有価証券報告書-第92期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
a.財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ15億3千3百万円増加し616億9千7百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ7億2千5百万円増加し441億5千6百万円となりました。その主な要因は、受取手形を含む売掛債権が3億9千2百万円、現金及び預金が12億9千9百万円それぞれ減少したものの、たな卸資産が19億2千8百万円増加したこと等が挙げられます。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ8億7百万円増加し175億4千1百万円となりました。その主な要因は、繰延税金資産が2億9千万円減少したものの、投資有価証券が9億7千8百万円増加したこと等が挙げられます。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ10億3百万円増加し121億6千4百万円となりました。その主な要因は、短期借入金(1年内返済予定の長期借入金含む)が6億1千6百万円減少したものの、支払手形を含む仕入債務が17億9千6百万円増加したこと等が挙げられます。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ1億8千6百万円減少し40億1千1百万円となりました。その主な要因は、長期借入金が1億3千万円、その他に含まれる長期未払金が4億1千2百万円それぞれ増加したものの、役員退職慰労引当金が6億5千1百万円、退職給付に係る負債が1億1千7百万円それぞれ減少したこと等が挙げられます。
純資産は、前連結会計年度末に比べ7億1千5百万円増加し455億2千2百万円となりました。その主な要因は、その他有価証券評価差額金が3億1千8百万円、退職給付に係る調整累計額が2億8千万円それぞれ増加したこと等が挙げられます。
b.経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用環境の改善及び輸出の増加を背景に回復基調が継続いたしました。一方で、新興国経済の先行きや、米国を中心とした政策に関する不確実性の高まりから、わが国経済の先行きは不透明な状況が続いております。
当社グループの関係しております電気通信関連業界におきましては、移動通信関連分野ではLTE及びLTE-Advancedのサービスの拡充に伴うアンテナ需要が継続しております。また、固定無線関連分野においては防災行政無線の需要が継続しており、放送関連分野ではFM補完局等の需要が発生しております。高周波応用機器業界におきましては、国内向けを中心に需要に回復の動きが出ております。なお、電気通信関連業界・高周波応用機器業界ともに価格競争が激化していることから、受注を巡る環境は厳しいものとなっております。
このような情勢の中で、当社グループはコーポレート・ガバナンスをより一層推進するために、企業行動憲章を遵守し、内部統制制度の充実と定着を図り、企業の社会的責任を果たした上で、業務改善活動を積極的に進め、業績向上に努めてまいりました。
その結果、受注高は前年同期比0.4%増の426億1千4百万円となり、売上高は前年同期比7.8%増の430億2千2百万円となりました。
利益の面では、営業利益は前年同期比59.9%増の15億1千8百万円、経常利益は前年同期比91.2%増の18億2千3百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、前年同期比48.0%増の8億4百万円となりました。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。(報告セグメント等の業績については、セグメント間の内部売上高等を含めて記載しております。)
(電気通信関連事業)
当事業では、移動通信関連分野においては、スマートフォンの普及に伴う通信量の増加に対応するため、移動通信事業者によるLTEの基地局投資が積極的に進められており、LTEサービスの拡充に伴い複数の周波数が使用されるようになっております。このため、複数の周波数に対応可能な多周波共用アンテナの需要が継続しております。また、LTE-Advancedに対応した3.5GHz帯のアンテナ需要も発生しております。固定無線関連分野においては、各自治体における防災体制強化とデジタル化の動きに伴って防災行政無線需要が継続しております。放送関連分野においては、地上波アナログテレビ放送の1~3チャンネルに使用されておりましたV-Low帯の活用として、FM方式によるAMラジオ放送の補完局需要やV-Lowマルチメディア放送関連需要が発生しております。その他分野としては、LED航空障害灯やサーマルカメラシステムの需要開拓を進めております。なお、いずれの分野においても価格競争の激化により、受注環境は厳しさを増しております。このような環境のもと、当事業分野では、従来方法にとらわれない変革により、業務プロセスの効率化を推進するとともに、製造原価の低減と競争力の向上に取り組んでまいりました。
その結果、受注高は前年同期比5.7%減の318億5千3百万円、売上高は前年同期比9.5%増の334億4百万円となりました。また、セグメント利益(営業利益)につきましては、前年同期比8.3%増の23億6千2百万円となりました。
