四半期報告書-第132期第1四半期(2023/04/01-2023/06/30)

【提出】
2023/08/10 11:13
【資料】
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【項目】
42項目
当社グループの財政状態及び経営成績は次の通りであります。なお、文中における将来に関する事項は、当第1四半期連結会計期間の末日現在において、判断したものです。
なお、当社グループの業績管理は、事業セグメント損益及び営業損益により行われております。事業セグメント損益は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出しております。
(1)経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間における世界経済は、ウクライナ情勢や部材及びエネルギー価格の高騰に加え、世界的なインフレや金融引き締めが長期化し、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。
当社グループに関連する事業環境は、プリンティング市場では、在宅需要がピーク時から落ち着きを見せています。マシナリー事業の関連分野は、産業機器においては内需・外需ともに調整局面が継続し、工業用ミシンにおいても景気後退の懸念を受け、依然としてアジア向けのアパレル設備投資需要が低迷しております。ドミノ事業の関連分野は、食品・飲料・医薬品などの生活必需品の需要が底堅く推移しました。ニッセイ事業の関連分野は、主に中国の景況感悪化により、工場の自動化に向けた設備投資の先送りが見られました。家庭用ミシンは、各地域で巣ごもり需要が収束したことに加え、市況が悪化しました。国内におけるカラオケ市場は、新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴い、客足の回復が進んでいます。
このような状況の中、当第1四半期連結累計期間における当社グループの連結業績は、P&S事業では、通信・プリンティング機器、ラベリングともに販売が減少したものの、為替のプラス影響により増収となりました。マシナリー事業では、産業機器、工業用ミシンともに市況が悪化し、減収となりました。ドミノ事業では、為替のプラス影響に加え、コーディング・マーキング機器が堅調に推移し、増収となりました。ニッセイ事業では、設備投資の先送りにより、減収となりました。P&H事業では、各地域における市況の悪化により、減収となりました。N&C事業では、カラオケ店舗への客足の回復に伴い増収となりました。
これらの結果、売上収益は、前年同期比0.3%増収の200,407百万円となりました。事業セグメント利益は、物流コストの減少や価格対応の効果に加え、為替のプラス影響があったものの、販管費及び販促費の増加や、P&H事業やマシナリー事業における減収に伴い、前年同期比6.7%減益の23,134百万円となりました。営業利益は、前年同期比12.0%減益の22,025百万円、親会社の所有者に帰属する四半期利益は、前年同期比6.6%減益の16,243百万円となりました。
*平均為替レート(連結)は次の通りであります。
当期 米ドル : 138.11円 ユーロ : 150.35円
前年同期 米ドル : 129.04円 ユーロ : 138.24円
セグメント別の業績は、次の通りであります。
1)プリンティング・アンド・ソリューションズ事業
売上収益 127,201百万円(前年同期比+4.4%)
〇通信・プリンティング機器 110,800百万円(前年同期比+4.6%)
インクジェット複合機は、製品本体・消耗品ともに堅調に推移しました。レーザー複合機・プリンターは、製品本体は前年同期並みに推移した一方、消耗品は主に米州において販売が減少しました。全体では、為替のプラス影響があり、増収となりました。
〇ラベリング 16,401百万円(前年同期比+3.1%)
為替のプラス影響により、増収となりました。なお、前年の第2四半期から継続していた部材不足による供給制約は解消しました。
事業セグメント利益 19,282百万円(前年同期比+7.8%)
営業利益 17,996百万円(前年同期比+6.3%)
販促費及び販管費が増加したものの、物流コストの減少や価格対応の効果に加え、為替のプラス影響もあり、増益となりました。
2)マシナリー事業
売上収益 18,756百万円(前年同期比△19.9%)
〇産業機器 10,234百万円(前年同期比△24.5%)
中国の市況悪化に伴い自動車・一般機械市場向けの設備投資需要が低迷し、大幅な減収となりました。
〇工業用ミシン 8,521百万円(前年同期比△13.7%)
工業用ミシンは、アジアのアパレル向け設備投資需要が引き続き低調に推移し、堅調だった前年同期と比較して販売が大幅に減少しました。一方で、ガーメントプリンターは、市況が回復し販売が堅調に推移しました。全体では、為替のプラス影響があったものの、減収となりました。
事業セグメント利益 951百万円(前年同期比△54.3%)
営業利益 1,153百万円(前年同期比△52.4%)
為替のプラス影響があったものの、減収により、大幅な減益となりました。
3)ドミノ事業
売上収益 25,606百万円(前年同期比+7.9%)
為替のプラス影響に加え、消耗品全般やコーディング・マーキング機器の製品本体の販売が堅調に推移し、増収となりました。
事業セグメント利益 2,120百万円(前年同期比+28.6%)
営業利益 1,772百万円(前年同期比△10.8%)
事業セグメント利益は、営業活動の強化に伴い販管費が増加したものの、増収効果や製品ミックスの変化などにより、大幅な増益となりました。営業利益は、為替差損が影響し、減益となりました。
4)ニッセイ事業
売上収益 5,321百万円(前年同期比△11.2%)
主に中国の景況感悪化を受けた設備投資の先送りにより、減速機・歯車ともに販売が低調に推移し、減収となりました。
事業セグメント利益 479百万円(前年同期比△21.1%)
営業利益 493百万円(前年同期比△27.3%)
減収により、減益となりました。
5)パーソナル・アンド・ホーム事業
売上収益 11,456百万円(前年同期比△19.4%)
各地域における市況の悪化により、主に中高級機の販売が減少し、減収となりました。
事業セグメント損失 585百万円(前年同期 事業セグメント利益 1,978百万円)
営業損失 615百万円(前年同期 営業利益 1,995百万円)
