有価証券報告書-第80期(2025/04/01-2026/03/31)
当社グループは当連結会計年度より、従来の日本基準に替えてIFRS会計基準を適用しており、前連結会計年度の数値をIFRS会計基準に組み替えて比較分析を行っております。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、米国の通商政策による不透明感が継続するなか、一部地域に足踏みが見られ、期後半には中東情勢が緊迫化しましたが、全体としては緩やかな回復基調となりました。日本経済においては、物価上昇が続きましたが、企業収益や雇用情勢の改善を背景に、設備投資や個人消費に持直しの動きが見られました。
当社グループを取り巻く事業環境は、国内外での人件費高騰や人手不足に伴う省人化及び業務効率化のニーズが継続し、セルフ型製品への需要が堅調に推移いたしました。
こうした状況のなか、当社グループは、2024年4月からの3ヶ年を計画期間とする『2026中期経営計画』に基づき、“GLORY TRANSFORMATION 2026 ~お客様と共に未来を創造するグローリー ~”をコンセプトに、世界最高品質の製品群とソフトウェアプラットフォームを融合し、お客様の店舗DXをサポートする企業を目指し事業活動に取り組んでまいりました。
海外市場につきましては、金融市場では、米州において、省人化や業務効率化ニーズに対応した製品・サービスへの堅調な需要を背景に、主要製品の販売が増加いたしました。リテール市場では、欧米において、製品・サービスへの需要が堅調で、大手グローバルリテーラーへの導入が着実に進み、販売が増加いたしました。一方、Flooidグループの売上収益は、特定顧客へのソフトウェアのライセンス販売により売上収益が一時的に増加した前期に比べ、減少いたしました。飲食市場においても、セルフサービスキオスクをはじめとしたAcrelecグループの販売が、一部の商談の延伸により減少いたしましたが、海外市場全体としましては、売上収益、営業利益ともに過去最高を更新いたしました。なお、当社グループは、戦略実行の一層の加速を目的に、2025年11月にAcrelec社を完全子会社化いたしました。
国内市場につきましては、金融市場では、大口受注があった前期の反動により、販売が減少いたしました。また、流通・交通市場及び遊技市場においては、新紙幣対応に伴う製品の更新や改造作業が増加した前期の反動により販売が減少いたしました。しかしながら、全ての市場において、新紙幣対応がなかった2023年3月期の売上収益を上回りました。
これらの結果、当連結会計年度の売上収益は、339,582百万円(前期比 7.9%減)となりました。このうち、製品及び商品売上収益は、214,314百万円(前期比 9.2%減)、保守売上収益は、125,268百万円(前期比 5.6%減)でありました。利益につきましては、営業利益は、29,752百万円(前期比 29.2%減)、税引前利益は、24,657百万円(前期比 28.8%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益は、15,388百万円(前期比 37.2%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(金融市場)
主要製品である「オープン出納システム」及び窓口用「紙幣硬貨入出金機」の販売は、大口受注により販売が高水準であった前期と比べ、減少いたしました。
この結果、当セグメントの売上収益は、37,062百万円(前期比 31.9%減)、営業利益は、3,909百万円(前期比 50.3%減)となりました。
(流通・交通市場)
主要製品である「レジつり銭機」及び警備輸送会社向け「売上金入金機」の販売は、新紙幣対応により販売が高水準であった前期と比べ、減少いたしました。また、新紙幣発行に伴う改造作業の一巡により、保守売上収益も減少いたしました。
この結果、当セグメントの売上収益は、57,637百万円(前期比 17.3%減)、営業利益は、0百万円(前期比 100.0%減)となりました。
(遊技市場)
主要製品である「カードシステム」及び周辺機器である「両替機」の販売は、新紙幣対応により販売が高水準であった前期と比べ、減少いたしました。また、新紙幣発行に伴う改造作業の一巡により、保守売上収益も減少いたしました。
この結果、当セグメントの売上収益は、21,088百万円(前期比 23.2%減)、営業利益は、5,123百万円(前期比 33.7%減)となりました。
(海外市場)
米州では、主要製品である金融市場向け「紙幣入出金機」の販売、及びリテール市場向け「紙幣硬貨入出金機」の販売は順調でありましたが、保守売上収益が減少し、売上収益は、98,979百万円(前期比 1.9%減)となりました。
欧州では、主要製品である金融市場向け「紙幣入出金機」の販売は低調でありましたが、リテール市場向け「紙幣硬貨入出金機」の販売は好調であり、売上収益は、100,070百万円(前期比 11.2%増)となりました。
アジアでは、リテール市場向け「紙幣硬貨入出金機」の販売は順調でありましたが、「紙幣入金整理機」の販売は低調であり、売上収益は、17,041百万円(前期比 11.1%減)となりました。
また、Acrelecグループの売上収益は、32,768百万円(前期比 1.3%減)でありました。Flooidグループの売上収益は、10,773百万円(前期比 11.1%減)でありました。
この結果、当セグメントの売上収益は、216,091百万円(前期比 2.9%増)、営業利益は、21,107百万円(前期比 17.1%増)となりました。
その他の事業セグメントにつきましては、売上収益は、7,703百万円(前期比 10.0%増)、営業損益は、388百万円の損失(前期は 313百万円の損失)となりました。
また、当連結会計年度末における財政状態は、次のとおりであります。
資産は、前連結会計年度末に比べ6,822百万円増加し、452,489百万円となりました。主な要因は、棚卸資産4,207百万円の減少、及び、その他の流動資産2,716百万円、のれん及び無形資産2,521百万円、繰延税金資産1,673百万円の増加であります。なお、その他の流動資産の増加は、主に前払費用の増加であります。
負債は、前連結会計年度末に比べ5,488百万円減少し、234,035百万円となりました。主な要因は、その他の流動負債5,318百万円の増加、及び、従業員給付4,656百万円、社債及び借入金3,641百万円、その他の金融負債2,610百万円の減少であります。なお、その他の流動負債の増加は、主に契約負債の増加であり、その他の金融負債の減少は、主に非支配株主に係る売建プット・オプションの行使による減少であります。
資本は、前連結会計年度末に比べ12,310百万円増加し、218,454百万円となりました。主な要因は、その他の資本の構成要素のうち、在外営業活動体の換算差額13,039百万円の増加であります。
この結果、自己資本比率は48.2%(前連結会計年度末は46.1%)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ1,426百万円減少し、50,042百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、42,780百万円の収入となりました(前期は51,310百万円の収入)。これは、主に税引前利益24,657百万円、減価償却費及び償却費20,394百万円、棚卸資産の減少7,586百万円等の資金の増加があった一方、法人所得税の支払7,136百万円等による資金の減少があったためであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、6,758百万円の支出となりました(前期は9,825百万円の支出)。これは、主にその他の金融資産の売却による1,305百万円の収入があった一方、製品の製造に係る金型・治工具類にかかる有形固定資産の取得による4,492百万円の支出、無形資産の取得による3,856百万円の支出等があったためであります。
以上の結果、営業活動及び投資活動によるキャッシュ・フローの合計であるフリーキャッシュ・フローは36,022百万円の収入となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、38,984百万円の支出となりました(前期は24,918百万円の支出)。これは、主に自己株式の取得による13,481百万円の支出、Acrelec Group S.A.S.株式の追加取得による7,024百万円の支出、配当金の支払い6,410百万円等の支出があったためであります。

