有価証券報告書-第77期(2025/04/01-2026/03/31)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態、経営成績の状況
a.当連結会計年度の概況
当連結会計年度の世界経済は、米国の通商政策に翻弄され不透明感が高まる中、様子見の傾向が強まる一方でIT関連投資を中心に底堅さが見られたものの、ウクライナ紛争の長期化に加え、足元では中東情勢の悪化による原油価格高騰も生じ、先行きに対する懸念が増大しております。
わが国経済においては、個人消費の改善やDX、サプライチェーン強化に伴う設備投資により緩やかな回復基調を維持しました。また、設備投資の動向を知るうえで先行指標の一つである機械受注統計の推移を見ると、製造業の機械受注額は、造船、化学等の特定業種の押し上げにより、2025年4月~6月は13,174億円(前年同期比4.1%増)、7月~9月は13,616億円(同14.0%増)、10月~12月は13,578億円(同3.9%増)、1月は4,358億円、2月は5,695億円と、概ね堅調な推移となりました。一方、米国の通商政策に対する不透明感は継続し、直近では地政学的リスクの高まりに伴う輸入インフレの再燃により、全体的なコスト増が見込まれ、外部環境の変動に一層の注視が必要な状況にあります。
このような環境下、当社グループは、プラスチック成形関連のコアビジネスにおきまして、品質の向上、納期の確守、新製品の開発等、競争力強化によるマーケットシェアの拡大を図るとともに、電池、食品、化粧品等の新規販売分野の開拓・拡大に注力してまいりました。
しかしながら、当連結会計年度における受注高は、国内外の自動車業界向けを中心とした射出成形関連の受注が低迷していることに加え、電気自動車(EV)向けのリチウムイオン電池関連の投資低迷が影響し、前年同期比1億3千3百万円減(同0.7%減)の187億7千4百万円(受注残高は前年同期比3億9千万円減(同4.9%減)の76億1千9百万円)、売上高につきましても、前年同期比13億9千9百万円減(同6.7%減)の193億6千7百万円となりました。
損益面では、販売費及び一般管理費は減少したものの、売上高の減少並びに売上総利益率の低下(30.1%→29.2%)により、営業利益は前年同期比5億3千6百万円減(同54.5%減)の4億4千7百万円、経常利益は為替差益8千5百万円の計上等により、前年同期比4億6千万円減(同44.6%減)の5億7千2百万円となりました。
特別損益では、固定資産売却益7百万円を特別利益に、固定資産除売却損1千万円、中国子会社の事業体制再構築に伴う構造改革費用1億5千1百万円を特別損失に計上し、更に法人税、住民税及び事業税4億1千2百万円、法人税等調整額マイナス3千5百万円を計上したこと等により、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期比5億3千9百万円減(同93.6%減)の3千6百万円となりました。
b.報告セグメント別の概況
日本におきましては、フィルム・シート関連、医療向け等の非プラスチック関連の売上は増加したものの、EV向けのリチウムイオン電池関連の売上や射出成形関連の売上が低調に推移したことから、売上高は前年同期比15億1千2百万円減(同10.7%減)の126億5千3百万円となりました。一方、損益面では、生産効率の向上による原価低減や大型案件の減少等により売上総利益率が改善(27.6%→28.3%)し、販売費及び一般管理費も減少したものの、売上減収分をカバーするには至らず、営業利益は前年同期比2億7千7百万円減(同23.6%減)の8億9千7百万円となりました。また、セグメント利益(経常利益)は、受取配当金の減少、支払利息の増加等により、前年同期比2億9千9百万円減(同22.4%減)の10億3千8百万円となりました。
東アジアにおきましても、中国におけるEV向けのリチウムイオン電池関連の売上低迷に加え、スマホ・VR用レンズ関連の売上も低調であったことから、売上高は前年同期比2億6千3百万円減(同5.0%減)の50億2千4百万円となりました。損益面においても、販売費及び一般管理費は大きく減少したものの、中国における上記要因に伴う製品構成差異(付加価値の高い製品の販売が減少し、汎用品の比率が上昇)や価格競争激化により売上総利益率が低下(27.8%→20.9%)し、営業損失は4億8千4百万円(前年同期は1億7千2百万円の営業損失)となり、セグメント損失(経常損失)は4億8千2百万円(前年同期は1億1千4百万円の経常損失)となりました。
東南アジアにおきましては、OA機器及び二輪関連の売上が堅調に推移したことから、売上高は前年同期比1億6千1百万円増(同7.1%増)の24億3千万円となりました。損益面では、販売費及び一般管理費が増加したものの、売上総利益率は若干良化(34.9%→35.0%)し、営業利益は前年同期比1千4百万円増(同25.6%増)の7千3百万円、セグメント利益(経常利益)は前年同期比9百万円増(同14.8%増)の7千3百万円となりました。
