有価証券報告書-第98期(2023/04/01-2024/03/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
a.財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ1億3百万円増加し552億3千7百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ19億5千8百万円減少し387億3百万円となりました。その主な要因は、棚卸資産が6億5千9百万円増加したものの、現金及び預金が6億9千3百万円、受取手形を含む売掛債権が19億4千8百万円それぞれ減少したこと等が挙げられます。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ20億6千2百万円増加し165億3千4百万円となりました。その主な要因は、有形固定資産が13億4千1百万円減少したものの、無形固定資産が16億8千9百万円、繰延税金資産が2億8千5百万円、退職給付に係る資産が5億9千9百万円、長期預金が10億円それぞれ増加したこと等が挙げられます。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ11億7千万円増加し103億3千8百万円となりました。その主な要因は、支払手形を含む仕入債務が6億9千3百万円、契約負債が5億1千5百万円それぞれ減少したものの、短期借入金が22億円増加したこと等が挙げられます。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ20億1千1百万円増加し61億7千5百万円となりました。その主な要因は、退職給付に係る負債が1億6百万円減少したものの、繰延税金負債が3億3千9百万円、長期前受収益が17億8千1百万円それぞれ増加したこと等が挙げられます。
純資産は、前連結会計年度末に比べ30億7千8百万円減少し387億2千3百万円となりました。その主な要因は、その他有価証券評価差額金が4億7千9百万円、為替換算調整勘定が3億7千5百万円、自己株式の取得と消却等により自己株式が9億7千8百万円減少し純資産がそれぞれ増加した一方で、利益剰余金が54億4千8百万円減少したこと等が挙げられます。
b.経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、一部に弱い動きが見られますが緩やかに回復しております。高水準の企業収益を背景に設備投資が底堅く推移しており、供給制約の緩和から生産活動も持ち直しの動きを見せております。一方、海外経済の不透明感に加え、商品市況の高止まりや円安に伴う資材価格の高騰が継続しており、消費が弱い動きとなっているなどリスク要因が複数あることから、先行きについては依然として予断を許さない状況が続いております。
当社グループの関係しております電気通信関連業界におきましては、移動通信関連分野では、顧客の設備投資計画が依然として全般的に抑制されております。固定無線関連分野では、自治体の防災体制の強化等により防災行政無線の需要に回復傾向が見られておりますが、放送関連分野においては放送事業者による設備更新需要の先送りの継続により、依然として停滞しております。高周波応用機器業界におきましては、自動車関連分野における設備投資需要に回復の兆しが見られますが、その基調は未だ緩やかなものとなっております。なお、いずれの事業分野においても、エネルギー及び部品等の価格高騰や、人件費の高騰といった原価上昇要因が、依然として影響を及ぼしております。
その結果、受注高は前年同期比0.3%減の320億6千7百万円となり、売上高は前年同期比9.3%減の288億6千4百万円となりました。
利益の面では営業損失は17億8千7百万円(前連結会計年度は15億1千万円の営業損失)、経常損失は15億3千7百万円(前連結会計年度は12億1千9百万円の経常損失)となり、親会社株主に帰属する当期純損失は19億7千7百万円(前連結会計年度は11億8千1百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。(報告セグメント等の業績については、セグメント間の内部売上高等を含めて記載しております。)
(電気通信関連事業)
当事業では、移動通信関連分野においては、移動通信事業者による設備投資が依然として全般的に抑制されており、5G設備投資需要についても停滞・先送りとなっております。固定無線関連分野では、各自治体における防災体制強化とデジタル化の動きに伴う防災行政無線の需要が、緊急防災・減災事業債の期限延長の影響等により回復傾向が見られておりますが、入札における価格競争が激化しております。防衛関連の需要については、防衛費予算の増額の影響から増加傾向が見られております。放送関連分野においては、放送事業者によるメンテナンス需要は改善傾向にありますが、デジタル放送設備の更新需要は依然として先送りとなっております。ソリューション関連分野においては、2023年9月29日に子会社化した株式会社サイバーコアが保有する画像AI技術やセンシングAI技術と、当社が培ってきた無線通信技術及び様々なカメラを中心としたセンシング技術をかけ合わせることで、両社の強みを活かしたソリューションビジネスの事業化に向けて効率的且つ精力的に事業活動を推進しております。その他分野としては、屋外建築鉄骨や鋼構造物の表面処理需要の継続的な確保に加え、LED航空障害灯や燃料電池といった環境負荷の低い製品において、積極的に需要開拓を進めております。
このような事業環境のもと、当事業分野では需要の取り込みと生産性の向上を積極的に図ってまいりましたが、部品等の長納期化による影響や原材料費等の高騰が、依然として続いております。
その結果、受注高は前年同期比1.0%減の220億7千万円、売上高は前年同期比15.2%減の191億6千7百万円となりました。また、セグメント損失(営業損失)につきましては、5千6百万円(前連結会計年度は5千万円のセグメント利益(営業利益))となりました。
(高周波関連事業)
当事業では、主力であります高周波誘導加熱装置分野においては、自動車関連業界における世界的な半導体不足や部品等の長納期化による影響が解消しており、設備投資需要は回復傾向にあります。熱処理受託加工分野においても、自動車メーカー各社の生産調整の解消から需要は回復傾向にありますが、エネルギーコストの高騰による原価上昇要因は依然として継続しております。高周波新領域関連分野においては、過熱水蒸気装置を用いた食品や廃棄物の処理における需要の創出を進めるため、過熱水蒸気技術の高度化に向けた周辺技術の検証を進めており、当連結会計年度において受注を獲得しております。従来取引のなかった様々な企業と実証実験を積み重ね、課題の検証、データ・ノウハウの蓄積を図り、新たな事業領域の開拓に向けた取り組みを推進しております。
