有価証券報告書-第99期(2024/04/01-2025/03/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
a.財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ22億2千1百万円減少し530億1千6百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ3億5千9百万円減少し383億4千3百万円となりました。その主な要因は、受取手形を含む売掛債権が23億9千7百万円、棚卸資産が3億9千8百万円それぞれ増加したものの、現金及び預金が28億8千5百万円、有価証券が4億1百万円それぞれ減少したこと等が挙げられます。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ18億6千1百万円減少し146億7千2百万円となりました。その主な要因は、有形固定資産が10億9千8百万円増加したものの、無形固定資産が18億8千8百万円、投資有価証券が11億6千4百万円それぞれ減少したこと等が挙げられます。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ10億1千4百万円増加し113億5千3百万円となりました。その主な要因は、環境対策等引当金が1億4千9百万円減少したものの、1年内返済予定の長期借入金が9億4千8百万円、未払法人税等が3億8百万円それぞれ増加したこと等が挙げられます。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ16億2千万円減少し45億5千5百万円となりました。その主な要因は、長期借入金が12億1千7百万円、繰延税金負債が3億3千3百万円それぞれ減少したこと等が挙げられます。
純資産は、前連結会計年度末に比べ16億1千5百万円減少し371億7百万円となりました。その主な要因は、利益剰余金が2億5百万円増加した一方で、その他有価証券評価差額金が6億1千6百万円、退職給付に係る調整累計額が1億5千1百万円、非支配株主持分が2億3百万円それぞれ減少、自己株式の取得等により自己株式が9億9千2百万円増加し純資産が減少したこと等が挙げられます。
b.経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、一部に弱い動きが見られますが緩やかに回復しております。生産活動は
一進一退の動きとなっておりますが、物価高の影響で一部弱い動きが見られている消費は持ち直しており、高水準
の企業収益を背景に設備投資が底堅く推移しております。
一方、商品市況の高止まりや資材価格の高騰は継続しており、米国による関税を始めとした通商政策の見直しに
より、先行きについては不確実性がさらに高まる状況となりました。
当社グループの関係しております電気通信関連業界におきましては、移動通信関連分野では、顧客の設備投資計
画が依然として全般的に抑制されております。固定無線関連分野では、自治体の防災体制の強化等により防災行政
無線の需要に回復傾向が見られており、防衛関連分野においては防衛費予算の増額の影響から堅調に推移しており
ます。放送関連分野においては放送事業者による設備更新需要は依然として停滞しておりますが、メンテナンス需
要は改善傾向にあります。高周波応用機器業界におきましては、米国の関税政策に対する懸念の影響が表面化して
おりますが、自動車関連分野における設備投資需要は全般的には回復傾向にあります。
このような事業環境の中、当社は中期経営計画「DKK-Plan2025」ローリングプランで掲げた事業構造改革による
収益体制の構築を推進しております。事業ポートフォリオの最適化に向けた注力セグメントへの資源の投入、組織
のスリム化による生産性の向上や固定費の削減など、利益創出に向けた取り組みを推進し、業績の大幅な回復を果
たすことができました。
その結果、受注高は前年同期比8.4%増の347億7千6百万円となり、売上高は前年同期比12.9%増の325億8千2百万円となりました。
利益の面では営業利益は9億3千5百万円(前連結会計年度は17億8千7百万円の営業損失)、経常利益は10億2千4百万円(前連結会計年度は15億3千7百万円の経常損失)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は7億7千7百万円(前連結会計年度は19億7千7百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。(報告セグメント等の業績については、セグメント間の内部売上高等を含めて記載しております。)
(電気通信関連事業)
当事業では、移動通信関連分野においては、移動通信事業者による通信品質改善に向けた設備投資需要に回復の
兆しが見られておりますが、全般的には設備投資は依然として抑制されております。固定無線関連分野では、各自
治体における防災体制強化とデジタル化の動きに伴う防災行政無線の需要が、緊急防災・減災事業債の期限を見据
え回復傾向が見られております。防衛関連分野の需要についても、防衛費予算の増額の影響から増加傾向が継続し
ております。放送関連分野においては、放送事業者によるメンテナンス需要は改善傾向にありますが、デジタル放
送設備の更新需要は依然として先送りとなっております。ソリューション関連分野においては、子会社である株式
会社サイバーコアの画像AI技術と当社が培ってきた無線通信技術を組み合わせ、人流・交通分析をはじめとしたソ
リューションや無線環境の整備などにより、様々な社会課題を解決する事業を推進しております。その他分野とし
ては、屋外建築鉄骨や鋼構造物の表面処理需要の継続的な確保に加え、LED航空障害灯や燃料電池といった環境負
荷の低い製品において、積極的に需要開拓を進めております。
このような事業環境のもと、当事業分野では注力セグメントにおける需要の取り込みに加え、生産性の向上と固
定費削減の取り組みを積極的に図ってまいりました。
その結果、受注高は前年同期比14.0%増の251億5千5百万円、売上高は前年同期比15.3%増の220億9千7百万円となりました。また、セグメント利益(営業利益)につきましては、19億1千7百万円(前連結会計年度は5千6百万円のセグメント損失(営業損失))となりました。
(高周波関連事業)
当事業では、主力であります高周波誘導加熱装置分野においては、自動車関連業界において米国を中心とした通
商政策による不透明感が年度末にかけて生じておりますが、設備投資需要は全般的に回復傾向にありました。ま
た、生産活動の回復に伴うメンテナンス・アフターサービスに関する需要の獲得についても取り組みを強化してま
