有価証券報告書-第105期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/26 10:15
【資料】
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【項目】
83項目
[業績等の概要]
(1)業績
当社グループでは、2016年12月に次の5カ年を対象とする中長期成長戦略を策定しました。中長期ビジョンとして「日本発のグローバル企業」を掲げ、世界の医療現場からトップブランドとして信頼されるメーカーとなるこ
と、そしてその信頼を製品・供給・サービスのトータルクオリティーで担保することを目指して経営を推進してお
ります。
当連結会計年度の売上収益は、前期比4.9%増の6,289億円となり、営業利益は前期比3.7%増の1,106億円となりました。
≪連結業績≫
前連結会計年度
(百万円)
当連結会計年度
(百万円)
増減額
(百万円)
増減率
(%)
売上収益599,481628,89729,4154.9
(日本)188,468196,3397,8704.2
(海外)411,013432,55721,5445.2
調整後営業利益122,128124,9982,8692.3
営業利益106,637110,6113,9733.7
税引前利益102,709106,4663,7563.7
当期利益79,28785,0375,7507.3
親会社の所有者に帰属する当期利益79,47085,2115,7407.2

セグメントの業績は以下のとおりです。
なお、当連結会計年度より、従来の「血液システムカンパニー」のセグメント名称を「血液・細胞テクノロジーカンパニー」に変更しております。詳細は「第5経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(5.セグメント情報)」に記載のとおりです。
セグメントの名称前連結会計年度
(百万円)
当連結会計年度
(百万円)
増減額
(百万円)
心臓血管カンパニー売上収益328,500350,55022,050
調整後営業利益80,91386,8555,941
ホスピタルカンパニー売上収益165,766170,9635,197
調整後営業利益26,82925,248△1,581
血液・細胞テクノロジーカンパニー売上収益104,984107,1562,171
調整後営業利益15,67315,053△620

(注) 調整後営業利益は、営業利益から買収に伴い取得した無形資産の償却費及び一時的な損益を調整した利益です。
<心臓血管カンパニー>日本では、TIS(カテーテル)事業のイメージング領域や、ニューロバスキュラー事業の脳梗塞治療用製品が好調に推移しました。海外では、第4四半期に新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、主に中国のTIS事業において減速が見られたものの、ニューロバスキュラー事業の袋状脳動脈瘤デバイス「ウェブ」(WEB)などが牽引した結果、心臓血管カンパニーの売上収益は前期比6.7%増の3,506億円となりました。
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<ホスピタルカンパニー>ホスピタルシステム事業では、スプレー式癒着防止材「アドスプレー」、麻酔用鎮痛剤「フェンタニル注射液」などが好調に推移したほか、第4四半期に新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、体温計や手指消毒剤の特需がありました。アライアンス事業の製薬企業との提携ビジネスも順調に拡大し、ホスピタルカンパニーの売上収益は前期比3.1%増の1,710億円となりました。
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<血液・細胞テクノロジーカンパニー>欧州や新興国において為替のマイナス影響を受けたものの、グローバルで成分採血装置の新ソフトウェア導入が牽引し、好調に推移した結果、血液・細胞テクノロジーカンパニーの売上収益は前期比2.1%増の1,072億円となりました。
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(2)キャッシュ・フロー
≪キャッシュ・フロー計算書概要≫
前連結会計年度
(百万円)
当連結会計年度
(百万円)
増減額
(百万円)
営業活動によるキャッシュ・フロー93,571117,47923,908
投資活動によるキャッシュ・フロー△74,792△84,714△9,922
財務活動によるキャッシュ・フロー△67,54014,01081,550
現金及び現金同等物の期末残高122,982166,89843,916

