有価証券報告書-第36期(2025/04/01-2026/03/31)
(経営成績等の状況の概要)
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
(1) 経営成績の状況
昨今の世界情勢において、インフレ率の伸びは鈍化傾向にあるものの、依然として高水準での推移が続いています。また、地政学的リスクを背景としたサプライチェーンの混乱や原材料価格の変動に加え、世界的な人件費の上昇が収益を圧迫するなど、企業収益や個人消費への影響が懸念される不透明な状況が続いております。
為替相場については、日本国内においても金融政策の修正に伴い金利は上昇基調で推移したものの、日米間の金利差が依然として大きい状況にあることから、円安基調を維持しつつも地政学情勢を巡る思惑が交錯し、不安定な推移となりました。
半導体市場においては、生成AIサーバー向けを中心とする先端半導体への需要が市場全体を強力に牽引いたしました。産業機器や通信インフラ分野では、一部で在庫水準の適正化に向けた動きが残るものの、データセンター用途や次世代通信規格に対応した高性能・高効率な半導体への要求は一段と強まっております。
このような事業環境のもと、当社のASIC(顧客専用LSI)においては、当社が強みとするアナログ・デジタル技術や通信インターフェース技術、セキュリティ技術、画像処理技術を活用し、産業機器分野や通信インフラ分野を中心に、中長期案件の獲得に向けた活動を推進いたしました。通信分野及び画像処理分野における需要は底堅く推移しているものの、当社が主戦場とするOA機器や産業機器分野では、世界的な需要減退に伴う在庫調整の長期化により、市場需要の回復は総じて緩やかなものにとどまりました。
アミューズメント分野においては、新型ハードウェアへの移行に伴う端境期にありながらも、顧客密着型の開発及びサポート体制を維持し、安定的な収益の確保に努めております。
ASSP(特定用途向けLSI)においては、AIやIoT、5G及び次世代通信の進展を背景に、成長分野へのシフトを加速しております。アナログ・デジタル回路の開発・設計技術の競争力強化を図るとともに、通信分野においては、長距離・低消費電力の無線通信技術を活用したLSIの開発を推進し、幅広い通信ソリューションの提供を進めております。さらに、将来の事業化に向けたソフトウェア分野の研究開発活動も並行して進めております。
引き続き、当社グループは安定した収益基盤を維持しつつ、事業ポートフォリオの最適化により収益拡大を図ってまいります。また、次世代を担う新たな事業の育成に向けて、新市場の開拓や新製品開発に取り組み、独自性のあるビジネスの創出と事業化を推進してまいります。これらの取り組みを通じて、中長期的な持続的成長及び企業価値の向上を目指してまいります。
当連結会計年度の経営成績につきましては、アミューズメント分野においては底堅い需要が継続していたものの、OA機器や産業機器分野において市場需要の回復は総じて鈍く、前連結会計年度の需要を下回ったことから、売上高は36,169百万円(前年同期比14.5%減)、営業損失は174百万円(前年同期は2,190百万円の営業利益)となりました。なお、投資有価証券売却益の計上に伴い租税公課(外形標準課税)が190百万円発生しており、これを除いた調整後の営業利益は16百万円となっております。
経常利益は受取利息が232百万円発生したこと、投資有価証券評価益が480百万円発生した一方で、投資事業組合管理費が354百万円発生したこと等により1百万円(前年同期比99.9%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、固定資産除却損が1,406百万円発生したものの、SiTime Corporation(以下「SiTime社」という)株式の一部売却による投資有価証券売却益が15,150百万円あったこと等により9,284百万円(前年同期比72.8%増)となりました。
なお、当社グループは単一の事業セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載を行っておりません。
(2) 財政状態の変動状況
<資産>当連結会計年度末における総資産は255,158百万円(前連結会計年度末に比べ105,217百万円の増加)となりました。
主要な項目を前連結会計年度末と比較すると、現金及び預金が5,536百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が4,333百万円それぞれ減少した一方で、SiTime社株式の株価上昇に伴い時価評価額が増大し、投資有価証券が112,718百万円増加しております。
<負債>当連結会計年度末における負債は69,491百万円(前連結会計年度末に比べ37,792百万円の増加)となりました。
主要な項目を前連結会計年度末と比較すると、支払手形及び買掛金が2,080百万円、未払法人税等が3,360百万円、繰延税金負債が32,792百万円それぞれ増加しております。
<純資産>当連結会計年度末における純資産は185,667百万円(前連結会計年度末に比べ67,425百万円の増加)となりました。
主要な項目を前連結会計年度末と比較すると、その他有価証券評価差額金が73,961百万円、自己株式の取得等により自己株式(控除項目)が7,277百万円それぞれ増加しております。
(投資有価証券 SiTime社株式の時価評価による影響について)