(高周波関連事業)
当事業では、主力であります高周波誘導加熱装置においては、一時的に設備投資需要が弱含んでおりましたが、国内向け需要の復調を背景に受注が回復しております。また、熱処理受託加工についても、自動車関連業界の新興国市場における拡大と国内生産の増加から堅調に推移しております。このような環境のもと、当事業分野では、新規市場・新規ユーザーの開拓に加え、モジュール化の推進による利益の拡大に取り組んでまいりました。
その結果、受注高は前年同期比24.2%増の107億6千1百万円、売上高は前年同期比2.5%増の95億5千9百万円となりました。また、セグメント利益(営業利益)につきましては、前年同期比22.5%増の15億2千8百万円となりました。
(その他)
その他事業は、土地・事務所等の子会社等への賃貸を行う設備貸付事業並びに売電事業であります。売上高については前年同期比0.5%減の4億1千3百万円となりました。また、セグメント利益(営業利益)につきましては、前年同期比2.4%増の2億3千5百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は、前連結会計年度末に比べ27億2百万円減少し、当連結会計年度末には100億6千6百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は23億9千8百万円(前年同期は9億5千6百万円の獲得)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益の計上17億5百万円、仕入債務の増加17億4千1百万円等の増加要因に対し、たな卸資産の増加13億4千4百万円等の減少要因が下回ったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は36億1千万円(前年同期は68億8千8百万円の使用)となりました。これは主に定期預金の純増による支出14億9千5百万円、有形及び無形固定資産の取得による支出12億4千4百万円、投資有価証券の取得による支出8億3千9百万円等の減少要因によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は15億6百万円(前年同期は17億9千3百万円の使用)となりました。これは主に短期借入金の純減額5億3千3百万円、配当金の支払額9億1千6百万円等の減少要因によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 電気通信関連事業のうち、工事に係わる生産実績を定義することが困難であるため、上記生産実績から除いて表示しております。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.売上実績
当連結会計年度における売上実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 「その他」区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、設備貸付事業並びに売電事業を含んでおります。
4 主な相手先別の売上実績及び当該売上実績の総売上実績に対する割合
(注) 前連結会計年度の㈱NTTドコモについては、当該割合が100分の10未満のため、記載を省略しております。
なお、参考のため提出会社単独の事業の状況は次のとおりであります。(各事項の記載については、消費税等抜きの金額を表示しております。)
電気通信関連事業
a.受注高、売上高、繰越高及び施工高
(注)1 前期以前に受注した物件で、契約の更改により受注金額に変更のあるものについては、当期受注高にその増減額を含んでおります。したがって、当期売上高にもかかる増減額が含まれております。
2 次期繰越高のうち、施工高は、支出金により物件毎の進捗度を勘案して手持高中の施工高を推定したものであります。
3 当期施工高は、(当期売上高+次期繰越施工高-前期繰越施工高)に一致いたします。
b.受注工事高の受注方法別比率
工事の受注方法は、特命と競争に大別されております。
(注) 上記%は、請負金額比であります。
c.売上高
(注)1 完成工事高
2 製品売上高
3 売上高のうち主なものは次のとおりであります。
前事業年度の売上高のうち主なもの
当事業年度の売上高のうち主なもの
4 売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上高及びその割合
d.手持高(平成30年3月31日現在)
手持高のうち主なものは次のとおりであります。
高周波関連事業
a.生産実績
(注) 金額は販売価格で示しております。
b.受注実績
(注) 受注品目が多岐にわたり、数量の表示は困難であるため記載しておりません。
c.販売実績
(注)1 販売品目が多岐にわたり、数量の表示は困難であるため記載しておりません。
2 売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上高及びその割合
3 電気通信関連事業の設備・機材当期売上高に上記販売実績を合算した金額が、提出会社の損益計算書の製品売上高に一致いたします。
その他の事業
a.売上実績