このような事業環境のもと、当事業分野においても原材料費やエネルギーコスト等の高騰による原価上昇要因が発生しておりますが、生産性の向上や販売価格の見直しによる利益の拡大に取り組んでまいりました。
その結果、受注高は前年同期比1.2%増の99億9千7百万円、売上高は前年同期比5.4%増の96億2千3百万円となりました。また、セグメント利益(営業利益)につきましては、前年同期比9.7%減の10億2千3百万円となりました。
(その他)
その他事業は、土地・事務所等の子会社等への賃貸を行う設備貸付事業並びに売電事業であります。売上高については前年同期比10.4%減の2億6千5百万円となりました。また、セグメント利益(営業利益)につきましては、前年同期比11.6%減の1億2千3百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ30億7千7百万円増加し、当連結会計年度末には173億3千万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は7億5千4百万円(前年同期は8億7千万円の使用)となりました。これは主に売上債権の増減額20億7千8百万円、減損損失の計上18億6千万円等の増加要因に対し、税金等調整前当期純損失の計上23億6百万円、投資有価証券売却益の計上13億3千1百万円等の減少要因が上回ったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果獲得した資金は38億6千3百万円(前年同期は4億9千7百万円の獲得)となりました。これは主に定期預金の純増による収入27億7千6百万円、投資有価証券の売却による収入20億1千5百万円、有形及び無形固定資産の売却による収入18億2千9百万円等の増加要因に対し、有形及び無形固定資産の取得による支出12億1千5百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出9億5千万円等の減少要因が下回ったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は7億7千万円(前年同期は9億7千6百万円の獲得)となりました。これは主に短期借入金の純増減額20億5千9百万円、自己株式取得のための預託金の増減額1億1千9百万円等の増加要因に対し、自己株式の取得による支出18億7千3百万円、配当金の支払額6億1千6百万円等の減少要因が上回ったことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 電気通信関連事業のうち、工事に係る生産実績を定義することが困難であるため、上記生産実績から除いて表示しております。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
c.売上実績
当連結会計年度における売上実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 「その他」区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、設備貸付事業並びに売電事業を含んでおります。
3 主な相手先別の売上実績及び当該売上実績の総売上実績に対する割合につきましては、販売実績の総販売実績に対する割合が10%以上の相手先が存在しないため、記載を省略しております。
なお、参考のため提出会社単独の事業の状況は次のとおりであります。
電気通信関連事業
a.受注高、売上高、繰越高及び施工高
(注)1 前期以前に受注した物件で、契約の更改により受注金額に変更のあるものについては、当期受注高にその増減額を含んでおります。したがって、当期売上高においても増減額が含まれております。
2 次期繰越高のうち、施工高は、支出金により物件毎の進捗度を勘案して手持高中の施工高を推定したものであります。
3 当期施工高は、(当期売上高+次期繰越施工高-前期繰越施工高)に一致いたします。
b.受注工事高の受注方法別比率
工事の受注方法は、特命と競争に大別されております。
(注) 上記%は、請負金額比であります。
c.売上高
(注)1 完成工事高
2 製品売上高
3 売上高のうち主なものは次のとおりであります。
前事業年度の売上高のうち主なもの
当事業年度の売上高のうち主なもの
4 売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上高及びその割合
d.手持高(2024年3月31日現在)
手持高のうち主なものは次のとおりであります。
高周波関連事業
a.生産実績
(注) 金額は販売価格で示しております。
b.受注実績
(注) 受注品目が多岐にわたり、数量の表示は困難であるため記載しておりません。
c.販売実績
(注)1 販売品目が多岐にわたり、数量の表示は困難であるため記載しておりません。
2 売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上高及びその割合
3 電気通信関連事業の設備・機材当期売上高に上記販売実績を合算した金額が、提出会社の損益計算書の製品売上高に一致いたします。
その他の事業
a.売上実績
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 a.財政状態」に記載のとおりであります。
当社グループの当連結会計年度の経営成績につきましては、売上高は前年同期比9.3%減の288億6千4百万円となり、利益(損失)につきましては、営業損失は17億8千7百万円(前連結会計年度は15億1千万円の営業損失)、経常損失は15億3千7百万円(前連結会計年度は12億1千9百万円の経常損失)となり、親会社株主に帰属する当期純損失は19億7千7百万円(前連結会計年度は11億8千1百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
なお、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、外部環境の変化、業界の動向や取引先の動向等によっては、所期の目標を達成できない可能性があります。
経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容をセグメント別にみますと、電気通信関連事業のうち、移動通信関連分野においては、移動通信事業者による設備投資が依然として全般的に抑制されており、5G設備投資需要についても停滞・先送りとなっております。固定無線関連分野では、各自治体における防災体制強化とデジタル化の動きに伴う防災行政無線の需要が、緊急防災・減災事業債の期限延長の影響等により回復傾向が見られておりますが、入札における価格競争が激化しております。防衛関連の需要については、防衛費予算の増額の影響から増加傾向が見られております。放送関連分野においては、放送事業者によるメンテナンス需要は改善傾向にありますが、デジタル放送設備の更新需要は依然として先送りとなっております。ソリューション関連分野においては、2023年9月29日に子会社化した株式会社サイバーコアが保有する画像AI技術やセンシングAI技術と、当社が培ってきた無線通信技術及び様々なカメラを中心としたセンシング技術をかけ合わせることで、両社の強みを活かしたソリューションビジネスの事業化に向けて効率的且つ精力的に事業活動を推進しております。その他分野としては、屋外建築鉄骨や鋼構造物の表面処理需要の継続的な確保に加え、LED航空障害灯や燃料電池といった環境負荷の低い製品において、積極的に需要開拓を進めております。このような事業環境のもと、当事業分野では需要の取り込みと生産性の向上を積極的に図ってまいりましたが、部品等の長納期化による影響や原材料費等の高騰が、依然として続いております。
