有価証券報告書-第96期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
a.財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ61億2千6百万円減少し563億3千6百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ44億3千2百万円減少し409億8千9百万円となりました。その主な要因は、棚卸資産が11億5千7百万円、その他に含まれる預け金が21億7千万円それぞれ増加したものの、受取手形を含む売掛債権が80億6千8百万円減少したこと等が挙げられます。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ16億9千4百万円減少し153億4千7百万円となりました。その主な要因は、投資有価証券が15億5千9百万円減少したこと等が挙げられます。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ38億6千6百万円減少し63億3千万円となりました。その主な要因は、支払手形を含む仕入債務が30億3千4百万円、未払法人税等が3億9千1百万円、その他に含まれる未払消費税等が2億3千8百万円それぞれ減少したこと等が挙げられます。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ8億7千8百万円減少し33億9千7百万円となりました。その主な要因は、長期借入金が1億5千4百万円、その他に含まれる長期未払金が3億5千5百万円それぞれ減少したこと等が
挙げられます。
純資産は、前連結会計年度末に比べ13億8千1百万円減少し466億9百万円となりました。その主な要因は、利
益剰余金が1億9千7百万円増加したものの、取得により自己株式が8億5千1百万円、その他有価証券評価差額
金が3億9千7百万円、非支配株主持分が3億1千2百万円それぞれ減少したこと等が挙げられます。
b.経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響から持ち直しの動きを見せており、企業収益は国内外の経済活動の持ち直しを受けて回復しております。また、企業収益の回復を受け、設備投資や雇用環境においても持ち直しの動きを見せており、消費に関しても回復傾向にあります。一方、原油高や原材料費の高騰による企業収益への影響が表面化しており、わが国経済の先行きは依然として予断を許さない状況にあります。
当社グループの関係しております電気通信関連業界におきましては、移動通信関連分野では、5G向けのアンテナ需要に本格化の様相が見られております。一方、固定無線関連分野においては防災行政無線の需要が急速に減少しており、放送関連分野においても放送事業者による設備更新・メンテナンス需要が減少しております。高周波応用機器業界におきましては、自動車関連分野における設備投資需要に一定の回復の兆しが見られておりますが、回復の基調は緩やかなものとなっております。
このような情勢の中で、当社グループは、需要の創出に向けた活動を積極的に推進し、業務の効率化及び原価低減活動による利益の拡大に取り組み、業績向上に努めてまいりました。
その結果、受注高は前年同期比3.9%減の350億5千2百万円となり、売上高は前年同期比18.1%減の339億6千8百万円となりました。
利益の面では、営業利益は前年同期比96.6%減の5千3百万円、経常利益は前年同期比75.1%減の4億4千8百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、前年同期比38.9%減の7億5百万円となりました。
なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を経過的な取り扱いに従って当連結会計年度の期首から適用しております。詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)(収益認識に関する会計基準等の適用)」をご参照ください。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。(報告セグメント等の業績については、セグメント間の内部売上高等を含めて記載しております。)
(電気通信関連事業)
当事業では、移動通信関連分野においては、5G向けに割り当てられた周波数帯に対応したアンテナ需要について、移動通信事業者による設備投資需要に本格化の様相が見られておりますが、新型コロナウイルス感染症の影響による部材の供給不足等により、需要の抑制が発生しております。固定無線関連分野においては、各自治体における防災体制強化とデジタル化の動きに伴う防災行政無線需要が、新型コロナウイルス感染症の影響等により先送りとなっていることから、急速に減少しております。放送関連分野においても、放送事業者による設備更新・メンテナンス需要が縮小・先送りとなっております。その他分野としては、LED航空障害灯やサーマルカメラシステムの需要開拓を進めております。また、いずれの分野においても価格競争の激化により、受注環境は厳しさを増しております。このような環境のもと、当事業分野では、需要の取り込みと生産性の向上を積極的に図ってまいりましたが、原材料費の高騰や物流コストの上昇、部材の供給不足への対応にかかる費用等の原価上昇要因が、当期業績に大きな影響を及ぼしております。
その結果、受注高は前年同期比9.2%減の266億8千2百万円、売上高は前年同期比23.7%減の259億2千6百万円となりました。また、セグメント利益(営業利益)につきましては、前年同期比48.1%減の20億1千万円となりました。
(高周波関連事業)