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、将来の特定の費用又は損失であって、その発生が過去の実績や状況に応じ合理的にその金額を見積ることができる場合には費用又は損失として認識しております。ただし実際の結果は、見積り特有の不確実性を伴うため、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、売上高430億2千2百万円(前年同期比7.8%増)、営業利益15億1千8百万円(前年同期比59.9%増)となり、前連結会計年度に比べ増収増益となりました。
その主な要因を報告セグメント別にみますと、電気通信関連事業においては、移動通信関連分野においてLTEサービスの拡充に伴う複数の周波数に対応可能な多周波共用アンテナの需要が増加したことに加え、エリア拡大を背景にLTE-Advanced対応アンテナの需要も寄与し、前連結会計年度に比べ業績が改善しました。また、放送関連分野においてもV-Low帯の需要を確実に取り込めたことなどの要因もあり、前連結会計年度に比べ増収となりました。固定無線関連分野においては前連結会計年度に比べ減収となったものの、電気通信関連事業全体では、前連結会計年度に比べ増収増益となりました。高周波関連事業においては、高周波誘導加熱装置における国内向け需要の復調を背景に受注が回復し、加えて熱処理受託加工においても自動車関連業界の生産増加を背景に堅調に推移しました。さらには、モジュール化及び内製化の推進による原価低減の効果もあり、前連結会計年度に比べ増収増益となりました。なお、売上高及び営業利益の詳細につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b.経営成績」に記載しております。
経常利益につきましては、前連結会計年度に比べ、受取配当金の増加や為替差損の影響がなくなったこともあり、前年同期比91.2%増の18億2千3百万円となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、非連結子会社株式の減損処理の影響並びに非支配株主に帰属する当期純利益の増加などを受け、経常利益と比較して増益幅は縮小したものの、前年同期比48.0%増の8億4百万円となりました。
そのような状況の中で、当社は、経営環境の変化に迅速に対応し、事業の継続性と安定した収益の確保を目指すとともに企業価値の増大を図ることを基本に事業を推進するよう努めております。当社の経営理念である「優れた製品を社会に提供し、社会に貢献する」、「時代のニーズを先取りし、失敗を恐れぬチャレンジ精神の溢れた前向きの企業たることを期す」、「絶えず生産性の向上に務め、常に適正な利益を確保する」「一社一家、グループ一家の和の精神をもって発展成長し、社員の生活向上に務める」並びに「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)中長期的な会社の経営戦略」に記載されている経営重点方針のもと、企業価値を高め、株主の皆様や顧客各位のご期待に応えることに向け取り組んでまいります。
今後につきましては、電気通信関連事業のうち移動通信関連分野では、LTEに対応した多周波共用アンテナやLTE-Advancedに対応したアンテナ需要の獲得に加え、新たに割り当てられた周波数に対応したアンテナ需要の取り込みのほか、5Gのネットワーク構築に向けた対応や移動通信鉄塔のメンテナンス需要の獲得にも取り組んでまいります。固定無線関連分野では、引き続き防災行政無線の需要獲得に注力し、放送関連分野では、V-Low帯の新たな活用需要であるFM補完局や地上波デジタル放送の初期段階に設置した設備の更新・保守需要の取り込みを図ってまいります。このほか、新規事業であるLED航空障害灯やサーマルカメラシステム等の需要開拓にも引き続き注力いたします。高周波関連事業においては、米国、タイ、中国、韓国の各海外拠点との連携強化を図り、日系自動車関連メーカーを始めとした各メーカーの設備投資需要の取り込みを強化するとともに、自動車関連以外の分野への需要拡大も進めてまいります。
③経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、業界の動向や取引先の動向、あるいは外部環境の変化等によっては、所期の目標を達成できない可能性があります。
④資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの運転資金需要のうち主なものは製品及び原材料の購入費、外注費のほか、製造経費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。これらの資金の源泉は、自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としております。また、生産設備の増強・合理化・更新等を含めた設備投資や長期運転資金の必要性が生じた際は、リースや金融機関からの長期借入を行う場合があります。
当連結会計年度におきましては、営業活動において23億9千8百万円の資金を獲得したものの、投資活動において36億1千万円並びに財務活動において15億6百万円それぞれ使用したこと等から、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度に比べ27億2百万円減少し100億6千6百万円となりました。また、預入期間が3ヶ月を超える定期預金を含めた現金及び預金の残高につきましては、前連結会計年度末に比べ12億9千9百万円減少し184億4千4百万円となりました。