③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
なお、当社グループ(当社及び連結子会社)の生産実績のうち、当社及び主な海外連結子会社の金額を記載しております。
(注) 金額は当社及び主な海外連結子会社の製造原価によっております。
b.受注実績
当社グループの製品は、大部分が見込生産であるため、受注高及び受注残高の記載は省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
① 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(経営成績等の概要)

当連結会計年度における事業環境は、国内市場においては新紙幣発行に伴う製品更新や改造作業の終息による反動減の影響が見られた一方、国内外において人手不足及び賃金上昇を背景としたセルフ化・効率化ニーズが継続し、需要は総じて底堅く推移しました。
このような環境の下、当社グループは、海外事業の拡大及び収益構造の変革に取り組んでまいりました。その結果、当連結会計年度の売上収益は3,395億円(前期比7.9%減)、営業利益は297億円(前期比29.2%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益は153億円(前期比37.2%減)となりました。

(売上収益及び利益の増減要因)
当連結会計年度における売上収益は、海外市場においては増加したものの、主として国内市場における新紙幣発行に伴う特別需要の反動減により、全体としては減少しました。営業利益についても、売上収益の減少に加え、各種費用の増加等の影響により減益となりました。主な要因は以下のとおりであります。
・国内市場における新紙幣発行に伴う製品更新や改造作業の終息による売上収益の減少 ・海外子会社における販売費及び一般管理費の増加
一方で、海外市場における売上拡大や米国における原価率の改善が、利益の下振れ抑制に寄与しました。

成長エンジンと位置付ける海外事業は、売上収益、利益の両面において当社グループの成長を牽引する中核的な役割を担うまでに拡大しております。海外売上収益は2,160億円となり、積極的なM&Aの推進により事業領域の拡大を図るとともに、買収企業との統合を通じたシナジーの創出が進展した結果、7期連続で過去最高を更新しました。
また、海外営業利益についても拡大し、営業利益全体に占める比率は約7割となりました。こうした状況を踏まえ、海外事業の収益基盤は一層強化されているものと認識しております。
(中期経営計画の進捗状況)

当社グループは、「2026中期経営計画」期間(2025年3月期から2027年3月期)において、自己資本利益率(ROE)、投下資本利益率(ROIC)、総資産利益率(ROA)、営業利益、売上収益、及び新領域事業売上収益を重要な経営指標として設定しております。中期経営計画の2年目にあたる当期においては、上記の図に示すとおり、新領域事業売上収益は計画に対しやや未達となったものの、その他の指標については、いずれも目標を達成しました。
(企業価値向上への取り組み)
当社の株価純資産倍率(PBR)は1倍を大きく下回る状況が継続しておりましたが、その要因として、キャッシュレス決済の普及に伴う当社事業の将来性や、成長ドライバーと位置付ける海外事業の成長進捗に対する懸念、ならびに海外投資家による保有見直し等があったものと考えております。
一方、足元では、海外事業及び新領域事業の成長、収益性の改善、ならびに株主還元の強化等の取り組みの進展により、2026年3月末時点のPBRはおよそ1倍まで改善いたしました。
企業価値の向上は、当社グループにとって最も重要な経営課題の一つであり、今後も、海外事業及び新領域事業のさらなる成長、株主還元の強化、ならびに中期経営計画における財務目標である自己資本利益率(ROE)、及び投下資本利益率(ROIC)の改善に継続的に取り組んでまいります。

当社は、株主の皆様に対する利益還元を経営の重要課題と位置付け、「将来の事業成長への投資、財務体質の維持・強化を図りつつ、安定した配当を継続すること」を基本方針としております。「2026中期経営計画」期間(2025年3月期から2027年3月期)においては、「2024年3月期の配当金額(1株につき年間106円)を基準とした累進配当」及び「株主資本配当率(DOE)3%以上」を目標として掲げておりましたが、海外事業及び新領域事業における成長の進展ならびに収益性の改善を踏まえ、株主還元の一層の強化を図るため、2026年3月期及び2027年3月期においては、新たに総還元性向100%以上*を目標として追加いたしました。
また、2027年3月期については、株主資本配当率(DOE)を従来の「3%以上」から「4%以上」へ引き上げることとしました。次期中期経営計画期間においては、さらなる株主資本配当率(DOE)の向上を目指してまいります。
*総還元性向については、親会社の所有者に帰属する当期利益から、事業再編費用、減損損失及び関係会社売却損益等を除外して算出します。
また、2025年5月13日の取締役会において、自己株式の取得及び消却を決議し、2026年3月31日までに取得した自己株式の累計は、株式総数 3,676,100株、株式の取得価額の総額 13,481,005,600円となりました。配当と合わせた総還元性向は126.4%となっております。(当決議に基づき2026年5月13日までに取得した累計は、株式総数 4,039,700株 株式の取得価額の総額 14,999,917,400円であり、当取得を含めた総還元性向は136.2%となります。)なお、当該決議に基づき取得した自己株式は、2026年6月30日に全数を消却する予定です。
さらに、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 40.後発事象」に記載のとおり、2026年5月15日開催の取締役会において、自己株式の取得(取得価額の上限:120億円/取得株式の上限:400万株)を決議しております。当該決議に基づき取得した自己株式につきましては、2027年6月30日に全数を消却する予定です。

さらに、「利益配分に関する基本方針」の変更を踏まえ、「2026中期経営計画」におけるキャッシュ・アロケーションについても見直しを行いました。当社グループの資金の主な使途は、設備投資、戦略投資(M&A等)及び株主還元であり、これらについては営業キャッシュ・フローを主たる原資としつつ、必要に応じて外部資金を活用しております。こうした方針のもと、借入金の返済額を当初計画から200億円減額する一方で、株主還元を300億円増額するなど、資本効率の向上を意識した配分へと転換しております。なお、これらの取り組みは、現時点において概ね計画どおりに進捗しております。

当社グループは、資本効率の向上及び収益体質の強化を通じた企業価値の向上を重要な経営課題と認識し、各事業領域において収益拡大と効率性改善に向けた取り組みを推進しております。
自己資本利益率(ROE)の改善に向けては、分子である親会社の所有者に帰属する当期利益の向上と、分母である自己資本の適正化の両面から取り組んでおります。
当期利益の向上については、売上収益及び収益性の向上に取り組んでおります。売上収益については、人手不足や人件費の上昇を背景としたセルフ化需要等の拡大を踏まえ、コア事業である貨幣処理機の更なる販売拡大を推進しております。また、新領域事業においては、AcrelecグループやFlooidグループを中核として収益拡大を図っており、Acrelecでは主要顧客向けセルフサービスキオスクの販売拡大、Flooidでは営業体制の強化による新規顧客開拓の加速に注力しております。これらの取り組みにより、ソリューション提供力を強化し、中長期的な収益基盤の拡大を進めております。
利益面では、原価率の改善に継続して取り組むとともに、コスト上昇分の適切な販売価格への転嫁を進めております。加えて、オペレーションの効率化や構造改革の推進等により、収益性の向上を図っております。
一方、自己資本の適正化に向けては、株主還元の強化に加え、資本構成の最適化を進めることで、資本効率の向上に取り組んでおります。