当社が保有するSiTime社株式については、2024年3月期末に持分法適用の関連会社から除外されたことに伴い、関連会社株式から投資有価証券へ科目が変更され、各決算期末に時価評価を行っております。この影響により、総資産に占める投資有価証券の割合が高い状況で推移しており、負債・純資産の部においても、相手科目となる繰延税金負債及びその他有価証券評価差額金の占める割合が高い状況となっております。
これまでと同様に、SiTime社株式の縮減を進め、得られる資金は事業の成長投資及び株主還元等に活用していく方針です。経営資源を最適に配分することで事業構造改革を推進し、中長期における持続的成長を目指してまいります。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、15,321百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,226百万円の減少(前連結会計年度末は7,612百万円の減少)となりました。
また、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合算したフリー・キャッシュ・フローは、15,364百万円の収入(前年同期比15,500百万円のプラス)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
<営業活動によるキャッシュ・フロー>当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、5,297百万円の収入(前年同期比9,024百万円のプラス)となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益が13,574百万円、売上債権の減少が4,333百万円それぞれあった一方で、投資有価証券売却益が15,150百万円あったことによるものです。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、10,067百万円の収入(前年同期比6,476百万円のプラス)となりました。
これは主に、投資有価証券の売却による収入が16,178百万円あった一方で、Morse Micro社への追加出資等に伴う投資有価証券の取得による支出が6,507百万円あったことによるものです。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、18,014百万円の支出(前年同期比10,503百万円のマイナス)となりました。
これは主に、自己株式の取得による支出が14,700百万円、配当金の支払額が2,386百万円あったことによるものです。
(4) 生産、受注及び販売の実績
当連結会計年度における生産実績、受注実績及び販売実績は次のとおりであります。
なお、当社グループは単一の事業セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載を行っておりません。
① 生産実績
② 受注実績
③ 販売実績
(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
当連結会計年度における経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
① 売上高
主に、ASIC事業においてLSIの市場需要が減少したこと等により、売上高は36,169百万円(前年同期比14.5%減)となりました。
② 売上原価・販売費及び一般管理費並びに営業利益
当連結会計年度の売上原価は30,656百万円となりました。売上の製品構成の変化等に伴い原価率は前年同期比3.2ポイント増加し84.8%となったことに加え、売上高の減少に伴い売上総利益は5,512百万円(前年同期比29.6%減)となりました。
販売費及び一般管理費は5,687百万円となり、前連結会計年度と比較して50百万円増加いたしました。この主な内訳は、給料、賞与引当金繰入額等の人件費が2,121百万円(同2.3%減)、研究開発費が1,756百万円(同2.3%増)となっております。
以上の結果、当連結会計年度の営業損失は174百万円(前年同期は2,190百万円の営業利益)となりました。
当社は連結売上高営業利益率を重要な指標と考えており、その動向を注視しております。当該指標等の5年間の推移は次のとおりであります。
(注)1.各指標の計算方法は下記のとおりであります。
売上高営業利益率: 営業利益/売上高×100
2.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
③ 税金等調整前当期純利益
営業外収益として受取利息が232百万円、投資事業組合に係る投資有価証券評価益が480百万円それぞれ発生した一方で、投資事業組合管理費が354百万円発生したこと等により、営業外収益及び営業外費用の差引額は176百万円の収益となりました。
また、特別利益としてSiTime社の株式を一部売却したことにより投資有価証券売却益が15,150百万円発生した一方で、特別損失として固定資産除却損が1,406百万円、棚卸資産評価損が110百万円それぞれ発生したこと等により、特別利益及び特別損失の差引額は13,573百万円の利益となりました。