当事業では、主力であります高周波誘導加熱装置においては、新型コロナウイルス感染症の影響による需要の急速な減少の後、主に海外市場における需要の回復から自動車関連業界における設備投資需要に回復の兆しが見られております。また、熱処理受託加工については、新型コロナウイルス感染症の影響からは持ち直しの動きをみせておりますが、世界的な半導体不足による業界全体への影響が長期化の様相を呈しており、自動車メーカーの生産調整の影響も発生しております。このような環境のもと、当事業分野では、事業環境を注視した上で、新規市場・新規ユーザーの開拓に加え、生産性の向上による利益の拡大に取り組んでまいりました。なお、当事業分野においても電気通信関連事業同様に、原材料費の高騰等による原価の上昇要因が発生しております。
その結果、受注高は前年同期比17.7%増の83億7千万円、売上高は前年同期比7.1%増の79億5千9百万円となりました。また、セグメント利益(営業利益)につきましては、前年同期比21.5%増の10億5千8百万円となりました。
(その他)
その他事業は、土地・事務所等の子会社等への賃貸を行う設備貸付事業並びに売電事業であります。売上高については前年同期比0.1%増の3億3千万円となりました。また、セグメント利益(営業利益)につきましては、前年同期比6.0%増の1億6千7百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は、前連結会計年度末に比べ28億4千万円増加し、当連結会計年度末には131億4千万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は41億6千6百万円(前年同期は14億4千7百万円の獲得)となりました。これは主に売上債権の増減額80億7千6百万円等の増加要因に対し、棚卸資産の増減額13億7千5百万円、仕入債務の増減額30億5千9百万円等の減少要因が下回ったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果獲得した資金は26億8千万円(前年同期は14億2百万円の使用)となりました。これは主に定期預金の純増による収入29億4千8百万円、投資有価証券の売却による収入12億3千3百万円等の増加要因に対し、有形及び無形固定資産の取得による支出14億8百万円等の減少要因が下回ったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は41億3千9百万円(前年同期は6億3千3百万円の使用)となりました。これは主に自己株式の取得による支出10億4千9百万円、自己株式取得のための預託金の増減額21億7千万円、配当金の支払額5億4千3百万円等の減少要因によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 電気通信関連事業のうち、工事に係る生産実績を定義することが困難であるため、上記生産実績から除いて表示しております。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
c.売上実績
当連結会計年度における売上実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 「その他」区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、設備貸付事業並びに売電事業を含んでおります。
3 主な相手先別の売上実績及び当該売上実績の総売上実績に対する割合
なお、参考のため提出会社単独の事業の状況は次のとおりであります。
電気通信関連事業
a.受注高、売上高、繰越高及び施工高
(注)1 前期以前に受注した物件で、契約の更改により受注金額に変更のあるものについては、当期受注高にその増減額を含んでおります。したがって、当期売上高においても増減額が含まれております。
2 次期繰越高のうち、施工高は、支出金により物件毎の進捗度を勘案して手持高中の施工高を推定したものであります。
3 当期施工高は、(当期売上高+次期繰越施工高-前期繰越施工高)に一致いたします。
4 会計方針の変更に伴い、前期繰越高に差異が発生しております。詳細については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)(収益認識に関する会計基準等の適用)」をご参照ください。
b.受注工事高の受注方法別比率
工事の受注方法は、特命と競争に大別されております。
(注) 上記%は、請負金額比であります。
c.売上高
(注)1 完成工事高
2 製品売上高
3 売上高のうち主なものは次のとおりであります。
前事業年度の売上高のうち主なもの
当事業年度の売上高のうち主なもの
4 売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上高及びその割合
d.手持高(2022年3月31日現在)
手持高のうち主なものは次のとおりであります。
高周波関連事業
a.生産実績
(注) 金額は販売価格で示しております。
b.受注実績
(注) 受注品目が多岐にわたり、数量の表示は困難であるため記載しておりません。
c.販売実績
(注)1 販売品目が多岐にわたり、数量の表示は困難であるため記載しておりません。
2 売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上高及びその割合
3 電気通信関連事業の設備・機材当期売上高に上記販売実績を合算した金額が、提出会社の損益計算書の製品売上高に一致いたします。
その他の事業
a.売上実績
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 a.財政状態」に記載のとおりであります。
当社グループの当連結会計年度の経営成績につきましては、売上高339億6千8百万円(前年同期比18.1%減)、営業利益5千3百万円(前年同期比96.6%減)となり、前連結会計年度に比べ減収減益となりました。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、新型コロナウイルス感染症の影響を始めとした外部環境の変化、業界の動向や取引先の動向等によっては、所期の目標を達成できない可能性があります。
