四半期報告書-第129期第3四半期(令和2年10月1日-令和2年12月31日)
当社グループの財政状態及び経営成績は次の通りであります。なお、文中における将来に関する事項は、当第3四半期連結会計期間の末日現在において、判断したものです。
なお、当社グループの業績管理は、事業セグメント損益及び営業損益により行われております。事業セグメント損益は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出しております。
(1)経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間における世界経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的流行により、年度前半において急速に減速したのち、緩やかな回復の兆しを見せています。地域別には、中国経済は順調な回復を見せる一方、感染が再拡大している欧米や日本においては、景気の回復が再び鈍化し、依然として先行き不透明な状況が続いております。
当社グループに関連する事業環境は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、プリンティング市場では、在宅勤務、在宅学習用途として、家庭/SOHO*1向けの小型複合機・プリンターの需要は大きく増加しました。一方で、各国のオフィスの閉鎖等による影響や、在宅勤務などへの働き方の変化に伴うオフィスでの印刷需要の減少により、SMB*2向けは、製品本体、消耗品ともに需要は減少しました。家庭用ミシンは、家で過ごす時間が増えたことによる手作り需要の高まりを受け、普及機を中心に好調に推移しました。マシナリー事業の関連分野では、産業機器は中国を中心として需要回復の兆しが出てきているものの、工業用ミシンに関しては、新規投資への抑制傾向が続き、需要は低迷しました。国内におけるカラオケ市場は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、厳しい状況となりました。ドミノ事業の関連分野では、食品・医薬品などの生活必需品の消費・生産の需要の底堅さに支えられ、堅調に推移しました。
このような状況の中、当第3四半期連結累計期間における当社グループの連結業績は、P&S事業では、在宅需要の堅調さが持続し、主にSOHO*1向けの製品本体が好調に推移したことに加え、想定を上回る消耗品の需要の回復があったものの、インクジェット本体の供給不足による影響などにより、減収となりました。P&H事業では、マスクなどの手作り需要の拡大を受け、大幅な増収となりました。マシナリー事業では、産業機器の需要は回復基調にあるものの、工業用ミシンの設備投資需要の落ち込みが続き、事業全体で減収となりました。N&C事業では、店舗の休業や時間短縮営業の影響などにより、大幅な減収となりました。ドミノ事業では、売上が回復し、ほぼ前年並みの水準となりました。
これらの結果、売上収益は、前年同期比3.6%の減収となる467,486百万円、事業セグメント利益は、前年同期比16.2%の増益となる63,337百万円、営業利益は、前年同期比13.4%の増益となる62,840百万円、親会社の所有者に帰属する四半期利益は、前年同期比14.3%の増益となる47,526百万円となりました。
*平均為替レート(連結)は次の通りであります。
当期 米ドル : 105.87円 ユーロ : 122.30円
前年同期 米ドル : 109.10円 ユーロ : 121.46円
セグメント別の業績は、次の通りであります。
1)プリンティング・アンド・ソリューションズ事業
売上収益 287,142百万円(前年同期比△3.4%)
〇通信・プリンティング機器 253,551百万円(前年同期比△2.6%)
レーザー複合機・プリンターでは、在宅勤務や在宅学習の機会が増加したことにより、SOHO*1向け製品本体の販売数量は増加しました。インクジェット複合機においても、在宅勤務や在宅学習の機会が増加したことにより需要は拡大しましたが、工場の操業が停止していたことによる供給への制約が影響し、製品本体の販売数量は大幅に減少しました。消耗品は、レーザー、インクともに想定を上回って推移したものの、事業全体で減収となりました。
〇電子文具 33,591百万円(前年同期比△8.8%)
第1四半期において各国のオフィス閉鎖などにより落ち込んだ需要は、第2四半期以降、徐々に回復しつつあるものの、減収となりました。
事業セグメント利益 52,571百万円(前年同期比+14.8%)
営業利益 52,948百万円(前年同期比+14.7%)
在宅勤務などへの新しい働き方の広がりによるプリンター・複合機のSOHO*1向け製品本体の需要が継続していること及び消耗品需要が当初の想定を上回る好調な推移となったことに加え、販売にかかる費用及び出張費・広告宣伝費等の販管費の減少などにより、増益となりました。