次に、投下資本利益率(ROIC)の改善に向けては、自己資本利益率(ROE)の改善施策と同様に、売上収益の拡大と収益性の向上に加え、投下資本の効率化に取り組んでおります。
売上収益及び収益性の向上については前述の施策を着実に実行することで推進しております。一方、投下資本(有利子負債及び純資産)の効率化に向けては、事業ポートフォリオの最適化を進めております。具体的には、収益改善の見通しが低いロボットSI事業及び中国事業からの撤退を実施するとともに、決済中継事業については改善スキームを策定のうえ、その実行を進めております。また、生体画像認識事業においては流通・交通市場等での市場拡大を推進しており、国内DXビジネスについても人的リソースの強化により成長を加速しております。さらに、棚卸資産や売掛債権の圧縮等を通じた運転資本の改善に取り組むとともに、株主還元の強化により資本水準の適正化を図っております。これらにより、資産のスリム化と資本回転率の向上を図り、投下資本利益率(ROIC)の継続的な向上に取り組んでおります。
② 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
a. 財務戦略の基本的な考え方
当社グループは、財務の安全性を維持しつつ、企業価値向上のために戦略的に経営資源を配分することを財務戦略の基本方針としております。
財務の安全性の維持に関しては、信用格付(R&I)「A」以上の取得・維持を目指し、リスク耐性の強化を図ります。
同時に、営業キャッシュ・フローによる十分な債務償還能力を前提に、厳格な財務規律のもとで負債の活用を進めることにより、資本コストの低減及び資本効率向上にも努めてまいります。
設備投資及び事業投資に関しては、長期ビジョン2028達成に向けた企業価値の向上に資する成長のための投資を積極的に推進してまいります。これらの方針のもと、2024年4月より新たにスタートした2026中期経営計画の3年間累計では総額500億円の投資を計画しており、その内200億円を新領域事業への機動的な戦略投資(M&A等)とDX基盤整備やコア事業の生産性向上に向けた投資に充当する計画であります。
2026中期経営計画期間において、戦略的投資が114億円、DX基盤整備やコア事業の生産性向上を目的とした設備投資が158億円、総額272億円を実施しました。
なお、各年度の設備投資は減価償却費の範囲内とすることを原則とし、財務の安全性を維持し、妥当な水準の手元流動性を確保してまいります。