経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容をセグメント別にみますと、電気通信関連事業においては、移動通信関連分野においては、5G向けに割り当てられた周波数帯に対応したアンテナ需要について、移動通信事業者による設備投資需要に本格化の様相が見られておりますが、新型コロナウイルス感染症の影響による部材の供給不足等により、需要の抑制が発生しております。固定無線関連分野においては、各自治体における防災体制強化とデジタル化の動きに伴う防災行政無線需要が、新型コロナウイルス感染症の影響等により先送りとなっていることから、急速に減少しております。放送関連分野においても、放送事業者による設備更新・メンテナンス需要が縮小・先送りとなっております。その他分野としては、LED航空障害灯やサーマルカメラシステムの需要開拓を進めております。また、いずれの分野においても価格競争の激化により、受注環境は厳しさを増しております。このような環境のもと、当事業分野では、需要の取り込みと生産性の向上を積極的に図ってまいりましたが、当連結会計年度は、前連結会計年度に比べ減収減益となりました。一方、高周波関連事業においては、主力であります高周波誘導加熱装置においては、新型コロナウイルス感染症の影響による需要の急速な減少の後、主に海外市場における需要の回復から自動車関連業界における設備投資需要に回復の兆しが見られております。また、熱処理受託加工については、新型コロナウイルス感染症の影響からは持ち直しの動きをみせておりますが、世界的な半導体不足による業界全体への影響が長期化の様相を呈しており、自動車メーカーの生産調整の影響も発生しております。このような環境のもと、当事業分野では、事業環境を注視した上で、新規市場・新規ユーザーの開拓に加え、生産性の向上による利益の拡大に取り組んでまいりました。
なお、売上高及び営業利益の詳細につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b.経営成績」に記載しております。
経常利益につきましては、営業利益は前年同期比96.6%減の5千3百万円となりましたが、為替差益の計上など営業外収支の改善により、前年同期比75.1%減の4億4千8百万円となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、前連結会計年度に比べ投資有価証券売却益が増加したこともあり、前年同期比38.9%減の7億5百万円となりました。
そのような状況の中で、当社は、経営環境の変化に迅速に対応し、事業の継続性と安定した収益の確保を目指すとともに企業価値の増大を図ることを基本に事業を推進するよう努めております。当社の経営理念である「優れた製品を社会に提供し、社会に貢献する」、「時代のニーズを先取りし、失敗を恐れぬチャレンジ精神の溢れた前向きの企業たることを期す」、「絶えず生産性の向上に務め、常に適正な利益を確保する」、「一社一家、グループ一家の和の精神をもって発展成長し、社員の生活向上に務める」並びに「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 中長期的な会社の経営戦略」に記載されている成長戦略のもと、企業価値を高め、株主の皆様や顧客各位のご期待に応えることに向け取り組んでまいります。
今後の見通しにつきましては、国内景気は一部持ち直しの動きが見られておりますが、新型コロナウイルス感染症による厳しい状況が残る中で、半導体不足の長期化や円安・原材料費の高騰の影響もあり、先行きについても予断を許さない状況にあります。当社グループを取り巻く環境としては、移動通信関連分野においては、5G向けのアンテナ需要が継続される見通しであることに加え、新たに開発した無線装置と併せ需要の取り込みを積極的に図ってまいります。さらに、移動通信鉄塔のメンテナンス需要の獲得にも取り組んでまいります。固定無線関連分野については、新型コロナウイルス感染症の影響による防災行政無線の需要の先延ばしが継続されることが想定されますが、中期的には需要の回復も見込まれていることから、引き続き需要獲得に注力いたします。放送関連分野については、放送事業者による放送設備の更新・メンテナンス需要の取り込みを図ってまいります。このほか、新規事業については、LED航空障害灯やサーマルカメラシステム等の需要開拓に加え、当社無線技術を活用した新たな市場開拓に向けて、積極的に注力いたします。高周波関連事業においては、事業環境を注視した上で、海外拠点との連携強化を図り、日系自動車関連メーカーを始めとした設備投資需要の取り込みを強化するとともに、新たな需要獲得に向けた自動車関連以外の分野への取り組みも積極的に進めてまいります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、営業活動において41億6千6百万円並びに投資活動において26億8千万円の資金をそれぞれ獲得し、財務活動において41億3千9百万円使用したこと等から、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ28億4千万円増加し131億4千万円となりました。また、預入期間が3ヶ月を超える定期預金を含めた現金及び預金の残高につきましては、前連結会計年度末に比べ1億9百万円減少し188億8千6百万円となりました。
なお、キャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、当社グループの運転資金需要のうち主なものは製品及び原材料の購入費、外注費のほか、製造経費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。これらの資金の源泉は、自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としております。また、生産設備の増強・合理化・更新等を含めた設備投資や長期運転資金の必要性が生じた際は、リースや金融機関からの長期借入を行う場合があります。