2)パーソナル・アンド・ホーム事業
売上収益 41,345百万円(前年同期比+31.3%)
家庭用ミシンは、在宅勤務機会の拡大など、自宅で過ごす時間が増えたことで、手作り需要が喚起され、普及機を中心に好調に販売が推移したことで、大幅な増収となりました。
事業セグメント利益 8,176百万円(前年同期比+244.6%)
営業利益 8,030百万円(前年同期比+224.5%)
普及機を中心に、家庭用ミシンの販売が好調に推移したことや、販管費などの費用が減少したこともあり、大幅な増益となりました。
3)マシナリー事業
売上収益 56,021百万円(前年同期比△3.3%)
〇工業用ミシン 17,843百万円(前年同期比△18.3%)
ガーメントプリンターは需要拡大が続いたものの、工業用ミシンは、縫製工場向けの市場が低調に推移していたところに新型コロナウイルス感染症拡大による影響が重なり事業全体で減収となりました。
〇産業機器 26,643百万円(前年同期比+15.9%)
自動車・一般機械向けでの中国での需要の回復に加え、IT向けでの在宅勤務の増加を受けたノートPCなどの需要の拡大により、増収となりました。
〇工業用部品 11,534百万円(前年同期比△12.0%)
国内向けを中心に、製造業全般の生産活動鈍化や設備投資抑制の動きにより、減収となりました。
事業セグメント利益 2,872百万円(前年同期比+75.9%)
営業利益 1,851百万円(前年同期比+12.9%)
事業セグメント利益は、工業用ミシンの需要低迷による影響があるものの、産業機器の需要の回復や、販管費の抑制による効果もあり、事業全体で大幅な増益となりました。営業利益は、工業用ミシンの生産体制見直しにともなう一時的な費用の発生があったものの、事業全体で増益となりました。
4)ネットワーク・アンド・コンテンツ事業
売上収益 23,762百万円(前年同期比△36.9%)
新型コロナウイルス感染症拡大の影響による直営店舗の一定期間の全店休業、時間短縮営業要請への対応などにより、店舗事業の売上は大きく落ち込みました。加えて、業務用カラオケ機器の新規需要の落ち込みにより、大幅な減収となりました。
事業セグメント損失 3,345百万円(前年同期 事業セグメント利益 1,943百万円)
営業損失 2,884百万円(前年同期 営業利益 1,945百万円)
事業セグメント利益は、店舗の休業や時間短縮営業による影響及びカラオケ機器販売の落ち込みによる売上の減収を受け、大幅な赤字となりました。営業利益についても、雇用調整助成金(新型コロナ特例)による効果があったものの、大幅な赤字となりました。
5)ドミノ事業
売上収益 50,220百万円(前年同期比△1.1%)
各国のロックダウンを受け、主に欧州を中心とした製品本体の需要減がありましたが、第2四半期からは、コーディング・マーキング機器の製品本体に加え、消耗品は、コーディング・マーキング機器、デジタル印刷機ともに堅調に推移し、ほぼ前年度並みの水準となりました。
事業セグメント利益 3,251百万円(前年同期比+20.8%)
営業利益 2,454百万円(前年同期比△7.6%)
事業セグメント利益は、売上の回復及び販管費の抑制により、増益となりました。営業利益は、為替差損が影響し、減益となりました。
*1:Small Office Home Office(自宅や小規模なオフィスで働く事業者、事業形態)の略
*2:Small Medium Business(小規模な事業所や中小企業、複数拠点に分散する企業のオフィスなど)の略
(2)財政状態の状況
資産合計は、現金及び現金同等物、営業債権及びその他の債権、棚卸資産が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ46,071百万円増加し、777,544百万円となりました。
負債合計は、営業債務及びその他の債務が増加した一方、社債の償還に伴い社債及び借入金が減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ1,671百万円減少し、284,629百万円となりました。
資本合計は、親会社の所有者に帰属する四半期利益による利益剰余金の増加、在外営業活動体の換算差額の影響などにより、前連結会計年度末に比べ47,742百万円増加し、492,914百万円となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの状況については、現金及び現金同等物(以下「資金」)は、営業活動により80,149百万円増加、投資活動により16,468百万円減少、財務活動により31,730百万円減少等の結果、当第3四半期連結会計期間末は前連結会計年度末と比べ36,971百万円増加し、205,393百万円となりました。