いりました。熱処理受託加工分野においても、自動車メーカー各社の生産に伴う需要は回復傾向にあります。高周
波新領域関連分野においては、過熱水蒸気装置を用いた食品や廃棄物の処理における需要の創出を進めるため、過
熱水蒸気技術の高度化、課題の検証、データ・ノウハウの蓄積を図り、新たな事業領域の開拓に向けた取り組みを
さらに強化し、積極的に推進しております。
このような事業環境のもと、当事業分野においても原材料費やエネルギーコスト等の高騰による原価上昇要因が
発生しておりますが、生産性・品質の向上や販売価格の見直しによる利益の拡大に取り組んでまいりました。
その結果、受注高は前年同期比3.8%減の96億2千万円、売上高は前年同期比8.2%増の104億1千1百万円となりました。また、セグメント利益(営業利益)につきましては、前年同期比70.4%増の17億4千3百万円となりました。
(その他)
その他事業は、土地・事務所等の子会社等への賃貸を行う設備貸付事業並びに売電事業であります。売上高については前年同期比1.1%減の2億6千2百万円となりました。また、セグメント利益(営業利益)につきましては、前年同期比2.5%増の1億2千6百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ33億1千3百万円減少し、当連結会計年度末には140億1千6百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は18億2千3百万円(前年同期は7億5千4百万円の使用)となりました。これは主に減損損失の計上17億6千5百万円、税金等調整前当期純利益の計上10億4千2百万円等の増加要因に対し、売上債権の増減額23億4千7百万円、投資有価証券売却益の計上17億8千2百万円等の減少要因が上回ったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果獲得した資金は3億9千6百万円(前年同期は38億6千3百万円の獲得)となりました。これは主に投資有価証券の売却による収入22億1千6百万円等の増加要因に対し、有形及び無形固定資産の取得による支出19億3百万円等の減少要因が下回ったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は20億9千7百万円(前年同期は7億7千万円の使用)となりました。これは主に自己株式の取得による支出9億9千2百万円、配当金の支払額5億7千1百万円、長期借入金の返済による支出3億2千1百万円等の減少要因によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 電気通信関連事業のうち、工事に係る生産実績を定義することが困難であるため、上記生産実績から除いて表示しております。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
c.売上実績
当連結会計年度における売上実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 「その他」区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、設備貸付事業並びに売電事業を含んでおります。
3 主な相手先別の売上実績及び当該売上実績の総売上実績に対する割合につきましては、販売実績の総販売実績に対する割合が10%以上の相手先が存在しないため、記載を省略しております。
なお、参考のため提出会社単独の事業の状況は次のとおりであります。
電気通信関連事業
a.受注高、売上高、繰越高及び施工高
(注)1 前期以前に受注した物件で、契約の更改により受注金額に変更のあるものについては、当期受注高にその増減額を含んでおります。したがって、当期売上高においても増減額が含まれております。
2 次期繰越高のうち、施工高は、支出金により物件毎の進捗度を勘案して手持高中の施工高を推定したものであります。
3 当期施工高は、(当期売上高+次期繰越施工高-前期繰越施工高)に一致いたします。
b.受注工事高の受注方法別比率
工事の受注方法は、特命と競争に大別されております。
(注) 上記%は、請負金額比であります。
c.売上高
(注)1 完成工事高
2 製品売上高
3 売上高のうち主なものは次のとおりであります。
前事業年度の売上高のうち主なもの
当事業年度の売上高のうち主なもの
4 売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上高及びその割合
d.手持高(2025年3月31日現在)
手持高のうち主なものは次のとおりであります。
高周波関連事業
a.生産実績
(注) 金額は販売価格で示しております。
b.受注実績
(注) 受注品目が多岐にわたり、数量の表示は困難であるため記載しておりません。
c.販売実績
(注)1 販売品目が多岐にわたり、数量の表示は困難であるため記載しておりません。
2 売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上高及びその割合
3 電気通信関連事業の設備・機材当期売上高に上記販売実績を合算した金額が、提出会社の損益計算書の製品売上高に一致いたします。
その他の事業
a.売上実績
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 a.財政状態」に記載のとおりであります。
当社グループの当連結会計年度の経営成績につきましては、売上高は前年同期比12.9%増の325億8千2百万円となり、利益につきましては、営業利益は9億3千5百万円(前連結会計年度は17億8千7百万円の営業損失)、経常利益は10億2千4百万円(前連結会計年度は15億3千7百万円の経常損失)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は7億7千7百万円(前連結会計年度は19億7千7百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
なお、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、外部環境の変化、業界の動向や取引先の動向等によっては、所期の目標を達成できない可能性があります。