なお、当社はキャピタルアロケーションを策定し、今後においてはレバレッジを活用した資金調達の水準を高めることで、保有する資産及び営業キャッシュ・フローで得た資金と併せ、株主還元、人財投資に加え、成長戦略の実現に向けた投資を行ってまいります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、将来の特定の費用又は損失であって、その発生が過去の実績や状況に応じ合理的にその金額を見積ることができる場合には費用又は損失として認識しております。ただし実際の結果は、見積り特有の不確実性を伴うため、これらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
また、新型コロナウイルス感染症の影響等不確実性が大きく将来事業計画等の見込数値に反映させることが難しい要素もありますが、期末時点で入手可能な情報を基に検証等を行っております。
(工事契約及び設備据付工事等における収益認識)
工事契約及び設備据付工事等における収益認識に際して用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(固定資産の減損処理)
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。
(退職給付引当金)
当社グループは、従業員の退職給付費用について、各連結会計年度末における退職給付債務及び年金資産の見込額に基づき引当計上しております。これらは割引率、昇給率、死亡率、年金資産の長期期待運用収益率等の重要な見積りを加味して計上しております。
(繰延税金資産)
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
a.財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ61億2千6百万円減少し563億3千6百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ44億3千2百万円減少し409億8千9百万円となりました。その主な要因は、棚卸資産が11億5千7百万円、その他に含まれる預け金が21億7千万円それぞれ増加したものの、受取手形を含む売掛債権が80億6千8百万円減少したこと等が挙げられます。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ16億9千4百万円減少し153億4千7百万円となりました。その主な要因は、投資有価証券が15億5千9百万円減少したこと等が挙げられます。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ38億6千6百万円減少し63億3千万円となりました。その主な要因は、支払手形を含む仕入債務が30億3千4百万円、未払法人税等が3億9千1百万円、その他に含まれる未払消費税等が2億3千8百万円それぞれ減少したこと等が挙げられます。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ8億7千8百万円減少し33億9千7百万円となりました。その主な要因は、長期借入金が1億5千4百万円、その他に含まれる長期未払金が3億5千5百万円それぞれ減少したこと等が
挙げられます。
純資産は、前連結会計年度末に比べ13億8千1百万円減少し466億9百万円となりました。その主な要因は、利
益剰余金が1億9千7百万円増加したものの、取得により自己株式が8億5千1百万円、その他有価証券評価差額
金が3億9千7百万円、非支配株主持分が3億1千2百万円それぞれ減少したこと等が挙げられます。
b.経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響から持ち直しの動きを見せており、企業収益は国内外の経済活動の持ち直しを受けて回復しております。また、企業収益の回復を受け、設備投資や雇用環境においても持ち直しの動きを見せており、消費に関しても回復傾向にあります。一方、原油高や原材料費の高騰による企業収益への影響が表面化しており、わが国経済の先行きは依然として予断を許さない状況にあります。
当社グループの関係しております電気通信関連業界におきましては、移動通信関連分野では、5G向けのアンテナ需要に本格化の様相が見られております。一方、固定無線関連分野においては防災行政無線の需要が急速に減少しており、放送関連分野においても放送事業者による設備更新・メンテナンス需要が減少しております。高周波応用機器業界におきましては、自動車関連分野における設備投資需要に一定の回復の兆しが見られておりますが、回復の基調は緩やかなものとなっております。
このような情勢の中で、当社グループは、需要の創出に向けた活動を積極的に推進し、業務の効率化及び原価低減活動による利益の拡大に取り組み、業績向上に努めてまいりました。
その結果、受注高は前年同期比3.9%減の350億5千2百万円となり、売上高は前年同期比18.1%減の339億6千8百万円となりました。
利益の面では、営業利益は前年同期比96.6%減の5千3百万円、経常利益は前年同期比75.1%減の4億4千8百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、前年同期比38.9%減の7億5百万円となりました。
なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を経過的な取り扱いに従って当連結会計年度の期首から適用しております。詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)(収益認識に関する会計基準等の適用)」をご参照ください。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。(報告セグメント等の業績については、セグメント間の内部売上高等を含めて記載しております。)
(電気通信関連事業)