営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果得られた資金は、1,175億円となりました。当期においては、税引前利益1,065億円、減価償却費及び償却費524億円、法人所得税の支払額248億円、棚卸資産の173億円増加が主な要因です。
投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果使用した資金は、847億円となりました。テルモ山口株式会社の新棟建設や、増産等の設備投資に伴う有形固定資産の取得による支出623億円、新ITシステムへの投資や独占販売権の取得等に伴う無形資産の取得による支出212億円が主な要因です。
財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果得られた資金は、140億円となりました。新型コロナウイルス感染拡大の影響の備えに伴う短期借入れによる収入400億円、配当金の支払額205億円が主な要因です。
以上の結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末より439億円増加し1,669億円となりました。
[生産、受注及び販売の実績]
(1)生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりです。
報告セグメント金額(百万円)前連結会計年度比(%)
心臓血管カンパニー366,6583.3
ホスピタルカンパニー163,1170.4
血液・細胞テクノロジーカンパニー105,884△0.9
合計635,6601.8

(注) 1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.報告セグメントに含まれる製品は、「第5経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 5.セグメント情報(1)報告セグメントに関する基礎」をご覧ください。
4.当連結会計年度の仕入製品の仕入実績は、当連結会計年度平均販売価格(消費税等含まず。)算出で、35,855百万円です。
(2)受注実績
当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
(3)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりです。
報告セグメント金額(百万円)前連結会計
年度比(%)
心臓血管カンパニーTIS(カテーテル)236,3405.8
ニューロバスキュラー47,62618.6
カーディオバスキュラー46,2593.3
血管20,3240.6
ホスピタルカンパニーホスピタルシステム147,3131.4
アライアンス23,65015.8
血液・細胞テクノロジーカンパニー-107,1562.1
調整額226△ 1.7
合 計628,8974.9

(注) 1.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.調整額226百万円は、報告セグメントに帰属しない外部向け人材派遣による収入等です。
3.報告セグメントに含まれる製品は、「第5経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 5.セグメント情報(1)報告セグメントに関する基礎」をご覧ください。
[財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析]
文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2020年6月26日)現在において判断したものです。将来に関する事項は不確実性を内包しておりますので将来生じる実際の結果と差異が生じる可能性があります。
(1)経営成績
<連結業績について>
前連結会計年度
(百万円)
当連結会計年度
(百万円)
増減額
(百万円)
増減率
(%)
売上収益599,481628,89729,4154.9
売上総利益326,497343,93217,4345.3
調整後営業利益122,128124,9982,8692.3
営業利益106,637110,6113,9733.7
税引前利益102,709106,4663,7563.7
当期利益79,28785,0375,7507.3
親会社の所有者に帰属する
当期利益
79,47085,2115,7407.2

①売上収益
売上収益は、前期比4.9%増の6,289億円となりました。
日本では、ホスピタルカンパニーの疼痛緩和事業、製薬企業との提携ビジネスであるアライアンス事業、心臓血管カンパニーのTIS(カテーテル)事業やニューロバスキュラー事業が好調に推移し、増収となりました。
海外では、主に中国において、第4四半期に新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けたものの、TIS事業が順調に拡大、またニューロバスキュラー事業が好調に推移し、増収となりました。
なお、地域別の売上収益及びその前期比は、下図のとおりです。
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②売上総利益 売上総利益は、売上収益の増加により、前期比5.3%増の3,439億円となりました。
③調整後営業利益 調整後営業利益は、販売費及び一般管理費、特に研究開発費が増加したものの、売上総利益の増加により、前期比2.3%増の1,250億円となりました。上記の内数として、新型コロナウイルス感染拡大の影響による調整後営業利益の減少27億円が含まれております。
なお、調整後営業利益は、営業利益から買収に伴い取得した無形資産の償却費及び一時的な損益を調整した利益です。また、調整後営業利益は、セグメント利益と一致しており、当社グループの業績管理指標として用いています。
当社グループは、当社グループが適用する会計基準であるIFRSにおいて定義されていない指標である調整後営業利益を追加的に開示しております。調整後営業利益は、当社グループが中長期的に持続的な成長を目指す上で、各事業運営の業績を把握するために経営管理にも利用している指標であり、財務諸表の利用者が当社グループの業績を評価する上でも、有用な情報であると考えております。
④営業利益 営業利益は、調整後営業利益の増加により、前期比3.7%増の1,106億円となりました。
⑤税引前利益 税引前利益は、営業利益の増加により、前期比3.7%増の1,065億円となりました。
⑥親会社の所有者に帰属する当期利益 親会社の所有者に帰属する当期利益は、税率の異なる地域別の利益構成の変化によるプラスの影響が生じたことにより、前期比7.2%増の852億円となりました。
セグメントごとの業績、売上収益、調整後営業利益の概況については、「業績等の概要 (1)業績」に記載しております。
(2)財政状態の分析
<主要財務指標>
前連結会計年度当連結会計年度
親会社所有者帰属持分当期利益率12.7%11.7%
資産合計当期利益率7.2%7.2%
親会社所有者帰属持分比率62.3%60.8%
1株当たり親会社所有者帰属持分939.601,003.36
フリー・キャッシュ・フロー18,778百万円32,764百万円