b. 経営資源の配分に関する考え方
当社グループは、適正な手元現預金の水準について検証を実施しております。2026中期経営計画期間、イベントリスク耐性を十分に備えるべく、売上収益の約2ヵ月分を安定的な経営に必要な手元現預金水準とし、それを超える分については、企業価値向上に資する戦略投資及び株主還元に配分するように考えております。
c. 資金需要の主な内容
当社グループの資金需要は、コア事業に係る資金支出では、部品・原材料の購入費用のほか、製造費、販売費及び一般管理費(賃借料、手数料、人件費など)などがあります。
また、長期ビジョン2028に掲げる事業ドメインの拡大に向けた戦略投資に係る資金支出は、新領域事業の創出・拡大に向けた業務提携及びM&Aなどがあります。
d. 資金調達
当社グループの事業活動維持及び拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部留保資金及び外部調達を有効に活用しております。
コア事業の基盤強化を目的とした設備投資には、営業キャッシュ・フローで獲得した資金を活用することを基本とし、戦略投資については、設備投資に配分後の営業キャッシュ・フローを充当することを基本とした上で、資金調達手段の多様化、資本コストの低減、資本効率向上を企図し、金融機関からの借入れや社債発行等有利子負債も積極的に活用しております。また、調達環境の急変時に当面の運転資金を確保できるよう、コミットメントラインを設定しております。
また、安定的な外部資金調達能力の維持向上は重要経営課題と認識しており、当社グループの本報告書提出時点におけるR&Iの格付は「A(安定的)」となっております。また、主要な取引先金融機関とは良好な関係を維持しており、加えて強固な財務体質を有していることから、当社グループの事業維持拡大、運営に必要な運転資金、投資資金の調達に関しては問題なく実現可能と認識しております。
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 2.作成の基礎 (4)重要な会計上の見積り及び判断」に記載のとおりであります。
(3) 並行開示情報
「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(第3編から第6編までを除く。以下「日本基準」という。)により作成した要約連結財務諸表、要約連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更は、以下のとおりであります。
なお、日本基準により作成した要約連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項に基づく監査を受けておりません。
① 要約連結貸借対照表
② 要約連結損益計算書及び要約連結包括利益計算書
要約連結損益計算書
要約連結包括利益計算書
③ 要約連結株主資本等変動計算書
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
④ 要約連結キャッシュ・フロー計算書
⑤ 要約連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(連結の範囲の変更)
当社の連結子会社であったグローリーAZシステム株式会社及びグローリーメカトロニクス株式会社は、当社の連結子会社であるグローリーシステムクリエイト株式会社を存続会社とする吸収合併により消滅したため、連結の範囲から除外しております。なお、存続会社であるグローリーシステムクリエイト株式会社は、合併後にグローリーテクニカルソリューションズ株式会社に商号変更しております。また、当社の米国連結子会社であったRevolution Retail Systems, LLC及びその子会社2社は、当社の米国連結子会社であるGlory Global Solutions Inc. を存続会社とする吸収合併により消滅したため、連結の範囲から除外しております。
持分法適用関連会社であった株式会社Showcase Gigは株式を追加取得したため、連結の範囲に含めております。
Acrelec Holding Middle East Ltd他2社は清算したため、連結の範囲から除外しております。
(持分法適用の範囲の変更)
持分法適用関連会社であった株式会社Showcase Gigは株式の追加取得により連結の範囲に含めたため、持分法適用の範囲から除外しております。
(連結子会社の決算日の変更)
決算日が12月31日であったAcrelec Group S.A.S.他22社は、決算日を3月31日に変更しております。この決算期変更に伴い、2024年1月1日から2024年3月31日までの損益は利益剰余金の増減として調整しております。
(会計方針の変更)
(「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」等の適用)
「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(企業会計基準第27号 2022年10月28日。以下「2022年改正会計基準」という。)等を当連結会計年度の期首から適用しております。
法人税等の計上区分(その他の包括利益に対する課税)に関する改正については、2022年改正会計基準第20-3項ただし書きに定める経過的な取扱い及び「税効果会計に係る会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第28号 2022年10月28日。以下「2022年改正適用指針」という。)第65-2項(2)ただし書きに定める経過的な取扱いに従っております。なお、当会計方針の変更による連結財務諸表への影響はありません。
また、連結会社間における子会社株式等の売却に伴い生じた売却損益を税務上繰り延べる場合の連結財務諸表における取扱いの見直しに関連する改正については、2022年改正適用指針を当連結会計年度の期首から適用しております。当該会計方針の変更は、遡及適用され、前連結会計年度については遡及適用後の連結財務諸表となっております。なお、当会計方針の変更による前連結会計年度の連結財務諸表への影響はありません。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(連結の範囲の変更)
ACRELEC CANADA INC. は新たに設立したため、連結の範囲に含めております。
Glory Global Solutions (Shanghai) Co.,Ltd. 他1社は清算したため、連結の範囲から除外しております。
Glory Global Solutions Ltd.、Glory Global Solutions (Topco) Ltd.、Glory Global Solutions (Midco) Ltd.及びGlory Global Solutions (Holdings) Ltd.は、Glory Global Solutions (International) Ltd. を存続会社とした吸収合併により、Flooid Topco Limited 他5社は、Flooid Midco Limited を存続会社とした吸収合併によりそれぞれ消滅しております。
(会計方針の変更)
(研究開発費の計上区分の変更)
当社は、当連結会計年度より、従来、売上原価に計上していた研究開発費を、販売費及び一般管理費に計上する方法に変更しております。
キャッシュレス決済の普及や世界的な金融機関の店舗統廃合など、当社を取り巻く事業環境が大きく変化している中、当社グループは、『2026中期経営計画』において収益力の向上を目指したROIC経営を推進し、資本コストを意識した運営を徹底しております。その中で、従来の通貨処理機にソフトウェアプラットフォームを融合させることによるDXビジネスの成長を掲げ、コア事業におけるハードウェア開発から新領域事業における新価値創造に向けた新たなサービス・ソリューション開発まで一貫して推進することを目指しており、そのための組織改革として開発部門の組織体制を変更し、当連結会計年度より本格的に運用を開始しております。当該会計方針の変更は、この組織体制の変更を反映すべく、売上原価並びに販売費及び一般管理費の範囲を見直したことによるものであります。
当該会計方針の変更は遡及適用され、前連結会計年度については遡及適用後の連結財務諸表となっております。
この結果、遡及適用を行う前と比べて、前連結会計年度の連結貸借対照表は、投資その他の資産が1,043百万円増加し、流動資産が6,316百万円、固定負債が888百万円、株主資本が4,383百万円それぞれ減少しております。また、前連結会計年度の連結損益計算書は、売上原価が10,168百万円減少し、販売費及び一般管理費が8,541百万円増加し、営業利益、経常利益、税金等調整前当期純利益はそれぞれ1,627百万円増加しております。また、前連結会計年度の期首の純資産に累積的影響額が反映されたことにより、利益剰余金の前連結会計年度の期首残高は5,513百万円減少しております。
(4) 経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
IFRS会計基準により作成した連結財務諸表における主要な項目と、日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 41.初度適用」に記載のとおりであります。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(のれん)
日本基準ではのれんはその効果が及ぶ期間にわたって償却しておりましたが、IFRS会計基準では移行日以降の償却は行っておりません。この影響により、IFRS会計基準では日本基準に比べて販売費及び一般管理費が8,785百万円減少しております。
