有価証券報告書-第106期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/23 12:49
【資料】
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【項目】
126項目
[業績等の概要]
(1)業績
当社グループでは、2016年12月に次の5カ年を対象とする中長期成長戦略を策定しました。中長期ビジョンとし
て「日本発のグローバル企業」を掲げ、世界の医療現場からトップブランドとして信頼されるメーカーとなること、そしてその信頼を製品・供給・サービスのトータルクオリティーで担保することを目指して経営を推進しております。
当連結会計年度の売上収益は、前期比2.4%減の6,138億円となり、営業利益は前期比11.1%減の984億円となりました。
≪連結業績≫
前連結会計年度
(百万円)
当連結会計年度
(百万円)
増減額
(百万円)
増減率
(%)
売上収益628,897613,842△15,054△2.4
(日本)196,339201,7585,4192.8
(海外)432,557412,084△20,473△4.7
調整後営業利益124,998115,927△9,071△7.3
営業利益110,61198,386△12,224△11.1
税引前利益106,46697,060△9,406△8.8
当期利益85,03777,200△7,836△9.2
親会社の所有者に帰属する当期利益85,21177,268△7,942△9.3

セグメントの業績は以下のとおりです。
セグメントの名称前連結会計年度
(百万円)
当連結会計年度
(百万円)
増減額
(百万円)
心臓血管カンパニー売上収益350,550328,549△22,000
調整後営業利益86,85574,399△12,455
ホスピタルカンパニー売上収益170,963175,5454,581
調整後営業利益25,24825,739490
血液・細胞テクノロジーカンパニー売上収益107,156109,4912,334
調整後営業利益15,05319,0884,035

(注) 調整後営業利益は、営業利益から買収に伴い取得した無形資産の償却費及び一時的な損益を調整した利益です。
<心臓血管カンパニー>日本では、カーディオバスキュラー事業の補助循環装置(ECMOシステム)や、ニューロバスキュラー事業の血流改変ステント等が牽引したものの、全般に新型コロナウイルス感染症拡大の影響が一定程度残り、わずかに減収となりました。海外では、特に米州においてTIS(カテーテル)事業、カーディオバスキュラー事業への同影響が大きく、心臓血管カンパニーの売上収益は前期比6.3%減の3,285億円となりました。
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<ホスピタルカンパニー>日本とアジアを中心に、多くの製品において新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けたものの、日本でホスピタルシステム事業の感染対策関連製品や麻酔用鎮痛剤が牽引したことに加え、グローバルでアライアンス事業の製薬企業との提携ビジネスが拡大したことにより、ホスピタルカンパニーの売上収益は前期比2.7%増の1,755億円となりました。
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<血液・細胞テクノロジーカンパニー>日本では、血液センター向け製品において、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による血液需要の減少を受け、わずかに減収となりました。海外では、アフェレシス治療製品と細胞処理製品において、同影響による需要減が見られましたが、新型コロナウイルス感染症の回復期血漿の需要が増加、また成分採血装置の新ソフトウェアが牽引した結果、血液・細胞テクノロジーカンパニーの売上収益は前期比2.2%増の1,095億円となりました。
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(2)キャッシュ・フロー
≪キャッシュ・フロー計算書概要≫
前連結会計年度
(百万円)
当連結会計年度
(百万円)
増減額
(百万円)
営業活動によるキャッシュ・フロー117,479121,4854,005
投資活動によるキャッシュ・フロー△84,714△85,317△602
財務活動によるキャッシュ・フロー14,010△7,436△21,447
現金及び現金同等物の期末残高166,898200,77033,871

営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果得られた資金は、1,215億円となりました。税引前利益971億円、減価償却費及び償却費539億円、法人所得税の支払額231億円、棚卸資産の220億円増加が主な要因です。
投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果使用した資金は、853億円となりました。生産設備等の設備投資に伴う有形固定資産の取得に
よる支出623億円、新ITシステムへの投資等に伴う無形資産の取得による支出208億円が主な要因です。
財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果使用した資金は、74億円となりました。短期借入金の返済による支出400億円、長期借入れによる収入700億円、社債の償還による支出100億円、配当金の支払額212億円が主な要因です。
以上の結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末より339億円増加し2,008億円となりました。
[生産、受注及び販売の状況]
(1)生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりです。
報告セグメント金額(百万円)前連結会計年度比(%)
心臓血管カンパニー348,406△5.0
ホスピタルカンパニー170,8304.7
血液・細胞テクノロジーカンパニー112,5526.3
合計631,788△0.6