一方、高周波関連事業のうち、主力であります高周波誘導加熱装置分野においては、自動車関連業界における世界的な半導体不足や部品等の長納期化による影響が解消しており、設備投資需要は回復傾向にあります。熱処理受託加工分野においても、自動車メーカー各社の生産調整の解消から需要は回復傾向にありますが、エネルギーコストの高騰による原価上昇要因は依然として継続しております。高周波新領域関連分野においては、過熱水蒸気装置を用いた食品や廃棄物の処理における需要の創出を進めるため、過熱水蒸気技術の高度化に向けた周辺技術の検証を進めており、当連結会計年度において受注を獲得しております。従来取引のなかった様々な企業と実証実験を積み重ね、課題の検証、データ・ノウハウの蓄積を図り、新たな事業領域の開拓に向けた取り組みを推進しております。このような事業環境のもと、当事業分野においても原材料費やエネルギーコスト等の高騰による原価上昇要因が発生しておりますが、生産性の向上や販売価格の見直しによる利益の拡大に取り組んでまいりました。
なお、売上高及び営業利益の詳細につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b.経営成績」に記載しております。
経常利益(損失)につきましては、営業損失が17億8千7百万円(前連結会計年度は15億1千万円の営業損失)となりましたことに加え、前連結会計年度と比べ、営業外費用は減少したものの、受取配当金や為替差益の計上などの営業外収益も減少するなど、経常損失15億3千7百万円(前連結会計年度は12億1千9百万円の経常損失)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益(損失)につきましては、投資有価証券売却益を認識したものの、当社及びグループ会社の一部拠点にて経営環境の悪化による収益性の低下が確認されたことを受け、保有する固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで切り下げるなど減損損失を計上したことなどにより、親会社株主に帰属する当期純損失は19億7千7百万円(前連結会計年度は11億8千1百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
そのような状況の中で、当社は、経営環境の変化に迅速に対応し、事業の継続性と安定した収益の確保を目指すとともに企業価値の増大を図ることを基本に事業を推進するよう努めております。当社の経営理念である「優れた製品を社会に提供し、社会に貢献する」、「時代のニーズを先取りし、失敗を恐れぬチャレンジ精神の溢れた前向きの企業たることを期す」、「絶えず生産性の向上に務め、常に適正な利益を確保する」、「一社一家、グループ一家の和の精神をもって発展成長し、社員の生活向上に務める」並びに「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1)会社の経営の基本方針、(2)目標とする経営指標、(3) 中長期的な会社の経営戦略」に記載されている成長戦略のもと、企業価値を高め、株主の皆様や顧客各位のご期待に応えることに向け取り組んでまいります。
今後の見通しにつきましては、国内景気は緩やかに回復傾向にありますが、変化する事業環境や価格競争の激化から、当社グループを取り巻く経営環境につきましては、幾分回復の兆しは見られるものの厳しい状況が続くことが想定されます。
以上のような環境の中、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(5)会社の対処すべき課題」にも記載したとおり、2024年3月に公表した中期経営計画(DKK-Plan2025)のローリングプランに記載のとおり、今後においては、既存事業の着実な取り込みに加え、防衛・ソリューション・高周波の事業領域を注力分野と定め当社グループの早期の業績回復を目指してまいります。
注力分野につきましては、電気通信関連事業のうち防衛関連分野においては、防衛費の予算増額を背景とした装備品の安定供給と既存設備の維持・点検整備事業への積極的な提案による受注獲得を図るとともに、ソリューション関連分野においては、映像を主体としたAIソリューションによる社会課題解決に向け、提案力・開発力を増強するとともに、子会社化した株式会社サイバーコアとの協業による受注拡大を進めてまいります。また、高周波関連事業のうち高周波誘導加熱装置分野においては、自動車EV化に伴う受注の獲得や既存設備のメンテナンス需要の掘り起こしを進め、熱処理受託加工分野については、生産調整の解消からの回復傾向にある需要の着実な獲得に取り組み、高周波新領域分野については、事業化の早期実現に向けてスピードを上げて推進してまいります。
既存事業についても、電気通信関連事業のうち移動通信関連分野においては、移動通信基地局用アンテナ製品に加え、開発した無線装置と併せ需要の取り込みを図るとともに、移動通信鉄塔のメンテナンス需要の獲得にも継続して取り組んでまいります。固定無線関連分野については、緊急防災・減災事業債の期限延長の影響を受け、地方自治体向け防災行政無線の需要の回復が見込まれておりその獲得に注力し、また放送関連分野については、放送設備の更新・メンテナンス需要の取り込みを着実に進めてまいります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、営業活動において7億5千4百万円の使用、投資活動において38億6千3百万円の獲得、財務活動において7億7千万円使用したこと等から、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ30億7千7百万円増加し173億3千万円となりました。また、預入期間が3ヶ月を超える定期預金を含めた現金及び預金の残高につきましては、定期預金の払戻による影響に加え長期預金の計上等もあり、前連結会計年度末に比べ6億9千3百万円減少し190億6千6百万円となりました。
