勿論、従来から進めている品種構成改善や変動費削減、経費圧縮その他のコストダウン等のあらゆる企業努力を尽くして収益改善を図りましたが、大幅な数量減少による収益悪化は取り戻しきれず、経常利益は中期目標を下回る結果となりました。
尚、第3四半期から始まった需給逼迫による鋼材価格の大幅かつ急激な高騰は、2021年4月以降も継続し益々激しくなっており、大きなコストアップ要因となって収益を圧迫し始めております。これにつきましてはお客様のご理解を頂いて販売価格へ反映していくことが喫緊の課題と認識して、鋭意取り組んでおります。
中国については中期計画で想定していたように中長期的には需要拡大が期待できるという認識に変わりはありませんが、競合他社の能力増強が激しく過当競争状態にあり、更にコロナ禍による数量減と後半からの鋼材価格急騰が加わって経常利益は中期計画目標を大幅に下回る結果となりました。2022年3月期に向けては国内と同様に鋼材価格高騰分の販売価格への反映を進めるとともに、競争力強化のための高付加価値品製造設備の投資を進めております。
b.高圧ガス容器事業の状況
中期計画では高圧ガス容器事業全体の経常利益について当連結会計年度の経常利益黒字化を目指して参りましたが、コロナ禍による医療用酸素容器の需要急減を主因に赤字にとどまりました。しかし蓄圧器用水素容器について『高性能ワイド圧力レンジ型Type2蓄圧器』に続いて2つ目の主力商品となる『大容量普及型Type1蓄圧器』の販売が本格化したこともあり前連結会計年度と比較すると経常損失は若干縮小いたしました。
『大容量普及型Type1蓄圧器』は圧力範囲の適正化及び長寿命を両立させた製品であり、従来の『高性能ワイド圧力レンジ型Type2蓄圧器』に加えることで機能面で幅広い品揃えを実現いたしました。内容積についても多様な製品を準備しており、ステーション毎の個別のニーズに応えることで建設コストの低減にも寄与して、水素自動車の普及を図って行きたいと考えております。今後も新たな製品、新たな技術の開発に努め、お客様のニーズに一層応えて蓄圧器拡販と水素供給・活用の一層の拡大を進め、環境に優しい持続可能な社会の実現に貢献して参ります。
複合容器については昨年12月、日本初の水素燃料電池ドローン用容器に対する経済産業大臣特認を取得して以降、水素ドローンをはじめとする水素燃料電池モビリティー用として多数の複合容器に関する引合いを頂戴しております。今後対応可能なモビリティーを拡充し、水素の貯蔵、搬送のニーズに応えて、お客様と共に水素燃料電池のより幅広い活用を図り、水素社会実現に向けて貢献して参ります。
②財政状態及びキャッシュ・フローの状況
当連結会計年度は経常利益が前連結会計年度比70百万円減益の24億37百万円となりましたが、鋼材需給逼迫の影響を受けて当社の鋼材在庫も一時的に大幅に減少したこと等により営業キャッシュ・フローは前連結会計年度より95百万円増加し26億77百万円の収入となりました。
中国ドラム事業で環境対策の設備投資が集中した前連結会計年度に対し、当連結会計年度は固定資産や株式の売却もあり投資キャッシュ・フローは前連結会計年度を6億56百万円下回る5億5百万円の支出となり、中国の借入金返済や配当金等財務キャッシュ・フローの支出6億12百万円を差引いても現金及び現金同等物残高は15億68百万円の増加となりました。
この結果当連結会計年度末の自己資本比率は72.7%で安定した財務体質であり、これをコロナ禍をはじめ自然災害その他による業績悪化リスク、資金流失リスクの備えとするとともに第7次中期経営計画で計画している大規模な設備投資や人、技術に対する投資の財源として活かしていきたいと考えております。
③重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。詳細につきましては、「第5 経理の状況1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4 会計方針に関する事項」に記載のとおりであります。
また、新型コロナウイルス感染症拡大が当社グループの会計上の見積りに与える影響は「第5 経理の状況1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。
④経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
⑤資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、低コストかつ安定的な資金の確保を重視して取り組ん
でおります。また、営業債権の流動化等、調達手段の多様化も継続して推進しております。
運転資金及び設備投資につきましては、営業活動により得られたキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入を基本としております。

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