以上の結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は13,574百万円(前年同期比68.3%増)となりました。
④ 親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の法人税、住民税及び事業税の額は4,258百万円(前年同期比51.6%増)、法人税等調整額が3百万円(前年同期はマイナス133百万円)となった結果、親会社株主に帰属する当期純利益は9,284百万円(72.8%増)となりました。
当社は自己資本当期純利益率を重要な指標と考えており、その動向を注視しております。当該指標の5年間の推移は次のとおりであります。
(注)1.各指標の計算方法は下記のとおりであります。
自己資本当期純利益率: 親会社株主に帰属する当期純利益/期中平均自己資本×100
2.各指標は、連結ベースの財務数値により計算しております。
(2) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
① 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループは、経営環境が急激に変化するような状況下におきましても、顧客にとって基幹部品である当社製品を長期にわたり安定的に供給し続けるという社会的使命を担っております。この使命を確実に果たしていくため、財務基盤の安定性を高め、内部留保の充実に努めるとともに、一定の水準で資金流動性を維持することを基本方針としております。
当連結会計年度末における総資産は255,158百万円(前連結会計年度末比105,217百万円の増加)となりました。流動資産は、現金及び預金、受取手形、売掛金及び契約資産を中心に36,002百万円(7,600百万円の減少)となりました。固定資産は、投資有価証券を中心に219,156百万円(112,818百万円の増加)となりました。
流動負債は12,881百万円(4,919百万円の増加)となり、流動比率は279.5%となりました。流動資産から、棚卸資産4,730百万円を控除した額は31,271百万円となり、当座比率は242.8%となりました。このような財務基盤の安定性を確保できている背景は、当社グループが資金を長期に亘り固定化する生産設備等の資産を持たないファブレスメーカーとして事業を展開してきたことによるものです。当社グループは、今後も流動性の向上と健全な資産構成のバランスシートの維持に努めてまいります。
当連結会計年度末の負債合計は69,491百万円(37,792百万円の増加)となりました。負債の主な内容は、LSI製品の製造委託先からの仕入等に対する仕入債務及び未払法人税等、繰延税金負債であります。なお、当連結会計年度末の借入金残高はありません。
純資産合計は185,667百万円(67,425百万円の増加)となりました。
以上の結果、自己資本は184,767百万円となり、自己資本比率は72.4%(同6.2ポイントの下落)となりました。引き続き、経営環境の変化に柔軟かつ迅速に適応できるよう健全で強靭な財務体質を維持してまいります。当社グループの安全性指標等の推移は次のとおりであります。
(注)1.各指標の計算方法は下記のとおりであります。
流動比率: 流動資産/流動負債×100
自己資本比率: 自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率: 株式時価総額(期末株価終値×期末発行済株式数)/総資産
2.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
当社グループは、営業キャッシュ・フローの創出力を強化し、事業運営および持続的成長に必要な資金を安定的に確保するため、売掛債権の回収期間短縮と棚卸資産の効率化を推進してまいります。
また、当社グループの成長に必要な資金を、保有する投資有価証券の売却、銀行借入れなどにより、必要に応じて調達できるものと考えております。
当社グループのキャッシュ・フロー関連指標の5年間の推移は下記のとおりであります。
(注)1.各指標の計算方法は下記のとおりであります。
フリー・キャッシュ・フロー: 営業活動によるキャッシュ・フロー+投資活動によるキャッシュ・フロー
キャッシュ・フロー対借入金比率: 借入金残高/営業活動によるキャッシュ・フロー
2.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
3.キャッシュ・フロー対借入金比率については、借入金残高がないため記載しておりません。
(3) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、当社グループの重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えられる特に重要な会計方針は以下のとおりであります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
① 貸倒引当金
貸倒引当金に関して、債権の貸倒による損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上いたします。
② 棚卸資産
棚卸資産に関して、正味売却価額が取得原価よりも下落した場合に簿価の切下げを行います。
③ 投資有価証券