なお、キャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、当社グループの運転資金需要のうち主なものは製品及び原材料の購入費、外注費のほか、製造経費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。これらの資金の源泉は、自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としております。また、生産設備の増強・合理化・更新等を含めた設備投資や長期運転資金の必要性が生じた際は、リースや金融機関からの長期借入を行う場合があります。
なお、当社はキャピタルアロケーションを策定し、レバレッジを活用した資金調達の水準を高めることで、保有する資産の売却及び営業キャッシュ・フローで得た資金と併せ、株主還元、人財投資に加え、成長戦略の実現に向けた投資を行っていくことを掲げております。その取り組みの一環として、2022年9月に、主要取引金融機関と総額110億円のコミットメントライン契約を締結した上で、2024年3月31日時点で44億円のシンジケートローンを組成し、また、日本生命保険相互会社より長期借入金として10億円の調達を実施しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、将来の特定の費用又は損失であって、その発生が過去の実績や状況に応じ合理的にその金額を見積ることができる場合には費用又は損失として認識しております。ただし実際の結果は、見積り特有の不確実性を伴うため、これらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
(工事契約及び設備据付工事等における収益認識)
工事契約及び設備据付工事等における収益認識に際して用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(固定資産の減損処理)
固定資産の減損処理に際して用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(退職給付引当金)
当社グループは、従業員の退職給付費用について、各連結会計年度末における退職給付債務及び年金資産の見込額に基づき引当計上しております。これらは割引率、昇給率、死亡率、年金資産の長期期待運用収益率等の重要な見積りを加味して計上しております。
(繰延税金資産)
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
(のれん)
のれんの算出に際して用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
a.財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ1億3百万円増加し552億3千7百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ19億5千8百万円減少し387億3百万円となりました。その主な要因は、棚卸資産が6億5千9百万円増加したものの、現金及び預金が6億9千3百万円、受取手形を含む売掛債権が19億4千8百万円それぞれ減少したこと等が挙げられます。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ20億6千2百万円増加し165億3千4百万円となりました。その主な要因は、有形固定資産が13億4千1百万円減少したものの、無形固定資産が16億8千9百万円、繰延税金資産が2億8千5百万円、退職給付に係る資産が5億9千9百万円、長期預金が10億円それぞれ増加したこと等が挙げられます。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ11億7千万円増加し103億3千8百万円となりました。その主な要因は、支払手形を含む仕入債務が6億9千3百万円、契約負債が5億1千5百万円それぞれ減少したものの、短期借入金が22億円増加したこと等が挙げられます。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ20億1千1百万円増加し61億7千5百万円となりました。その主な要因は、退職給付に係る負債が1億6百万円減少したものの、繰延税金負債が3億3千9百万円、長期前受収益が17億8千1百万円それぞれ増加したこと等が挙げられます。
純資産は、前連結会計年度末に比べ30億7千8百万円減少し387億2千3百万円となりました。その主な要因は、その他有価証券評価差額金が4億7千9百万円、為替換算調整勘定が3億7千5百万円、自己株式の取得と消却等により自己株式が9億7千8百万円減少し純資産がそれぞれ増加した一方で、利益剰余金が54億4千8百万円減少したこと等が挙げられます。
b.経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、一部に弱い動きが見られますが緩やかに回復しております。高水準の企業収益を背景に設備投資が底堅く推移しており、供給制約の緩和から生産活動も持ち直しの動きを見せております。一方、海外経済の不透明感に加え、商品市況の高止まりや円安に伴う資材価格の高騰が継続しており、消費が弱い動きとなっているなどリスク要因が複数あることから、先行きについては依然として予断を許さない状況が続いております。
当社グループの関係しております電気通信関連業界におきましては、移動通信関連分野では、顧客の設備投資計画が依然として全般的に抑制されております。固定無線関連分野では、自治体の防災体制の強化等により防災行政無線の需要に回復傾向が見られておりますが、放送関連分野においては放送事業者による設備更新需要の先送りの継続により、依然として停滞しております。高周波応用機器業界におきましては、自動車関連分野における設備投資需要に回復の兆しが見られますが、その基調は未だ緩やかなものとなっております。なお、いずれの事業分野においても、エネルギー及び部品等の価格高騰や、人件費の高騰といった原価上昇要因が、依然として影響を及ぼしております。
その結果、受注高は前年同期比0.3%減の320億6千7百万円となり、売上高は前年同期比9.3%減の288億6千4百万円となりました。
利益の面では営業損失は17億8千7百万円(前連結会計年度は15億1千万円の営業損失)、経常損失は15億3千7百万円(前連結会計年度は12億1千9百万円の経常損失)となり、親会社株主に帰属する当期純損失は19億7千7百万円(前連結会計年度は11億8千1百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。(報告セグメント等の業績については、セグメント間の内部売上高等を含めて記載しております。)
(電気通信関連事業)