なお、キャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
⑤経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは受注型の事業形態であるため、顧客の設備投資動向によって売上高が大きく変動することから、売上高に対してどの程度の利益を確保できるかということを重視し、特に売上高営業利益率を主要な指標として捉えております。
当連結会計年度における売上高営業利益率は3.5%でありましたが、既存事業の着実な取組み、新規事業の推進並びに原価低減活動を積極的に進め、中長期的には売上高営業利益率8%以上を目標とし、また、併せて効率的な経営を推進することにより株主資本利益率の向上を目指し努力してまいります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
a.財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ15億3千3百万円増加し616億9千7百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ7億2千5百万円増加し441億5千6百万円となりました。その主な要因は、受取手形を含む売掛債権が3億9千2百万円、現金及び預金が12億9千9百万円それぞれ減少したものの、たな卸資産が19億2千8百万円増加したこと等が挙げられます。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ8億7百万円増加し175億4千1百万円となりました。その主な要因は、繰延税金資産が2億9千万円減少したものの、投資有価証券が9億7千8百万円増加したこと等が挙げられます。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ10億3百万円増加し121億6千4百万円となりました。その主な要因は、短期借入金(1年内返済予定の長期借入金含む)が6億1千6百万円減少したものの、支払手形を含む仕入債務が17億9千6百万円増加したこと等が挙げられます。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ1億8千6百万円減少し40億1千1百万円となりました。その主な要因は、長期借入金が1億3千万円、その他に含まれる長期未払金が4億1千2百万円それぞれ増加したものの、役員退職慰労引当金が6億5千1百万円、退職給付に係る負債が1億1千7百万円それぞれ減少したこと等が挙げられます。
純資産は、前連結会計年度末に比べ7億1千5百万円増加し455億2千2百万円となりました。その主な要因は、その他有価証券評価差額金が3億1千8百万円、退職給付に係る調整累計額が2億8千万円それぞれ増加したこと等が挙げられます。
b.経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用環境の改善及び輸出の増加を背景に回復基調が継続いたしました。一方で、新興国経済の先行きや、米国を中心とした政策に関する不確実性の高まりから、わが国経済の先行きは不透明な状況が続いております。
当社グループの関係しております電気通信関連業界におきましては、移動通信関連分野ではLTE及びLTE-Advancedのサービスの拡充に伴うアンテナ需要が継続しております。また、固定無線関連分野においては防災行政無線の需要が継続しており、放送関連分野ではFM補完局等の需要が発生しております。高周波応用機器業界におきましては、国内向けを中心に需要に回復の動きが出ております。なお、電気通信関連業界・高周波応用機器業界ともに価格競争が激化していることから、受注を巡る環境は厳しいものとなっております。
このような情勢の中で、当社グループはコーポレート・ガバナンスをより一層推進するために、企業行動憲章を遵守し、内部統制制度の充実と定着を図り、企業の社会的責任を果たした上で、業務改善活動を積極的に進め、業績向上に努めてまいりました。
その結果、受注高は前年同期比0.4%増の426億1千4百万円となり、売上高は前年同期比7.8%増の430億2千2百万円となりました。
利益の面では、営業利益は前年同期比59.9%増の15億1千8百万円、経常利益は前年同期比91.2%増の18億2千3百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、前年同期比48.0%増の8億4百万円となりました。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。(報告セグメント等の業績については、セグメント間の内部売上高等を含めて記載しております。)
(電気通信関連事業)
当事業では、移動通信関連分野においては、スマートフォンの普及に伴う通信量の増加に対応するため、移動通信事業者によるLTEの基地局投資が積極的に進められており、LTEサービスの拡充に伴い複数の周波数が使用されるようになっております。このため、複数の周波数に対応可能な多周波共用アンテナの需要が継続しております。また、LTE-Advancedに対応した3.5GHz帯のアンテナ需要も発生しております。固定無線関連分野においては、各自治体における防災体制強化とデジタル化の動きに伴って防災行政無線需要が継続しております。放送関連分野においては、地上波アナログテレビ放送の1~3チャンネルに使用されておりましたV-Low帯の活用として、FM方式によるAMラジオ放送の補完局需要やV-Lowマルチメディア放送関連需要が発生しております。その他分野としては、LED航空障害灯やサーマルカメラシステムの需要開拓を進めております。なお、いずれの分野においても価格競争の激化により、受注環境は厳しさを増しております。このような環境のもと、当事業分野では、従来方法にとらわれない変革により、業務プロセスの効率化を推進するとともに、製造原価の低減と競争力の向上に取り組んでまいりました。
