四半期報告書-第51期第2四半期(令和1年7月1日-令和1年9月30日)

【提出】
2019/11/13 15:32
【資料】
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【項目】
33項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、設備投資や個人消費が緩やかに増加している一方、生産や輸出は弱含んだ状況が続きました。また、海外においては、中国の景気減速、米中間における通商問題の緊張が増したこと、英国のEU離脱問題の動向など、先行き不透明な状況が続きました。
当社グループの業績に影響を及ぼす半導体業界は、Semiconductor Equipment and Materials International(SEMI)が発表した2019年第2四半期の半導体製造装置出荷額によると、台湾が前年同期比47%増となったものの、スマートフォン需要の頭打ちやDRAMなどのメモリー向け投資の一巡等により韓国は同47%減、中国は同11%減、日本は同39%減、世界全体では同20%減の13,310百万ドルとなるなど投資に慎重な状況となりました。また、FPD(フラットパネルディスプレイ)市場では、中国において政府の補助金及び金融機関の支援による大型投資が継続し、液晶パネルの供給過剰による価格下落が継続したこと等から液晶パネル投資が手控えられる一方、有機ELパネル投資へのシフトが進む状況となりました。
このような状況下、当社グループは海外では半導体・FPD関連企業、国内では半導体・製薬関連企業を中心に積極的な営業活動を展開し、引き続き半導体及びFPD関連企業の投資意欲が旺盛な韓国、中国市場を中心に受注獲得に努めてまいりました。
これらの事業活動により、水処理装置については国内の半導体・製薬関連企業、韓国の半導体・FPD関連企業から受注した超純水製造装置及び台湾の半導体関連企業から受注した排水処理装置の工事が進捗したものの、中国の受注済み装置案件の工事進捗の遅れ等により売上高は5,291百万円(前年同期比30.9%減)となりました。メンテナンス及び消耗品については、国内、中国及びアメリカでの売上が堅調に推移したことから、売上高は3,538百万円(同16.2%増)となりました。また、その他の事業については、台湾におけるPVDF配管材料の受注が減少したこと等により、売上高は266百万円(同65.2%減)となり、連結売上高は9,096百万円(同20.7%減)となりました。
利益面については、水処理装置案件の利益率改善とメンテナンス及び消耗品が増収となったこと等により売上総利益率が前年同期比4.7ポイント改善した一方、販売費及び一般管理費の増加により営業利益は375百万円(同3.5%減)となりました。また、営業外費用に為替差損92百万円を計上したこと等により、経常利益は299百万円(同37.2%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は217百万円(同36.1%減)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
① 日本
国内の半導体関連企業から受注した大型の超純水製造装置の工事及び中国・台湾のメンテナンスが堅調に推移した一方、台湾でのPVDF配管材料の受注減少等により、売上高は5,416百万円(前年同期比7.1%減)となり、販売費及び一般管理費の増加等により営業利益は170百万円(同23.6%減)となりました。
② アジア
中国の装置案件の工事進捗の遅れ等により、売上高は3,575百万円(同36.5%減)となりましたが、販売費及び一般管理費の減少等により、営業利益は200百万円(同6.9%増)となりました。
③ アメリカ
半導体関連企業からの消耗品受注により、売上高は104百万円(前年同期は3百万円の売上高)となり、営業利益は4百万円(前年同期は21百万円の営業損失)となりました。
(2) 財政状態の状況
当第2四半期末の総資産は、前連結会計年度末に比べて1,919百万円減少し、17,114百万円となりました。これは主に、受取手形及び売掛金が1,398百万円、現金及び預金が549百万円減少したこと等によるものであります。
負債合計は、前連結会計年度末に比べて1,635百万円減少し、7,849百万円となりました。これは主に、支払手形及び買掛金が1,114百万円、短期借入金が769百万円減少したこと等によるものであります。
また、純資産については、前連結会計年度末に比べて283百万円減少し、9,264百万円となりました。これは主に、為替換算調整勘定が234百万円減少したこと等によるものであります。
(3) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度に比べ1,485百万円減少し、3,965百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は、577百万円(前年同期は754百万円の獲得)となりました。これは主に、売上債権の減少が1,423百万円となった一方で、仕入債務の減少が1,028百万円となったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、990百万円(前年同期は885百万円の獲得)となりました。これは主に、定期預金の預入による支出が1,132百万円となったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、986百万円(前年同期は1,604百万円の使用)となりました。これは主に、短期借入金の返済による支出が709百万円となったこと等によるものであります。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、112百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6) 経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し
当社グループは、主要顧客である半導体及びFPD関連企業の設備投資動向により、需要の変動が避けられない状況にあります。また、近年では半導体及びFPDの価格下落に伴う事業採算の悪化から、投資競争の激化とも相俟って、事業の選択と集中による半導体及びFPDメーカーの優劣が鮮明となりつつあり、当社グループの経営成績が、主要顧客企業の競争力により影響を受ける可能性があります。
当社グループといたしましては、これらの状況を踏まえて、顧客ニーズへのきめ細かな対応を通じて、競争力の高い販売先を確保するとともに、営業力の強化及び受注採算の維持・改善が重要な経営課題であると認識しております。
加えて、今後の受注拡大を図るためには、継続的な研究開発による競合他社との差別化、新商品の開発を強化するとともに、優秀な人材の確保と育成が急務となっております。
また、当社グループの海外売上高比率は概ね60%となっており、その地域も韓国・台湾を中心とするエリアから、中国・ベトナム・アメリカ等へと広域化していることから、顧客満足の向上による継続的な受注と迅速な対応を実現させるためには、広域化した現場管理を担う技術者の確保と人材育成が重要であると認識しております。
(7) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金需要は、主に装置受注に伴う原材料及び消耗品等の仕入や製造費用、販売費及び一般管理費等の運転資金のほか、有形・無形固定資産などへの設備資金があります。これらの資金需要に対して、自己資金及び長期・短期借入金にて対応しておりますが、借入金につきましては、主要取引銀行と当座貸越契約及びコミットメントライン契約を締結しており、事業遂行に必要な資金を確保しております。
(8) 経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループの経営陣は、現在の事業環境、顧客ニーズ及び入手可能な情報に基づき、最善な経営方針を立案するよう努めており、アジアの純水市場でリーディング・カンパニーの地位に立つことを中長期的な目標としております。
しかしながら、水処理装置の中心である超純水装置は、既述のとおり主要顧客である半導体及びFPD関連企業の設備投資動向により需要の変動が避けられないことに加え、近年では半導体及びFPD価格の下落に伴う事業採算の悪化から、事業の選択と集中による半導体及びFPDメーカーの優劣が鮮明になっているため、今後も持続的な成長が見込まれる韓国、中国及び台湾を中心とするアジアでの競争力強化、並びに超純水以外の一般水処理の強化及び当社グループの事業領域の拡大、周辺ビジネスの展開による長期安定収益の確保が不可欠であると認識しております。
また、顧客の環境に対するニーズを的確に捉え、環境関連分野を強化することが急務であるとの認識から、これまでに培ってきた超純水に関する技術・ノウハウを活かし、半導体及びFPD周辺事業に関わるRSシリーズ(レジスト剥離剤)、金属除去フィルター等超純水製造装置以外の商品の市場投入に加え、環境に配慮した高付加価値製品の投入、機能水装置の拡販に積極的に取り組んでいく所存であります。
この観点から、アジアを中心とした海外と国内の拠点展開により営業力の強化を図っており、併せて優秀な人材の確保と育成による同業他社との差別化が急務であると認識しております。