投資有価証券に関して、時価が著しく低下した場合には、当該投資有価証券は時価で連結貸借対照表に計上し、時価と簿価との差額はその期間の損失として認識いたします。適正な時価が容易に入手できない場合で、当該投資有価証券の実質価額が著しく低下している場合は、実質価額まで簿価の切下げを行います。
詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
④ 有形固定資産、無形固定資産及び長期前払費用
有形固定資産、無形固定資産及び長期前払費用に関して、回収見込額が取得価額よりも下落した場合に簿価の切下げを行います。
⑤ 工事損失引当金
工事契約に関して、工事原価総額が工事収益総額を超過する可能性が高く、かつ、その金額を合理的に見積もることができる場合に、その超過すると見込まれる額を計上いたします。
⑥ 繰延税金資産
繰延税金資産に関して、事業計画やタックス・プランニングを基に将来の課税所得を見積って計上いたします。その見積りの変更により回収が見込めなくなった場合に繰延税金資産の取崩しを行います。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
(1) 経営成績の状況
昨今の世界情勢において、インフレ率の伸びは鈍化傾向にあるものの、依然として高水準での推移が続いています。また、地政学的リスクを背景としたサプライチェーンの混乱や原材料価格の変動に加え、世界的な人件費の上昇が収益を圧迫するなど、企業収益や個人消費への影響が懸念される不透明な状況が続いております。
為替相場については、日本国内においても金融政策の修正に伴い金利は上昇基調で推移したものの、日米間の金利差が依然として大きい状況にあることから、円安基調を維持しつつも地政学情勢を巡る思惑が交錯し、不安定な推移となりました。
半導体市場においては、生成AIサーバー向けを中心とする先端半導体への需要が市場全体を強力に牽引いたしました。産業機器や通信インフラ分野では、一部で在庫水準の適正化に向けた動きが残るものの、データセンター用途や次世代通信規格に対応した高性能・高効率な半導体への要求は一段と強まっております。
このような事業環境のもと、当社のASIC(顧客専用LSI)においては、当社が強みとするアナログ・デジタル技術や通信インターフェース技術、セキュリティ技術、画像処理技術を活用し、産業機器分野や通信インフラ分野を中心に、中長期案件の獲得に向けた活動を推進いたしました。通信分野及び画像処理分野における需要は底堅く推移しているものの、当社が主戦場とするOA機器や産業機器分野では、世界的な需要減退に伴う在庫調整の長期化により、市場需要の回復は総じて緩やかなものにとどまりました。
アミューズメント分野においては、新型ハードウェアへの移行に伴う端境期にありながらも、顧客密着型の開発及びサポート体制を維持し、安定的な収益の確保に努めております。
ASSP(特定用途向けLSI)においては、AIやIoT、5G及び次世代通信の進展を背景に、成長分野へのシフトを加速しております。アナログ・デジタル回路の開発・設計技術の競争力強化を図るとともに、通信分野においては、長距離・低消費電力の無線通信技術を活用したLSIの開発を推進し、幅広い通信ソリューションの提供を進めております。さらに、将来の事業化に向けたソフトウェア分野の研究開発活動も並行して進めております。
引き続き、当社グループは安定した収益基盤を維持しつつ、事業ポートフォリオの最適化により収益拡大を図ってまいります。また、次世代を担う新たな事業の育成に向けて、新市場の開拓や新製品開発に取り組み、独自性のあるビジネスの創出と事業化を推進してまいります。これらの取り組みを通じて、中長期的な持続的成長及び企業価値の向上を目指してまいります。
当連結会計年度の経営成績につきましては、アミューズメント分野においては底堅い需要が継続していたものの、OA機器や産業機器分野において市場需要の回復は総じて鈍く、前連結会計年度の需要を下回ったことから、売上高は36,169百万円(前年同期比14.5%減)、営業損失は174百万円(前年同期は2,190百万円の営業利益)となりました。なお、投資有価証券売却益の計上に伴い租税公課(外形標準課税)が190百万円発生しており、これを除いた調整後の営業利益は16百万円となっております。
経常利益は受取利息が232百万円発生したこと、投資有価証券評価益が480百万円発生した一方で、投資事業組合管理費が354百万円発生したこと等により1百万円(前年同期比99.9%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、固定資産除却損が1,406百万円発生したものの、SiTime Corporation(以下「SiTime社」という)株式の一部売却による投資有価証券売却益が15,150百万円あったこと等により9,284百万円(前年同期比72.8%増)となりました。
なお、当社グループは単一の事業セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載を行っておりません。
(2) 財政状態の変動状況
<資産>当連結会計年度末における総資産は255,158百万円(前連結会計年度末に比べ105,217百万円の増加)となりました。
主要な項目を前連結会計年度末と比較すると、現金及び預金が5,536百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が4,333百万円それぞれ減少した一方で、SiTime社株式の株価上昇に伴い時価評価額が増大し、投資有価証券が112,718百万円増加しております。