その結果、受注高は前年同期比5.7%減の318億5千3百万円、売上高は前年同期比9.5%増の334億4百万円となりました。また、セグメント利益(営業利益)につきましては、前年同期比8.3%増の23億6千2百万円となりました。
(高周波関連事業)
当事業では、主力であります高周波誘導加熱装置においては、一時的に設備投資需要が弱含んでおりましたが、国内向け需要の復調を背景に受注が回復しております。また、熱処理受託加工についても、自動車関連業界の新興国市場における拡大と国内生産の増加から堅調に推移しております。このような環境のもと、当事業分野では、新規市場・新規ユーザーの開拓に加え、モジュール化の推進による利益の拡大に取り組んでまいりました。
その結果、受注高は前年同期比24.2%増の107億6千1百万円、売上高は前年同期比2.5%増の95億5千9百万円となりました。また、セグメント利益(営業利益)につきましては、前年同期比22.5%増の15億2千8百万円となりました。
(その他)
その他事業は、土地・事務所等の子会社等への賃貸を行う設備貸付事業並びに売電事業であります。売上高については前年同期比0.5%減の4億1千3百万円となりました。また、セグメント利益(営業利益)につきましては、前年同期比2.4%増の2億3千5百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は、前連結会計年度末に比べ27億2百万円減少し、当連結会計年度末には100億6千6百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は23億9千8百万円(前年同期は9億5千6百万円の獲得)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益の計上17億5百万円、仕入債務の増加17億4千1百万円等の増加要因に対し、たな卸資産の増加13億4千4百万円等の減少要因が下回ったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は36億1千万円(前年同期は68億8千8百万円の使用)となりました。これは主に定期預金の純増による支出14億9千5百万円、有形及び無形固定資産の取得による支出12億4千4百万円、投資有価証券の取得による支出8億3千9百万円等の減少要因によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は15億6百万円(前年同期は17億9千3百万円の使用)となりました。これは主に短期借入金の純減額5億3千3百万円、配当金の支払額9億1千6百万円等の減少要因によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 電気通信関連事業 | 15,873 | 9.9 |
| 高周波関連事業 | 9,557 | 7.0 |
| 合計 | 25,431 | 8.8 |
(注)1 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 電気通信関連事業のうち、工事に係わる生産実績を定義することが困難であるため、上記生産実績から除いて表示しております。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高 | 受注残高 | ||
| 金額(百万円) | 前年同期比(%) | 金額(百万円) | 前年同期比(%) | |
| 電気通信関連事業 | 31,853 | △5.7 | 12,184 | △10.9 |
| 高周波関連事業 | 10,761 | 24.2 | 3,655 | 49.0 |
| 合計 | 42,614 | 0.4 | 15,840 | △1.8 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.売上実績
当連結会計年度における売上実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 売上高(百万円) | 前年同期比(%) | |
| 電気通信関連事業 | 工事 | 17,986 | 9.6 |
| 設備・機材売上 | 15,362 | 9.4 | |
| 小計 | 33,349 | 9.5 | |
| 高周波関連事業 | 9,559 | 2.5 | |
| その他 | 114 | △0.7 | |
| 合計 | 43,022 | 7.8 | |
(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 「その他」区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、設備貸付事業並びに売電事業を含んでおります。