北中米におきましては、前連結会計年度での受注増により、自動車業界向けを中心とした売上が堅調に推移し、売上高は前年同期比3億3百万円増(同85.0%増)の6億6千万円となりました。一方、損益面では、主として納入後に発生した不具合の手直し費用の増加により、売上総利益率が低下(36.1%→25.6%)し、販売費及び一般管理費も増加したため、営業損失は6千8百万円(前年同期は8千万円の営業損失)、セグメント損失(経常損失)は5千5百万円(前年同期は1億3千3百万円の経常損失)となりました。
なお、報告セグメントの売上高には、セグメント間の内部売上高を含んでおります。
c.資産、負債及び純資産の状況
流動資産は、前連結会計年度末に比べて、受取手形及び売掛金、契約資産、商品及び製品等が減少したことにより14億8千6百万円減少し、170億3千8百万円となりました。固定資産は、前連結会計年度末に比べて、無形固定資産、投資有価証券等の増加により2億7千5百万円増加し、70億5千4百万円となりました。この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べて12億1千1百万円減少し、240億9千2百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べて、支払手形及び買掛金、短期借入金等が減少したことにより9億3千万円減少し、65億5千2百万円となりました。固定負債は、前連結会計年度末に比べて、長期借入金等が減少したことにより2億5千9百万円減少し、40億8千1百万円となりました。この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて11億8千9百万円減少し、106億3千4百万円となりました。
純資産合計は、前連結会計年度末に比べて、利益剰余金の減少により2千2百万円減少し、134億5千8百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益が4億1千8百万円となり、減価償却費4億2千万円、売上債権、契約資産及び契約負債の減少17億8千6百万円、棚卸資産の減少3億6千万円等の収入要因が、仕入債務の減少3億8千5百万円、法人税等の支払額4億4千1百万円等の支出要因を上回り、19億9千2百万円の収入超過(前年同期は11億2千2百万円の収入超過)となりました。
運転資金の減少により、営業活動によるキャッシュ・フローが増加する中、金利上昇を背景とした有利子負債圧縮による財務費用の抑制と資金運用を図りつつ、当社における基幹システム刷新を中心とした投資も進めました。この結果、投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の預入による支出6億2千6百万円、有形固定資産の取得による支出2億1百万円、ソフトウエアの取得による支出2億6千2百万円等により、10億3千3百万円の支出超過(前年同期は4億5千5百万円の支出超過)となり、財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の減少による支出3億6千万円、長期借入金の減少による支出3億4千万円、配当金の支払額2億7千9百万円等により、10億6百万円の支出超過(前年同期は12億2千1百万円の支出超過)となりました。
上記結果の他に、換算差額がマイナス1千3百万円となり、当連結会計年度末の現金及び現金同等物残高は、前連結会計年度末に比べて6千万円減少して、67億9百万円となりました。
③ 生産、受注及び販売の状況
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。なお、北中米には生産拠点が存在しないため、記載しておりません。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は販売価格によっております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績
受注高は、フィルム・シート、医療向け等の非プラスチック関連、一部の海外地域におけるOA機器、二輪関連の受注は比較的堅調であったものの、自動車業界向けを中心とした射出成形関連、EV向けのリチウムイオン電池関連の受注は減少し、年度全体では前年同期比0.7%減となり、売上高につきましても6.7%減となりました。
売上総利益率は、セグメント別でバラツキはあるものの、東アジア(中国)におけるEV向けのリチウムイオン電池関連の低迷、これに伴う製品構成差異や価格競争激化による落ち込みが大きく影響し、連結全体としては前年同期より0.9%低下しました。これらをセグメント別に見ると以下のとおりです。なお、セグメント別の受注高、売上高等の数値につきましては、「第5経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」を参照ください。
販売費及び一般管理費は、売上高の減少に伴う変動費を中心に前年同期比1.1%減少となり、営業外損益全体では、為替差益8千5百万円、助成金及び補助金収入4千7百万円、増値税還付金1千5百万円、支払利息6千5百万円の計上等により1億2千4百万円の利益(前年同期は4千9百万円の利益)となりました。