経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容をセグメント別にみますと、電気通信関連事業のうち、移動通信関連分野においては、一部の移動通信事業者による通信品質改善に向けた設備投資需要に回復の兆しが見られておりますが、全般的に顧客の設備投資動向は依然として抑制されております。固定無線関連分野においては、各自治体における防災体制の強化とデジタル化の動きに伴う防災行政無線の需要が、緊急防災・減災事業債の期限を見据え回復傾向が見られておりますが入札における価格競争が続いている状況です。防衛関連分野においては、防衛費予算の増額の影響から受注の増加傾向が継続しており堅調に推移しております。放送関連分野においては、放送事業者によるメンテナンス需要は改善傾向にありますが、デジタル放送設備の更新需要は依然として先送りとなっております。ソリューション関連分野においては、グループ会社の株式会社サイバーコアの画像AI技術と当社が培ってきた無線通信技術を組み合わせ、人流・交通分析をはじめとしたソリューションや無線環境の整備などにより、様々な社会課題を解決する事業を推進しております。その他分野としては、屋外建築鉄骨や鋼構造物の表面処理需要の継続的な受注の確保に加え、LED航空障害灯や燃料電池といった環境負荷の低い製品において、積極的に需要開拓を進めております。このような事業環境のもと、当事業分野では注力セグメントにおける需要の取り込みに加え、組織のスリム化による生産性の向上や固定費削減の取り組みを積極的に図ってまいりました。
一方、高周波関連事業のうち、主力であります高周波誘導加熱装置分野においては、自動車関連業界において米国を中心とした通商政策による不透明感が年度末にかけて生じておりますが、設備投資需要は全般的に回復傾向にありました。また、生産活動の回復に伴うメンテナンス・アフターサービスに関する需要の獲得についても取り組みを強化してまいりました。熱処理受託加工分野においても、自動車メーカー各社の生産に伴う需要は回復傾向にありました。高周波新領域関連分野においては、過熱水蒸気装置を用いた食品や廃棄物の処理における需要の創出を進めるため、過熱水蒸気技術の高度化、課題の検証、データ・ノウハウの蓄積を図り、新たな事業領域の開拓に向けた取り組みをさらに強化し積極的に推進しております。このような事業環境のもと、当事業分野においても原材料費やエネルギーコスト等の高騰による原価上昇要因が発生しておりますが、生産性・品質の向上や販売価格の見直しによる利益の拡大に取り組んでまいりました。
なお、売上高及び営業利益の詳細につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b.経営成績」に記載しております。
経常利益につきましては、為替差損の影響もありましたが、営業利益9億3千5百万円(前連結会計年度は17億8千7百万円の営業損失)を認識したこともあり10億2千4百万円(前連結会計年度は15億3千7百万円の経常損失)となりました。また、特別利益で政策保有株式の縮減の取り組みによる投資有価証券売却益を認識する一方で、特別損失で当社及びグループ会社の一部拠点等にて保有する固定資産、のれん及び技術関連資産の減損損失を計上するなどあり、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては7億7千7百万円(前連結会計年度は19億7千7百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
そのような状況の中で、当社は、経営環境の変化に迅速に対応し、事業の継続性と安定した収益の確保を目指すとともに企業価値向上を図ることを基本に事業を推進するよう努めております。当社の経営理念である「優れた製品を社会に提供し、社会に貢献する」、「時代のニーズを先取りし、失敗を恐れぬチャレンジ精神の溢れた前向きの企業たることを期す」、「絶えず生産性の向上に務め、常に適正な利益を確保する」、「一社一家、グループ一家の和の精神をもって発展成長し、社員の生活向上に務める」並びに「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1)会社の経営の基本方針、(2)目標とする経営指標、(3) 中長期的な会社の経営戦略」に記載されている成長戦略のもと、企業価値を高め、株主の皆様や顧客各位のご期待に応えることに向け取り組んでまいります。
今後の見通しにつきましては、国内景気は緩やかに回復傾向にありますが、変化する事業環境や価格競争の激化から、当社グループを取り巻く経営環境につきましては、幾分回復の兆しはみられるものの厳しい状況が続くことが想定されますが、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(5)会社の対処すべき課題」にもありますとおり、2025年5月に公表した中期経営計画(DKK-Plan2028)に記載の「収益創出体制の確立による成長の実現」の基本方針のもと、当社グループの業績回復を確実なものとしてまいります。
セグメント別に見た場合、電気通信関連事業においては、移動通信関連分野では、通信品質改善に向けた設備投資需要に対し、移動通信基地局用アンテナに加え、無線装置の拡販に注力してまいります。固定無線関連分野においては、緊急防災・減災事業債の期限が最終年度となるため、各自治体向け防災行政無線の需要の積極的な受注の獲得と確実な施工を進めてまいります。防衛関連分野においては、防衛費の予算増額を背景とした需要の増加に対し、装備品の安定供給と既存設備の維持・点検整備事業への積極的な提案による受注獲得を図ってまいります。ソリューション関連分野においては、AIソリューションによる社会課題解決に向け、提案力・開発力の増強に向けた組織改編を実施したうえで、グループ会社の株式会社サイバーコアとの協業による受注拡大を進めてまいります。また、高周波関連事業においては、高周波誘導加熱装置分野では、米国の通商政策の影響等による自動車関連業界における設備投資動向を見定めたうえで、新たに稼働した試作拠点(東海熱処理研究センター)の活用による自動車EV化に伴う需要を含めた受注の獲得や既存設備のメンテナンス需要の掘り起こしを進め、熱処理受託加工分野についても、需要の着実な獲得、国内外における生産体制の構築に取り組んでまいります。加えて、これまでに推し進めた生産性の向上と固定費削減による収益性の改善を一層と推進してまいります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、営業活動において18億2千3百万円の使用、投資活動において3億9千6百万円の獲得、財務活動において20億9千7百万円使用したこと等から、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ33億1千3百万円減少し140億1千6百万円となりました。また、預入期間が3ヶ月を超える定期預金を含めた現金及び預金の残高につきましては、前連結会計年度末に比べ28億8千5百万円減少し161億8千万円となりました。
