有価証券報告書-第160期(2023/04/01-2024/03/31)
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績
当連結会計年度のダイヘングループの事業環境は、半導体関連投資の調整局面が続く厳しい状況となりましたが、東北電機製造株式会社と四変テック株式会社を連結子会社化いたしましたことにより、売上高は前期と同水準の1,885億7千1百万円(前連結会計年度比1.8%増)となりました。利益面におきましては、半導体関連機器の売上高減少の影響が大きく、営業利益は151億4千5百万円(前連結会計年度比14億2千2百万円減)、経常利益は160億8千2百万円(前連結会計年度比15億7千7百万円減)となりましたが、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、上記の子会社株式取得に伴う負ののれん発生益等を計上したことにより、164億9千4百万円(前連結会計年度比33億円増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
なお、当期より報告セグメントとして記載する事業セグメントを変更しており、前期との比較・分析は、変更後の区分に基づいております。
a エネルギーマネジメント
配電機器や国内の工場受電設備の更新が総じて堅調に推移いたしましたことに加え、企業の脱炭素関連投資拡大を背景に太陽光発電自家消費パッケージやEV充電システムの販売が増加いたしました。また、東北電機製造株式会社と四変テック株式会社を連結対象に加えたこともあり、売上高は976億2百万円(前連結会計年度比29.5%増)、営業利益は83億4千3百万円(前連結会計年度比46億7千9百万円増)となりました。
b ファクトリーオートメーション
国内外での生産自動化やEV関連投資等は増加いたしましたが、中国での内需関連投資低迷の影響もあり、売上高は348億6千8百万円(前連結会計年度比3.7%増)に留まりました。また、先行的な経費投入もあり、営業利益は41億3百万円(前連結会計年度比2億1千9百万円減)となりました。
c マテリアルプロセシング
国内の建築業界向けを中心に溶接・接合機器の販売は堅調に推移いたしましたが、スマートフォンやパソコンの需要減少を背景とする半導体メーカの投資先送りの影響が大きく、売上高は559億3千7百万円(前連結会計年度比26.6%減)となり、営業利益は63億2千4百万円(前連結会計年度比60億4千7百万円減)となりました。
d その他
売上高は1億8千5百万円、営業利益は2千8百万円となり、前連結会計年度からの大きな変動はありません。
生産、受注及び販売の実績は次のとおりであります。
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は、販売価格によっております。
② 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
なお、関西電力㈱については、同一企業集団に属する関西電力送配電㈱への販売高を集約して記載しております。
(2) 財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、東北電機製造株式会社、四変テック株式会社及びLorch Schweißtechnik GmbHを連結子会社化したことや、半導体関連機器の売上高減少に伴う棚卸資産の増加及び株価上昇に伴う退職給付に係る資産の増加などにより、2,766億2千4百万円(前連結会計年度末比639億3千3百万円増)となりました。
負債合計は、連結子会社が増加したことや、借入金の増加などにより1,280億2千8百万円(前連結会計年度末比352億4千3百万円増)となりました。
純資産合計は、利益剰余金や為替換算調整勘定の増加などにより1,485億9千5百万円(前連結会計年度末比286億9千万円増)となりました。なお、自己資本比率は前連結会計年度末の53.5%から5.0ポイント減少して48.5%となりました。
セグメントごとの資産は、次のとおりであります。
a エネルギーマネジメント
東北電機製造株式会社と四変テック株式会社を連結子会社化したことや売上債権の増加などにより、エネルギーマネジメントの資産は1,222億7千6百万円(前連結会計年度末比442億4千万円増)となりました。
b ファクトリーオートメーション
売上債権の増加などにより、ファクトリーオートメーションの資産は467億6千5百万円(前連結会計年度末比89億8千5百万円増)となりました。
c マテリアルプロセシング
Lorch Schweißtechnik GmbHを連結子会社化したことや、半導体関連機器の売上高減少に伴う棚卸資産の増加などにより、マテリアルプロセシングの資産は858億8千7百万円(前連結会計年度末比117億5千9百万円増)となりました。
d その他
その他の事業の資産は12億1千5百万円となり、前連結会計年度末からの大きな変動はありません。
(3) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ、72億2千4百万円増加し、220億7千7百万円となりました。
a 営業活動によるキャッシュ・フロー