当事業では、移動通信関連分野においては、5G向けに割り当てられた周波数帯に対応したアンテナ需要について、移動通信事業者による設備投資需要に本格化の様相が見られておりますが、新型コロナウイルス感染症の影響による部材の供給不足等により、需要の抑制が発生しております。固定無線関連分野においては、各自治体における防災体制強化とデジタル化の動きに伴う防災行政無線需要が、新型コロナウイルス感染症の影響等により先送りとなっていることから、急速に減少しております。放送関連分野においても、放送事業者による設備更新・メンテナンス需要が縮小・先送りとなっております。その他分野としては、LED航空障害灯やサーマルカメラシステムの需要開拓を進めております。また、いずれの分野においても価格競争の激化により、受注環境は厳しさを増しております。このような環境のもと、当事業分野では、需要の取り込みと生産性の向上を積極的に図ってまいりましたが、原材料費の高騰や物流コストの上昇、部材の供給不足への対応にかかる費用等の原価上昇要因が、当期業績に大きな影響を及ぼしております。
その結果、受注高は前年同期比9.2%減の266億8千2百万円、売上高は前年同期比23.7%減の259億2千6百万円となりました。また、セグメント利益(営業利益)につきましては、前年同期比48.1%減の20億1千万円となりました。
(高周波関連事業)
当事業では、主力であります高周波誘導加熱装置においては、新型コロナウイルス感染症の影響による需要の急速な減少の後、主に海外市場における需要の回復から自動車関連業界における設備投資需要に回復の兆しが見られております。また、熱処理受託加工については、新型コロナウイルス感染症の影響からは持ち直しの動きをみせておりますが、世界的な半導体不足による業界全体への影響が長期化の様相を呈しており、自動車メーカーの生産調整の影響も発生しております。このような環境のもと、当事業分野では、事業環境を注視した上で、新規市場・新規ユーザーの開拓に加え、生産性の向上による利益の拡大に取り組んでまいりました。なお、当事業分野においても電気通信関連事業同様に、原材料費の高騰等による原価の上昇要因が発生しております。
その結果、受注高は前年同期比17.7%増の83億7千万円、売上高は前年同期比7.1%増の79億5千9百万円となりました。また、セグメント利益(営業利益)につきましては、前年同期比21.5%増の10億5千8百万円となりました。
(その他)
その他事業は、土地・事務所等の子会社等への賃貸を行う設備貸付事業並びに売電事業であります。売上高については前年同期比0.1%増の3億3千万円となりました。また、セグメント利益(営業利益)につきましては、前年同期比6.0%増の1億6千7百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は、前連結会計年度末に比べ28億4千万円増加し、当連結会計年度末には131億4千万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は41億6千6百万円(前年同期は14億4千7百万円の獲得)となりました。これは主に売上債権の増減額80億7千6百万円等の増加要因に対し、棚卸資産の増減額13億7千5百万円、仕入債務の増減額30億5千9百万円等の減少要因が下回ったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果獲得した資金は26億8千万円(前年同期は14億2百万円の使用)となりました。これは主に定期預金の純増による収入29億4千8百万円、投資有価証券の売却による収入12億3千3百万円等の増加要因に対し、有形及び無形固定資産の取得による支出14億8百万円等の減少要因が下回ったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は41億3千9百万円(前年同期は6億3千3百万円の使用)となりました。これは主に自己株式の取得による支出10億4千9百万円、自己株式取得のための預託金の増減額21億7千万円、配当金の支払額5億4千3百万円等の減少要因によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 電気通信関連事業 | 12,692 | △10.0 |
| 高周波関連事業 | 8,055 | 9.8 |
| 合計 | 20,748 | △3.2 |
(注)1 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 電気通信関連事業のうち、工事に係る生産実績を定義することが困難であるため、上記生産実績から除いて表示しております。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高 | 受注残高 | ||
| 金額(百万円) | 前年同期比(%) | 金額(百万円) | 前年同期比(%) | |
| 電気通信関連事業 | 26,682 | △9.2 | 8,815 | 5.9 |
| 高周波関連事業 | 8,370 | 17.7 | 2,766 | 14.4 |
| 合計 | 35,052 | △3.9 | 11,582 | 7.8 |
c.売上実績
当連結会計年度における売上実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 売上高(百万円) | 前年同期比(%) | |
| 電気通信関連事業 | 工事 | 13,183 | △33.3 |
| 設備・機材売上 | 12,725 | △10.2 | |
| 小計 | 25,908 | △23.7 | |
| 高周波関連事業 | 7,959 | 7.1 | |
| その他 | 100 | △4.0 | |
| 合計 | 33,968 | △18.1 | |
(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 「その他」区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、設備貸付事業並びに売電事業を含んでおります。
3 主な相手先別の売上実績及び当該売上実績の総売上実績に対する割合
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) | ||
| 売上高(百万円) | 割合(%) | 売上高(百万円) | 割合(%) | |