特別損益全体では、固定資産売却益7百万円、固定資産除売却損1千万円、中国子会社の事業体制再構築に伴う構造改革費用1億5千1百万円の計上等により1億5千4百万円の損失(前年同期は8百万円の利益)となりました。
また、法人税、住民税及び事業税4億1千2百万円、法人税等調整額マイナス3千5百万円を計上し、海外子会社の損益のうち、非支配株主に帰属する利益として4百万円を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期比5億3千9百万円減(同93.6%減)の3千6百万円となりました。
b.財政状態
当社グループの経常運転資金(売上債権+棚卸資産-仕入債務)は、概ね月商の4~5か月程度を目安としておりますが、日本における中小受託取引適正化法の施行に伴い、今後は一定程度、低減していくものと推測しております。現預金残高は、大型案件の受注や売上時期が必ずしも毎月一定額とはならない当社グループの事業形態を考慮して、概ね月商の3か月程度を適正水準としており、海外子会社においては、資金の現地調達事情や緊急時の手元流動性をある程度考慮するようにしております。
当連結会計年度においては、地政学的リスクの高まりに伴い、適正水準を上回る結果となっておりますが、金利上昇を受け、有利子負債(長短期借入金)の圧縮に努めました。現在の各勘定科目の水準は、現状の受注状況や、効率性と安全性の両面から考えると概ね適正であると判断しており、今後も自己資本比率45%程度、現預金は月商の3か月程度、有利子負債は月商の4か月程度をひとつの目途値と考えております。
引続き棚卸資産の削減、売掛金の早期回収等により営業キャッシュ・フローの拡大を図るとともに、事業投資は営業活動によるキャッシュ・フローの収入超過額の枠内とすることを原則といたしますが、株主価値を持続的に向上させるため、新規事業開発や海外展開、戦略投資等には積極的な投資を実施していく予定です。
一時的に営業活動によるキャッシュ・フローの収入超過額が不足する資金需要については、事業投資資金は長期借入金や社債により、運転資金は短期借入金により安定的に調達することを基本方針としております。また、現時点では具体的な予定はありませんが、大型の設備投資やM&A等の戦略投資の際には、エクイティファイナンスも選択肢のひとつとして検討する可能性があります。
c.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
「第2事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)目標とする経営指標」に記載のとおり、当社グループは、中長期的には、資本コストや株価を意識した経営を進め、安定的に当期利益10億円以上、自己資本利益率(ROE)8%以上を確保することと、連結配当性向30%以上を基本として、自己資本配当率(DOE)2%台を維持していくことを目標としております。
当連結会計年度におきましては、総資産の減少により自己資本比率(前年度52.2%→54.7%)が上昇しました。これに対し、売上高の減少と売上総利益率の低下により収益性(売上高当期純利益率:前年度2.8%→当年度0.2%)が悪化し、自己資本利益率(ROE)は0.3%と前連結会計年度の4.5%と比較して4.2%低下いたしました。配当については、連結配当性向30%以上を安定して確保する観点から1株当たり年間38.0円(中間配当19.0円、期末配当19.0円)の配当を実施させていただくことにより、連結配当性向は717.8%、自己資本配当率(DOE)は2.0%(前年度は2.3%)となりました。
中長期的な目標の達成に向け、適正な販売価格の維持と製造工程における業務効率化並びに中期経営計画、優先的な対処課題の着実な推進により、継続的な企業価値の向上と事業体質の更なる強化に努めてまいります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態、経営成績の状況
a.当連結会計年度の概況
当連結会計年度の世界経済は、米国の通商政策に翻弄され不透明感が高まる中、様子見の傾向が強まる一方でIT関連投資を中心に底堅さが見られたものの、ウクライナ紛争の長期化に加え、足元では中東情勢の悪化による原油価格高騰も生じ、先行きに対する懸念が増大しております。
わが国経済においては、個人消費の改善やDX、サプライチェーン強化に伴う設備投資により緩やかな回復基調を維持しました。また、設備投資の動向を知るうえで先行指標の一つである機械受注統計の推移を見ると、製造業の機械受注額は、造船、化学等の特定業種の押し上げにより、2025年4月~6月は13,174億円(前年同期比4.1%増)、7月~9月は13,616億円(同14.0%増)、10月~12月は13,578億円(同3.9%増)、1月は4,358億円、2月は5,695億円と、概ね堅調な推移となりました。一方、米国の通商政策に対する不透明感は継続し、直近では地政学的リスクの高まりに伴う輸入インフレの再燃により、全体的なコスト増が見込まれ、外部環境の変動に一層の注視が必要な状況にあります。
