有価証券報告書-第155期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。
(1) 経営成績
当連結会計年度のダイヘングループを取り巻く経営環境は、前連結会計年度より拡大基調で推移しておりました半導体関連投資の先送り傾向が顕著になりましたことなどから、受注高は1,407億1千2百万円(前連結会計年度比7.2%減)、売上高につきましても1,434億5千7百万円(前連結会計年度比4.0%減)となりました。
利益面におきましては、耐震対策工事に伴う経費増加や素材価格上昇の影響もあり、営業利益は83億6千9百万円(前連結会計年度比16億8千5百万円減)、経常利益は87億1千7百万円(前連結会計年度比15億2千7百万円減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益につきましても、61億6千6百万円(前連結会計年度比6億6千4百万円減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
a 電力機器事業
エネルギーマネジメント関連ビジネスの進展もあり、受注高は680億1千7百万円(前連結会計年度比3.9%増)となりましたが、東南アジアでの民間需要の減少により、売上高は650億7百万円(前連結会計年度比1.7%減)となりました。また、国内生産拠点での工場建替えに伴う減価償却費増加や銅価格上昇等の影響により、営業利益は37億9千6百万円(前連結会計年度比4億2千1百万円減)、営業利益率は5.8%(前連結会計年度比0.6ポイント減)となりました。
b 溶接メカトロ事業
中国市場の減速感は強まりましたが、日本国内の建設関連投資や東南アジア・欧州での自動車関連投資が堅調に推移する中、ロボットシステムの生産能力増強並びに、最新の設備を備えた中部テクニカルセンターの新設や国内外での顧客巡回サービス強化などによる顧客サポート力向上に努めてまいりました。その結果、受注高は457億4千6百万円(前連結会計年度比5.9%増)、売上高は446億3千3百万円(前連結会計年度比0.4%増)となりました。営業利益は、コストダウンの効果もあり、44億9千4百万円(前連結会計年度比11億3千2百万円増)、営業利益率は10.1%(前連結会計年度比2.5ポイント増)となりました。
c 半導体関連機器事業
データセンター関連投資の先送りや半導体メモリーの価格低下に伴い半導体製造装置の投資が調整局面となりましたことから、受注高は267億4千8百万円(前連結会計年度比37.5%減)、売上高は336億5千万円(前連結会計年度比13.0%減)となり、利益面におきましては、売上高減少の影響に加えこれまでに実施した増産対応投資に伴うコスト増加もあり、営業利益は39億5千2百万円(前連結会計年度比24億6千5百万円減)、営業利益率は11.7%(前連結会計年度比4.9ポイント減)となりました。
d その他
売上高は1億9千9百万円、営業利益は7千7百万円となり、前連結会計年度からの大きな変動はありません。
生産、受注及び販売の実績は次のとおりであります。
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は、販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
② 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、たな卸資産が増加する一方、現金及び預金や受取手形及び売掛金の減少に加え、株価下落の影響などによる投資有価証券の減少もあり、1,675億7千5百万円(前連結会計年度末比2億2千8百万円減)となりました。
負債合計は、借入金が増加する一方、支払手形及び買掛金や賞与引当金の減少により848億7千1百万円(前連結会計年度末比8億2千4百万円減)となりました。
純資産合計は、その他有価証券評価差額金や為替換算調整勘定が減少する一方、利益剰余金の増加により827億3百万円(前連結会計年度末比5億9千6百万円増)となりました。なお、自己資本比率は前連結会計年度末の45.7%から0.5ポイント増加して46.2%となりました。
セグメントごとの資産は、次のとおりであります。
a 電力機器事業
売上債権やたな卸資産の増加などにより、電力機器事業の資産は687億3千8百万円(前連結会計年度末比23億6百万円増)となりました。
b 溶接メカトロ事業
中部テクニカルセンターの建設に伴う有形固定資産の増加などにより、溶接メカトロ事業の資産は488億3千8百万円(前連結会計年度末比12億5千3百万円増)となりました。
c 半導体関連機器事業
売上債権が減少する一方、たな卸資産の増加や検査設備増強などに伴う有形固定資産の増加により、半導体関連機器事業の資産は272億8千1百万円(前連結会計年度末比6億5千6百万円増)となりました。
d その他
その他の事業の総資産は12億1千5百万円となり、前連結会計年度末からの大きな変動はありません。
(3) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ、12億6千7百万円減少し、124億3百万円となりました。
a 営業活動によるキャッシュ・フロー
税金等調整前当期純利益などにより、20億8千1百万円の資金の増加となりましたが、前連結会計年度に比べると、仕入債務の減少などにより、38億6千1百万円の減少となりました。
b 投資活動によるキャッシュ・フロー
有形固定資産の取得などにより73億5千8百万円の資金の減少となりましたが、前連結会計年度に比べると、有形固定資産の売却による収入の増加などにより、6億4千8百万円の増加となりました。
c 財務活動によるキャッシュ・フロー