4 主な相手先別の売上実績及び当該売上実績の総売上実績に対する割合
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | ||
| 売上高(百万円) | 割合(%) | 売上高(百万円) | 割合(%) | |
| ㈱NTTドコモ | - | - | 6,440 | 15.0 |
(注) 前連結会計年度の㈱NTTドコモについては、当該割合が100分の10未満のため、記載を省略しております。
なお、参考のため提出会社単独の事業の状況は次のとおりであります。(各事項の記載については、消費税等抜きの金額を表示しております。)
電気通信関連事業
a.受注高、売上高、繰越高及び施工高
| 期別 | 売上 区分 | 前期 繰越高 (百万円) | 当期 受注高 (百万円) | 計 (百万円) | 当期 売上高 (百万円) | 次期繰越高 | 当期 施工高 (百万円) | ||
| 手持高 (百万円) | うち施工高 (%、百万円) | ||||||||
| 前事業年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) | 工事 | 4,242 | 14,015 | 18,258 | 12,078 | 6,179 | 3.5 | 213 | 12,121 |
| 設備・機材売上 | 2,785 | 12,104 | 14,890 | 11,713 | 3,176 | 29.1 | 924 | 11,819 | |
| 計 | 7,028 | 26,119 | 33,148 | 23,792 | 9,356 | 12.2 | 1,138 | 23,940 | |
| 当事業年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | 工事 | 6,179 | 12,981 | 19,160 | 13,455 | 5,704 | 11.8 | 675 | 13,917 |
| 設備・機材売上 | 3,176 | 13,501 | 16,678 | 13,420 | 3,257 | 42.4 | 1,382 | 13,878 | |
| 計 | 9,356 | 26,482 | 35,838 | 26,876 | 8,962 | 23.0 | 2,058 | 27,796 | |
(注)1 前期以前に受注した物件で、契約の更改により受注金額に変更のあるものについては、当期受注高にその増減額を含んでおります。したがって、当期売上高にもかかる増減額が含まれております。
2 次期繰越高のうち、施工高は、支出金により物件毎の進捗度を勘案して手持高中の施工高を推定したものであります。
3 当期施工高は、(当期売上高+次期繰越施工高-前期繰越施工高)に一致いたします。
b.受注工事高の受注方法別比率
工事の受注方法は、特命と競争に大別されております。
| 期別 | 特命(%) | 競争(%) | 計(%) |
| 前事業年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) | 31.9 | 68.1 | 100 |
| 当事業年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | 30.0 | 70.0 | 100 |
(注) 上記%は、請負金額比であります。
c.売上高
| 期別 | 区分 | 官公庁(百万円) | 民間(百万円) | 合計(百万円) | |
| 前事業年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) | 工事 | (注)1 | 3,674 | 8,404 | 12,078 |
| 設備・機材売上 | (注)2 | 556 | 11,157 | 11,713 | |
| 計 | 4,230 | 19,561 | 23,792 | ||
| 当事業年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | 工事 | (注)1 | 4,387 | 9,067 | 13,455 |
| 設備・機材売上 | (注)2 | 634 | 12,786 | 13,420 | |
| 計 | 5,022 | 21,854 | 26,876 | ||
(注)1 完成工事高
2 製品売上高
3 売上高のうち主なものは次のとおりであります。
前事業年度の売上高のうち主なもの
| 受注先 | 工事件名等 |
| ㈱NTTドコモ | 基地局アンテナ納品 |
| UQコミュニケーションズ㈱ | iDAS装置納品 |
| 日本電気㈱ | 野外通信システム納品 |
| KDDI㈱ | 基地局アンテナ納品 |
| 日本無線・扶桑電通・SYSKEN・電盛社特定建設工事共同企業体 | 熊本県防災行政無線システム再整備工事 |
当事業年度の売上高のうち主なもの
| 受注先 | 工事件名等 |
| ㈱NTTドコモ | 基地局アンテナ納品 |
| KDDI㈱ | 基地局アンテナ納品 |
| UQコミュニケーションズ㈱ | iDAS装置納品 |
| ソフトバンク㈱ | 基地局アンテナ納品 |
| 愛南町 | 愛南町防災行政無線同報系デジタル化整備事業 |
4 売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上高及びその割合
| 前事業年度 | ㈱NTTドコモ | 3,881百万円 | 16.3% |