なお、キャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、当社グループの運転資金需要のうち主なものは製品及び原材料の購入費、外注費のほか、製造経費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。これらの資金の源泉は、自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としております。また、生産設備の増強・合理化・更新等を含めた設備投資や長期運転資金の必要性が生じた際は、リースや金融機関からの長期借入を行う場合があります。
なお、当社はキャピタルアロケーションを策定し、レバレッジを活用しつつ、保有する資産の売却及び営業キャッシュ・フローにて資金調達の水準を高め、株主還元、成長戦略の実現に向けた投資を行っていくことを掲げております。なお、レバレッジの活用の具体的な主な事例として、主要取引金融機関と総額110億円のコミットメントライン契約を締結した上で、2025年3月31日時点で44億円のシンジケートローンを組成し、また、日本生命保険相互会社より長期借入金として10億円の調達を実施しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、将来の特定の費用又は損失であって、その発生が過去の実績や状況に応じ合理的にその金額を見積ることができる場合には費用又は損失として認識しております。ただし実際の結果は、見積り特有の不確実性を伴うため、これらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
(工事契約及び設備据付工事等における収益認識)
工事契約及び設備据付工事等における収益認識に際して用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(固定資産の減損処理)
固定資産の減損処理に際して用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(退職給付引当金)
当社グループは、従業員の退職給付費用について、各連結会計年度末における退職給付債務及び年金資産の見込額に基づき引当計上しております。これらは割引率、昇給率、死亡率、年金資産の長期期待運用収益率等の重要な見積りを加味して計上しております。
(繰延税金資産)
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
a.財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ22億2千1百万円減少し530億1千6百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ3億5千9百万円減少し383億4千3百万円となりました。その主な要因は、受取手形を含む売掛債権が23億9千7百万円、棚卸資産が3億9千8百万円それぞれ増加したものの、現金及び預金が28億8千5百万円、有価証券が4億1百万円それぞれ減少したこと等が挙げられます。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ18億6千1百万円減少し146億7千2百万円となりました。その主な要因は、有形固定資産が10億9千8百万円増加したものの、無形固定資産が18億8千8百万円、投資有価証券が11億6千4百万円それぞれ減少したこと等が挙げられます。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ10億1千4百万円増加し113億5千3百万円となりました。その主な要因は、環境対策等引当金が1億4千9百万円減少したものの、1年内返済予定の長期借入金が9億4千8百万円、未払法人税等が3億8百万円それぞれ増加したこと等が挙げられます。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ16億2千万円減少し45億5千5百万円となりました。その主な要因は、長期借入金が12億1千7百万円、繰延税金負債が3億3千3百万円それぞれ減少したこと等が挙げられます。
純資産は、前連結会計年度末に比べ16億1千5百万円減少し371億7百万円となりました。その主な要因は、利益剰余金が2億5百万円増加した一方で、その他有価証券評価差額金が6億1千6百万円、退職給付に係る調整累計額が1億5千1百万円、非支配株主持分が2億3百万円それぞれ減少、自己株式の取得等により自己株式が9億9千2百万円増加し純資産が減少したこと等が挙げられます。
b.経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、一部に弱い動きが見られますが緩やかに回復しております。生産活動は
一進一退の動きとなっておりますが、物価高の影響で一部弱い動きが見られている消費は持ち直しており、高水準
の企業収益を背景に設備投資が底堅く推移しております。
一方、商品市況の高止まりや資材価格の高騰は継続しており、米国による関税を始めとした通商政策の見直しに
より、先行きについては不確実性がさらに高まる状況となりました。
当社グループの関係しております電気通信関連業界におきましては、移動通信関連分野では、顧客の設備投資計
画が依然として全般的に抑制されております。固定無線関連分野では、自治体の防災体制の強化等により防災行政
無線の需要に回復傾向が見られており、防衛関連分野においては防衛費予算の増額の影響から堅調に推移しており
ます。放送関連分野においては放送事業者による設備更新需要は依然として停滞しておりますが、メンテナンス需
要は改善傾向にあります。高周波応用機器業界におきましては、米国の関税政策に対する懸念の影響が表面化して
おりますが、自動車関連分野における設備投資需要は全般的には回復傾向にあります。
このような事業環境の中、当社は中期経営計画「DKK-Plan2025」ローリングプランで掲げた事業構造改革による
収益体制の構築を推進しております。事業ポートフォリオの最適化に向けた注力セグメントへの資源の投入、組織
のスリム化による生産性の向上や固定費の削減など、利益創出に向けた取り組みを推進し、業績の大幅な回復を果
たすことができました。
その結果、受注高は前年同期比8.4%増の347億7千6百万円となり、売上高は前年同期比12.9%増の325億8千2百万円となりました。
利益の面では営業利益は9億3千5百万円(前連結会計年度は17億8千7百万円の営業損失)、経常利益は10億2千4百万円(前連結会計年度は15億3千7百万円の経常損失)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は7億7千7百万円(前連結会計年度は19億7千7百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。(報告セグメント等の業績については、セグメント間の内部売上高等を含めて記載しております。)