当事業では、移動通信関連分野においては、移動通信事業者による設備投資が依然として全般的に抑制されており、5G設備投資需要についても停滞・先送りとなっております。固定無線関連分野では、各自治体における防災体制強化とデジタル化の動きに伴う防災行政無線の需要が、緊急防災・減災事業債の期限延長の影響等により回復傾向が見られておりますが、入札における価格競争が激化しております。防衛関連の需要については、防衛費予算の増額の影響から増加傾向が見られております。放送関連分野においては、放送事業者によるメンテナンス需要は改善傾向にありますが、デジタル放送設備の更新需要は依然として先送りとなっております。ソリューション関連分野においては、2023年9月29日に子会社化した株式会社サイバーコアが保有する画像AI技術やセンシングAI技術と、当社が培ってきた無線通信技術及び様々なカメラを中心としたセンシング技術をかけ合わせることで、両社の強みを活かしたソリューションビジネスの事業化に向けて効率的且つ精力的に事業活動を推進しております。その他分野としては、屋外建築鉄骨や鋼構造物の表面処理需要の継続的な確保に加え、LED航空障害灯や燃料電池といった環境負荷の低い製品において、積極的に需要開拓を進めております。
このような事業環境のもと、当事業分野では需要の取り込みと生産性の向上を積極的に図ってまいりましたが、部品等の長納期化による影響や原材料費等の高騰が、依然として続いております。
その結果、受注高は前年同期比1.0%減の220億7千万円、売上高は前年同期比15.2%減の191億6千7百万円となりました。また、セグメント損失(営業損失)につきましては、5千6百万円(前連結会計年度は5千万円のセグメント利益(営業利益))となりました。
(高周波関連事業)
当事業では、主力であります高周波誘導加熱装置分野においては、自動車関連業界における世界的な半導体不足や部品等の長納期化による影響が解消しており、設備投資需要は回復傾向にあります。熱処理受託加工分野においても、自動車メーカー各社の生産調整の解消から需要は回復傾向にありますが、エネルギーコストの高騰による原価上昇要因は依然として継続しております。高周波新領域関連分野においては、過熱水蒸気装置を用いた食品や廃棄物の処理における需要の創出を進めるため、過熱水蒸気技術の高度化に向けた周辺技術の検証を進めており、当連結会計年度において受注を獲得しております。従来取引のなかった様々な企業と実証実験を積み重ね、課題の検証、データ・ノウハウの蓄積を図り、新たな事業領域の開拓に向けた取り組みを推進しております。
このような事業環境のもと、当事業分野においても原材料費やエネルギーコスト等の高騰による原価上昇要因が発生しておりますが、生産性の向上や販売価格の見直しによる利益の拡大に取り組んでまいりました。
その結果、受注高は前年同期比1.2%増の99億9千7百万円、売上高は前年同期比5.4%増の96億2千3百万円となりました。また、セグメント利益(営業利益)につきましては、前年同期比9.7%減の10億2千3百万円となりました。
(その他)
その他事業は、土地・事務所等の子会社等への賃貸を行う設備貸付事業並びに売電事業であります。売上高については前年同期比10.4%減の2億6千5百万円となりました。また、セグメント利益(営業利益)につきましては、前年同期比11.6%減の1億2千3百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ30億7千7百万円増加し、当連結会計年度末には173億3千万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は7億5千4百万円(前年同期は8億7千万円の使用)となりました。これは主に売上債権の増減額20億7千8百万円、減損損失の計上18億6千万円等の増加要因に対し、税金等調整前当期純損失の計上23億6百万円、投資有価証券売却益の計上13億3千1百万円等の減少要因が上回ったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果獲得した資金は38億6千3百万円(前年同期は4億9千7百万円の獲得)となりました。これは主に定期預金の純増による収入27億7千6百万円、投資有価証券の売却による収入20億1千5百万円、有形及び無形固定資産の売却による収入18億2千9百万円等の増加要因に対し、有形及び無形固定資産の取得による支出12億1千5百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出9億5千万円等の減少要因が下回ったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は7億7千万円(前年同期は9億7千6百万円の獲得)となりました。これは主に短期借入金の純増減額20億5千9百万円、自己株式取得のための預託金の増減額1億1千9百万円等の増加要因に対し、自己株式の取得による支出18億7千3百万円、配当金の支払額6億1千6百万円等の減少要因が上回ったことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 電気通信関連事業 | 9,619 | △3.4 |
| 高周波関連事業 | 9,666 | 12.3 |
| 合計 | 19,285 | 3.8 |
(注)1 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 電気通信関連事業のうち、工事に係る生産実績を定義することが困難であるため、上記生産実績から除いて表示しております。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高 | 受注残高 | ||
| 金額(百万円) | 前年同期比(%) | 金額(百万円) | 前年同期比(%) | |
| 電気通信関連事業 | 22,070 | △1.0 | 11,464 | 34.4 |
| 高周波関連事業 | 9,997 | 1.2 | 3,887 | 10.6 |
| 合計 | 32,067 | △0.3 | 15,352 | 27.5 |
c.売上実績
当連結会計年度における売上実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 売上高(百万円) | 前年同期比(%) | |
| 電気通信関連事業 | 工事 | 10,079 | △22.7 |
| 設備・機材売上 | 9,056 | △5.1 | |
| 小計 | 19,136 | △15.2 | |
| 高周波関連事業 | 9,623 | 5.4 | |
| その他 | 104 | △3.0 | |
| 合計 | 28,864 | △9.3 | |
(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 「その他」区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、設備貸付事業並びに売電事業を含んでおります。
3 主な相手先別の売上実績及び当該売上実績の総売上実績に対する割合につきましては、販売実績の総販売実績に対する割合が10%以上の相手先が存在しないため、記載を省略しております。