(退職後給付)
日本基準では、確定給付制度の数理計算上の差異及び過去勤務費用について、「その他の包括利益累計額」として認識し、その後、将来の一定期間にわたり純損益として認識しておりました。
一方、IFRS会計基準では、数理計算上の差異は発生時に「その他の包括利益」として認識し、直ちに「利益剰余金」へ振り替え、過去勤務費用は発生時の純損益として認識しております。
この影響により、IFRS会計基準では日本基準に比べて「売上原価」が1,502百万円、「販売費及び一般管理費」が1,798百万円それぞれ増加しております。
(リース)
日本基準では、借手のリースについてファイナンス・リースとオペレーティング・リースに分類し、オペレーティング・リースについては通常の賃貸借取引に係る方法に準じた会計処理を行っておりました。IFRS会計基準では、借手のリースについてファイナンス・リース又はオペレーティング・リースに分類せず、リース取引について「使用権資産」及び「リース負債」を認識しております。
この影響により、IFRS会計基準では日本基準に比べて「使用権資産」が8,910百万円、「リース負債」が8,897百万円それぞれ増加しております。
(税効果)
日本基準からIFRS会計基準への調整に伴い一時差異が発生したこと及び繰延税金資産の回収可能性を再検討したこと等により、「繰延税金資産」及び「繰延税金負債」の金額を調整しております。また、未実現損益の消去に伴う税効果について、日本基準では売却元の税率を使用していましたが、IFRS会計基準では売却先の税率を使用して算定しております。
この影響により、IFRS会計基準では日本基準に比べて「繰延税金資産」が18,850百万円増加し、「繰延税金負債」が925百万円減少しております。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、米国の通商政策による不透明感が継続するなか、一部地域に足踏みが見られ、期後半には中東情勢が緊迫化しましたが、全体としては緩やかな回復基調となりました。日本経済においては、物価上昇が続きましたが、企業収益や雇用情勢の改善を背景に、設備投資や個人消費に持直しの動きが見られました。
当社グループを取り巻く事業環境は、国内外での人件費高騰や人手不足に伴う省人化及び業務効率化のニーズが継続し、セルフ型製品への需要が堅調に推移いたしました。
こうした状況のなか、当社グループは、2024年4月からの3ヶ年を計画期間とする『2026中期経営計画』に基づき、“GLORY TRANSFORMATION 2026 ~お客様と共に未来を創造するグローリー ~”をコンセプトに、世界最高品質の製品群とソフトウェアプラットフォームを融合し、お客様の店舗DXをサポートする企業を目指し事業活動に取り組んでまいりました。
海外市場につきましては、金融市場では、米州において、省人化や業務効率化ニーズに対応した製品・サービスへの堅調な需要を背景に、主要製品の販売が増加いたしました。リテール市場では、欧米において、製品・サービスへの需要が堅調で、大手グローバルリテーラーへの導入が着実に進み、販売が増加いたしました。一方、Flooidグループの売上収益は、特定顧客へのソフトウェアのライセンス販売により売上収益が一時的に増加した前期に比べ、減少いたしました。飲食市場においても、セルフサービスキオスクをはじめとしたAcrelecグループの販売が、一部の商談の延伸により減少いたしましたが、海外市場全体としましては、売上収益、営業利益ともに過去最高を更新いたしました。なお、当社グループは、戦略実行の一層の加速を目的に、2025年11月にAcrelec社を完全子会社化いたしました。
国内市場につきましては、金融市場では、大口受注があった前期の反動により、販売が減少いたしました。また、流通・交通市場及び遊技市場においては、新紙幣対応に伴う製品の更新や改造作業が増加した前期の反動により販売が減少いたしました。しかしながら、全ての市場において、新紙幣対応がなかった2023年3月期の売上収益を上回りました。
これらの結果、当連結会計年度の売上収益は、339,582百万円(前期比 7.9%減)となりました。このうち、製品及び商品売上収益は、214,314百万円(前期比 9.2%減)、保守売上収益は、125,268百万円(前期比 5.6%減)でありました。利益につきましては、営業利益は、29,752百万円(前期比 29.2%減)、税引前利益は、24,657百万円(前期比 28.8%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益は、15,388百万円(前期比 37.2%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(金融市場)
主要製品である「オープン出納システム」及び窓口用「紙幣硬貨入出金機」の販売は、大口受注により販売が高水準であった前期と比べ、減少いたしました。
この結果、当セグメントの売上収益は、37,062百万円(前期比 31.9%減)、営業利益は、3,909百万円(前期比 50.3%減)となりました。
(流通・交通市場)
主要製品である「レジつり銭機」及び警備輸送会社向け「売上金入金機」の販売は、新紙幣対応により販売が高水準であった前期と比べ、減少いたしました。また、新紙幣発行に伴う改造作業の一巡により、保守売上収益も減少いたしました。
この結果、当セグメントの売上収益は、57,637百万円(前期比 17.3%減)、営業利益は、0百万円(前期比 100.0%減)となりました。
(遊技市場)
主要製品である「カードシステム」及び周辺機器である「両替機」の販売は、新紙幣対応により販売が高水準であった前期と比べ、減少いたしました。また、新紙幣発行に伴う改造作業の一巡により、保守売上収益も減少いたしました。
この結果、当セグメントの売上収益は、21,088百万円(前期比 23.2%減)、営業利益は、5,123百万円(前期比 33.7%減)となりました。
(海外市場)
米州では、主要製品である金融市場向け「紙幣入出金機
欧州では、主要製品である金融市場向け「紙幣入出金機
アジアでは、リテール市場向け「紙幣硬貨入出金機
また、Acrelecグループの売上収益は、32,768百万円(前期比 1.3%減)でありました。Flooidグループの売上収益は、10,773百万円(前期比 11.1%減)でありました。
この結果、当セグメントの売上収益は、216,091百万円(前期比 2.9%増)、営業利益は、21,107百万円(前期比 17.1%増)となりました。
その他の事業セグメントにつきましては、売上収益は、7,703百万円(前期比 10.0%増)、営業損益は、388百万円の損失(前期は 313百万円の損失)となりました。
また、当連結会計年度末における財政状態は、次のとおりであります。
資産は、前連結会計年度末に比べ6,822百万円増加し、452,489百万円となりました。主な要因は、棚卸資産4,207百万円の減少、及び、その他の流動資産2,716百万円、のれん及び無形資産2,521百万円、繰延税金資産1,673百万円の増加であります。なお、その他の流動資産の増加は、主に前払費用の増加であります。
負債は、前連結会計年度末に比べ5,488百万円減少し、234,035百万円となりました。主な要因は、その他の流動負債5,318百万円の増加、及び、従業員給付4,656百万円、社債及び借入金3,641百万円、その他の金融負債2,610百万円の減少であります。なお、その他の流動負債の増加は、主に契約負債の増加であり、その他の金融負債の減少は、主に非支配株主に係る売建プット・オプションの行使による減少であります。
資本は、前連結会計年度末に比べ12,310百万円増加し、218,454百万円となりました。主な要因は、その他の資本の構成要素のうち、在外営業活動体の換算差額13,039百万円の増加であります。
この結果、自己資本比率は48.2%(前連結会計年度末は46.1%)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ1,426百万円減少し、50,042百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、42,780百万円の収入となりました(前期は51,310百万円の収入)。これは、主に税引前利益24,657百万円、減価償却費及び償却費20,394百万円、棚卸資産の減少7,586百万円等の資金の増加があった一方、法人所得税の支払7,136百万円等による資金の減少があったためであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、6,758百万円の支出となりました(前期は9,825百万円の支出)。これは、主にその他の金融資産の売却による1,305百万円の収入があった一方、製品の製造に係る金型・治工具類にかかる有形固定資産の取得による4,492百万円の支出、無形資産の取得による3,856百万円の支出等があったためであります。
以上の結果、営業活動及び投資活動によるキャッシュ・フローの合計であるフリーキャッシュ・フローは36,022百万円の収入となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、38,984百万円の支出となりました(前期は24,918百万円の支出)。これは、主に自己株式の取得による13,481百万円の支出、Acrelec Group S.A.S.株式の追加取得による7,024百万円の支出、配当金の支払い6,410百万円等の支出があったためであります。