(電気通信関連事業)
当事業では、移動通信関連分野においては、移動通信事業者による通信品質改善に向けた設備投資需要に回復の
兆しが見られておりますが、全般的には設備投資は依然として抑制されております。固定無線関連分野では、各自
治体における防災体制強化とデジタル化の動きに伴う防災行政無線の需要が、緊急防災・減災事業債の期限を見据
え回復傾向が見られております。防衛関連分野の需要についても、防衛費予算の増額の影響から増加傾向が継続し
ております。放送関連分野においては、放送事業者によるメンテナンス需要は改善傾向にありますが、デジタル放
送設備の更新需要は依然として先送りとなっております。ソリューション関連分野においては、子会社である株式
会社サイバーコアの画像AI技術と当社が培ってきた無線通信技術を組み合わせ、人流・交通分析をはじめとしたソ
リューションや無線環境の整備などにより、様々な社会課題を解決する事業を推進しております。その他分野とし
ては、屋外建築鉄骨や鋼構造物の表面処理需要の継続的な確保に加え、LED航空障害灯や燃料電池といった環境負
荷の低い製品において、積極的に需要開拓を進めております。
このような事業環境のもと、当事業分野では注力セグメントにおける需要の取り込みに加え、生産性の向上と固
定費削減の取り組みを積極的に図ってまいりました。
その結果、受注高は前年同期比14.0%増の251億5千5百万円、売上高は前年同期比15.3%増の220億9千7百万円となりました。また、セグメント利益(営業利益)につきましては、19億1千7百万円(前連結会計年度は5千6百万円のセグメント損失(営業損失))となりました。
(高周波関連事業)
当事業では、主力であります高周波誘導加熱装置分野においては、自動車関連業界において米国を中心とした通
商政策による不透明感が年度末にかけて生じておりますが、設備投資需要は全般的に回復傾向にありました。ま
た、生産活動の回復に伴うメンテナンス・アフターサービスに関する需要の獲得についても取り組みを強化してま
いりました。熱処理受託加工分野においても、自動車メーカー各社の生産に伴う需要は回復傾向にあります。高周
波新領域関連分野においては、過熱水蒸気装置を用いた食品や廃棄物の処理における需要の創出を進めるため、過
熱水蒸気技術の高度化、課題の検証、データ・ノウハウの蓄積を図り、新たな事業領域の開拓に向けた取り組みを
さらに強化し、積極的に推進しております。
このような事業環境のもと、当事業分野においても原材料費やエネルギーコスト等の高騰による原価上昇要因が
発生しておりますが、生産性・品質の向上や販売価格の見直しによる利益の拡大に取り組んでまいりました。
その結果、受注高は前年同期比3.8%減の96億2千万円、売上高は前年同期比8.2%増の104億1千1百万円となりました。また、セグメント利益(営業利益)につきましては、前年同期比70.4%増の17億4千3百万円となりました。
(その他)
その他事業は、土地・事務所等の子会社等への賃貸を行う設備貸付事業並びに売電事業であります。売上高については前年同期比1.1%減の2億6千2百万円となりました。また、セグメント利益(営業利益)につきましては、前年同期比2.5%増の1億2千6百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ33億1千3百万円減少し、当連結会計年度末には140億1千6百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は18億2千3百万円(前年同期は7億5千4百万円の使用)となりました。これは主に減損損失の計上17億6千5百万円、税金等調整前当期純利益の計上10億4千2百万円等の増加要因に対し、売上債権の増減額23億4千7百万円、投資有価証券売却益の計上17億8千2百万円等の減少要因が上回ったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果獲得した資金は3億9千6百万円(前年同期は38億6千3百万円の獲得)となりました。これは主に投資有価証券の売却による収入22億1千6百万円等の増加要因に対し、有形及び無形固定資産の取得による支出19億3百万円等の減少要因が下回ったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は20億9千7百万円(前年同期は7億7千万円の使用)となりました。これは主に自己株式の取得による支出9億9千2百万円、配当金の支払額5億7千1百万円、長期借入金の返済による支出3億2千1百万円等の減少要因によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 電気通信関連事業 | 9,965 | 3.6 |
| 高周波関連事業 | 10,407 | 7.7 |
| 合計 | 20,372 | 5.6 |
(注)1 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 電気通信関連事業のうち、工事に係る生産実績を定義することが困難であるため、上記生産実績から除いて表示しております。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高 | 受注残高 | ||
| 金額(百万円) | 前年同期比(%) | 金額(百万円) | 前年同期比(%) | |
| 電気通信関連事業 | 25,155 | 14.0 | 14,552 | 26.9 |
| 高周波関連事業 | 9,620 | △3.8 | 3,097 | △20.3 |
| 合計 | 34,776 | 8.4 | 17,650 | 15.0 |
c.売上実績
当連結会計年度における売上実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 売上高(百万円) | 前年同期比(%) | |
| 電気通信関連事業 | 工事 | 12,265 | 21.7 |
| 設備・機材売上 | 9,801 | 8.2 | |
| 小計 | 22,067 | 15.3 | |
| 高周波関連事業 | 10,411 | 8.2 | |
| その他 | 103 | △0.5 | |
| 合計 | 32,582 | 12.9 | |
(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 「その他」区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、設備貸付事業並びに売電事業を含んでおります。