なお、参考のため提出会社単独の事業の状況は次のとおりであります。
電気通信関連事業
a.受注高、売上高、繰越高及び施工高
| 期別 | 売上 区分 | 前期 繰越高 (百万円) | 当期 受注高 (百万円) | 計 (百万円) | 当期 売上高 (百万円) | 次期繰越高 | 当期 施工高 (百万円) | ||
| 手持高 (百万円) | うち施工高 (%、百万円) | ||||||||
| 前事業年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) | 工事 | 5,290 | 11,669 | 16,959 | 12,116 | 4,843 | 0.7 | 31 | 12,073 |
| 設備・機材売上 | 2,771 | 6,859 | 9,631 | 6,991 | 2,639 | 58.4 | 1,540 | 7,170 | |
| 計 | 8,061 | 18,529 | 26,590 | 19,107 | 7,482 | 21.0 | 1,572 | 19,244 | |
| 当事業年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 工事 | 4,843 | 11,564 | 16,407 | 9,245 | 7,162 | 0.8 | 56 | 9,270 |
| 設備・機材売上 | 2,639 | 6,696 | 9,335 | 5,665 | 3,670 | 50.5 | 1,855 | 5,979 | |
| 計 | 7,482 | 18,260 | 25,743 | 14,911 | 10,832 | 17.6 | 1,911 | 15,250 | |
(注)1 前期以前に受注した物件で、契約の更改により受注金額に変更のあるものについては、当期受注高にその増減額を含んでおります。したがって、当期売上高においても増減額が含まれております。
2 次期繰越高のうち、施工高は、支出金により物件毎の進捗度を勘案して手持高中の施工高を推定したものであります。
3 当期施工高は、(当期売上高+次期繰越施工高-前期繰越施工高)に一致いたします。
b.受注工事高の受注方法別比率
工事の受注方法は、特命と競争に大別されております。
| 期別 | 特命(%) | 競争(%) | 計(%) |
| 前事業年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) | 20.0 | 80.0 | 100 |
| 当事業年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 21.7 | 78.3 | 100 |
(注) 上記%は、請負金額比であります。
c.売上高
| 期別 | 区分 | 官公庁(百万円) | 民間(百万円) | 合計(百万円) | |
| 前事業年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) | 工事 | (注)1 | 6,197 | 5,918 | 12,116 |
| 設備・機材売上 | (注)2 | 338 | 6,653 | 6,991 | |
| 計 | 6,536 | 12,571 | 19,107 | ||
| 当事業年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 工事 | (注)1 | 4,634 | 4,610 | 9,245 |
| 設備・機材売上 | (注)2 | 207 | 5,457 | 5,665 | |
| 計 | 4,842 | 10,068 | 14,911 | ||
(注)1 完成工事高
2 製品売上高
3 売上高のうち主なものは次のとおりであります。
前事業年度の売上高のうち主なもの
| 受注先 | 工事件名等 |
| ㈱NTTドコモ | 基地局アンテナ及び無線機納品 |
| KDDI㈱ | 基地局アンテナ及び無線中継装置納品 |
| ㈱ソルコム | 長門市光ファイバー網整備事業整備工事 |
| 南洋貿易㈱ | トンガ中波アンテナ納品・工事 |
| 海上保安庁 第十管区海上保安本部 | 臥蛇島灯台災害復旧工事 |
当事業年度の売上高のうち主なもの
| 受注先 | 工事件名等 |
| KDDI㈱ | 基地局アンテナ及び無線中継装置納品 |
| ㈱NTTドコモ | 基地局アンテナ及び無線機納品 |
| 広島市 | 防災行政無線通信機器更新整備 |
| 防衛省 沖縄防衛局 | 与那国(3)鉄塔新設建築その他工事 |
| 奥出雲町 | 防災行政無線整備工事 |
4 売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上高及びその割合
| 前事業年度 | ㈱NTTドコモ | 2,307百万円 | 12.1% |
| 前事業年度 | KDDI㈱ | 2,156百万円 | 11.3% |
| 当事業年度 | KDDI㈱ | 1,938百万円 | 13.0% |
| 当事業年度 | ㈱NTTドコモ | 1,501百万円 | 10.1% |
d.手持高(2024年3月31日現在)
| 区分 | 官公庁(百万円) | 民間(百万円) | 合計(百万円) |
| 工事 | 4,146 | 3,015 | 7,162 |
| 設備・機材売上 | 411 | 3,259 | 3,670 |
| 計 | 4,558 | 6,274 | 10,832 |
手持高のうち主なものは次のとおりであります。
| 受注先 | 工事件名等 | 完成予定年月 |
| 熊本防衛支局 | えびの送信所(3)鉄塔支線更新工事 | 2024年12月 |
| 豊田市 | 豊田市防災行政無線(同報系)更新整備等業務委託 | 2026年3月 |
| 八重山広域市町村圏事務組合 | 八重山地区ラジオ中継局機能強化事業 | 2024年6月 |
| 熊本防衛支局 | えびの送信所(5)鉄塔支線更新工事 | 2027年2月 |
| 熊本防衛支局 | えびの送信所(4)鉄塔支線更新工事 | 2026年3月 |
高周波関連事業
a.生産実績
| 区分 | 前事業年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) | 当事業年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
| 金額(百万円) | 金額(百万円) | |
| 高周波焼入受託加工 | 85 | 116 |
| 高周波誘導加熱装置 | 5,763 | 5,380 |
| 計 | 5,849 | 5,496 |
(注) 金額は販売価格で示しております。
b.受注実績
| 区分 | 前々事業年度 | 前事業年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) | 当事業年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | ||