① 流動資産
当連結会計年度末における流動資産合計は、前連結会計年度末に比べ619億円増の4,606億円となりました。
これは主に、成長投資資金確保に加え、新型コロナウイルス感染拡大の影響の備えとして、短期借入金の借入れ等により現金及び現金同等物が439億円増加した他、棚卸資産が130億円増加したことによるものです。
② 非流動資産
当連結会計年度末における非流動資産合計は、前連結会計年度末に比べ587億円増の7,807億円となりました。
これは主に、テルモ山口株式会社の新棟建設や、増産等の設備投資に加え、IFRS第16号「リース」(以下「IFRS第16号」という。)が適用されたこと等により、有形固定資産が624億円増加したことによるものです。
③ 流動負債
当連結会計年度末における流動負債合計は、前連結会計年度末に比べ689億円増の2,118億円となりました。
これは主に、社債及び借入金が503億円増加したことに加え、IFRS第16号が適用されたこと等によりその他の金融負債が54億円増加したことによるものです。
④ 非流動負債
当連結会計年度末における非流動負債合計は、前連結会計年度末に比べ51億円減の2,746億円となりました。
これは主に、転換社債型新株予約権付社債の行使及び流動負債への振替えにより社債及び借入金が293億円減少した一方で、IFRS第16号が適用されたこと等によりその他の金融負債が252億円増加したことによるものです。
⑤ 資本
当連結会計年度末における資本合計は、前連結会計年度末に比べ568億円増の7,549億円となりました。
これは主に、当期利益の計上により850億円増加、転換社債型新株予約権付社債の転換に自己株式を充当したこと等により177億円増加した一方で、剰余金の配当により205億円減少したことによるものです。
なお、キャッシュ・フローの状況については、「業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」に記載しております。
(3)資本の財源及び資金の流動性
①キャッシュ・フロー
当連結会計年度の業績等の概要の(2)キャッシュ・フローに記載のとおりです。
②財務政策
当社グループは、資本政策の基本方針として「事業オペレーション改善などを通じた資産効率の向上と、財務健全性も考慮した適正な資本構成の構築により、株主資本利益率(ROE)の改善及び1株当たり利益(EPS)の成長を目指す」を掲げております。
運転資金需要の主なものは、製品製造のための原材料、部品購入のほか、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものです。研究開発費は営業費用の一部として計上されます。また、持続的な成長のため、設備投資をはじめ、企業買収による投資などへの投資資金需要が発生します。
当連結会計年度における重要な資本的支出の予定とその主な財源は「第3設備の状況 3設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりです。
当社グループは、事業活動に必要な資金を安定的に確保するため、資本政策の基本方針に沿って、内部資金、借入、社債等により調達しております。具体的には、年度事業計画にもとづく資金調達計画を策定・更新するとともに、定期的に手元流動性及び有利子負債の状況等を把握・集約しております。また、欧米・アジア・中国の拠点とキャッシュマネジメントを運用し、グループ内余剰資金を活用するなど資金効率の向上に努めています。