棚卸資産の増加や仕入債務の減少等により、89億9千3百万円の資金の減少となり、前連結会計年度に比べると、17億6千万円の減少となりました。
b 投資活動によるキャッシュ・フロー
子会社株式や子会社持分の取得による支出等により、105億6千4百万円の資金の減少となり、前連結会計年度に比べると、58億4千7百万円の減少となりました。
c 財務活動によるキャッシュ・フロー
借入れによる収入等により、259億5千4百万円の資金の増加となり、前連結会計年度に比べると、240億5千9百万円の増加となりました。
(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの主要な資金需要は、製品製造のための材料費や製造費用、販売費及び一般管理費、設備投資資金などであります。これらの必要資金は、継続的な利益の蓄積などによる内部資金により賄うことを基本としております。
資金の流動性確保のため、コミットメントライン契約を締結するなど安定的な資金の確保に努める一方、当社及び国内連結子会社においてはCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入することにより各社の余剰資金を当社へ集中し、資金効率の向上を図っております。
(5) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループの2023年度中期計画の基本目標と実績は以下のとおりであります。
2023年度においては、半導体関連投資の調整局面が続く厳しい状況となりましたが、脱炭素関連投資拡大を背景に太陽光発電自家消費パッケージやEV充電システム等の社会課題解決に役立つ製品の開発・市場投入が進みました。
2023年度中期計画の目標と実績
(注) 1 連結売上高に対する開発費の比率。開発費は研究開発費だけでなく特許料などの開発関連費用を含む。
2 現金収入を伴わない負ののれん発生益等を除く配当性向は36.2%となります。
(6) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
a 繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について回収可能性を検討し、当該資産の回収が不確実と考えられる部分に対して評価性引当額を計上しています。回収可能性の判断においては、将来の課税所得見込額等を考慮して、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計上しています。
将来の課税所得見込額はその時の業績等により変動するため、課税所得の見積りに影響を与える要因が発生した場合は、回収懸念額の見直しに伴う繰延税金資産の修正により、当期純損益が変動する可能性があります。
b 退職給付債務及び退職給付費用
退職給付債務及び退職給付費用は、主に数理計算で設定される退職給付債務の割引率、年金資産の長期期待運用収益率等に基づいて計算しています。割引率は、従業員の平均残存勤務期間に対応する期間の安全性の高い長期債利回りを参考に決定し、また、年金資産の長期期待運用収益率は、過去の運用実績及び将来見通し等を基礎として設定しています。割引率及び長期期待運用収益率の変動は、将来の退職給付費用に影響を与える可能性があります。
c 棚卸資産
当社グループは、棚卸資産の評価において原価法(収益性の低下による簿価切下げの方法)を採用しており、棚卸資産について過去の滞留期間ごとの在庫の販売実績や廃却実績をもとに簿価切下げを行っております。実際の将来需要又は市場状況が当社グループによる見積りより悪化した場合、追加の評価減が必要となり、当社グループの業績を悪化させる可能性があります。
d のれん
当社グループは、のれんについて、その効果の発現する期間を見積り、その期間で均等償却します。また、その資産性について子会社の業績や事業計画等を基に検討しており、将来において当初想定していた収益が見込めなくなった場合、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上する可能性があり、当社グループの業績を悪化させる可能性があります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績
当連結会計年度のダイヘングループの事業環境は、半導体関連投資の調整局面が続く厳しい状況となりましたが、東北電機製造株式会社と四変テック株式会社を連結子会社化いたしましたことにより、売上高は前期と同水準の1,885億7千1百万円(前連結会計年度比1.8%増)となりました。利益面におきましては、半導体関連機器の売上高減少の影響が大きく、営業利益は151億4千5百万円(前連結会計年度比14億2千2百万円減)、経常利益は160億8千2百万円(前連結会計年度比15億7千7百万円減)となりましたが、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、上記の子会社株式取得に伴う負ののれん発生益等を計上したことにより、164億9千4百万円(前連結会計年度比33億円増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