| 受注残高 (百万円) | 受注高 (百万円) | 受注残高 (百万円) | 受注高 (百万円) | 受注残高 (百万円) | |
| 高周波焼入受託加工 | - | 85 | - | 116 | - |
| 高周波誘導加熱装置 | 2,431 | 5,309 | 1,976 | 6,447 | 3,048 |
| 計 | 2,431 | 5,395 | 1,976 | 6,563 | 3,048 |
(注) 受注品目が多岐にわたり、数量の表示は困難であるため記載しておりません。
c.販売実績
| 区分 | 前事業年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) | 当事業年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | ||
| 金額(百万円) | 構成比(%) | 金額(百万円) | 構成比(%) | |
| 高周波焼入受託加工 | 85 | 1.5 | 116 | 2.1 |
| 高周波誘導加熱装置 | 5,765 | 98.5 | 5,375 | 97.9 |
| 計 | 5,850 | 100 | 5,491 | 100 |
(注)1 販売品目が多岐にわたり、数量の表示は困難であるため記載しておりません。
2 売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上高及びその割合
| 前事業年度 | ㈱豊通マシナリー | 1,468百万円 | 25.1% |
| 前事業年度 | 豊田通商㈱ | 719百万円 | 12.3% |
| 当事業年度 | ㈱豊通マシナリー | 1,027百万円 | 18.7% |
3 電気通信関連事業の設備・機材当期売上高に上記販売実績を合算した金額が、提出会社の損益計算書の製品売上高に一致いたします。
その他の事業
a.売上実績
| 区分 | 前事業年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) | 当事業年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | ||
| 金額(百万円) | 構成比(%) | 金額(百万円) | 構成比(%) | |
| 設備貸付事業 | 195 | 66.1 | 168 | 63.4 |
| 売電事業 | 100 | 33.9 | 97 | 36.6 |
| 計 | 296 | 100 | 265 | 100 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 a.財政状態」に記載のとおりであります。
当社グループの当連結会計年度の経営成績につきましては、売上高は前年同期比9.3%減の288億6千4百万円となり、利益(損失)につきましては、営業損失は17億8千7百万円(前連結会計年度は15億1千万円の営業損失)、経常損失は15億3千7百万円(前連結会計年度は12億1千9百万円の経常損失)となり、親会社株主に帰属する当期純損失は19億7千7百万円(前連結会計年度は11億8千1百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
なお、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、外部環境の変化、業界の動向や取引先の動向等によっては、所期の目標を達成できない可能性があります。
経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容をセグメント別にみますと、電気通信関連事業のうち、移動通信関連分野においては、移動通信事業者による設備投資が依然として全般的に抑制されており、5G設備投資需要についても停滞・先送りとなっております。固定無線関連分野では、各自治体における防災体制強化とデジタル化の動きに伴う防災行政無線の需要が、緊急防災・減災事業債の期限延長の影響等により回復傾向が見られておりますが、入札における価格競争が激化しております。防衛関連の需要については、防衛費予算の増額の影響から増加傾向が見られております。放送関連分野においては、放送事業者によるメンテナンス需要は改善傾向にありますが、デジタル放送設備の更新需要は依然として先送りとなっております。ソリューション関連分野においては、2023年9月29日に子会社化した株式会社サイバーコアが保有する画像AI技術やセンシングAI技術と、当社が培ってきた無線通信技術及び様々なカメラを中心としたセンシング技術をかけ合わせることで、両社の強みを活かしたソリューションビジネスの事業化に向けて効率的且つ精力的に事業活動を推進しております。その他分野としては、屋外建築鉄骨や鋼構造物の表面処理需要の継続的な確保に加え、LED航空障害灯や燃料電池といった環境負荷の低い製品において、積極的に需要開拓を進めております。このような事業環境のもと、当事業分野では需要の取り込みと生産性の向上を積極的に図ってまいりましたが、部品等の長納期化による影響や原材料費等の高騰が、依然として続いております。
一方、高周波関連事業のうち、主力であります高周波誘導加熱装置分野においては、自動車関連業界における世界的な半導体不足や部品等の長納期化による影響が解消しており、設備投資需要は回復傾向にあります。熱処理受託加工分野においても、自動車メーカー各社の生産調整の解消から需要は回復傾向にありますが、エネルギーコストの高騰による原価上昇要因は依然として継続しております。高周波新領域関連分野においては、過熱水蒸気装置を用いた食品や廃棄物の処理における需要の創出を進めるため、過熱水蒸気技術の高度化に向けた周辺技術の検証を進めており、当連結会計年度において受注を獲得しております。従来取引のなかった様々な企業と実証実験を積み重ね、課題の検証、データ・ノウハウの蓄積を図り、新たな事業領域の開拓に向けた取り組みを推進しております。このような事業環境のもと、当事業分野においても原材料費やエネルギーコスト等の高騰による原価上昇要因が発生しておりますが、生産性の向上や販売価格の見直しによる利益の拡大に取り組んでまいりました。
なお、売上高及び営業利益の詳細につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b.経営成績」に記載しております。
経常利益(損失)につきましては、営業損失が17億8千7百万円(前連結会計年度は15億1千万円の営業損失)となりましたことに加え、前連結会計年度と比べ、営業外費用は減少したものの、受取配当金や為替差益の計上などの営業外収益も減少するなど、経常損失15億3千7百万円(前連結会計年度は12億1千9百万円の経常損失)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益(損失)につきましては、投資有価証券売却益を認識したものの、当社及びグループ会社の一部拠点にて経営環境の悪化による収益性の低下が確認されたことを受け、保有する固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで切り下げるなど減損損失を計上したことなどにより、親会社株主に帰属する当期純損失は19億7千7百万円(前連結会計年度は11億8千1百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
