四半期報告書-第127期第1四半期(平成30年4月1日-平成30年6月30日)

【提出】
2018/08/10 10:32
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【項目】
15項目
当社グループの財政状態及び経営成績は次の通りです。なお、文中における将来に関する事項は、当第1四半期連結会計期間の末日現在において、判断したものです。
なお、当社グループの業績管理は、事業セグメント損益及び営業損益により行われております。事業セグメント損益は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出しております。
(1)経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間における世界経済は、米国の保護主義姿勢の強化により、中国や欧州を中心に景気の先行き不透明感が高まるなど、予断を許さない状況ではあったものの、主要な経済圏においては、堅調な企業業績や個人消費の拡大を受け、総じて安定的な経済成長が持続しました。
当社グループの関連市場では、モノクロレーザー複合機・プリンターの需要は、グローバルで概ね安定的に推移しました。インクジェット複合機は、先進国での需要は若干縮小したものの、新興国では大容量タンクモデルの需要が拡大しました。家庭用ミシンは、概ね安定的に推移しました。工業用ミシンは、中国・アジアを中心に需要が拡大しました。産業機器は、IT関連の需要は縮小したものの、自動車・一般機械関連は内需・外需とも旺盛な需要が持続しました。国内におけるカラオケ市場は、概ね安定的に推移しました。ドミノ事業は、コーディング・マーキング機器、デジタルラベル印刷機とも需要の拡大が持続しました。
このような状況の中、当第1四半期連結累計期間における当社グループの連結業績は、プリンティング・アンド・ソリューションズ事業でモノクロレーザー複合機の販売が新興国を中心に堅調に推移したほか、インクジェット複合機では、大容量タンクモデルの新製品が好調に推移しました。マシナリー事業では、産業機器において、IT関連の需要縮小を好調な自動車関連向けが補ったことに加え、工業用ミシンが各地域で堅調に推移したことで、事業全体でも前年同期を上回る水準となりました。ドミノ事業も、新興国を中心に安定的な成長が続きました。これらの結果、売上収益は、前年同期比2.0%の増収となる171,095百万円、事業セグメント利益は、前年同期比17.0%の増益となる20,477百万円となりました。営業利益は、為替予約の評価損の影響がなくなったことも加わり、前年同期比76.6%の増益となる22,255百万円、親会社の所有者に帰属する四半期利益は、前年同期比81.1%の増益となる16,565百万円となりました。
*平均為替レート(連結)は次の通りです。
当期 米ドル : 108.71円 ユーロ : 129.39円
前年同期 米ドル : 111.61円 ユーロ : 123.14円
セグメント別の業績は、次の通りであります。
1)プリンティング・アンド・ソリューションズ事業
売上収益 99,454百万円(前年同期比+0.7%)
○通信・プリンティング機器 87,563百万円(前年同期比△0.1%)
国内の需要は弱かったものの、主にSOHO市場向けのモノクロレーザー製品が新興国を中心に堅調に推移したことに加え、インクジェット複合機は新興国向けの大容量タンクモデルの販売が計画を上回るペースで進捗したことで、事業全体ではほぼ前年並みの水準となりました。
○電子文具 11,891百万円(前年同期比+6.8%)
「ピータッチ」ブランドで展開するラベルライター・ラベルプリンターが、米州・中国を中心にグローバルで堅調に推移した事に加え、モバイルプリンターを中心とするソリューション分野も安定的に推移し、事業全体で増収となりました。
事業セグメント利益 14,864百万円(前年同期比+11.3%)
営業利益 16,011百万円(前年同期比+75.1%)
事業セグメント利益は、製品販売が堅調に推移したことにより、増益となりました。営業利益も、事業セグメント利益が増益となったことに加え、為替予約に関する評価損の影響がなくなったことにより、大幅な増益となりました。
2)パーソナル・アンド・ホーム事業
売上収益 8,810百万円(前年同期比△5.8%)
家庭用ミシン市場全体は安定的に推移したものの、新製品投入を控え、販売チャネルの在庫調整などの一時的な要因もあり、減収となりました。
事業セグメント損失 145百万円(前年同期 事業セグメント損失 163百万円)
営業損失 70百万円(前年同期 営業損失 452百万円)
減収による影響を販管費の抑制などで吸収し、事業セグメント損益はほぼ前年並みの水準となりました。営業損益は、為替予約の評価損の影響がなくなったことにより、大幅な改善となりました。
3)マシナリー事業
売上収益 31,395百万円(前年同期比+8.0%)
○工業用ミシン 8,659百万円(前年同期比+27.8%)
工業用ミシンは、アジア地域の需要が回復傾向であることに加え、中国・欧州の需要が堅調に推移しました。ガーメントプリンターも欧米を中心に需要拡大が続きました。これらにより、事業全体でも増収となりました。
○産業機器 17,782百万円(前年同期比+2.2%)
内需向け・外需向けとも自動車・一般機械関連向けの需要が好調に推移したことで、IT関連顧客向けの需要縮小を補い、増収を確保しました。
○工業用部品 4,953百万円(前年同期比+1.4%)
工場の自動化に向けた設備投資の増加を受け、減速機・歯車とも需要が拡大し、増収となりました。
事業セグメント利益 4,161百万円(前年同期比+63.6%)
営業利益 4,346百万円(前年同期比+73.0%)
主に工業用ミシンの増収効果と、産業機器での採算改善効果により、大幅な増益となりました。