当第3四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とその主な要因は、次の通りであります。
1)営業活動によるキャッシュ・フロー
税引前四半期利益は63,011百万円で、減価償却費及び償却費28,852百万円など、非資金損益の調整などによる資金の増加、営業債権及びその他の債権の増加による資金の減少1,605百万円、棚卸資産の増加による資金の減少1,180百万円、営業債務及びその他の債務の増加による資金の増加7,224百万円などがあり、法人所得税の支払額12,585百万円などを差し引いた結果、80,149百万円の資金の増加となりました。
2)投資活動によるキャッシュ・フロー
有形固定資産の取得による支出14,959百万円、無形資産の取得による支出4,227百万円などにより、16,468百万円の資金の減少となりました。
3)財務活動によるキャッシュ・フロー
新型コロナウイルス感染症などによる事業リスク等を考慮し、手元資金の借入を行ったことによる短期借入による収入9,987百万円による資金の増加がある一方、リース負債の返済による支出6,493百万円、配当金の支払額14,830百万円、社債の償還による支出20,140百万円などによる資金の減少があり、31,730百万円の資金の減少となりました。
(4)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更は
ありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変
更及び新たに生じた課題はありません。
(6)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発費は、31,472百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(7)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループは、現在及び将来の事業活動のために適切な水準の流動性維持及び、柔軟で効率的な資金の確保を財務活動の重要な方針としております。この方針に従って、当社グループは、グループ会社が保有する資金をグループ内で効率よく活用するキャッシュマネジメントシステムを構築し運用しております。資金の偏在をならし、グループ全体で借入を極力削減する体制を整えております。
流動性管理
当社グループは、現金及び現金同等物を手元流動性として位置付けております。当第3四半期連結会計期間末現在、当社グループは、売上収益の約4ヶ月分に相当する現金及び現金同等物205,393百万円を保有しております。
当社グループは、当社及び金融子会社などの資金調達拠点を通じたキャッシュマネジメントシステムの活用により、資金の効率化を図り、流動性を確保しております。
これにより、季節的な資金需要の変動、1年以内に期限の到来する借入、新型コロナウイルス感染症などによる事業環境リスク等を考慮の上、通年に亘り十分な手元流動性を確保していると考えております。
資金調達
運転資金等の短期資金は、原則として期限が1年以内の短期借入金を現地通貨で調達することとし、生産設備等の長期資金は、内部留保資金の他、固定金利の長期借入金及び社債等で調達することを基本方針としております。当第3四半期連結会計期間末現在、短期借入金の残高は40,000百万円で、通貨は日本円であります。1年内返済予定の長期借入金の残高は18,462百万円で、通貨は米ドル、日本円であります。長期借入金の残高は36,883百万円であり、通貨は米ドル、日本円であります。
当社は、株式会社格付投資情報センターから格付けを取得しています。当第3四半期連結会計期間末現在、発行体格付けがA、コマーシャルペーパーがa-1であります。金融・資本市場へのアクセスを保持するため、一定水準の格付けの維持は重要と考えております。
当社グループでは、営業活動によりキャッシュ・フローを生み出す能力に加えて、手元流動性、健全な財務体質により、当社グループの成長を維持するために必要な運転資金及び設備投資・研究開発資金等を確保することが可能と考えております。
資金の需要動向
中期計画「CS B2021」では、成長のための投資枠として、50,000百万円を設定しており、産業用領域の更なる拡大、新規事業の創出、育成、インクジェット関連の設備補強やM&Aを含めた成長投資を加速します。
次なる成長に向けた成長基盤の構築のための投資を行う一方で、基本方針に基づき、株主利益還元を実施してまいります。
これらの資金需要に対応するため、営業キャッシュ・フローの獲得、また、必要に応じて、成長投資のための資金調達を機動的に実施する方針であります。