このような環境下、当社グループは、プラスチック成形関連のコアビジネスにおきまして、品質の向上、納期の確守、新製品の開発等、競争力強化によるマーケットシェアの拡大を図るとともに、電池、食品、化粧品等の新規販売分野の開拓・拡大に注力してまいりました。
しかしながら、当連結会計年度における受注高は、国内外の自動車業界向けを中心とした射出成形関連の受注が低迷していることに加え、電気自動車(EV)向けのリチウムイオン電池関連の投資低迷が影響し、前年同期比1億3千3百万円減(同0.7%減)の187億7千4百万円(受注残高は前年同期比3億9千万円減(同4.9%減)の76億1千9百万円)、売上高につきましても、前年同期比13億9千9百万円減(同6.7%減)の193億6千7百万円となりました。
損益面では、販売費及び一般管理費は減少したものの、売上高の減少並びに売上総利益率の低下(30.1%→29.2%)により、営業利益は前年同期比5億3千6百万円減(同54.5%減)の4億4千7百万円、経常利益は為替差益8千5百万円の計上等により、前年同期比4億6千万円減(同44.6%減)の5億7千2百万円となりました。
特別損益では、固定資産売却益7百万円を特別利益に、固定資産除売却損1千万円、中国子会社の事業体制再構築に伴う構造改革費用1億5千1百万円を特別損失に計上し、更に法人税、住民税及び事業税4億1千2百万円、法人税等調整額マイナス3千5百万円を計上したこと等により、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期比5億3千9百万円減(同93.6%減)の3千6百万円となりました。
b.報告セグメント別の概況
日本におきましては、フィルム・シート関連、医療向け等の非プラスチック関連の売上は増加したものの、EV向けのリチウムイオン電池関連の売上や射出成形関連の売上が低調に推移したことから、売上高は前年同期比15億1千2百万円減(同10.7%減)の126億5千3百万円となりました。一方、損益面では、生産効率の向上による原価低減や大型案件の減少等により売上総利益率が改善(27.6%→28.3%)し、販売費及び一般管理費も減少したものの、売上減収分をカバーするには至らず、営業利益は前年同期比2億7千7百万円減(同23.6%減)の8億9千7百万円となりました。また、セグメント利益(経常利益)は、受取配当金の減少、支払利息の増加等により、前年同期比2億9千9百万円減(同22.4%減)の10億3千8百万円となりました。
東アジアにおきましても、中国におけるEV向けのリチウムイオン電池関連の売上低迷に加え、スマホ・VR用レンズ関連の売上も低調であったことから、売上高は前年同期比2億6千3百万円減(同5.0%減)の50億2千4百万円となりました。損益面においても、販売費及び一般管理費は大きく減少したものの、中国における上記要因に伴う製品構成差異(付加価値の高い製品の販売が減少し、汎用品の比率が上昇)や価格競争激化により売上総利益率が低下(27.8%→20.9%)し、営業損失は4億8千4百万円(前年同期は1億7千2百万円の営業損失)となり、セグメント損失(経常損失)は4億8千2百万円(前年同期は1億1千4百万円の経常損失)となりました。
東南アジアにおきましては、OA機器及び二輪関連の売上が堅調に推移したことから、売上高は前年同期比1億6千1百万円増(同7.1%増)の24億3千万円となりました。損益面では、販売費及び一般管理費が増加したものの、売上総利益率は若干良化(34.9%→35.0%)し、営業利益は前年同期比1千4百万円増(同25.6%増)の7千3百万円、セグメント利益(経常利益)は前年同期比9百万円増(同14.8%増)の7千3百万円となりました。
北中米におきましては、前連結会計年度での受注増により、自動車業界向けを中心とした売上が堅調に推移し、売上高は前年同期比3億3百万円増(同85.0%増)の6億6千万円となりました。一方、損益面では、主として納入後に発生した不具合の手直し費用の増加により、売上総利益率が低下(36.1%→25.6%)し、販売費及び一般管理費も増加したため、営業損失は6千8百万円(前年同期は8千万円の営業損失)、セグメント損失(経常損失)は5千5百万円(前年同期は1億3千3百万円の経常損失)となりました。
なお、報告セグメントの売上高には、セグメント間の内部売上高を含んでおります。
c.資産、負債及び純資産の状況
流動資産は、前連結会計年度末に比べて、受取手形及び売掛金、契約資産、商品及び製品等が減少したことにより14億8千6百万円減少し、170億3千8百万円となりました。固定資産は、前連結会計年度末に比べて、無形固定資産、投資有価証券等の増加により2億7千5百万円増加し、70億5千4百万円となりました。この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べて12億1千1百万円減少し、240億9千2百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べて、支払手形及び買掛金、短期借入金等が減少したことにより9億3千万円減少し、65億5千2百万円となりました。固定負債は、前連結会計年度末に比べて、長期借入金等が減少したことにより2億5千9百万円減少し、40億8千1百万円となりました。この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて11億8千9百万円減少し、106億3千4百万円となりました。