そのような状況の中で、当社は、経営環境の変化に迅速に対応し、事業の継続性と安定した収益の確保を目指すとともに企業価値の増大を図ることを基本に事業を推進するよう努めております。当社の経営理念である「優れた製品を社会に提供し、社会に貢献する」、「時代のニーズを先取りし、失敗を恐れぬチャレンジ精神の溢れた前向きの企業たることを期す」、「絶えず生産性の向上に務め、常に適正な利益を確保する」、「一社一家、グループ一家の和の精神をもって発展成長し、社員の生活向上に務める」並びに「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1)会社の経営の基本方針、(2)目標とする経営指標、(3) 中長期的な会社の経営戦略」に記載されている成長戦略のもと、企業価値を高め、株主の皆様や顧客各位のご期待に応えることに向け取り組んでまいります。
今後の見通しにつきましては、国内景気は緩やかに回復傾向にありますが、変化する事業環境や価格競争の激化から、当社グループを取り巻く経営環境につきましては、幾分回復の兆しは見られるものの厳しい状況が続くことが想定されます。
以上のような環境の中、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(5)会社の対処すべき課題」にも記載したとおり、2024年3月に公表した中期経営計画(DKK-Plan2025)のローリングプランに記載のとおり、今後においては、既存事業の着実な取り込みに加え、防衛・ソリューション・高周波の事業領域を注力分野と定め当社グループの早期の業績回復を目指してまいります。
注力分野につきましては、電気通信関連事業のうち防衛関連分野においては、防衛費の予算増額を背景とした装備品の安定供給と既存設備の維持・点検整備事業への積極的な提案による受注獲得を図るとともに、ソリューション関連分野においては、映像を主体としたAIソリューションによる社会課題解決に向け、提案力・開発力を増強するとともに、子会社化した株式会社サイバーコアとの協業による受注拡大を進めてまいります。また、高周波関連事業のうち高周波誘導加熱装置分野においては、自動車EV化に伴う受注の獲得や既存設備のメンテナンス需要の掘り起こしを進め、熱処理受託加工分野については、生産調整の解消からの回復傾向にある需要の着実な獲得に取り組み、高周波新領域分野については、事業化の早期実現に向けてスピードを上げて推進してまいります。
既存事業についても、電気通信関連事業のうち移動通信関連分野においては、移動通信基地局用アンテナ製品に加え、開発した無線装置と併せ需要の取り込みを図るとともに、移動通信鉄塔のメンテナンス需要の獲得にも継続して取り組んでまいります。固定無線関連分野については、緊急防災・減災事業債の期限延長の影響を受け、地方自治体向け防災行政無線の需要の回復が見込まれておりその獲得に注力し、また放送関連分野については、放送設備の更新・メンテナンス需要の取り込みを着実に進めてまいります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、営業活動において7億5千4百万円の使用、投資活動において38億6千3百万円の獲得、財務活動において7億7千万円使用したこと等から、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ30億7千7百万円増加し173億3千万円となりました。また、預入期間が3ヶ月を超える定期預金を含めた現金及び預金の残高につきましては、定期預金の払戻による影響に加え長期預金の計上等もあり、前連結会計年度末に比べ6億9千3百万円減少し190億6千6百万円となりました。
なお、キャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、当社グループの運転資金需要のうち主なものは製品及び原材料の購入費、外注費のほか、製造経費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。これらの資金の源泉は、自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としております。また、生産設備の増強・合理化・更新等を含めた設備投資や長期運転資金の必要性が生じた際は、リースや金融機関からの長期借入を行う場合があります。
なお、当社はキャピタルアロケーションを策定し、レバレッジを活用した資金調達の水準を高めることで、保有する資産の売却及び営業キャッシュ・フローで得た資金と併せ、株主還元、人財投資に加え、成長戦略の実現に向けた投資を行っていくことを掲げております。その取り組みの一環として、2022年9月に、主要取引金融機関と総額110億円のコミットメントライン契約を締結した上で、2024年3月31日時点で44億円のシンジケートローンを組成し、また、日本生命保険相互会社より長期借入金として10億円の調達を実施しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、将来の特定の費用又は損失であって、その発生が過去の実績や状況に応じ合理的にその金額を見積ることができる場合には費用又は損失として認識しております。ただし実際の結果は、見積り特有の不確実性を伴うため、これらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
(工事契約及び設備据付工事等における収益認識)
工事契約及び設備据付工事等における収益認識に際して用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(固定資産の減損処理)
固定資産の減損処理に際して用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(退職給付引当金)
当社グループは、従業員の退職給付費用について、各連結会計年度末における退職給付債務及び年金資産の見込額に基づき引当計上しております。これらは割引率、昇給率、死亡率、年金資産の長期期待運用収益率等の重要な見積りを加味して計上しております。
(繰延税金資産)
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
(のれん)
のれんの算出に際して用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。