(8)設備の新設、除却等の計画
第1四半期報告書において記載した内容から著しい変更はありません。
なお、当社グループの業績管理は、事業セグメント損益及び営業損益により行われております。事業セグメント損益は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出しております。
(1)経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間における世界経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的流行により、年度前半において急速に減速したのち、緩やかな回復の兆しを見せています。地域別には、中国経済は順調な回復を見せる一方、感染が再拡大している欧米や日本においては、景気の回復が再び鈍化し、依然として先行き不透明な状況が続いております。
当社グループに関連する事業環境は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、プリンティング市場では、在宅勤務、在宅学習用途として、家庭/SOHO*1向けの小型複合機・プリンターの需要は大きく増加しました。一方で、各国のオフィスの閉鎖等による影響や、在宅勤務などへの働き方の変化に伴うオフィスでの印刷需要の減少により、SMB*2向けは、製品本体、消耗品ともに需要は減少しました。家庭用ミシンは、家で過ごす時間が増えたことによる手作り需要の高まりを受け、普及機を中心に好調に推移しました。マシナリー事業の関連分野では、産業機器は中国を中心として需要回復の兆しが出てきているものの、工業用ミシンに関しては、新規投資への抑制傾向が続き、需要は低迷しました。国内におけるカラオケ市場は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、厳しい状況となりました。ドミノ事業の関連分野では、食品・医薬品などの生活必需品の消費・生産の需要の底堅さに支えられ、堅調に推移しました。
このような状況の中、当第3四半期連結累計期間における当社グループの連結業績は、P&S事業では、在宅需要の堅調さが持続し、主にSOHO*1向けの製品本体が好調に推移したことに加え、想定を上回る消耗品の需要の回復があったものの、インクジェット本体の供給不足による影響などにより、減収となりました。P&H事業では、マスクなどの手作り需要の拡大を受け、大幅な増収となりました。マシナリー事業では、産業機器の需要は回復基調にあるものの、工業用ミシンの設備投資需要の落ち込みが続き、事業全体で減収となりました。N&C事業では、店舗の休業や時間短縮営業の影響などにより、大幅な減収となりました。ドミノ事業では、売上が回復し、ほぼ前年並みの水準となりました。
これらの結果、売上収益は、前年同期比3.6%の減収となる467,486百万円、事業セグメント利益は、前年同期比16.2%の増益となる63,337百万円、営業利益は、前年同期比13.4%の増益となる62,840百万円、親会社の所有者に帰属する四半期利益は、前年同期比14.3%の増益となる47,526百万円となりました。
*平均為替レート(連結)は次の通りであります。
当期 米ドル : 105.87円 ユーロ : 122.30円
前年同期 米ドル : 109.10円 ユーロ : 121.46円
セグメント別の業績は、次の通りであります。
1)プリンティング・アンド・ソリューションズ事業
売上収益 287,142百万円(前年同期比△3.4%)
〇通信・プリンティング機器 253,551百万円(前年同期比△2.6%)
レーザー複合機・プリンターでは、在宅勤務や在宅学習の機会が増加したことにより、SOHO*1向け製品本体の販売数量は増加しました。インクジェット複合機においても、在宅勤務や在宅学習の機会が増加したことにより需要は拡大しましたが、工場の操業が停止していたことによる供給への制約が影響し、製品本体の販売数量は大幅に減少しました。消耗品は、レーザー、インクともに想定を上回って推移したものの、事業全体で減収となりました。
〇電子文具 33,591百万円(前年同期比△8.8%)
第1四半期において各国のオフィス閉鎖などにより落ち込んだ需要は、第2四半期以降、徐々に回復しつつあるものの、減収となりました。
事業セグメント利益 52,571百万円(前年同期比+14.8%)
営業利益 52,948百万円(前年同期比+14.7%)
在宅勤務などへの新しい働き方の広がりによるプリンター・複合機のSOHO*1向け製品本体の需要が継続していること及び消耗品需要が当初の想定を上回る好調な推移となったことに加え、販売にかかる費用及び出張費・広告宣伝費等の販管費の減少などにより、増益となりました。