中高級機の販売減少による製品ミックスの悪化や販促費の増加などにより、赤字となりました。
6)ネットワーク・アンド・コンテンツ事業
売上収益 8,948百万円(前年同期比+6.4%)
新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴う客足の回復により、カラオケ店舗の売上が増加し、増収となりました。
事業セグメント利益 532百万円(前年同期比+70.9%)
営業利益 618百万円(前年同期比△10.2%)
事業セグメント利益は、増収効果により、増益となりました。営業利益は、雇用調整助成金や時短協力金などの給付金がなくなったことにより、減益となりました。
(2)財政状態の状況
資産合計は、現金及び現金同等物が減少した一方、円安による為替影響で棚卸資産、のれん及び無形資産が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ22,795百万円増加し、873,281百万円となりました。
負債合計は、営業債務及びその他の債務、社債及び借入金が減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ22,875百万円減少し、230,930百万円となりました。
資本合計は、在外営業活動体の換算差額の影響などにより、前連結会計年度末に比べ45,670百万円増加し、642,350百万円となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの状況については、現金及び現金同等物(以下「資金」)は、営業活動により22,385百万円増加、投資活動により11,637百万円減少、財務活動により26,291百万円減少等の結果、当第1四半期連結会計期間末は前連結会計年度末と比べ9,841百万円減少し、109,200百万円となりました。
当第1四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とその主な要因は、次の通りであります。
1)営業活動によるキャッシュ・フロー
税引前四半期利益は22,652百万円で、減価償却費及び償却費11,162百万円など、非資金損益の調整などによる資金の増加、営業債権及びその他の債権の減少による資金の増加9,461百万円、棚卸資産の減少による資金の増加3,040百万円、営業債務及びその他の債務の減少による資金の減少15,149百万円などがあり、法人所得税の支払額6,347百万円などを差し引いた結果、22,385百万円の資金の増加となりました。
2)投資活動によるキャッシュ・フロー
有形固定資産の取得による支出7,618百万円、無形資産の取得による支出1,939百万円などにより、11,637百万円の資金の減少となりました。
3)財務活動によるキャッシュ・フロー
短期借入金の増減による支出15,616百万円、リース負債の返済による支出1,969百万円、配当金の支払額8,710百万円などにより、26,291百万円の資金の減少となりました。
(4)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更は
ありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変
更及び新たに生じた課題はありません。
(6)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発費は、11,269百万円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(7)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループは、現在及び将来の事業活動のために適切な水準の流動性維持及び、柔軟で効率的な資金の確保を財務活動の重要な方針としております。この方針に従って、当社グループは、グループ会社が保有する資金をグループ内で効率よく活用するキャッシュマネジメントシステムを構築し運用しております。資金の偏在をならし、グループ全体で借入を極力削減する体制を整えております。
流動性管理
当社グループは、現金及び現金同等物を手元流動性として位置付けております。当第1四半期連結会計期間末現在、当社グループは、売上収益の約2ヶ月分に相当する現金及び現金同等物109,200百万円を保有しております。
当社グループは、当社及び金融子会社などの資金調達拠点を通じたキャッシュマネジメントシステムの活用により、資金の効率化を図り、流動性を確保しております。
これにより、季節的な資金需要の変動、1年以内に期限の到来する借入、事業環境リスク等を考慮の上、通年に渡り十分な手元流動性を確保していると考えております。
資金調達
運転資金等の短期資金は、原則として期限が1年以内の短期借入金を現地通貨で調達することとし、生産設備等の長期資金は、内部留保資金の他、固定金利の長期借入金及び社債等で調達することを基本方針としております。当第1四半期連結会計期間末現在、1年内返済予定の長期借入金の残高は、22,564百万円で、通貨は米ドル、日本円であります。長期借入金の残高は600百万円であり、通貨は日本円であります。
当社は、株式会社格付投資情報センターから格付けを取得しております。当第1四半期連結会計期間末現在、発行体格付がA、コマーシャルペーパーがa-1であります。金融・資本市場へのアクセスを保持するため、一定水準の格付けの維持は重要と考えております。
当社グループでは、営業活動によりキャッシュ・フローを生み出す能力に加えて、手元流動性、健全な財務体質により、当社グループの成長を維持するために必要な運転資金及び設備投資・研究開発資金等を確保することが可能と考えております。
資金の需要動向
中期戦略「CS B2024」では、事業ポートフォリオの変革と、持続可能な未来に向けた経営基盤の変革実現に向けた先行投資枠として総額1,500億円を設定しました。この投資枠を活用して、「事業ポートフォリオの変革」に向けては、産業用領域やインクジェット技術に関わる各種の機能、拠点の強化、M&A等の戦略投資を行っていきます。
未来に向けた先行投資を行う一方で、中期戦略「CS B2024」における基本方針に基づき株主利益還元を実施してまいります。
これらの資金需要に対応するため、営業キャッシュ・フローの獲得、また、必要に応じて、成長投資のための資金調達を機動的に実施する方針であります。