| ㈱NTTドコモ | 4,221 | 10.2 | 4,874 | 14.4 |
なお、参考のため提出会社単独の事業の状況は次のとおりであります。
電気通信関連事業
a.受注高、売上高、繰越高及び施工高
| 期別 | 売上 区分 | 前期 繰越高 (百万円) | 当期 受注高 (百万円) | 計 (百万円) | 当期 売上高 (百万円) | 次期繰越高 | 当期 施工高 (百万円) | ||
| 手持高 (百万円) | うち施工高 (%、百万円) | ||||||||
| 前事業年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 工事 | 9,851 | 13,540 | 23,392 | 17,653 | 5,738 | 6.5 | 375 | 17,674 |
| 設備・機材売上 | 2,095 | 11,327 | 13,423 | 11,690 | 1,732 | 67.3 | 1,165 | 11,839 | |
| 計 | 11,947 | 24,868 | 36,815 | 29,344 | 7,470 | 20.6 | 1,541 | 29,513 | |
| 当事業年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) | 工事 | 5,467 | 11,607 | 17,075 | 11,784 | 5,290 | 1.4 | 73 | 11,482 |
| 設備・機材売上 | 1,732 | 11,461 | 13,193 | 10,422 | 2,771 | 49.1 | 1,361 | 10,618 | |
| 計 | 7,199 | 23,069 | 30,268 | 22,207 | 8,061 | 17.8 | 1,435 | 22,101 | |
(注)1 前期以前に受注した物件で、契約の更改により受注金額に変更のあるものについては、当期受注高にその増減額を含んでおります。したがって、当期売上高においても増減額が含まれております。
2 次期繰越高のうち、施工高は、支出金により物件毎の進捗度を勘案して手持高中の施工高を推定したものであります。
3 当期施工高は、(当期売上高+次期繰越施工高-前期繰越施工高)に一致いたします。
4 会計方針の変更に伴い、前期繰越高に差異が発生しております。詳細については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)(収益認識に関する会計基準等の適用)」をご参照ください。
b.受注工事高の受注方法別比率
工事の受注方法は、特命と競争に大別されております。
| 期別 | 特命(%) | 競争(%) | 計(%) |
| 前事業年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 23.8 | 76.2 | 100 |
| 当事業年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) | 29.1 | 70.9 | 100 |
(注) 上記%は、請負金額比であります。
c.売上高
| 期別 | 区分 | 官公庁(百万円) | 民間(百万円) | 合計(百万円) | |
| 前事業年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 工事 | (注)1 | 9,350 | 8,303 | 17,653 |
| 設備・機材売上 | (注)2 | 321 | 11,369 | 11,690 | |
| 計 | 9,671 | 19,673 | 29,344 | ||
| 当事業年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) | 工事 | (注)1 | 4,263 | 7,521 | 11,784 |
| 設備・機材売上 | (注)2 | 147 | 10,274 | 10,422 | |
| 計 | 4,411 | 17,795 | 22,207 | ||
(注)1 完成工事高
2 製品売上高
3 売上高のうち主なものは次のとおりであります。
前事業年度の売上高のうち主なもの
| 受注先 | 工事件名等 |
| ㈱NTTドコモ | 基地局アンテナ納品 |
| KDDI㈱ | 基地局アンテナ納品 |
| 十和田市 | 新同報系防災行政無線整備工事 |
| 富岡市 | デジタル防災行政無線システム整備工事 |
| 小林市 | 280MHzデジタル同報無線システム整備工事 |
当事業年度の売上高のうち主なもの
| 受注先 | 工事件名等 |
| ㈱NTTドコモ | 基地局アンテナ納品 |
| KDDI㈱ | 基地局アンテナ及び無線機器納品 |
| ソフトバンク㈱ | 基地局アンテナ納品 |
| 雲南市 | 280MHzデジタル同報無線システム整備工事 |
| 高砂市 | 防災行政無線デジタル化整備工事 |
4 売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上高及びその割合
| 前事業年度 | ㈱NTTドコモ | 4,221百万円 | 14.4% |
| 前事業年度 | KDDI㈱ | 3,517百万円 | 12.0% |
| 当事業年度 | ㈱NTTドコモ | 4,874百万円 | 22.0% |
| 当事業年度 | KDDI㈱ | 2,283百万円 | 10.3% |
d.手持高(2022年3月31日現在)
| 区分 | 官公庁(百万円) | 民間(百万円) | 合計(百万円) |
| 工事 | 3,500 | 1,789 | 5,290 |
| 設備・機材売上 | 331 | 2,439 | 2,771 |
| 計 | 3,832 | 4,229 | 8,061 |
手持高のうち主なものは次のとおりであります。
| 受注先 | 工事件名等 | 完成予定年月 |
| 熊本防衛支局 | えびの送信所(3)鉄塔支線更新工事 | 2024年12月 |
| 八重山広域市町村圏事務組合 | 八重山地区ラジオ中継局機能強化事業 | 2023年3月 |