借入金の増加などにより44億3千4百万円の資金の増加となり、前連結会計年度に比べると、27億5千5百万円の増加となりました。
(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの主要な資金需要は、製品製造のための材料費や製造費用、販売費及び一般管理費、設備投資資金などであります。これらの必要資金は、継続的な利益の蓄積などによる内部資金により賄うことを基本としております。
資金の流動性確保のため、コミットメントライン契約を締結するなど安定的な資金の確保に努める一方、当社及び国内連結子会社においてはCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入することにより各社の余剰資金を当社へ集中し、資金効率の向上を図っております。
当連結会計年度におきましては、ロボットシステム生産工場の増築、テクニカルセンターの建設、生産自動化関連投資などを実施し、営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを差引いたフリー・キャッシュ・フローが52億7千6百万円の支出超過となったため、金融機関から必要資金を調達いたしました。
(5) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2020年度中期経営計画の基本目標として下記の数値を掲げております。
2018年度においては、半導体関連投資の先送り傾向が顕著になりましたことや素材価格上昇などの影響がありましたが、引き続き「ロスカット活動」による生産性向上・コスト水準の引き下げを実現し、社会的課題の解決に資する「ダイヘンならではの製品価値」を創出するための開発投資に振り向けていくことにより、各事業の強化、業績の向上に努めてまいります。
(注) 連結売上高に対する開発費の比率。開発費は研究開発費だけでなく
特許料などの開発関連費用を含む。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。
(1) 経営成績
当連結会計年度のダイヘングループを取り巻く経営環境は、前連結会計年度より拡大基調で推移しておりました半導体関連投資の先送り傾向が顕著になりましたことなどから、受注高は1,407億1千2百万円(前連結会計年度比7.2%減)、売上高につきましても1,434億5千7百万円(前連結会計年度比4.0%減)となりました。
利益面におきましては、耐震対策工事に伴う経費増加や素材価格上昇の影響もあり、営業利益は83億6千9百万円(前連結会計年度比16億8千5百万円減)、経常利益は87億1千7百万円(前連結会計年度比15億2千7百万円減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益につきましても、61億6千6百万円(前連結会計年度比6億6千4百万円減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
a 電力機器事業
エネルギーマネジメント関連ビジネスの進展もあり、受注高は680億1千7百万円(前連結会計年度比3.9%増)となりましたが、東南アジアでの民間需要の減少により、売上高は650億7百万円(前連結会計年度比1.7%減)となりました。また、国内生産拠点での工場建替えに伴う減価償却費増加や銅価格上昇等の影響により、営業利益は37億9千6百万円(前連結会計年度比4億2千1百万円減)、営業利益率は5.8%(前連結会計年度比0.6ポイント減)となりました。
b 溶接メカトロ事業
中国市場の減速感は強まりましたが、日本国内の建設関連投資や東南アジア・欧州での自動車関連投資が堅調に推移する中、ロボットシステムの生産能力増強並びに、最新の設備を備えた中部テクニカルセンターの新設や国内外での顧客巡回サービス強化などによる顧客サポート力向上に努めてまいりました。その結果、受注高は457億4千6百万円(前連結会計年度比5.9%増)、売上高は446億3千3百万円(前連結会計年度比0.4%増)となりました。営業利益は、コストダウンの効果もあり、44億9千4百万円(前連結会計年度比11億3千2百万円増)、営業利益率は10.1%(前連結会計年度比2.5ポイント増)となりました。
c 半導体関連機器事業
データセンター関連投資の先送りや半導体メモリーの価格低下に伴い半導体製造装置の投資が調整局面となりましたことから、受注高は267億4千8百万円(前連結会計年度比37.5%減)、売上高は336億5千万円(前連結会計年度比13.0%減)となり、利益面におきましては、売上高減少の影響に加えこれまでに実施した増産対応投資に伴うコスト増加もあり、営業利益は39億5千2百万円(前連結会計年度比24億6千5百万円減)、営業利益率は11.7%(前連結会計年度比4.9ポイント減)となりました。
d その他
売上高は1億9千9百万円、営業利益は7千7百万円となり、前連結会計年度からの大きな変動はありません。
生産、受注及び販売の実績は次のとおりであります。
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前年同期比(%) |
電力機器事業 | 57,743 | 99.3 |
溶接メカトロ事業 | 28,091 | 96.1 |
半導体関連機器事業 | 21,409 | 97.5 |
その他 | - | - |
合計 | 107,243 | 98.1 |
(注) 1 金額は、販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
② 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高(百万円) | 前年同期比(%) |
電力機器事業 | 68,017 | 103.9 | 33,755 | 109.8 |