③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
なお、当社グループ(当社及び連結子会社)の生産実績のうち、当社及び主な海外連結子会社の金額を記載しております。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 金融市場(百万円) | 11,900 | 58.2 |
| 流通・交通市場(百万円) | 19,421 | 71.2 |
| 遊技市場(百万円) | 2,633 | 50.4 |
| 海外市場(百万円) | 41,479 | 106.5 |
| 報告セグメント計(百万円) | 75,435 | 82.1 |
| その他(百万円) | 916 | 81.7 |
| 合計(百万円) | 76,351 | 82.1 |
(注) 金額は当社及び主な海外連結子会社の製造原価によっております。
b.受注実績
当社グループの製品は、大部分が見込生産であるため、受注高及び受注残高の記載は省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 金融市場(百万円) | 37,062 | 68.1 |
| 流通・交通市場(百万円) | 57,637 | 82.7 |
| 遊技市場(百万円) | 21,088 | 76.8 |
| 海外市場(百万円) | 216,091 | 102.9 |
| 報告セグメント計(百万円) | 331,879 | 91.8 |
| その他(百万円) | 7,703 | 110.0 |
| 合計(百万円) | 339,582 | 92.1 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
① 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(経営成績等の概要)

当連結会計年度における事業環境は、国内市場においては新紙幣発行に伴う製品更新や改造作業の終息による反動減の影響が見られた一方、国内外において人手不足及び賃金上昇を背景としたセルフ化・効率化ニーズが継続し、需要は総じて底堅く推移しました。
このような環境の下、当社グループは、海外事業の拡大及び収益構造の変革に取り組んでまいりました。その結果、当連結会計年度の売上収益は3,395億円(前期比7.9%減)、営業利益は297億円(前期比29.2%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益は153億円(前期比37.2%減)となりました。

(売上収益及び利益の増減要因)
当連結会計年度における売上収益は、海外市場においては増加したものの、主として国内市場における新紙幣発行に伴う特別需要の反動減により、全体としては減少しました。営業利益についても、売上収益の減少に加え、各種費用の増加等の影響により減益となりました。主な要因は以下のとおりであります。
・国内市場における新紙幣発行に伴う製品更新や改造作業の終息による売上収益の減少 ・海外子会社における販売費及び一般管理費の増加
一方で、海外市場における売上拡大や米国における原価率の改善が、利益の下振れ抑制に寄与しました。