| 当事業年度 | ㈱NTTドコモ | 6,440百万円 | 24.0% |
d.手持高(平成30年3月31日現在)
| 区分 | 官公庁(百万円) | 民間(百万円) | 合計(百万円) |
| 工事 | 2,101 | 3,603 | 5,704 |
| 設備・機材売上 | 115 | 3,141 | 3,257 |
| 計 | 2,217 | 6,744 | 8,962 |
手持高のうち主なものは次のとおりであります。
| 受注先 | 工事件名等 | 完成予定年月 |
| 日本電気㈱ | 野外通信システム納品 | 平成30年10月 |
| 防衛省 | 所沢(29)通信施設整備工事 | 平成31年2月 |
| UQコミュニケーションズ㈱ | iDAS装置納品 | 平成30年5月 |
| 石川テレビ放送㈱ | 観音堂送信所災害復旧・落雷対策工事 | 平成31年3月 |
| ㈱NTTドコモ | 基地局アンテナ納品 | 平成30年4月 |
高周波関連事業
a.生産実績
| 区分 | 前事業年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) | 当事業年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) |
| 金額(百万円) | 金額(百万円) | |
| 高周波焼入受託加工 | 85 | 69 |
| 高周波誘導加熱装置 | 5,976 | 6,232 |
| 計 | 6,062 | 6,302 |
(注) 金額は販売価格で示しております。
b.受注実績
| 区分 | 前々事業年度 | 前事業年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) | 当事業年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | ||
| 受注残高 (百万円) | 受注高 (百万円) | 受注残高 (百万円) | 受注高 (百万円) | 受注残高 (百万円) | |
| 高周波焼入受託加工 | - | 85 | - | 69 | - |
| 高周波誘導加熱装置 | 2,543 | 5,264 | 1,725 | 7,237 | 2,749 |
| 計 | 2,543 | 5,349 | 1,725 | 7,307 | 2,749 |
(注) 受注品目が多岐にわたり、数量の表示は困難であるため記載しておりません。
c.販売実績
| 区分 | 前事業年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) | 当事業年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | ||
| 金額(百万円) | 構成比(%) | 金額(百万円) | 構成比(%) | |
| 高周波焼入受託加工 | 85 | 1.4 | 69 | 1.1 |
| 高周波誘導加熱装置 | 6,082 | 98.6 | 6,213 | 98.9 |
| 計 | 6,168 | 100 | 6,283 | 100 |
(注)1 販売品目が多岐にわたり、数量の表示は困難であるため記載しておりません。
2 売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上高及びその割合
| 前事業年度 | ㈱豊通マシナリー | 1,470百万円 | 23.8% |
| 当事業年度 | ㈱豊通マシナリー | 1,194百万円 | 19.0% |
| 豊田通商㈱ | 895百万円 | 14.3% |
3 電気通信関連事業の設備・機材当期売上高に上記販売実績を合算した金額が、提出会社の損益計算書の製品売上高に一致いたします。
その他の事業
a.売上実績
| 区分 | 前事業年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) | 当事業年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | ||
| 金額(百万円) | 構成比(%) | 金額(百万円) | 構成比(%) | |
| 設備貸付事業 | 305 | 73.5 | 304 | 73.6 |
| 売電事業 | 110 | 26.5 | 109 | 26.4 |
| 計 | 415 | 100 | 413 | 100 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、将来の特定の費用又は損失であって、その発生が過去の実績や状況に応じ合理的にその金額を見積ることができる場合には費用又は損失として認識しております。ただし実際の結果は、見積り特有の不確実性を伴うため、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、売上高430億2千2百万円(前年同期比7.8%増)、営業利益15億1千8百万円(前年同期比59.9%増)となり、前連結会計年度に比べ増収増益となりました。