3 主な相手先別の売上実績及び当該売上実績の総売上実績に対する割合につきましては、販売実績の総販売実績に対する割合が10%以上の相手先が存在しないため、記載を省略しております。
なお、参考のため提出会社単独の事業の状況は次のとおりであります。
電気通信関連事業
a.受注高、売上高、繰越高及び施工高
| 期別 | 売上 区分 | 前期 繰越高 (百万円) | 当期 受注高 (百万円) | 計 (百万円) | 当期 売上高 (百万円) | 次期繰越高 | 当期 施工高 (百万円) | ||
| 手持高 (百万円) | うち施工高 (%、百万円) | ||||||||
| 前事業年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 工事 | 4,843 | 11,564 | 16,407 | 9,245 | 7,162 | 0.8 | 56 | 9,270 |
| 設備・機材売上 | 2,639 | 6,696 | 9,335 | 5,665 | 3,670 | 50.5 | 1,855 | 5,979 | |
| 計 | 7,482 | 18,260 | 25,743 | 14,911 | 10,832 | 17.6 | 1,911 | 15,250 | |
| 当事業年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 工事 | 7,162 | 11,932 | 19,094 | 11,511 | 7,582 | 1.1 | 80 | 11,536 |
| 設備・機材売上 | 3,670 | 8,422 | 12,093 | 6,547 | 5,545 | 29.7 | 1,647 | 6,336 | |
| 計 | 10,832 | 20,354 | 31,187 | 18,059 | 13,128 | 13.2 | 1,728 | 17,872 | |
(注)1 前期以前に受注した物件で、契約の更改により受注金額に変更のあるものについては、当期受注高にその増減額を含んでおります。したがって、当期売上高においても増減額が含まれております。
2 次期繰越高のうち、施工高は、支出金により物件毎の進捗度を勘案して手持高中の施工高を推定したものであります。
3 当期施工高は、(当期売上高+次期繰越施工高-前期繰越施工高)に一致いたします。
b.受注工事高の受注方法別比率
工事の受注方法は、特命と競争に大別されております。
| 期別 | 特命(%) | 競争(%) | 計(%) |
| 前事業年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 21.7 | 78.3 | 100 |
| 当事業年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 22.3 | 77.7 | 100 |
(注) 上記%は、請負金額比であります。
c.売上高
| 期別 | 区分 | 官公庁(百万円) | 民間(百万円) | 合計(百万円) | |
| 前事業年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 工事 | (注)1 | 4,634 | 4,610 | 9,245 |
| 設備・機材売上 | (注)2 | 207 | 5,457 | 5,665 | |
| 計 | 4,842 | 10,068 | 14,911 | ||
| 当事業年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 工事 | (注)1 | 5,858 | 5,652 | 11,511 |
| 設備・機材売上 | (注)2 | 466 | 6,081 | 6,547 | |
| 計 | 6,325 | 11,734 | 18,059 | ||
(注)1 完成工事高
2 製品売上高
3 売上高のうち主なものは次のとおりであります。
前事業年度の売上高のうち主なもの
| 受注先 | 工事件名等 |
| KDDI㈱ | 基地局アンテナ及び無線中継装置納品 |
| ㈱NTTドコモ | 基地局アンテナ及び無線機納品 |
| 広島市 | 防災行政無線通信機器更新整備 |
| 防衛省 沖縄防衛局 | 与那国(3)鉄塔新設建築その他工事 |
| 奥出雲町 | 防災行政無線整備工事 |
当事業年度の売上高のうち主なもの
| 受注先 | 工事件名等 |
| ㈱NTTドコモ | 基地局アンテナ及び無線機納品 |
| 熊本防衛支局 | えびの送信所(3)鉄塔支線更新工事 |
| KDDI㈱ | 基地局アンテナ及び無線中継装置納品 |
| 八重山広域市町村圏事務組合 | 八重山地区ラジオ中継局機能強化事業 |
| 一般社団法人1.7GHz移行推進協会 | 航空自衛隊OH通信設備撤去工事 |
4 売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上高及びその割合
| 前事業年度 | KDDI㈱ | 1,938百万円 | 13.0% |
| 前事業年度 | ㈱NTTドコモ | 1,501百万円 | 10.1% |
| 当事業年度 | ㈱NTTドコモ | 2,912百万円 | 16.1% |
d.手持高(2025年3月31日現在)
| 区分 | 官公庁(百万円) | 民間(百万円) | 合計(百万円) |
| 工事 | 3,788 | 3,794 | 7,582 |
| 設備・機材売上 | 399 | 5,146 | 5,545 |
| 計 | 4,187 | 8,940 | 13,128 |
手持高のうち主なものは次のとおりであります。
| 受注先 | 工事件名等 | 完成予定年月 |
| 熊本防衛支局 | えびの送信所(6)鉄塔支線等整備工事 | 2028年2月 |
| 豊田市 | 豊田市防災行政無線(同報系)更新整備等業務委託 | 2026年3月 |
| 日本電気㈱ | 無線通信システム用アンテナ納品 | 2027年7月 |
| 熊本防衛支局 | えびの送信所(5)鉄塔支線更新工事 | 2027年2月 |
| 安中市 | 280MHz帯デジタル同報無線システム整備工事 | 2026年3月 |
高周波関連事業
a.生産実績
| 区分 | 前事業年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 当事業年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
| 金額(百万円) | 金額(百万円) | |
| 高周波焼入受託加工 | 116 | 145 |
| 高周波誘導加熱装置 | 5,380 | 5,981 |
| 計 | 5,496 | 6,126 |