なお、当期より報告セグメントとして記載する事業セグメントを変更しており、前期との比較・分析は、変更後の区分に基づいております。
a エネルギーマネジメント
配電機器や国内の工場受電設備の更新が総じて堅調に推移いたしましたことに加え、企業の脱炭素関連投資拡大を背景に太陽光発電自家消費パッケージやEV充電システムの販売が増加いたしました。また、東北電機製造株式会社と四変テック株式会社を連結対象に加えたこともあり、売上高は976億2百万円(前連結会計年度比29.5%増)、営業利益は83億4千3百万円(前連結会計年度比46億7千9百万円増)となりました。
b ファクトリーオートメーション
国内外での生産自動化やEV関連投資等は増加いたしましたが、中国での内需関連投資低迷の影響もあり、売上高は348億6千8百万円(前連結会計年度比3.7%増)に留まりました。また、先行的な経費投入もあり、営業利益は41億3百万円(前連結会計年度比2億1千9百万円減)となりました。
c マテリアルプロセシング
国内の建築業界向けを中心に溶接・接合機器の販売は堅調に推移いたしましたが、スマートフォンやパソコンの需要減少を背景とする半導体メーカの投資先送りの影響が大きく、売上高は559億3千7百万円(前連結会計年度比26.6%減)となり、営業利益は63億2千4百万円(前連結会計年度比60億4千7百万円減)となりました。
d その他
売上高は1億8千5百万円、営業利益は2千8百万円となり、前連結会計年度からの大きな変動はありません。
生産、受注及び販売の実績は次のとおりであります。
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前期比(%) |
エネルギーマネジメント | 83,051 | 133.8 |
ファクトリーオートメーション | 27,357 | 110.6 |
マテリアルプロセシング | 34,543 | 89.9 |
その他 | - | - |
合計 | 144,953 | 115.8 |
(注) 金額は、販売価格によっております。
② 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前期比(%) | 受注残高(百万円) | 前期比(%) |
エネルギーマネジメント | 128,788 | 152.4 | 79,659 | 164.3 |
ファクトリーオートメーション | 30,636 | 88.7 | 3,708 | 46.8 |
マテリアルプロセシング | 53,900 | 84.6 | 11,143 | 84.6 |
その他 | 185 | 102.8 | - | - |
合計 | 213,510 | 116.7 | 94,511 | 135.8 |
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前期比(%) |
エネルギーマネジメント | 97,602 | 129.5 |
ファクトリーオートメーション | 34,868 | 103.7 |
マテリアルプロセシング | 55,937 | 73.4 |
その他 | 185 | 102.8 |
小計 | 188,594 | 101.8 |
消去 | △22 | |
合計 | 188,571 | 101.8 |
(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
なお、関西電力㈱については、同一企業集団に属する関西電力送配電㈱への販売高を集約して記載しております。
相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
関西電力㈱ | 21,271 | 11.5 | 25,482 | 13.5 |
東京エレクトロン宮城㈱ | 44,272 | 23.9 | 25,338 | 13.4 |
(2) 財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、東北電機製造株式会社、四変テック株式会社及びLorch Schweißtechnik GmbHを連結子会社化したことや、半導体関連機器の売上高減少に伴う棚卸資産の増加及び株価上昇に伴う退職給付に係る資産の増加などにより、2,766億2千4百万円(前連結会計年度末比639億3千3百万円増)となりました。
負債合計は、連結子会社が増加したことや、借入金の増加などにより1,280億2千8百万円(前連結会計年度末比352億4千3百万円増)となりました。
純資産合計は、利益剰余金や為替換算調整勘定の増加などにより1,485億9千5百万円(前連結会計年度末比286億9千万円増)となりました。なお、自己資本比率は前連結会計年度末の53.5%から5.0ポイント減少して48.5%となりました。
セグメントごとの資産は、次のとおりであります。
a エネルギーマネジメント
東北電機製造株式会社と四変テック株式会社を連結子会社化したことや売上債権の増加などにより、エネルギーマネジメントの資産は1,222億7千6百万円(前連結会計年度末比442億4千万円増)となりました。
b ファクトリーオートメーション
売上債権の増加などにより、ファクトリーオートメーションの資産は467億6千5百万円(前連結会計年度末比89億8千5百万円増)となりました。
