有価証券報告書-第70期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当連結会計年度における当社グループを取り巻く経済情勢は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の影響を受け、前半は経済活動の停滞を余儀なくされ、景気は急速に悪化しました。後半は段階的に経済活動が再開され、景気は回復傾向となりましたが、新型コロナウイルスは第2波、第3波と感染拡大を繰り返し、世界的な収束には時間を要する見方が強まっており、景気の先行きは不透明な状況が続いております。米国におきましては、ロックダウン解除後に個人消費が拡大し、製造業では設備投資が堅調に推移するなど、景気の持ち直しが見られました。欧州におきましては、新型コロナウイルスの感染再拡大に伴う活動制限が長期化する中、堅調な外需の下支えにより、製造業の回復は持続しました。中国におきましては、いち早く経済活動の正常化が進み、情報通信や新エネルギーといったハイテク分野への設備投資が拡大しました。また、情報通信機器の需要拡大などを背景に輸出も増加傾向となり、景気は回復基調が続きました。わが国におきましては、製造業を中心に企業収益が回復し、先送りしていた設備投資を再開する動きが見られました。また、自動車や半導体の需要回復を背景に輸出が拡大し、景気は緩やかに回復しました。
このような経営環境のもと、当社グループにおきましては、在宅勤務やWEB会議システム等を活用し、新型コロナウイルスの感染防止に努めつつ、中期経営計画(2018年度-2020年度)の最終年度として、受注・生産・開発体制の強化、既存事業の深耕と拡大、成長市場への進出、量産型ビジネスの確立と商品化に注力してまいりました。また、かねてより建設を進めておりました新工場が完成し、稼働を開始したことにより、更なる生産性の向上を図ってまいりました。
この結果、当連結会計年度における売上高は652億55百万円(前期比0.5%減)となり、営業利益は49億95百万円(前期比82.5%増)、経常利益は51億76百万円(前期比80.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は40億75百万円(前期比133.6%増)となりました。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきまして、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しております。
当社グループの経営方針・経営戦略および経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。
事業部門別の営業概況は以下のとおりであります。
①自動車関連生産設備事業 自動車関連生産設備事業におきましては、今期前半は渡航制限や顧客工場の操業停止などにより、海外での受注活動が制限されたことに加え、自動車市場の低迷を背景に完成車メーカーの設備投資に慎重な姿勢が見られるなど、受注環境は厳しい状況が続きましたが、前期に受注した案件の生産が順調に進み、足元では自動車市場が回復基調となり、電気自動車(EV)などの次世代車向け生産設備の受注が積み上がったことで、売上高は前期並みの水準で推移しました。この結果、売上高は235億43百万円(前期比1.4%増)となりました。
②半導体関連生産設備事業 半導体関連生産設備事業におきましては、第5世代移動通信システム(5G)の本格化や在宅勤務の拡大などを背景にデータセンター需要が高まり、半導体装置メーカーからの継続的な設備投資がおこなわれたことで、シリコンウェーハ搬送設備などの売上高が堅調に推移しました。また、有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)関連の生産も底堅く推移したことで、売上高は前期を上回る水準で推移しました。この結果、売上高は294億9百万円(前期比12.4%増)となりました。
③家電関連およびその他生産設備事業 家電関連およびその他生産設備事業におきましては、タイヤメーカー向け生産設備の売上高が堅調に推移したものの、新型コロナウイルスの影響により、白物家電生産設備の工事が延期となったことで、売上高が低調となりました。この結果、売上高は103億24百万円(前期比22.0%減)となりました。
セグメントの状況は以下のとおりであります。
①日本
日本におきましては、有機EL蒸着装置やシリコンウェーハ搬送設備などの半導体関連生産設備事業が牽引したことに加え、自動車関連生産設備事業も、EVなどの次世代車向け生産設備の売上高が堅調に推移しました。この結果、売上高は547億73百万円(前期比2.4%増)、営業利益は47億84百万円(前期比55.2%増)となりました。
②アジア
アジアにおきましては、コロナ禍で営業活動や生産活動が制限され、自動車関連や家電関連の売上高が大幅に落ち込みました。この結果、売上高は53億75百万円(前期比28.0%減)、営業利益は2億73百万円(前期比68.4%減)となりました。
③北米
北米におきましては、完成車メーカーの操業停止や設備投資の延期・凍結などにより、今期前半の売上高は低調となりましたが、後半は完成車メーカーの設備投資が再開されたことで、売上高は堅調に推移しました。この結果、売上高は40億50百万円(前期比0.9%増)、営業利益は31百万円(前期は10億47百万円の営業損失)となりました。
④欧州
欧州におきましては、自動車案件の売上高を計画通り計上しましたが、原価率の悪化により、利益面では厳しい状況となりました。この結果、売上高は10億56百万円(前期比68.7%増)、営業損失は1億6百万円(前期は1億25百万円の営業損失)となりました。
財政状態の概況は以下のとおりであります。
(資産)
当社グループの当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べて73億85百万円増加し、927億94百万円となりました。その主な内訳は、現金及び預金の増加17億13百万円、売上高の増加に伴う売上債権(受取手形及び売掛金、電子記録債権)の増加8億22百万円、新工場の建設等による有形固定資産の増加18億2百万円、退職給付に係る資産の増加24億81百万円であります。