純資産合計は、前連結会計年度末に比べて、利益剰余金の減少により2千2百万円減少し、134億5千8百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益が4億1千8百万円となり、減価償却費4億2千万円、売上債権、契約資産及び契約負債の減少17億8千6百万円、棚卸資産の減少3億6千万円等の収入要因が、仕入債務の減少3億8千5百万円、法人税等の支払額4億4千1百万円等の支出要因を上回り、19億9千2百万円の収入超過(前年同期は11億2千2百万円の収入超過)となりました。
運転資金の減少により、営業活動によるキャッシュ・フローが増加する中、金利上昇を背景とした有利子負債圧縮による財務費用の抑制と資金運用を図りつつ、当社における基幹システム刷新を中心とした投資も進めました。この結果、投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の預入による支出6億2千6百万円、有形固定資産の取得による支出2億1百万円、ソフトウエアの取得による支出2億6千2百万円等により、10億3千3百万円の支出超過(前年同期は4億5千5百万円の支出超過)となり、財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の減少による支出3億6千万円、長期借入金の減少による支出3億4千万円、配当金の支払額2億7千9百万円等により、10億6百万円の支出超過(前年同期は12億2千1百万円の支出超過)となりました。
上記結果の他に、換算差額がマイナス1千3百万円となり、当連結会計年度末の現金及び現金同等物残高は、前連結会計年度末に比べて6千万円減少して、67億9百万円となりました。
③ 生産、受注及び販売の状況
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。なお、北中米には生産拠点が存在しないため、記載しておりません。
| セグメントの名称 | 生産高(千円) | 前年同期比(%) |
| 日本 | 11,157,642 | △10.1 |
| 東アジア | 4,505,181 | 4.6 |
| 東南アジア | 430,158 | △5.3 |
| 合計 | 16,092,981 | △6.3 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は販売価格によっております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(千円) | 前年同期比(%) | 受注残高(千円) | 前年同期比(%) |
| 日本 | 11,624,608 | △6.1 | 5,169,242 | △10.8 |
| 東アジア | 4,359,746 | 10.8 | 1,665,196 | 10.6 |
| 東南アジア | 2,330,306 | 11.5 | 697,762 | 49.8 |
| 北中米 | 459,926 | △8.3 | 87,462 | △63.6 |
| 合計 | 18,774,586 | △0.7 | 7,619,664 | △4.9 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(千円) | 前年同期比(%) |
| 日本 | 11,981,192 | △11.6 |
| 東アジア | 4,318,642 | △6.1 |
| 東南アジア | 2,414,618 | 6.9 |
| 北中米 | 653,092 | 88.0 |
| 合計 | 19,367,545 | △6.7 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績
受注高は、フィルム・シート、医療向け等の非プラスチック関連、一部の海外地域におけるOA機器、二輪関連の受注は比較的堅調であったものの、自動車業界向けを中心とした射出成形関連、EV向けのリチウムイオン電池関連の受注は減少し、年度全体では前年同期比0.7%減となり、売上高につきましても6.7%減となりました。
売上総利益率は、セグメント別でバラツキはあるものの、東アジア(中国)におけるEV向けのリチウムイオン電池関連の低迷、これに伴う製品構成差異や価格競争激化による落ち込みが大きく影響し、連結全体としては前年同期より0.9%低下しました。これらをセグメント別に見ると以下のとおりです。なお、セグメント別の受注高、売上高等の数値につきましては、「第5経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」を参照ください。
