訂正有価証券報告書-第31期(平成29年9月1日-平成30年8月31日)

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2019/01/04 14:57
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77項目
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響に留意する必要があるものの、設備投資や生産、消費者物価は緩やかに上昇し、個人消費や輸出は持ち直し、企業の景況判断や企業収益、雇用・所得環境は改善しているなど、景気は緩やかに回復しました。
当社の主な販売分野である半導体業界におきましては、スマートフォンに関連する半導体やデータセンターサーバー向けの半導体需要を背景に、3D NANDやDRAMの生産に向けた設備投資が拡大しましたが、終盤一時的に停滞傾向となりました。FPD業界におきましては、液晶では中国向けに複数の第10.5世代大型液晶パネルの設備投資計画が進展しながらも、携帯端末向けの中小型有機ELパネル投資には停滞傾向が出始めました。
このような経済状況のもと、半導体分野では、需要拡大局面に合わせて出水事業所の稼働開始や電子ビーム溶接機の導入など生産設備の増強を前倒しで行うとともに、流動的人材を確保し、生産体制の強化を図ることで受注及び売上高は順調に拡大しました。FPD分野では、有機EL向けと第10.5世代液晶パネル向けの受注が拡大し売上高も順調に推移しました。費用面では、売上高の増加に伴い材料費と外注加工費も増加したことに加え、急拡大する半導体製造装置市場の需要に備えるために生産設備の増強や人材採用を積極的に進めていることで、減価償却費や労務費等が増加し製造原価は増加しました。また、半導体分野の一時的な停滞に関連し、8月に工場稼働率が停滞したことで期末棚卸高が減少し製造総利益率の悪化が見られました。販売費及び一般管理費につきましては、当初想定していなかったパイオニアプラズマディスプレイ株式会社からの出水事業所取得に伴い、登録免許税が平成29年12月に51百万円発生したほか、人件費が増加したことを主因に前期より196百万円増加しました。
この結果、当事業年度の業績は、売上高が4,588百万円(前期比51.2%増)、営業利益は1,234百万円(前期比61.4%増)、経常利益は1,211百万円(前期比64.3%増)、当期純利益は866百万円(前期比60.8%増)となりました。
なお、当社は精密部品事業のみの単一セグメントであるため、セグメントごとの記載を省略しております。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、2,612百万円となり、前事業年度末と比較して186百万円増加しております。
主な要因は、営業活動によって獲得した829百万円のキャッシュ・フロー及び、有形固定資産の取得等を行った投資活動に伴う支出2,458百万円並びに長期借入金による収入及び株式の発行により財務活動によるキャッシュ・フローが1,814百万円であったことによるものであります。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は、829百万円(前年同期は626百万円の獲得)となりました。これは主に税引前当期純利益1,215百万円、減価償却費349百万円を計上したこと、利息の支払額17百万円、売上債権の増加による資金の減少325百万円、たな卸資産の増加による資金の減少149百万円等があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、2,458百万円(前年同期は681百万円の使用)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出2,447百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は、1,814百万円(前年同期は1,966百万円の獲得)となりました。これは長期借入れによる収入1,300百万円、長期借入金の返済による支出604百万円、株式の発行による収入1,309百万円、配当金の支払による支出190百万円等によるものであります。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
平成26年
8月期
平成27年
8月期
平成28年
8月期
平成29年
8月期
平成30年
8月期
自己資本比率(%)22.432.738.157.963.5
時価ベースの自己資本比率(%)117.1167.2146.4278.1187.8
キャッシュ・フロー対有利子負債比率14.12.02.22.52.8
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)5.929.822.929.250.7

自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注)1.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式総数をベースに計算しております。
2.キャッシュ・フローは、営業活動キャッシュ・フローを利用しております。
3.有利子負債は貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
③生産、受注及び販売の実績
当社は、精密部品事業の単一セグメントであるため、セグメントの記載に代えて製品分野別に記載しております。
a.生産実績
当事業年度の生産実績を製品分野別に示すと、次のとおりであります。
製品分野別の名称当事業年度
(自 平成29年9月1日
至 平成30年8月31日)
前年同期比(%)
半導体製造装置関連部品(千円)3,390,323154.8
FPD製造装置関連部品(千円)1,048,997136.2
その他(千円)30,95761.4
合計(千円)4,470,278148.5

(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注状況
当事業年度の受注状況を製品分野別に示すと、次のとおりであります。
製品分野別の名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)
半導体製造装置関連部品3,534,804142.6675,620122.4
FPD製造装置関連部品1,031,998112.0239,89989.3
その他68,889192.737,974-
合計4,635,692134.9953,494116.2

(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当事業年度の販売実績を製品分野別に示すと、次のとおりであります。
製品分野別の名称当事業年度
(自 平成29年9月1日
至 平成30年8月31日)
前年同期比(%)
半導体製造装置関連部品(千円)3,410,983158.6
FPD製造装置関連部品(千円)1,060,634137.6
その他(千円)117,245103.0
合計(千円)4,588,864151.2

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先前事業年度
(自 平成28年9月1日
至 平成29年8月31日)
当事業年度
(自 平成29年9月1日
至 平成30年8月31日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
日本発条株式会社918,38930.31,507,53532.9
東京エレクトロン宮城株式会社867,99528.61,439,64931.4
東京エレクトロン九州株式会社262,5638.6543,12611.8

3.最近2事業年度の主な輸出先、輸出販売高及び割合は、次のとおりであります。
( )内は総販売実績に対する輸出高の割合であります。
輸出先前事業年度
(自 平成28年9月1日
至 平成29年8月31日)
当事業年度
(自 平成29年9月1日
至 平成30年8月31日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
シンガポール153,578100.0162,332100.0
合計153,578
(5.1%)
100.0162,332
(3.5%)
100.0

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載しております。
②当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社の当事業年度の経営成績等は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
当社の経営成績に重要な影響を与える要因として、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しております。
当社の資本の財源及び資金の流動性については、原材料の購入や外注加工費の他、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資によるものであります。当社では、事業活動に必要な現金は安定的に確保することを基本としております。
当事業年度における各キャッシュ・フローの詳しい状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載しております。