c マテリアルプロセシング
Lorch Schweißtechnik GmbHを連結子会社化したことや、半導体関連機器の売上高減少に伴う棚卸資産の増加などにより、マテリアルプロセシングの資産は858億8千7百万円(前連結会計年度末比117億5千9百万円増)となりました。
d その他
その他の事業の資産は12億1千5百万円となり、前連結会計年度末からの大きな変動はありません。
(3) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ、72億2千4百万円増加し、220億7千7百万円となりました。
a 営業活動によるキャッシュ・フロー
棚卸資産の増加や仕入債務の減少等により、89億9千3百万円の資金の減少となり、前連結会計年度に比べると、17億6千万円の減少となりました。
b 投資活動によるキャッシュ・フロー
子会社株式や子会社持分の取得による支出等により、105億6千4百万円の資金の減少となり、前連結会計年度に比べると、58億4千7百万円の減少となりました。
c 財務活動によるキャッシュ・フロー
借入れによる収入等により、259億5千4百万円の資金の増加となり、前連結会計年度に比べると、240億5千9百万円の増加となりました。
(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの主要な資金需要は、製品製造のための材料費や製造費用、販売費及び一般管理費、設備投資資金などであります。これらの必要資金は、継続的な利益の蓄積などによる内部資金により賄うことを基本としております。
資金の流動性確保のため、コミットメントライン契約を締結するなど安定的な資金の確保に努める一方、当社及び国内連結子会社においてはCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入することにより各社の余剰資金を当社へ集中し、資金効率の向上を図っております。
(5) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループの2023年度中期計画の基本目標と実績は以下のとおりであります。
2023年度においては、半導体関連投資の調整局面が続く厳しい状況となりましたが、脱炭素関連投資拡大を背景に太陽光発電自家消費パッケージやEV充電システム等の社会課題解決に役立つ製品の開発・市場投入が進みました。
2023年度中期計画の目標と実績
2023年度中計目標 | 2023年度 実 績 | |
売 上 高 | 2,000億円以上 | 1,885億円 |
営 業 利 益 率 | 10%以上 | 8.0% |
R O E | 12%以上 | 13.3% |
開 発 費 率 (注)1 | 6%以上 | 4.1% |
(単年度利益に対する) 配当性向 (注)2 | 30%以上 | 24.5% |
(注) 1 連結売上高に対する開発費の比率。開発費は研究開発費だけでなく特許料などの開発関連費用を含む。
2 現金収入を伴わない負ののれん発生益等を除く配当性向は36.2%となります。
(6) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
a 繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について回収可能性を検討し、当該資産の回収が不確実と考えられる部分に対して評価性引当額を計上しています。回収可能性の判断においては、将来の課税所得見込額等を考慮して、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計上しています。
将来の課税所得見込額はその時の業績等により変動するため、課税所得の見積りに影響を与える要因が発生した場合は、回収懸念額の見直しに伴う繰延税金資産の修正により、当期純損益が変動する可能性があります。
b 退職給付債務及び退職給付費用
退職給付債務及び退職給付費用は、主に数理計算で設定される退職給付債務の割引率、年金資産の長期期待運用収益率等に基づいて計算しています。割引率は、従業員の平均残存勤務期間に対応する期間の安全性の高い長期債利回りを参考に決定し、また、年金資産の長期期待運用収益率は、過去の運用実績及び将来見通し等を基礎として設定しています。割引率及び長期期待運用収益率の変動は、将来の退職給付費用に影響を与える可能性があります。
c 棚卸資産
当社グループは、棚卸資産の評価において原価法(収益性の低下による簿価切下げの方法)を採用しており、棚卸資産について過去の滞留期間ごとの在庫の販売実績や廃却実績をもとに簿価切下げを行っております。実際の将来需要又は市場状況が当社グループによる見積りより悪化した場合、追加の評価減が必要となり、当社グループの業績を悪化させる可能性があります。
d のれん
当社グループは、のれんについて、その効果の発現する期間を見積り、その期間で均等償却します。また、その資産性について子会社の業績や事業計画等を基に検討しており、将来において当初想定していた収益が見込めなくなった場合、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上する可能性があり、当社グループの業績を悪化させる可能性があります。