| 広島市 | 防災行政無線通信機器更新整備 | 2023年11月 |
| ㈱ソルコム | 長門市光ファイバー網整備事業整備工事 | 2022年4月 |
| 沖縄テレビ放送㈱ | 本社500KVA非常用発電機更新工事 | 2023年3月 |
高周波関連事業
a.生産実績
| 区分 | 前事業年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 当事業年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
| 金額(百万円) | 金額(百万円) | |
| 高周波焼入受託加工 | 72 | 83 |
| 高周波誘導加熱装置 | 4,474 | 4,615 |
| 計 | 4,547 | 4,698 |
(注) 金額は販売価格で示しております。
b.受注実績
| 区分 | 前々事業年度 | 前事業年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 当事業年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) | ||
| 受注残高 (百万円) | 受注高 (百万円) | 受注残高 (百万円) | 受注高 (百万円) | 受注残高 (百万円) | |
| 高周波焼入受託加工 | - | 72 | - | 83 | - |
| 高周波誘導加熱装置 | 1,950 | 4,219 | 1,608 | 5,574 | 2,431 |
| 計 | 1,950 | 4,292 | 1,608 | 5,658 | 2,431 |
(注) 受注品目が多岐にわたり、数量の表示は困難であるため記載しておりません。
c.販売実績
| 区分 | 前事業年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 当事業年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) | ||
| 金額(百万円) | 構成比(%) | 金額(百万円) | 構成比(%) | |
| 高周波焼入受託加工 | 72 | 1.6 | 83 | 1.7 |
| 高周波誘導加熱装置 | 4,560 | 98.4 | 4,689 | 98.3 |
| 計 | 4,633 | 100 | 4,772 | 100 |
(注)1 販売品目が多岐にわたり、数量の表示は困難であるため記載しておりません。
2 売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上高及びその割合
| 前事業年度 | ㈱豊通マシナリー | 1,437百万円 | 31.0% |
| 豊田通商㈱ | 563百万円 | 12.2% | |
| 当事業年度 | ㈱豊通マシナリー | 1,156百万円 | 24.2% |
3 電気通信関連事業の設備・機材当期売上高に上記販売実績を合算した金額が、提出会社の損益計算書の製品売上高に一致いたします。
その他の事業
a.売上実績
| 区分 | 前事業年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 当事業年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) | ||
| 金額(百万円) | 構成比(%) | 金額(百万円) | 構成比(%) | |
| 設備貸付事業 | 230 | 69.7 | 237 | 71.7 |
| 売電事業 | 100 | 30.3 | 93 | 28.3 |
| 計 | 330 | 100 | 330 | 100 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 a.財政状態」に記載のとおりであります。
当社グループの当連結会計年度の経営成績につきましては、売上高339億6千8百万円(前年同期比18.1%減)、営業利益5千3百万円(前年同期比96.6%減)となり、前連結会計年度に比べ減収減益となりました。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、新型コロナウイルス感染症の影響を始めとした外部環境の変化、業界の動向や取引先の動向等によっては、所期の目標を達成できない可能性があります。
経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容をセグメント別にみますと、電気通信関連事業においては、移動通信関連分野においては、5G向けに割り当てられた周波数帯に対応したアンテナ需要について、移動通信事業者による設備投資需要に本格化の様相が見られておりますが、新型コロナウイルス感染症の影響による部材の供給不足等により、需要の抑制が発生しております。固定無線関連分野においては、各自治体における防災体制強化とデジタル化の動きに伴う防災行政無線需要が、新型コロナウイルス感染症の影響等により先送りとなっていることから、急速に減少しております。放送関連分野においても、放送事業者による設備更新・メンテナンス需要が縮小・先送りとなっております。その他分野としては、LED航空障害灯やサーマルカメラシステムの需要開拓を進めております。また、いずれの分野においても価格競争の激化により、受注環境は厳しさを増しております。このような環境のもと、当事業分野では、需要の取り込みと生産性の向上を積極的に図ってまいりましたが、当連結会計年度は、前連結会計年度に比べ減収減益となりました。一方、高周波関連事業においては、主力であります高周波誘導加熱装置においては、新型コロナウイルス感染症の影響による需要の急速な減少の後、主に海外市場における需要の回復から自動車関連業界における設備投資需要に回復の兆しが見られております。また、熱処理受託加工については、新型コロナウイルス感染症の影響からは持ち直しの動きをみせておりますが、世界的な半導体不足による業界全体への影響が長期化の様相を呈しており、自動車メーカーの生産調整の影響も発生しております。このような環境のもと、当事業分野では、事業環境を注視した上で、新規市場・新規ユーザーの開拓に加え、生産性の向上による利益の拡大に取り組んでまいりました。