(注) 1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.報告セグメントに含まれる製品は、「第5経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 5.セグメント情報(1)報告セグメントに関する基礎」をご覧ください。
4.当連結会計年度の仕入製品の仕入実績は、当連結会計年度平均販売価格(消費税等含まず。)算出で、38,079百万円です。
(2)受注実績
当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
(3)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりです。
報告セグメントサブセグメント金額(百万円)前連結会計
年度比(%)
心臓血管カンパニーTIS(カテーテル)220,628△6.6
ニューロバスキュラー45,016△5.5
カーディオバスキュラー41,582△10.1
血管21,3224.9
ホスピタルカンパニーホスピタルシステム146,915△0.3
アライアンス28,63021.1
血液・細胞テクノロジーカンパニー-109,4912.2
調整額25613.3
合 計613,842△2.4

(注) 1.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.調整額256百万円は、報告セグメントに帰属しない外部向け人材派遣による収入等です。
3.報告セグメントに含まれる製品は、「第5経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 5.セグメント情報(1)報告セグメントに関する基礎」をご覧ください。
[財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析]
文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2021年6月23日)現在において判断したものです。将来に関する事項は不確実性を内包しておりますので将来生じる実際の結果と差異が生じる可能性があります。
(1)経営成績
<連結業績について>
前連結会計年度
(百万円)
当連結会計年度
(百万円)
増減額
(百万円)
増減率
(%)
売上収益628,897613,842△15,054△2.4
売上総利益343,932326,623△17,308△5.0
調整後営業利益124,998115,927△9,071△7.3
営業利益110,61198,386△12,224△11.1
税引前利益106,46697,060△9,406△8.8
当期利益85,03777,200△7,836△9.2
親会社の所有者に帰属する
当期利益
85,21177,268△7,942△9.3

①売上収益
売上収益は、前期比2.4%減の6,138億円となりました。
日本では、心臓血管カンパニーにおいて新型コロナウイルス感染症拡大の影響が、他地域と比較し小さかったことに加え、ホスピタルカンパニーにおいて感染対策製品に対する需要増、アライアンス事業や麻酔用鎮痛剤の好調もあり、前期比2.8%の増収となりました。
海外では、ホスピタルカンパニーと血液・細胞テクノロジーカンパニーに対する新型コロナウイルス感染症拡大の影響は小さかったものの、心臓血管カンパニー、特にTIS(カテーテル)事業に対する同影響が大きく、前期比4.7%の減収となりました。
なお、地域別の売上収益及びその前期比は、下図のとおりです。
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②売上総利益 売上総利益は、心臓血管カンパニーを中心に新型コロナウイルス感染症拡大の影響による売上収益の減少があり、前期比5.0%減の3,266億円となりました。
③調整後営業利益 調整後営業利益は、販売費及び一般管理費を一部抑制したものの、売上総利益の減少により、前期比7.3%減の1,159億円となりました。
なお、調整後営業利益は、営業利益から買収に伴い取得した無形資産の償却費及び一時的な損益を調整した利益です。また、調整後営業利益は、セグメント利益と一致しており、当社グループの業績管理指標として用いています。
当社グループは、当社グループが適用する会計基準であるIFRSにおいて定義されていない指標である調整後営業利益を追加的に開示しております。調整後営業利益は、当社グループが中長期的に持続的な成長を目指す上で、各事業運営の業績を把握するために経営管理にも利用している指標であり、財務諸表の利用者が当社グループの業績を評価する上でも、有用な情報であると考えております。
④営業利益 営業利益は、調整後営業利益の減少により、前期比11.1%減の984億円となりました。
⑤税引前利益 税引前利益は、営業利益の減少により、前期比8.8%減の971億円となりました。
⑥親会社の所有者に帰属する当期利益 親会社の所有者に帰属する当期利益は、税引前利益の減少により、前期比9.3%減の773億円となりました。
セグメントごとの業績、売上収益、調整後営業利益の概況については、「業績等の概要 (1)業績」に記載しております。
(2)財政状態の分析
<主要財務指標>
前連結会計年度当連結会計年度
親会社所有者帰属持分当期利益率11.7%9.6%
資産合計当期利益率7.2%6.0%
親会社所有者帰属持分比率60.8%63.4%
1株当たり親会社所有者帰属持分1,003.361,133.13
フリー・キャッシュ・フロー32,764百万円36,168百万円

