(1) 財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期累計期間におけるわが国経済は、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動にリスクが残り、輸出や生産の弱さが続いているものの、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が継続しております。
当社の主な販売分野である半導体分野では、全体的には停滞感が漂うなかでも、ロジック※1向け設備投資には回復が続き、一部のメモリ※2メーカー向けに部品需要が再開するなど、回復傾向が出始めています。FPD分野では、中国における中小型有機パネル設備投資案件が動き始めており、当社への引き合いと受注は拡大し始めております。
このような経済状況のもと、半導体分野では、当社は次世代の量産品につながる試作品の受注に注力しつつ、前期取得した新事業所の整備や自動化設備の構築を行うとともに、新規に採用した社員の教育や試作能力の強化に注力いたしました。FPD分野では、大型電子ビーム溶接機※3(EBW)の設置を進め、受注活動を行っております。その他分野につきましては、当社の生産キャパの空きを活用し、太陽電池向けの量産品受注に向けた営業活動を行っておりますが、当初想定よりも受注に遅れが出ております。費用面では、前期に設備投資した出水事業所生産設備等に関連する減価償却費や労務費等により製造原価が増加いたしました。なお、足元では市場環境の停滞により工場の稼働率は落ち込んでおりますが、来期以降に予想される市場回復に向けて増加した生産力は維持する方針を持っております。
これらの結果、当第3四半期累計期間の経営成績は、売上高が2,948百万円(前年同期比11.9%減)、営業利益は357百万円(前年同期比62.2%減)、経常利益は345百万円(前年同期比63.1%減)、四半期純利益は225百万円(前年同期比66.4%減)となりました。
なお、当社は精密部品事業のみの単一セグメントであるため、セグメントごとの記載を省略しております。
精密部品事業の販売分野別の経営成績を示すと、次のとおりであります。
(半導体分野)
半導体分野においては、受注高が2,223百万円(前年同期比17.7%減)、売上高は2,349百万円(前年同期比4.7%減)となりました。
(FPD分野)
FPD分野においては、受注高が410百万円(前年同期比53.3%減)、売上高は458百万円(前年同期比41.8%減)となりました。
(その他分野)
その他分野においては、受注高が32百万円(前年同期比8.7%減)、売上高は64百万円(前年同期比152.4%増)となりました。
※1 ロジック半導体とは、演算や論理判断を行う半導体素子です。
※2 メモリ半導体とは、記憶を残す半導体素子です。
※3 電子ビーム溶接機とは、真空にした部屋の中でプログラム通りに安定した溶接を行う装置です。
(2) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期累計期間において、当社が対処すべき課題について重要な変更はありません。
(3) 研究開発活動
当第3四半期累計期間における研究開発活動の金額は、21百万円であります。
なお、当第3四半期累計期間において、当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。