成長エンジンと位置付ける海外事業は、売上収益、利益の両面において当社グループの成長を牽引する中核的な役割を担うまでに拡大しております。海外売上収益は2,160億円となり、積極的なM&Aの推進により事業領域の拡大を図るとともに、買収企業との統合を通じたシナジーの創出が進展した結果、7期連続で過去最高を更新しました。
また、海外営業利益についても拡大し、営業利益全体に占める比率は約7割となりました。こうした状況を踏まえ、海外事業の収益基盤は一層強化されているものと認識しております。
(中期経営計画の進捗状況)

当社グループは、「2026中期経営計画」期間(2025年3月期から2027年3月期)において、自己資本利益率(ROE)、投下資本利益率(ROIC)、総資産利益率(ROA)、営業利益、売上収益、及び新領域事業売上収益を重要な経営指標として設定しております。中期経営計画の2年目にあたる当期においては、上記の図に示すとおり、新領域事業売上収益は計画に対しやや未達となったものの、その他の指標については、いずれも目標を達成しました。
(企業価値向上への取り組み)
![]() | ![]() |
当社の株価純資産倍率(PBR)は1倍を大きく下回る状況が継続しておりましたが、その要因として、キャッシュレス決済の普及に伴う当社事業の将来性や、成長ドライバーと位置付ける海外事業の成長進捗に対する懸念、ならびに海外投資家による保有見直し等があったものと考えております。
一方、足元では、海外事業及び新領域事業の成長、収益性の改善、ならびに株主還元の強化等の取り組みの進展により、2026年3月末時点のPBRはおよそ1倍まで改善いたしました。
企業価値の向上は、当社グループにとって最も重要な経営課題の一つであり、今後も、海外事業及び新領域事業のさらなる成長、株主還元の強化、ならびに中期経営計画における財務目標である自己資本利益率(ROE)、及び投下資本利益率(ROIC)の改善に継続的に取り組んでまいります。

当社は、株主の皆様に対する利益還元を経営の重要課題と位置付け、「将来の事業成長への投資、財務体質の維持・強化を図りつつ、安定した配当を継続すること」を基本方針としております。「2026中期経営計画」期間(2025年3月期から2027年3月期)においては、「2024年3月期の配当金額(1株につき年間106円)を基準とした累進配当」及び「株主資本配当率(DOE)3%以上」を目標として掲げておりましたが、海外事業及び新領域事業における成長の進展ならびに収益性の改善を踏まえ、株主還元の一層の強化を図るため、2026年3月期及び2027年3月期においては、新たに総還元性向100%以上*を目標として追加いたしました。
また、2027年3月期については、株主資本配当率(DOE)を従来の「3%以上」から「4%以上」へ引き上げることとしました。次期中期経営計画期間においては、さらなる株主資本配当率(DOE)の向上を目指してまいります。
*総還元性向については、親会社の所有者に帰属する当期利益から、事業再編費用、減損損失及び関係会社売却損益等を除外して算出します。
また、2025年5月13日の取締役会において、自己株式の取得及び消却を決議し、2026年3月31日までに取得した自己株式の累計は、株式総数 3,676,100株、株式の取得価額の総額 13,481,005,600円となりました。配当と合わせた総還元性向は126.4%となっております。(当決議に基づき2026年5月13日までに取得した累計は、株式総数 4,039,700株 株式の取得価額の総額 14,999,917,400円であり、当取得を含めた総還元性向は136.2%となります。)なお、当該決議に基づき取得した自己株式は、2026年6月30日に全数を消却する予定です。
さらに、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 40.後発事象」に記載のとおり、2026年5月15日開催の取締役会において、自己株式の取得(取得価額の上限:120億円/取得株式の上限:400万株)を決議しております。当該決議に基づき取得した自己株式につきましては、2027年6月30日に全数を消却する予定です。

さらに、「利益配分に関する基本方針」の変更を踏まえ、「2026中期経営計画」におけるキャッシュ・アロケーションについても見直しを行いました。当社グループの資金の主な使途は、設備投資、戦略投資(M&A等)及び株主還元であり、これらについては営業キャッシュ・フローを主たる原資としつつ、必要に応じて外部資金を活用しております。こうした方針のもと、借入金の返済額を当初計画から200億円減額する一方で、株主還元を300億円増額するなど、資本効率の向上を意識した配分へと転換しております。なお、これらの取り組みは、現時点において概ね計画どおりに進捗しております。

当社グループは、資本効率の向上及び収益体質の強化を通じた企業価値の向上を重要な経営課題と認識し、各事業領域において収益拡大と効率性改善に向けた取り組みを推進しております。
自己資本利益率(ROE)の改善に向けては、分子である親会社の所有者に帰属する当期利益の向上と、分母である自己資本の適正化の両面から取り組んでおります。
当期利益の向上については、売上収益及び収益性の向上に取り組んでおります。売上収益については、人手不足や人件費の上昇を背景としたセルフ化需要等の拡大を踏まえ、コア事業である貨幣処理機の更なる販売拡大を推進しております。また、新領域事業においては、AcrelecグループやFlooidグループを中核として収益拡大を図っており、Acrelecでは主要顧客向けセルフサービスキオスクの販売拡大、Flooidでは営業体制の強化による新規顧客開拓の加速に注力しております。これらの取り組みにより、ソリューション提供力を強化し、中長期的な収益基盤の拡大を進めております。
利益面では、原価率の改善に継続して取り組むとともに、コスト上昇分の適切な販売価格への転嫁を進めております。加えて、オペレーションの効率化や構造改革の推進等により、収益性の向上を図っております。
一方、自己資本の適正化に向けては、株主還元の強化に加え、資本構成の最適化を進めることで、資本効率の向上に取り組んでおります。

![]() |
![]() |
次に、投下資本利益率(ROIC)の改善に向けては、自己資本利益率(ROE)の改善施策と同様に、売上収益の拡大と収益性の向上に加え、投下資本の効率化に取り組んでおります。
売上収益及び収益性の向上については前述の施策を着実に実行することで推進しております。一方、投下資本(有利子負債及び純資産)の効率化に向けては、事業ポートフォリオの最適化を進めております。具体的には、収益改善の見通しが低いロボットSI事業及び中国事業からの撤退を実施するとともに、決済中継事業については改善スキームを策定のうえ、その実行を進めております。また、生体画像認識事業においては流通・交通市場等での市場拡大を推進しており、国内DXビジネスについても人的リソースの強化により成長を加速しております。さらに、棚卸資産や売掛債権の圧縮等を通じた運転資本の改善に取り組むとともに、株主還元の強化により資本水準の適正化を図っております。これらにより、資産のスリム化と資本回転率の向上を図り、投下資本利益率(ROIC)の継続的な向上に取り組んでおります。
② 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
a. 財務戦略の基本的な考え方
当社グループは、財務の安全性を維持しつつ、企業価値向上のために戦略的に経営資源を配分することを財務戦略の基本方針としております。
財務の安全性の維持に関しては、信用格付(R&I)「A」以上の取得・維持を目指し、リスク耐性の強化を図ります。
同時に、営業キャッシュ・フローによる十分な債務償還能力を前提に、厳格な財務規律のもとで負債の活用を進めることにより、資本コストの低減及び資本効率向上にも努めてまいります。
設備投資及び事業投資に関しては、長期ビジョン2028達成に向けた企業価値の向上に資する成長のための投資を積極的に推進してまいります。これらの方針のもと、2024年4月より新たにスタートした2026中期経営計画の3年間累計では総額500億円の投資を計画しており、その内200億円を新領域事業への機動的な戦略投資(M&A等)とDX基盤整備やコア事業の生産性向上に向けた投資に充当する計画であります。
2026中期経営計画期間において、戦略的投資が114億円、DX基盤整備やコア事業の生産性向上を目的とした設備投資が158億円、総額272億円を実施しました。
なお、各年度の設備投資は減価償却費の範囲内とすることを原則とし、財務の安全性を維持し、妥当な水準の手元流動性を確保してまいります。