2)パーソナル・アンド・ホーム事業
売上収益 41,345百万円(前年同期比+31.3%)
家庭用ミシンは、在宅勤務機会の拡大など、自宅で過ごす時間が増えたことで、手作り需要が喚起され、普及機を中心に好調に販売が推移したことで、大幅な増収となりました。
事業セグメント利益 8,176百万円(前年同期比+244.6%)
営業利益 8,030百万円(前年同期比+224.5%)
普及機を中心に、家庭用ミシンの販売が好調に推移したことや、販管費などの費用が減少したこともあり、大幅な増益となりました。
3)マシナリー事業
売上収益 56,021百万円(前年同期比△3.3%)
〇工業用ミシン 17,843百万円(前年同期比△18.3%)
ガーメントプリンターは需要拡大が続いたものの、工業用ミシンは、縫製工場向けの市場が低調に推移していたところに新型コロナウイルス感染症拡大による影響が重なり事業全体で減収となりました。
〇産業機器 26,643百万円(前年同期比+15.9%)
自動車・一般機械向けでの中国での需要の回復に加え、IT向けでの在宅勤務の増加を受けたノートPCなどの需要の拡大により、増収となりました。
〇工業用部品 11,534百万円(前年同期比△12.0%)
国内向けを中心に、製造業全般の生産活動鈍化や設備投資抑制の動きにより、減収となりました。
事業セグメント利益 2,872百万円(前年同期比+75.9%)
営業利益 1,851百万円(前年同期比+12.9%)
事業セグメント利益は、工業用ミシンの需要低迷による影響があるものの、産業機器の需要の回復や、販管費の抑制による効果もあり、事業全体で大幅な増益となりました。営業利益は、工業用ミシンの生産体制見直しにともなう一時的な費用の発生があったものの、事業全体で増益となりました。
4)ネットワーク・アンド・コンテンツ事業
売上収益 23,762百万円(前年同期比△36.9%)
新型コロナウイルス感染症拡大の影響による直営店舗の一定期間の全店休業、時間短縮営業要請への対応などにより、店舗事業の売上は大きく落ち込みました。加えて、業務用カラオケ機器の新規需要の落ち込みにより、大幅な減収となりました。
事業セグメント損失 3,345百万円(前年同期 事業セグメント利益 1,943百万円)
営業損失 2,884百万円(前年同期 営業利益 1,945百万円)
事業セグメント利益は、店舗の休業や時間短縮営業による影響及びカラオケ機器販売の落ち込みによる売上の減収を受け、大幅な赤字となりました。営業利益についても、雇用調整助成金(新型コロナ特例)による効果があったものの、大幅な赤字となりました。
5)ドミノ事業
売上収益 50,220百万円(前年同期比△1.1%)
各国のロックダウンを受け、主に欧州を中心とした製品本体の需要減がありましたが、第2四半期からは、コーディング・マーキング機器の製品本体に加え、消耗品は、コーディング・マーキング機器、デジタル印刷機ともに堅調に推移し、ほぼ前年度並みの水準となりました。
事業セグメント利益 3,251百万円(前年同期比+20.8%)
営業利益 2,454百万円(前年同期比△7.6%)
事業セグメント利益は、売上の回復及び販管費の抑制により、増益となりました。営業利益は、為替差損が影響し、減益となりました。
*1:Small Office Home Office(自宅や小規模なオフィスで働く事業者、事業形態)の略
*2:Small Medium Business(小規模な事業所や中小企業、複数拠点に分散する企業のオフィスなど)の略
(2)財政状態の状況
資産合計は、現金及び現金同等物、営業債権及びその他の債権、棚卸資産が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ46,071百万円増加し、777,544百万円となりました。
負債合計は、営業債務及びその他の債務が増加した一方、社債の償還に伴い社債及び借入金が減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ1,671百万円減少し、284,629百万円となりました。
資本合計は、親会社の所有者に帰属する四半期利益による利益剰余金の増加、在外営業活動体の換算差額の影響などにより、前連結会計年度末に比べ47,742百万円増加し、492,914百万円となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの状況については、現金及び現金同等物(以下「資金」)は、営業活動により80,149百万円増加、投資活動により16,468百万円減少、財務活動により31,730百万円減少等の結果、当第3四半期連結会計期間末は前連結会計年度末と比べ36,971百万円増加し、205,393百万円となりました。