(負債)
負債につきましては、前連結会計年度末に比べて23億79百万円増加し、407億95百万円となりました。その主な内訳は、生産の高まりを受けて、資金需要が増加したことによる有利子負債(短期借入金、長期借入金)の増加41億57百万円であります。
(純資産)
純資産につきましては、前連結会計年度末に比べて50億5百万円増加し、519億99百万円となりました。その主な内訳は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上40億75百万円および配当金の支払い4億15百万円により利益剰余金の増加36億60百万円であります。その結果、自己資本比率は前連結会計年度末の54.4%から55.5%となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度末における現金及び現金同等物残高(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて17億13百万円増加し、126億85百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金は、6億90百万円の収入(前年同期は80億94百万円の収入)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益51億69百万円に対して、売上高が増加したことによる売上債権の増加9億71百万円、仕入債務の減少15億90百万円、法人税等の支払額11億93百万円等によります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金は、新工場完成に伴う有形固定資産の取得による支出21億88百万円等により、23億78百万円の支出(前年同期は26億29百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金は、35億36百万円の収入(前年同期は57億19百万円の支出)となりました。主な要因は、生産の高まりを受けて、資金需要が増加したことによる長期借入れによる収入85億円、長期借入金の返済による支出26億42百万円、短期借入金の減少17億円等によります。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、建物及び機械装置等の設備投資によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金につきましては、金融機関の長期借入を基本としております。
当連結会計年度末における借入金の残高は186億94百万円、ならびに当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は126億85百万円となっております。
(3)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
文中における将来に関する事項の記載は、本書提出日(2021年6月25日)現在において当社グループが判断したものです。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う会計上の見積りの仮定につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。
(4)生産、受注及び販売の実績
①生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 前期比(%) |
| 日本 (千円) | 56,315,720 | 104.2 |
| アジア(千円) | 5,314,672 | 71.5 |
| 北米 (千円) | 3,599,661 | 78.9 |
| 欧州 (千円) | 1,017,561 | 141.7 |
| 合計(千円) | 66,247,615 | 99.2 |
(注)1.金額は、販売価格および製造原価によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
②受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(千円) | 前期比(%) | 受注残高(千円) | 前期比(%) |
| 日本 | 48,785,699 | 82.2 | 20,461,368 | 77.4 |
| アジア | 5,878,614 | 104.1 | 3,015,630 | 120.0 |
| 北米 | 2,261,960 | 39.3 | 3,772,038 | 67.8 |
| 欧州 | 424,718 | 64.0 | 221,014 | 25.9 |
| 合計 | 57,350,994 | 80.3 | 27,470,051 | 77.7 |
(注)1.金額は、販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
③販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 前期比(%) |
| 日本 (千円) | 54,773,673 | 102.4 |
| アジア(千円) | 5,375,466 | 72.0 |
| 北米 (千円) | 4,050,331 | 100.9 |
| 欧州 (千円) | 1,056,447 | 168.7 |
| 合計(千円) | 65,255,919 | 99.5 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
前連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
| 相手先 | 金額(千円) | 割合(%) |
| キヤノントッキ株式会社 | 9,395,561 | 14.3 |
当連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
| 相手先 | 金額(千円) | 割合(%) |
| キヤノントッキ株式会社 | 11,058,092 | 16.9 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。