その主な要因を報告セグメント別にみますと、電気通信関連事業においては、移動通信関連分野においてLTEサービスの拡充に伴う複数の周波数に対応可能な多周波共用アンテナの需要が増加したことに加え、エリア拡大を背景にLTE-Advanced対応アンテナの需要も寄与し、前連結会計年度に比べ業績が改善しました。また、放送関連分野においてもV-Low帯の需要を確実に取り込めたことなどの要因もあり、前連結会計年度に比べ増収となりました。固定無線関連分野においては前連結会計年度に比べ減収となったものの、電気通信関連事業全体では、前連結会計年度に比べ増収増益となりました。高周波関連事業においては、高周波誘導加熱装置における国内向け需要の復調を背景に受注が回復し、加えて熱処理受託加工においても自動車関連業界の生産増加を背景に堅調に推移しました。さらには、モジュール化及び内製化の推進による原価低減の効果もあり、前連結会計年度に比べ増収増益となりました。なお、売上高及び営業利益の詳細につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b.経営成績」に記載しております。
経常利益につきましては、前連結会計年度に比べ、受取配当金の増加や為替差損の影響がなくなったこともあり、前年同期比91.2%増の18億2千3百万円となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、非連結子会社株式の減損処理の影響並びに非支配株主に帰属する当期純利益の増加などを受け、経常利益と比較して増益幅は縮小したものの、前年同期比48.0%増の8億4百万円となりました。
そのような状況の中で、当社は、経営環境の変化に迅速に対応し、事業の継続性と安定した収益の確保を目指すとともに企業価値の増大を図ることを基本に事業を推進するよう努めております。当社の経営理念である「優れた製品を社会に提供し、社会に貢献する」、「時代のニーズを先取りし、失敗を恐れぬチャレンジ精神の溢れた前向きの企業たることを期す」、「絶えず生産性の向上に務め、常に適正な利益を確保する」「一社一家、グループ一家の和の精神をもって発展成長し、社員の生活向上に務める」並びに「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)中長期的な会社の経営戦略」に記載されている経営重点方針のもと、企業価値を高め、株主の皆様や顧客各位のご期待に応えることに向け取り組んでまいります。
今後につきましては、電気通信関連事業のうち移動通信関連分野では、LTEに対応した多周波共用アンテナやLTE-Advancedに対応したアンテナ需要の獲得に加え、新たに割り当てられた周波数に対応したアンテナ需要の取り込みのほか、5Gのネットワーク構築に向けた対応や移動通信鉄塔のメンテナンス需要の獲得にも取り組んでまいります。固定無線関連分野では、引き続き防災行政無線の需要獲得に注力し、放送関連分野では、V-Low帯の新たな活用需要であるFM補完局や地上波デジタル放送の初期段階に設置した設備の更新・保守需要の取り込みを図ってまいります。このほか、新規事業であるLED航空障害灯やサーマルカメラシステム等の需要開拓にも引き続き注力いたします。高周波関連事業においては、米国、タイ、中国、韓国の各海外拠点との連携強化を図り、日系自動車関連メーカーを始めとした各メーカーの設備投資需要の取り込みを強化するとともに、自動車関連以外の分野への需要拡大も進めてまいります。
③経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、業界の動向や取引先の動向、あるいは外部環境の変化等によっては、所期の目標を達成できない可能性があります。
④資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの運転資金需要のうち主なものは製品及び原材料の購入費、外注費のほか、製造経費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。これらの資金の源泉は、自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としております。また、生産設備の増強・合理化・更新等を含めた設備投資や長期運転資金の必要性が生じた際は、リースや金融機関からの長期借入を行う場合があります。
当連結会計年度におきましては、営業活動において23億9千8百万円の資金を獲得したものの、投資活動において36億1千万円並びに財務活動において15億6百万円それぞれ使用したこと等から、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度に比べ27億2百万円減少し100億6千6百万円となりました。また、預入期間が3ヶ月を超える定期預金を含めた現金及び預金の残高につきましては、前連結会計年度末に比べ12億9千9百万円減少し184億4千4百万円となりました。
なお、キャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
⑤経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは受注型の事業形態であるため、顧客の設備投資動向によって売上高が大きく変動することから、売上高に対してどの程度の利益を確保できるかということを重視し、特に売上高営業利益率を主要な指標として捉えております。
当連結会計年度における売上高営業利益率は3.5%でありましたが、既存事業の着実な取組み、新規事業の推進並びに原価低減活動を積極的に進め、中長期的には売上高営業利益率8%以上を目標とし、また、併せて効率的な経営を推進することにより株主資本利益率の向上を目指し努力してまいります。