当第3四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とその主な要因は、次の通りであります。
1)営業活動によるキャッシュ・フロー
税引前四半期利益は63,011百万円で、減価償却費及び償却費28,852百万円など、非資金損益の調整などによる資金の増加、営業債権及びその他の債権の増加による資金の減少1,605百万円、棚卸資産の増加による資金の減少1,180百万円、営業債務及びその他の債務の増加による資金の増加7,224百万円などがあり、法人所得税の支払額12,585百万円などを差し引いた結果、80,149百万円の資金の増加となりました。
2)投資活動によるキャッシュ・フロー
有形固定資産の取得による支出14,959百万円、無形資産の取得による支出4,227百万円などにより、16,468百万円の資金の減少となりました。
3)財務活動によるキャッシュ・フロー
新型コロナウイルス感染症などによる事業リスク等を考慮し、手元資金の借入を行ったことによる短期借入による収入9,987百万円による資金の増加がある一方、リース負債の返済による支出6,493百万円、配当金の支払額14,830百万円、社債の償還による支出20,140百万円などによる資金の減少があり、31,730百万円の資金の減少となりました。
(4)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更は
ありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変
更及び新たに生じた課題はありません。
(6)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発費は、31,472百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(7)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループは、現在及び将来の事業活動のために適切な水準の流動性維持及び、柔軟で効率的な資金の確保を財務活動の重要な方針としております。この方針に従って、当社グループは、グループ会社が保有する資金をグループ内で効率よく活用するキャッシュマネジメントシステムを構築し運用しております。資金の偏在をならし、グループ全体で借入を極力削減する体制を整えております。
流動性管理
当社グループは、現金及び現金同等物を手元流動性として位置付けております。当第3四半期連結会計期間末現在、当社グループは、売上収益の約4ヶ月分に相当する現金及び現金同等物205,393百万円を保有しております。
当社グループは、当社及び金融子会社などの資金調達拠点を通じたキャッシュマネジメントシステムの活用により、資金の効率化を図り、流動性を確保しております。
これにより、季節的な資金需要の変動、1年以内に期限の到来する借入、新型コロナウイルス感染症などによる事業環境リスク等を考慮の上、通年に亘り十分な手元流動性を確保していると考えております。
資金調達
運転資金等の短期資金は、原則として期限が1年以内の短期借入金を現地通貨で調達することとし、生産設備等の長期資金は、内部留保資金の他、固定金利の長期借入金及び社債等で調達することを基本方針としております。当第3四半期連結会計期間末現在、短期借入金の残高は40,000百万円で、通貨は日本円であります。1年内返済予定の長期借入金の残高は18,462百万円で、通貨は米ドル、日本円であります。長期借入金の残高は36,883百万円であり、通貨は米ドル、日本円であります。
当社は、株式会社格付投資情報センターから格付けを取得しています。当第3四半期連結会計期間末現在、発行体格付けがA、コマーシャルペーパーがa-1であります。金融・資本市場へのアクセスを保持するため、一定水準の格付けの維持は重要と考えております。
当社グループでは、営業活動によりキャッシュ・フローを生み出す能力に加えて、手元流動性、健全な財務体質により、当社グループの成長を維持するために必要な運転資金及び設備投資・研究開発資金等を確保することが可能と考えております。
資金の需要動向
中期計画「CS B2021」では、成長のための投資枠として、50,000百万円を設定しており、産業用領域の更なる拡大、新規事業の創出、育成、インクジェット関連の設備補強やM&Aを含めた成長投資を加速します。
次なる成長に向けた成長基盤の構築のための投資を行う一方で、基本方針に基づき、株主利益還元を実施してまいります。
これらの資金需要に対応するため、営業キャッシュ・フローの獲得、また、必要に応じて、成長投資のための資金調達を機動的に実施する方針であります。
(8)設備の新設、除却等の計画
第1四半期報告書において記載した内容から著しい変更はありません。