さらに、金融機関には十分な借入枠を有しており、内部資金、資金調達と併せ、当社グループの成長を維持するために将来必要な運転資金及び設備等投資資金を調達することは可能であると考えています。新型コロナウイルス感染拡大の影響下においても、機動的な資金調達により十分な手元流動性を確保するとともに、健全な財務状態を維持できていることから、中長期的な成長投資は継続、さらにM&Aに関しても持続的かつ収益性のある成長に資する案件は、これまでと変わらず追求します。一方、不急とみなすことのできる経費や投資案件は見直していきます。また、利益配分につきましては、安定的に配当を増やし、中長期的に配当性向30%を目指してまいりますが、新型コロナウイルス感染拡大の影響を鑑みて、次期の年間配当金につきましては1株につき28円(うち中間配当金14円)にて据え置きを予定しております。
なお、当連結会計年度の有利子負債の残高については、「第5経理の状況 1連結財務諸表 ⑥連結財務諸表注記14.社債及び借入金」に記載のとおりです。
(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5経理の状況 1連結財務諸表 ⑥連結財務諸表注記2.作成の基礎 (5)見積り及び判断の利用」に記載のとおりです。
なお、新型コロナウイルス感染拡大の影響については、影響が2021年3月期の一定期間にわたり継続するとの仮定のもと、(5)次期の見通しにも記載のとおり、心臓血管カンパニーにおいては、緊急性の低い症例の延期等により、一時的には比較的大きな需要の減少が見込まれる一方、ホスピタルカンパニーと血液・細胞テクノロジーカンパニーにおいては、医療インフラに関連する製品や、慢性疾患向けの製品が多く、影響は限定的との仮定に基づき、重要な会計上の見積りを行っています。
(5)次期の見通し
医療機器市場は、高齢者数の増加と、それに伴う慢性疾患の増加等により、今後も市場の拡大が見込まれています。一方で医療費の増加が財政を圧迫する中、価値や効率性を重視した医療へのシフトが加速しています。また、海外では買収等による業界再編が進み、企業規模の巨大化と集中・寡占化が進みつつあります。
このような事業環境を踏まえ、当社グループは中長期成長戦略を推進しています。初年度の2017年度(2018年3月期)は、前年度に買収した事業の業績も寄与し、中長期成長戦略の目標達成に向け、順調な滑り出しとなりました。2年目である2018年度(2019年3月期)は、上期に心臓血管カンパニーの一部の製品で愛鷹工場からの出荷遅延があったものの、下期には全面的に正常化しました。3年目の2019年度(2020年3月期)は、日本における消費増税に伴う薬価及び特定保険医療材料価格の改定や、新しく導入される欧州医療機器規則(MDR)への適合に伴う準備費用に加えて、第4四半期には一部の地域において、新型コロナウイルス感染拡大の影響があったものの、期初の利益予想を上回りました。4年目となる2020年度(2021年3月期)は、持続的な成長を実現するべく、「グローバル戦略の加速」、「製品パイプラインの充実化」、生産体制をはじめとする「成長を支えるオペレーションの強化・最適化」、また顧客の活動における課題の解決を図る「ビジネスモデルの進化」等に取り組んでいきます。
次期(2021年3月期)の業績見通しにつきましては、新型コロナウイルス感染拡大の影響について、合理的な算定が困難であることから、現時点では未定とさせていただきます。心臓血管カンパニーにおいては、緊急性の低い症例の延期等により、一時的には比較的大きな需要の減少が見込まれます。また、減少レベルや回復に要する期間などは、事業領域や地域によって異なり注視が必要です。一方で、ホスピタルカンパニーと血液・細胞テクノロジーカンパニーに対しては、医療インフラに関連する製品や、慢性疾患向けの製品が多く、影響は限定的と見ています。今後、業績予想の開示が可能となった段階で速やかに開示いたします。

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