① 資産
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,098億円増の1兆3,512億円となりました。
これは主に、営業活動等を通じて現金及び現金同等物が339億円増加した他、生産設備等への投資により有形固定資産が353億円増加したことに加え、子会社等の取得や新ITシステムへの投資等によりのれん及び無形資産が103億円増加したことによるものです。
② 負債
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ81億円増の4,945億円となりました。
これは主に、長期借入金の借入れにより非流動負債の社債及び借入金が226億円増加した一方、年金資産の増加により退職給付に係る負債が118億円減少したことによるものです。
③ 資本
当連結会計年度末における資本合計は、前連結会計年度末に比べ1,018億円増の8,567億円となりました。
これは主に、当期利益の計上により772億円増加した他、為替相場が円安に推移した影響等に伴うその他の包括利益の計上により385億円増加した一方で、剰余金の配当により211億円減少したことによるものです。
なお、キャッシュ・フローの状況については、「業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」に記載しております。
(3)資本の財源及び資金の流動性
①キャッシュ・フロー
当連結会計年度の「業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」に記載のとおりです。
②財務政策
当社グループは、資本政策の基本方針として「事業オペレーション改善などを通じた資産効率の向上と、財務健全性も考慮した適正な資本構成の構築により、株主資本利益率(ROE)の改善及び1株当たり利益(EPS)の成長を目指す」を掲げております。
運転資金需要の主なものは、製品製造のための原材料、部品購入のほか、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものです。研究開発費は営業費用の一部として計上されます。また、持続的な成長のため、設備投資をはじめ、企業買収による投資などへの投資資金需要が発生します。
当連結会計年度における重要な資本的支出の予定とその主な財源は「第3設備の状況 3設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりです。
当社グループは、事業活動に必要な資金を安定的に確保するため、資本政策の基本方針に沿って、内部資金、借入、社債等により調達しております。具体的には、年度事業計画にもとづく資金調達計画を策定・更新するとともに、定期的に手元流動性及び有利子負債の状況等を把握・集約しております。また、欧米・アジア・中国の拠点とキャッシュマネジメントを運用し、グループ内余剰資金を活用するなど資金効率の向上に努めています。
さらに、金融機関には十分な借入枠を有しており、内部資金、資金調達と併せ、当社グループの成長を維持するために将来必要な運転資金及び設備等投資資金を調達することは可能であると考えています。新型コロナウイルス感染拡大の影響下においても、機動的な資金調達により十分な手元流動性を確保するとともに、健全な財務状態を維持できていることから、中長期的な成長投資は継続、さらにM&Aに関しても持続的かつ収益性のある成長に資する案件は、これまでと変わらず追求します。一方、不急とみなすことのできる経費や投資案件は見直していきます。
また、利益配分につきましては、「安定的に配当を増やし、中長期的に配当性向30%を目指す」を基本方針としており、新型コロナウイルス感染症の影響下にはありますが、当期業績の状況を勘案し、当期の年間配当金を1株につき29円(うち中間配当金14円)と1円増配します。また、次期の年間配当金につきましては1株につき30円(うち中間配当金15円)と増配を予定します。
なお、当連結会計年度の有利子負債の残高については、「第5経理の状況 1連結財務諸表 ⑥連結財務諸表注記14.社債及び借入金」に記載のとおりです。
(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5経理の状況 1連結財務諸表 ⑥連結財務諸表注記2.作成の基礎 (4)見積り及び判断の利用」に記載のとおりです。
(5)次期の見通し
医療機器市場は、高齢者数の増加と、それに伴う慢性疾患の増加等により、今後も市場の拡大が見込まれています。一方で医療費の増加が財政を圧迫する中、価値や効率性を重視した医療へのシフトが加速しています。また、海外では買収等による業界再編が進み、企業規模の巨大化と集中・寡占化が進みつつあります。
このような事業環境を踏まえ、当社グループは中長期成長戦略を推進しています。初年度の2017年度(2018年3月期)は、前年度に買収した事業の業績も寄与し、中長期成長戦略の目標達成に向け、順調な滑り出しとなりました。2年目である2018年度(2019年3月期)は、上期に心臓血管カンパニーの一部の製品で愛鷹工場からの出荷遅延があったものの、下期には全面的に正常化しました。3、4年目の2019年度(2020年3月期)と2020年度(2021年3月期)は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響があったものの、いずれも期初の利益予想を上回りました。5年目となる2021年度(2022年3月期)は、同年度以降の持続的な成長を実現するべく、各地域における事業間シナジーを追求する「総合力・ブランド力の発揮」、「グローバル組織・オペレーションの最適化」「デジタル化とビジネスモデルの変革推進」、グローバル人的資本の見える化や専門性の強化を図る「人財マネジメントの進化」、そして「強みとなるコアテクノロジーの深化」等に取り組んでいきます。
なお、2021年度も、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けることが想定されます。影響を受ける地域、期間、規模等は正確な予測が困難ですが、業績予想の数値を策定する上では、上半期からワクチンの普及や医療需要の回復が進み、成長軌道への回帰を見込むシナリオを予想の上限とし、一方で、上半期は2020年度同様に世界各地で感染者数が増減し、下半期にようやく感染症拡大がコントロールされて回復に向かうシナリオを予想の下限としております。
下限に当たるシナリオにおける報告セグメントごとの影響としては、心臓血管カンパニーにおいては、緊急性の低い症例の延期等により、一時的な需要の減少を想定しています。また、減少レベルや回復に要する期間等は、事業領域や地域によって異なり注視が必要です。一方で、ホスピタルカンパニーと血液・細胞テクノロジーカンパニーについては、医療インフラに関連する製品や、慢性疾患向けの製品が多いため、影響は限定的と見ています。

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