b. 経営資源の配分に関する考え方
当社グループは、適正な手元現預金の水準について検証を実施しております。2026中期経営計画期間、イベントリスク耐性を十分に備えるべく、売上収益の約2ヵ月分を安定的な経営に必要な手元現預金水準とし、それを超える分については、企業価値向上に資する戦略投資及び株主還元に配分するように考えております。
c. 資金需要の主な内容
当社グループの資金需要は、コア事業に係る資金支出では、部品・原材料の購入費用のほか、製造費、販売費及び一般管理費(賃借料、手数料、人件費など)などがあります。
また、長期ビジョン2028に掲げる事業ドメインの拡大に向けた戦略投資に係る資金支出は、新領域事業の創出・拡大に向けた業務提携及びM&Aなどがあります。
d. 資金調達
当社グループの事業活動維持及び拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部留保資金及び外部調達を有効に活用しております。
コア事業の基盤強化を目的とした設備投資には、営業キャッシュ・フローで獲得した資金を活用することを基本とし、戦略投資については、設備投資に配分後の営業キャッシュ・フローを充当することを基本とした上で、資金調達手段の多様化、資本コストの低減、資本効率向上を企図し、金融機関からの借入れや社債発行等有利子負債も積極的に活用しております。また、調達環境の急変時に当面の運転資金を確保できるよう、コミットメントラインを設定しております。
また、安定的な外部資金調達能力の維持向上は重要経営課題と認識しており、当社グループの本報告書提出時点におけるR&Iの格付は「A(安定的)」となっております。また、主要な取引先金融機関とは良好な関係を維持しており、加えて強固な財務体質を有していることから、当社グループの事業維持拡大、運営に必要な運転資金、投資資金の調達に関しては問題なく実現可能と認識しております。
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 2.作成の基礎 (4)重要な会計上の見積り及び判断」に記載のとおりであります。
(3) 並行開示情報
「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(第3編から第6編までを除く。以下「日本基準」という。)により作成した要約連結財務諸表、要約連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更は、以下のとおりであります。
なお、日本基準により作成した要約連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項に基づく監査を受けておりません。
① 要約連結貸借対照表
| (単位:百万円) | ||
| 前連結会計年度 (2025年3月31日) | 当連結会計年度 (2026年3月31日) | |
| 資産の部 | ||
| 流動資産 | 218,308 | 218,401 |
| 固定資産 | ||
| 有形固定資産 | 46,062 | 46,485 |
| 無形固定資産 | 112,619 | 104,169 |
| 投資その他の資産 | 59,826 | 75,594 |
| 固定資産合計 | 218,508 | 226,249 |
| 資産合計 | 436,816 | 444,650 |
| 負債の部 | ||
| 流動負債 | 111,698 | 119,385 |
| 固定負債 | 93,448 | 85,682 |
| 負債合計 | 205,146 | 205,068 |
| 純資産の部 | ||
| 株主資本 | 176,223 | 166,744 |
| その他の包括利益累計額 | 54,682 | 72,245 |
| 非支配株主持分 | 764 | 591 |
| 純資産合計 | 231,670 | 239,582 |
| 負債純資産合計 | 436,816 | 444,650 |
② 要約連結損益計算書及び要約連結包括利益計算書
要約連結損益計算書
| (単位:百万円) | ||
| 前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | |
| 売上高 | 369,017 | 340,111 |
| 売上原価 | 202,665 | 182,825 |
| 売上総利益 | 166,351 | 157,286 |
| 販売費及び一般管理費 | 129,587 | 134,268 |
| 営業利益 | 36,764 | 23,018 |
| 営業外収益 | 3,632 | 2,454 |
| 営業外費用 | 10,391 | 6,328 |
| 経常利益 | 30,004 | 19,144 |
| 特別利益 | 703 | 1,207 |
| 特別損失 | 1,269 | 664 |
| 税金等調整前当期純利益 | 29,438 | 19,688 |
| 法人税等 | 11,881 | 9,836 |
| 当期純利益 | 17,557 | 9,851 |
| 非支配株主に帰属する当期純利益 | 388 | 210 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 17,169 | 9,641 |
要約連結包括利益計算書
| (単位:百万円) | ||
| 前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | |
| 当期純利益 | 17,557 | 9,851 |
| その他の包括利益合計 | △1,317 | 17,695 |
| 包括利益 | 16,240 | 27,547 |
| (内訳) | ||
| 親会社株主に係る包括利益 | 15,862 | 27,205 |
| 非支配株主に係る包括利益 | 378 | 342 |
③ 要約連結株主資本等変動計算書
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
| (単位:百万円) | ||||
| 株主資本 | その他の包括利益 累計額 | 非支配株主持分 | 純資産合計 | |
| 当期首残高 | 171,800 | 55,989 | 870 | 228,660 |
| 会計方針の変更による 累積的影響額 | △5,513 | ― | ― | △5,513 |
| 会計方針の変更を反映した 当期首残高 | 166,287 | 55,989 | 870 | 223,147 |
| 当期変動額 | 9,936 | △1,307 | △106 | 8,522 |
| 当期末残高 | 176,223 | 54,682 | 764 | 231,670 |
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
| (単位:百万円) | ||||
| 株主資本 | その他の包括利益 累計額 | 非支配株主持分 | 純資産合計 | |
| 当期首残高 | 176,223 | 54,682 | 764 | 231,670 |
| 当期変動額 | △9,479 | 17,563 | △172 | 7,911 |
| 当期末残高 | 166,744 | 72,245 | 591 | 239,582 |
④ 要約連結キャッシュ・フロー計算書
| (単位:百万円) | ||
| 前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 45,752 | 37,125 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △7,911 | △4,735 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | △21,275 | △35,352 |
| 現金及び現金同等物に係る換算差額 | △570 | 1,535 |
| 現金及び現金同等物の増減額(△は減少) | 15,996 | △1,426 |
| 現金及び現金同等物の期首残高 | 35,173 | 51,468 |
| 連結子会社の決算期変更に伴う 現金及び現金同等物の増減額(△は減少) | 299 | ― |
| 現金及び現金同等物の期末残高 | 51,468 | 50,042 |
⑤ 要約連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(連結の範囲の変更)
当社の連結子会社であったグローリーAZシステム株式会社及びグローリーメカトロニクス株式会社は、当社の連結子会社であるグローリーシステムクリエイト株式会社を存続会社とする吸収合併により消滅したため、連結の範囲から除外しております。なお、存続会社であるグローリーシステムクリエイト株式会社は、合併後にグローリーテクニカルソリューションズ株式会社に商号変更しております。また、当社の米国連結子会社であったRevolution Retail Systems, LLC及びその子会社2社は、当社の米国連結子会社であるGlory Global Solutions Inc. を存続会社とする吸収合併により消滅したため、連結の範囲から除外しております。
持分法適用関連会社であった株式会社Showcase Gigは株式を追加取得したため、連結の範囲に含めております。
Acrelec Holding Middle East Ltd他2社は清算したため、連結の範囲から除外しております。
(持分法適用の範囲の変更)
持分法適用関連会社であった株式会社Showcase Gigは株式の追加取得により連結の範囲に含めたため、持分法適用の範囲から除外しております。
(連結子会社の決算日の変更)
決算日が12月31日であったAcrelec Group S.A.S.他22社は、決算日を3月31日に変更しております。この決算期変更に伴い、2024年1月1日から2024年3月31日までの損益は利益剰余金の増減として調整しております。
(会計方針の変更)
(「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」等の適用)
「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(企業会計基準第27号 2022年10月28日。以下「2022年改正会計基準」という。)等を当連結会計年度の期首から適用しております。
法人税等の計上区分(その他の包括利益に対する課税)に関する改正については、2022年改正会計基準第20-3項ただし書きに定める経過的な取扱い及び「税効果会計に係る会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第28号 2022年10月28日。以下「2022年改正適用指針」という。)第65-2項(2)ただし書きに定める経過的な取扱いに従っております。なお、当会計方針の変更による連結財務諸表への影響はありません。
また、連結会社間における子会社株式等の売却に伴い生じた売却損益を税務上繰り延べる場合の連結財務諸表における取扱いの見直しに関連する改正については、2022年改正適用指針を当連結会計年度の期首から適用しております。当該会計方針の変更は、遡及適用され、前連結会計年度については遡及適用後の連結財務諸表となっております。なお、当会計方針の変更による前連結会計年度の連結財務諸表への影響はありません。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(連結の範囲の変更)
ACRELEC CANADA INC. は新たに設立したため、連結の範囲に含めております。
Glory Global Solutions (Shanghai) Co.,Ltd. 他1社は清算したため、連結の範囲から除外しております。
Glory Global Solutions Ltd.、Glory Global Solutions (Topco) Ltd.、Glory Global Solutions (Midco) Ltd.及びGlory Global Solutions (Holdings) Ltd.は、Glory Global Solutions (International) Ltd. を存続会社とした吸収合併により、Flooid Topco Limited 他5社は、Flooid Midco Limited を存続会社とした吸収合併によりそれぞれ消滅しております。
(会計方針の変更)
(研究開発費の計上区分の変更)
当社は、当連結会計年度より、従来、売上原価に計上していた研究開発費を、販売費及び一般管理費に計上する方法に変更しております。
キャッシュレス決済の普及や世界的な金融機関の店舗統廃合など、当社を取り巻く事業環境が大きく変化している中、当社グループは、『2026中期経営計画』において収益力の向上を目指したROIC経営を推進し、資本コストを意識した運営を徹底しております。その中で、従来の通貨処理機にソフトウェアプラットフォームを融合させることによるDXビジネスの成長を掲げ、コア事業におけるハードウェア開発から新領域事業における新価値創造に向けた新たなサービス・ソリューション開発まで一貫して推進することを目指しており、そのための組織改革として開発部門の組織体制を変更し、当連結会計年度より本格的に運用を開始しております。当該会計方針の変更は、この組織体制の変更を反映すべく、売上原価並びに販売費及び一般管理費の範囲を見直したことによるものであります。
当該会計方針の変更は遡及適用され、前連結会計年度については遡及適用後の連結財務諸表となっております。
この結果、遡及適用を行う前と比べて、前連結会計年度の連結貸借対照表は、投資その他の資産が1,043百万円増加し、流動資産が6,316百万円、固定負債が888百万円、株主資本が4,383百万円それぞれ減少しております。また、前連結会計年度の連結損益計算書は、売上原価が10,168百万円減少し、販売費及び一般管理費が8,541百万円増加し、営業利益、経常利益、税金等調整前当期純利益はそれぞれ1,627百万円増加しております。また、前連結会計年度の期首の純資産に累積的影響額が反映されたことにより、利益剰余金の前連結会計年度の期首残高は5,513百万円減少しております。
(4) 経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
IFRS会計基準により作成した連結財務諸表における主要な項目と、日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 41.初度適用」に記載のとおりであります。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(のれん)
日本基準ではのれんはその効果が及ぶ期間にわたって償却しておりましたが、IFRS会計基準では移行日以降の償却は行っておりません。この影響により、IFRS会計基準では日本基準に比べて販売費及び一般管理費が8,785百万円減少しております。
(退職後給付)
日本基準では、確定給付制度の数理計算上の差異及び過去勤務費用について、「その他の包括利益累計額」として認識し、その後、将来の一定期間にわたり純損益として認識しておりました。
一方、IFRS会計基準では、数理計算上の差異は発生時に「その他の包括利益」として認識し、直ちに「利益剰余金」へ振り替え、過去勤務費用は発生時の純損益として認識しております。
この影響により、IFRS会計基準では日本基準に比べて「売上原価」が1,502百万円、「販売費及び一般管理費」が1,798百万円それぞれ増加しております。
(リース)
日本基準では、借手のリースについてファイナンス・リースとオペレーティング・リースに分類し、オペレーティング・リースについては通常の賃貸借取引に係る方法に準じた会計処理を行っておりました。IFRS会計基準では、借手のリースについてファイナンス・リース又はオペレーティング・リースに分類せず、リース取引について「使用権資産」及び「リース負債」を認識しております。
この影響により、IFRS会計基準では日本基準に比べて「使用権資産」が8,910百万円、「リース負債」が8,897百万円それぞれ増加しております。
(税効果)
日本基準からIFRS会計基準への調整に伴い一時差異が発生したこと及び繰延税金資産の回収可能性を再検討したこと等により、「繰延税金資産」及び「繰延税金負債」の金額を調整しております。また、未実現損益の消去に伴う税効果について、日本基準では売却元の税率を使用していましたが、IFRS会計基準では売却先の税率を使用して算定しております。
この影響により、IFRS会計基準では日本基準に比べて「繰延税金資産」が18,850百万円増加し、「繰延税金負債」が925百万円減少しております。