(注) 金額は販売価格で示しております。
b.受注実績
| 区分 | 前々事業年度 | 前事業年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 当事業年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | ||
| 受注残高 (百万円) | 受注高 (百万円) | 受注残高 (百万円) | 受注高 (百万円) | 受注残高 (百万円) | |
| 高周波焼入受託加工 | - | 116 | - | 145 | - |
| 高周波誘導加熱装置 | 1,976 | 6,447 | 3,048 | 5,552 | 2,417 |
| 計 | 1,976 | 6,563 | 3,048 | 5,697 | 2,417 |
(注) 受注品目が多岐にわたり、数量の表示は困難であるため記載しておりません。
c.販売実績
| 区分 | 前事業年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 当事業年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | ||
| 金額(百万円) | 構成比(%) | 金額(百万円) | 構成比(%) | |
| 高周波焼入受託加工 | 116 | 2.1 | 145 | 2.3 |
| 高周波誘導加熱装置 | 5,375 | 97.9 | 6,182 | 97.7 |
| 計 | 5,491 | 100 | 6,327 | 100 |
(注)1 販売品目が多岐にわたり、数量の表示は困難であるため記載しておりません。
2 売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上高及びその割合
| 前事業年度 | ㈱豊通マシナリー | 1,027百万円 | 18.7% |
| 当事業年度 | ㈱豊通マシナリー | 2,421百万円 | 38.3% |
3 電気通信関連事業の設備・機材当期売上高に上記販売実績を合算した金額が、提出会社の損益計算書の製品売上高に一致いたします。
その他の事業
a.売上実績
| 区分 | 前事業年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 当事業年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | ||
| 金額(百万円) | 構成比(%) | 金額(百万円) | 構成比(%) | |
| 設備貸付事業 | 168 | 63.4 | 165 | 63.2 |
| 売電事業 | 97 | 36.6 | 96 | 36.8 |
| 計 | 265 | 100 | 262 | 100 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 a.財政状態」に記載のとおりであります。
当社グループの当連結会計年度の経営成績につきましては、売上高は前年同期比12.9%増の325億8千2百万円となり、利益につきましては、営業利益は9億3千5百万円(前連結会計年度は17億8千7百万円の営業損失)、経常利益は10億2千4百万円(前連結会計年度は15億3千7百万円の経常損失)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は7億7千7百万円(前連結会計年度は19億7千7百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
なお、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、外部環境の変化、業界の動向や取引先の動向等によっては、所期の目標を達成できない可能性があります。
経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容をセグメント別にみますと、電気通信関連事業のうち、移動通信関連分野においては、一部の移動通信事業者による通信品質改善に向けた設備投資需要に回復の兆しが見られておりますが、全般的に顧客の設備投資動向は依然として抑制されております。固定無線関連分野においては、各自治体における防災体制の強化とデジタル化の動きに伴う防災行政無線の需要が、緊急防災・減災事業債の期限を見据え回復傾向が見られておりますが入札における価格競争が続いている状況です。防衛関連分野においては、防衛費予算の増額の影響から受注の増加傾向が継続しており堅調に推移しております。放送関連分野においては、放送事業者によるメンテナンス需要は改善傾向にありますが、デジタル放送設備の更新需要は依然として先送りとなっております。ソリューション関連分野においては、グループ会社の株式会社サイバーコアの画像AI技術と当社が培ってきた無線通信技術を組み合わせ、人流・交通分析をはじめとしたソリューションや無線環境の整備などにより、様々な社会課題を解決する事業を推進しております。その他分野としては、屋外建築鉄骨や鋼構造物の表面処理需要の継続的な受注の確保に加え、LED航空障害灯や燃料電池といった環境負荷の低い製品において、積極的に需要開拓を進めております。このような事業環境のもと、当事業分野では注力セグメントにおける需要の取り込みに加え、組織のスリム化による生産性の向上や固定費削減の取り組みを積極的に図ってまいりました。
一方、高周波関連事業のうち、主力であります高周波誘導加熱装置分野においては、自動車関連業界において米国を中心とした通商政策による不透明感が年度末にかけて生じておりますが、設備投資需要は全般的に回復傾向にありました。また、生産活動の回復に伴うメンテナンス・アフターサービスに関する需要の獲得についても取り組みを強化してまいりました。熱処理受託加工分野においても、自動車メーカー各社の生産に伴う需要は回復傾向にありました。高周波新領域関連分野においては、過熱水蒸気装置を用いた食品や廃棄物の処理における需要の創出を進めるため、過熱水蒸気技術の高度化、課題の検証、データ・ノウハウの蓄積を図り、新たな事業領域の開拓に向けた取り組みをさらに強化し積極的に推進しております。このような事業環境のもと、当事業分野においても原材料費やエネルギーコスト等の高騰による原価上昇要因が発生しておりますが、生産性・品質の向上や販売価格の見直しによる利益の拡大に取り組んでまいりました。
なお、売上高及び営業利益の詳細につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b.経営成績」に記載しております。