なお、売上高及び営業利益の詳細につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b.経営成績」に記載しております。
経常利益につきましては、営業利益は前年同期比96.6%減の5千3百万円となりましたが、為替差益の計上など営業外収支の改善により、前年同期比75.1%減の4億4千8百万円となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、前連結会計年度に比べ投資有価証券売却益が増加したこともあり、前年同期比38.9%減の7億5百万円となりました。
そのような状況の中で、当社は、経営環境の変化に迅速に対応し、事業の継続性と安定した収益の確保を目指すとともに企業価値の増大を図ることを基本に事業を推進するよう努めております。当社の経営理念である「優れた製品を社会に提供し、社会に貢献する」、「時代のニーズを先取りし、失敗を恐れぬチャレンジ精神の溢れた前向きの企業たることを期す」、「絶えず生産性の向上に務め、常に適正な利益を確保する」、「一社一家、グループ一家の和の精神をもって発展成長し、社員の生活向上に務める」並びに「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 中長期的な会社の経営戦略」に記載されている成長戦略のもと、企業価値を高め、株主の皆様や顧客各位のご期待に応えることに向け取り組んでまいります。
今後の見通しにつきましては、国内景気は一部持ち直しの動きが見られておりますが、新型コロナウイルス感染症による厳しい状況が残る中で、半導体不足の長期化や円安・原材料費の高騰の影響もあり、先行きについても予断を許さない状況にあります。当社グループを取り巻く環境としては、移動通信関連分野においては、5G向けのアンテナ需要が継続される見通しであることに加え、新たに開発した無線装置と併せ需要の取り込みを積極的に図ってまいります。さらに、移動通信鉄塔のメンテナンス需要の獲得にも取り組んでまいります。固定無線関連分野については、新型コロナウイルス感染症の影響による防災行政無線の需要の先延ばしが継続されることが想定されますが、中期的には需要の回復も見込まれていることから、引き続き需要獲得に注力いたします。放送関連分野については、放送事業者による放送設備の更新・メンテナンス需要の取り込みを図ってまいります。このほか、新規事業については、LED航空障害灯やサーマルカメラシステム等の需要開拓に加え、当社無線技術を活用した新たな市場開拓に向けて、積極的に注力いたします。高周波関連事業においては、事業環境を注視した上で、海外拠点との連携強化を図り、日系自動車関連メーカーを始めとした設備投資需要の取り込みを強化するとともに、新たな需要獲得に向けた自動車関連以外の分野への取り組みも積極的に進めてまいります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、営業活動において41億6千6百万円並びに投資活動において26億8千万円の資金をそれぞれ獲得し、財務活動において41億3千9百万円使用したこと等から、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ28億4千万円増加し131億4千万円となりました。また、預入期間が3ヶ月を超える定期預金を含めた現金及び預金の残高につきましては、前連結会計年度末に比べ1億9百万円減少し188億8千6百万円となりました。
なお、キャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、当社グループの運転資金需要のうち主なものは製品及び原材料の購入費、外注費のほか、製造経費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。これらの資金の源泉は、自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としております。また、生産設備の増強・合理化・更新等を含めた設備投資や長期運転資金の必要性が生じた際は、リースや金融機関からの長期借入を行う場合があります。
なお、当社はキャピタルアロケーションを策定し、今後においてはレバレッジを活用した資金調達の水準を高めることで、保有する資産及び営業キャッシュ・フローで得た資金と併せ、株主還元、人財投資に加え、成長戦略の実現に向けた投資を行ってまいります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、将来の特定の費用又は損失であって、その発生が過去の実績や状況に応じ合理的にその金額を見積ることができる場合には費用又は損失として認識しております。ただし実際の結果は、見積り特有の不確実性を伴うため、これらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
また、新型コロナウイルス感染症の影響等不確実性が大きく将来事業計画等の見込数値に反映させることが難しい要素もありますが、期末時点で入手可能な情報を基に検証等を行っております。
(工事契約及び設備据付工事等における収益認識)
工事契約及び設備据付工事等における収益認識に際して用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(固定資産の減損処理)
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。
(退職給付引当金)
当社グループは、従業員の退職給付費用について、各連結会計年度末における退職給付債務及び年金資産の見込額に基づき引当計上しております。これらは割引率、昇給率、死亡率、年金資産の長期期待運用収益率等の重要な見積りを加味して計上しております。
(繰延税金資産)
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。