| セグメント | 受注高 増減割合 | 売上高 増減割合 | 粗利率 増減割合 | 備考 |
| 日本 | △6.1% | △11.6% | 0.7% | ・押出成形関連は比較的堅調 ・自動車業界向け射出成形関連、EV共に低調 ・大型案件の減少 |
| 東アジア | 10.8% | △6.1% | △6.9% | ・自動車向け射出成形関連、EV共に低調 ・製品構成差異、価格競争激化 |
| 東南アジア | 11.5% | 6.9% | 0.1% | ・OA機器、二輪関連共に比較的堅調 |
| 北中米 | △8.3% | 88.0% | △10.5% | ・繰越受注残高の売上計上 ・自動車業界向け射出成形関連低調 |
| 連結全体 | △0.7% | △6.7% | △0.9% |
販売費及び一般管理費は、売上高の減少に伴う変動費を中心に前年同期比1.1%減少となり、営業外損益全体では、為替差益8千5百万円、助成金及び補助金収入4千7百万円、増値税還付金1千5百万円、支払利息6千5百万円の計上等により1億2千4百万円の利益(前年同期は4千9百万円の利益)となりました。
特別損益全体では、固定資産売却益7百万円、固定資産除売却損1千万円、中国子会社の事業体制再構築に伴う構造改革費用1億5千1百万円の計上等により1億5千4百万円の損失(前年同期は8百万円の利益)となりました。
また、法人税、住民税及び事業税4億1千2百万円、法人税等調整額マイナス3千5百万円を計上し、海外子会社の損益のうち、非支配株主に帰属する利益として4百万円を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期比5億3千9百万円減(同93.6%減)の3千6百万円となりました。
b.財政状態
当社グループの経常運転資金(売上債権+棚卸資産-仕入債務)は、概ね月商の4~5か月程度を目安としておりますが、日本における中小受託取引適正化法の施行に伴い、今後は一定程度、低減していくものと推測しております。現預金残高は、大型案件の受注や売上時期が必ずしも毎月一定額とはならない当社グループの事業形態を考慮して、概ね月商の3か月程度を適正水準としており、海外子会社においては、資金の現地調達事情や緊急時の手元流動性をある程度考慮するようにしております。
当連結会計年度においては、地政学的リスクの高まりに伴い、適正水準を上回る結果となっておりますが、金利上昇を受け、有利子負債(長短期借入金)の圧縮に努めました。現在の各勘定科目の水準は、現状の受注状況や、効率性と安全性の両面から考えると概ね適正であると判断しており、今後も自己資本比率45%程度、現預金は月商の3か月程度、有利子負債は月商の4か月程度をひとつの目途値と考えております。
引続き棚卸資産の削減、売掛金の早期回収等により営業キャッシュ・フローの拡大を図るとともに、事業投資は営業活動によるキャッシュ・フローの収入超過額の枠内とすることを原則といたしますが、株主価値を持続的に向上させるため、新規事業開発や海外展開、戦略投資等には積極的な投資を実施していく予定です。
一時的に営業活動によるキャッシュ・フローの収入超過額が不足する資金需要については、事業投資資金は長期借入金や社債により、運転資金は短期借入金により安定的に調達することを基本方針としております。また、現時点では具体的な予定はありませんが、大型の設備投資やM&A等の戦略投資の際には、エクイティファイナンスも選択肢のひとつとして検討する可能性があります。
c.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
「第2事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)目標とする経営指標」に記載のとおり、当社グループは、中長期的には、資本コストや株価を意識した経営を進め、安定的に当期利益10億円以上、自己資本利益率(ROE)8%以上を確保することと、連結配当性向30%以上を基本として、自己資本配当率(DOE)2%台を維持していくことを目標としております。
当連結会計年度におきましては、総資産の減少により自己資本比率(前年度52.2%→54.7%)が上昇しました。これに対し、売上高の減少と売上総利益率の低下により収益性(売上高当期純利益率:前年度2.8%→当年度0.2%)が悪化し、自己資本利益率(ROE)は0.3%と前連結会計年度の4.5%と比較して4.2%低下いたしました。配当については、連結配当性向30%以上を安定して確保する観点から1株当たり年間38.0円(中間配当19.0円、期末配当19.0円)の配当を実施させていただくことにより、連結配当性向は717.8%、自己資本配当率(DOE)は2.0%(前年度は2.3%)となりました。
中長期的な目標の達成に向け、適正な販売価格の維持と製造工程における業務効率化並びに中期経営計画、優先的な対処課題の着実な推進により、継続的な企業価値の向上と事業体質の更なる強化に努めてまいります。