経常利益につきましては、為替差損の影響もありましたが、営業利益9億3千5百万円(前連結会計年度は17億8千7百万円の営業損失)を認識したこともあり10億2千4百万円(前連結会計年度は15億3千7百万円の経常損失)となりました。また、特別利益で政策保有株式の縮減の取り組みによる投資有価証券売却益を認識する一方で、特別損失で当社及びグループ会社の一部拠点等にて保有する固定資産、のれん及び技術関連資産の減損損失を計上するなどあり、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては7億7千7百万円(前連結会計年度は19億7千7百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
そのような状況の中で、当社は、経営環境の変化に迅速に対応し、事業の継続性と安定した収益の確保を目指すとともに企業価値向上を図ることを基本に事業を推進するよう努めております。当社の経営理念である「優れた製品を社会に提供し、社会に貢献する」、「時代のニーズを先取りし、失敗を恐れぬチャレンジ精神の溢れた前向きの企業たることを期す」、「絶えず生産性の向上に務め、常に適正な利益を確保する」、「一社一家、グループ一家の和の精神をもって発展成長し、社員の生活向上に務める」並びに「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1)会社の経営の基本方針、(2)目標とする経営指標、(3) 中長期的な会社の経営戦略」に記載されている成長戦略のもと、企業価値を高め、株主の皆様や顧客各位のご期待に応えることに向け取り組んでまいります。
今後の見通しにつきましては、国内景気は緩やかに回復傾向にありますが、変化する事業環境や価格競争の激化から、当社グループを取り巻く経営環境につきましては、幾分回復の兆しはみられるものの厳しい状況が続くことが想定されますが、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(5)会社の対処すべき課題」にもありますとおり、2025年5月に公表した中期経営計画(DKK-Plan2028)に記載の「収益創出体制の確立による成長の実現」の基本方針のもと、当社グループの業績回復を確実なものとしてまいります。
セグメント別に見た場合、電気通信関連事業においては、移動通信関連分野では、通信品質改善に向けた設備投資需要に対し、移動通信基地局用アンテナに加え、無線装置の拡販に注力してまいります。固定無線関連分野においては、緊急防災・減災事業債の期限が最終年度となるため、各自治体向け防災行政無線の需要の積極的な受注の獲得と確実な施工を進めてまいります。防衛関連分野においては、防衛費の予算増額を背景とした需要の増加に対し、装備品の安定供給と既存設備の維持・点検整備事業への積極的な提案による受注獲得を図ってまいります。ソリューション関連分野においては、AIソリューションによる社会課題解決に向け、提案力・開発力の増強に向けた組織改編を実施したうえで、グループ会社の株式会社サイバーコアとの協業による受注拡大を進めてまいります。また、高周波関連事業においては、高周波誘導加熱装置分野では、米国の通商政策の影響等による自動車関連業界における設備投資動向を見定めたうえで、新たに稼働した試作拠点(東海熱処理研究センター)の活用による自動車EV化に伴う需要を含めた受注の獲得や既存設備のメンテナンス需要の掘り起こしを進め、熱処理受託加工分野についても、需要の着実な獲得、国内外における生産体制の構築に取り組んでまいります。加えて、これまでに推し進めた生産性の向上と固定費削減による収益性の改善を一層と推進してまいります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、営業活動において18億2千3百万円の使用、投資活動において3億9千6百万円の獲得、財務活動において20億9千7百万円使用したこと等から、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ33億1千3百万円減少し140億1千6百万円となりました。また、預入期間が3ヶ月を超える定期預金を含めた現金及び預金の残高につきましては、前連結会計年度末に比べ28億8千5百万円減少し161億8千万円となりました。
なお、キャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、当社グループの運転資金需要のうち主なものは製品及び原材料の購入費、外注費のほか、製造経費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。これらの資金の源泉は、自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としております。また、生産設備の増強・合理化・更新等を含めた設備投資や長期運転資金の必要性が生じた際は、リースや金融機関からの長期借入を行う場合があります。
なお、当社はキャピタルアロケーションを策定し、レバレッジを活用しつつ、保有する資産の売却及び営業キャッシュ・フローにて資金調達の水準を高め、株主還元、成長戦略の実現に向けた投資を行っていくことを掲げております。なお、レバレッジの活用の具体的な主な事例として、主要取引金融機関と総額110億円のコミットメントライン契約を締結した上で、2025年3月31日時点で44億円のシンジケートローンを組成し、また、日本生命保険相互会社より長期借入金として10億円の調達を実施しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、将来の特定の費用又は損失であって、その発生が過去の実績や状況に応じ合理的にその金額を見積ることができる場合には費用又は損失として認識しております。ただし実際の結果は、見積り特有の不確実性を伴うため、これらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
(工事契約及び設備据付工事等における収益認識)
工事契約及び設備据付工事等における収益認識に際して用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(固定資産の減損処理)
固定資産の減損処理に際して用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(退職給付引当金)
当社グループは、従業員の退職給付費用について、各連結会計年度末における退職給付債務及び年金資産の見込額に基づき引当計上しております。これらは割引率、昇給率、死亡率、年金資産の長期期待運用収益率等の重要な見積りを加味して計上しております。
(繰延税金資産)
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。