溶接メカトロ事業 | 45,746 | 105.9 | 4,739 | 131.8 |
半導体関連機器事業 | 26,748 | 62.5 | 7,181 | 51.0 |
その他 | 199 | 99.1 | - | - |
合計 | 140,712 | 92.8 | 45,676 | 94.3 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
電力機器事業 | 65,007 | 98.3 |
溶接メカトロ事業 | 44,633 | 100.4 |
半導体関連機器事業 | 33,650 | 87.0 |
その他 | 199 | 99.1 |
小計 | 143,490 | 96.0 |
消去 | △33 | |
合計 | 143,457 | 96.0 |
(注) 1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
東京エレクトロン宮城㈱ | 25,455 | 17.0 | 20,721 | 14.4 |
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、たな卸資産が増加する一方、現金及び預金や受取手形及び売掛金の減少に加え、株価下落の影響などによる投資有価証券の減少もあり、1,675億7千5百万円(前連結会計年度末比2億2千8百万円減)となりました。
負債合計は、借入金が増加する一方、支払手形及び買掛金や賞与引当金の減少により848億7千1百万円(前連結会計年度末比8億2千4百万円減)となりました。
純資産合計は、その他有価証券評価差額金や為替換算調整勘定が減少する一方、利益剰余金の増加により827億3百万円(前連結会計年度末比5億9千6百万円増)となりました。なお、自己資本比率は前連結会計年度末の45.7%から0.5ポイント増加して46.2%となりました。
セグメントごとの資産は、次のとおりであります。
a 電力機器事業
売上債権やたな卸資産の増加などにより、電力機器事業の資産は687億3千8百万円(前連結会計年度末比23億6百万円増)となりました。
b 溶接メカトロ事業
中部テクニカルセンターの建設に伴う有形固定資産の増加などにより、溶接メカトロ事業の資産は488億3千8百万円(前連結会計年度末比12億5千3百万円増)となりました。
c 半導体関連機器事業
売上債権が減少する一方、たな卸資産の増加や検査設備増強などに伴う有形固定資産の増加により、半導体関連機器事業の資産は272億8千1百万円(前連結会計年度末比6億5千6百万円増)となりました。
d その他
その他の事業の総資産は12億1千5百万円となり、前連結会計年度末からの大きな変動はありません。
(3) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ、12億6千7百万円減少し、124億3百万円となりました。
a 営業活動によるキャッシュ・フロー
税金等調整前当期純利益などにより、20億8千1百万円の資金の増加となりましたが、前連結会計年度に比べると、仕入債務の減少などにより、38億6千1百万円の減少となりました。
b 投資活動によるキャッシュ・フロー
有形固定資産の取得などにより73億5千8百万円の資金の減少となりましたが、前連結会計年度に比べると、有形固定資産の売却による収入の増加などにより、6億4千8百万円の増加となりました。
c 財務活動によるキャッシュ・フロー
借入金の増加などにより44億3千4百万円の資金の増加となり、前連結会計年度に比べると、27億5千5百万円の増加となりました。
(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの主要な資金需要は、製品製造のための材料費や製造費用、販売費及び一般管理費、設備投資資金などであります。これらの必要資金は、継続的な利益の蓄積などによる内部資金により賄うことを基本としております。
資金の流動性確保のため、コミットメントライン契約を締結するなど安定的な資金の確保に努める一方、当社及び国内連結子会社においてはCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入することにより各社の余剰資金を当社へ集中し、資金効率の向上を図っております。
当連結会計年度におきましては、ロボットシステム生産工場の増築、テクニカルセンターの建設、生産自動化関連投資などを実施し、営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを差引いたフリー・キャッシュ・フローが52億7千6百万円の支出超過となったため、金融機関から必要資金を調達いたしました。
(5) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2020年度中期経営計画の基本目標として下記の数値を掲げております。
2018年度においては、半導体関連投資の先送り傾向が顕著になりましたことや素材価格上昇などの影響がありましたが、引き続き「ロスカット活動」による生産性向上・コスト水準の引き下げを実現し、社会的課題の解決に資する「ダイヘンならではの製品価値」を創出するための開発投資に振り向けていくことにより、各事業の強化、業績の向上に努めてまいります。
2020年度 中計目標 | 2018年度 実 績 | |
売 上 高 | 1,800億円以上 | 1,434億円 |
営業利益率 | 8%以上 | 5.8% |
R O E | 10%以上 | 8.0% |
開発費率 (注) | 5%以上 | 5.0% |
連結配当性向 (3年平均利益) | 30% | 31.2% |
(注) 連結売上高に対する開発費の比率。開発費は研究開発費だけでなく
特許料などの開発関連費用を含む。