4)ネットワーク・アンド・コンテンツ事業
売上収益 11,528百万円(前年同期比+2.8%)
カラオケ事業、カラオケ店舗事業とも概ね堅調に推移し、増収となりました。
事業セグメント利益 222百万円(前年同期 事業セグメント損失 60百万円)
営業利益 175百万円(前年同期 営業損失 102百万円)
増収に伴い、事業セグメント損益、営業損益とも黒字となりました。
5)ドミノ事業
売上収益 17,106百万円(前年同期比+4.0%)
コーディング・マーキング機器、デジタル印刷機とも、グローバルで堅調に推移し、増収となりました。
事業セグメント利益 1,223百万円(前年同期比△23.2%)
営業利益 1,559百万円(前年同期比+25.5%)
事業セグメント利益は、案件の期ずれなどの影響で利益水準が高かった前年同期との比較では減益となりましたが、社内計画に対しては概ね想定どおりの水準となりました。営業利益は、為替差益を計上した効果もあり、増益となりました。
(2)財政状態の状況
資産合計は、棚卸資産は増加したものの、円高に伴う為替影響によるのれん及び無形資産の減少、営業債権及びその他の債権の減少などにより、前連結会計年度末に比べ4,331百万円減少し、703,946百万円となりました。
負債合計は、その他の流動負債の減少などにより、前連結会計年度末に比べ8,504百万円減少し、287,279百万円となりました。
資本合計は、四半期利益による利益剰余金の増加、為替換算調整勘定の影響などにより、前連結会計年度末に比べ4,172百万円増加し、416,667百万円となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの状況については、現金及び現金同等物(以下「資金」)は、営業活動により16,600百万円増加、投資活動により7,400百万円減少、財務活動により9,711百万円減少等の結果、当第1四半期連結会計期間末は前連結会計年度末と比べ1,294百万円減少し、120,089百万円となりました。
当期における各キャッシュ・フローの状況とその主な要因は、次の通りです。
1)営業活動によるキャッシュ・フロー
税引前四半期利益は22,502百万円で、減価償却費及び償却費8,422百万円など、非資金損益の調整などによる資金の増加、棚卸資産の増加による資金の減少6,917百万円などがあり、法人所得税の支払額5,643百万円などを差し引いた結果、16,600百万円の資金の増加となりました。
2)投資活動によるキャッシュ・フロー
有形固定資産の取得による支出5,153百万円、負債性金融商品の取得による支出1,892百万円などにより、7,400百万円の資金の減少となりました。
3)財務活動によるキャッシュ・フロー
配当金の支払額7,800百万円、短期借入金の返済による支出1,112百万円などにより、9,711百万円の資金の減少となりました。
(4)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(6)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発費は、10,086百万円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(7)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループは、現在及び将来の事業活動のために適切な水準の流動性維持及び、柔軟で効率的な資金の確保を財務活動の重要な方針としております。この方針に従って、当社グループは、グループ会社が保有する資金をグループ内で効率よく活用するキャッシュマネジメントシステムを構築し運用しております。また、手元流動性の補完として複数の金融機関とコミットメントライン契約を締結しております。これらの結果、資金の偏在をならし、グループ全体で借入を極力削減する体制を整えております。
流動性管理
当社グループは、現金及び現金同等物と未使用のコミットメントラインを合わせた金額を手元流動性として位置付けております。当第1四半期連結会計期間末現在、当社グループは現金及び現金同等物120,089百万円を保有しております。
また、複数の金融機関と合計10,000百万円のコミットメントライン契約を締結しており、未使用額は10,000百万円です。これらを合わせると、当社グループは手元流動性を130,089百万円確保しております。これにより、季節的な資金需要の変動、1年以内に期限の到来する借入、事業環境リスク等を考慮の上、通年に渡り十分な手元流動性を確保していると考えております。
資金調達
運転資金等の短期資金は、原則として期限が1年以内の短期借入金を現地通貨で調達することとし、生産設備等の長期資金は、内部留保資金の他、固定金利の長期借入金及び社債等で調達することを基本方針としております。当第1四半期連結会計期間末現在、短期借入金の残高は54百万円で、通貨はマレーシアリンギットであります。1年内返済予定の長期借入金の残高は12百万円で、通貨は日本円であります。長期借入金の残高は76,527百万円であり、通貨は米ドル、日本円であります。また、1年内償還予定の社債の残高は20,432百万円で、通貨は主に日本円であります。社債の残高は20,011百万円で、通貨は日本円であります。
当社は、株式会社格付投資情報センターから格付けを取得しています。当第1四半期連結会計期間末現在、長期債及び発行体格付けがA、コマーシャルペーパーがa-1であります。金融・資本市場へのアクセスを保持するため、一定水準の格付けの維持は重要と考えております。
当社グループでは、営業活動によりキャッシュ・フローを生み出す能力に加えて、コミットメントライン契約を含めた手元流動性、健全な財務体質により、当社グループの成長を維持するために必要な運転資金及び設備投資・研究開発資金等を確保することが可能と考えております。