<負債>当連結会計年度末における負債は69,491百万円(前連結会計年度末に比べ37,792百万円の増加)となりました。
主要な項目を前連結会計年度末と比較すると、支払手形及び買掛金が2,080百万円、未払法人税等が3,360百万円、繰延税金負債が32,792百万円それぞれ増加しております。
<純資産>当連結会計年度末における純資産は185,667百万円(前連結会計年度末に比べ67,425百万円の増加)となりました。
主要な項目を前連結会計年度末と比較すると、その他有価証券評価差額金が73,961百万円、自己株式の取得等により自己株式(控除項目)が7,277百万円それぞれ増加しております。
(投資有価証券 SiTime社株式の時価評価による影響について)
当社が保有するSiTime社株式については、2024年3月期末に持分法適用の関連会社から除外されたことに伴い、関連会社株式から投資有価証券へ科目が変更され、各決算期末に時価評価を行っております。この影響により、総資産に占める投資有価証券の割合が高い状況で推移しており、負債・純資産の部においても、相手科目となる繰延税金負債及びその他有価証券評価差額金の占める割合が高い状況となっております。
これまでと同様に、SiTime社株式の縮減を進め、得られる資金は事業の成長投資及び株主還元等に活用していく方針です。経営資源を最適に配分することで事業構造改革を推進し、中長期における持続的成長を目指してまいります。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、15,321百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,226百万円の減少(前連結会計年度末は7,612百万円の減少)となりました。
また、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合算したフリー・キャッシュ・フローは、15,364百万円の収入(前年同期比15,500百万円のプラス)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
<営業活動によるキャッシュ・フロー>当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、5,297百万円の収入(前年同期比9,024百万円のプラス)となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益が13,574百万円、売上債権の減少が4,333百万円それぞれあった一方で、投資有価証券売却益が15,150百万円あったことによるものです。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、10,067百万円の収入(前年同期比6,476百万円のプラス)となりました。
これは主に、投資有価証券の売却による収入が16,178百万円あった一方で、Morse Micro社への追加出資等に伴う投資有価証券の取得による支出が6,507百万円あったことによるものです。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、18,014百万円の支出(前年同期比10,503百万円のマイナス)となりました。
これは主に、自己株式の取得による支出が14,700百万円、配当金の支払額が2,386百万円あったことによるものです。
(4) 生産、受注及び販売の実績
当連結会計年度における生産実績、受注実績及び販売実績は次のとおりであります。
なお、当社グループは単一の事業セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載を行っておりません。
① 生産実績
| 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | 前年同期比(%) | |
| 生産高(百万円) | 30,929 | 87.1 |
② 受注実績
| 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | 前年同期比(%) | |
| 受注高(百万円) | 39,603 | 93.1 |
| 受注残高(百万円) | 10,877 | 131.4 |
③ 販売実績
| 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | 前年同期比(%) | |
| 販売高(百万円) | 36,169 | 85.5 |
(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
| 相手先 | 金額(百万円) | 割合(%) |
| 任天堂㈱ | 30,520 | 72.1 |
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
| 相手先 | 金額(百万円) | 割合(%) |
| 任天堂㈱ | 27,865 | 77.0 |
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
当連結会計年度における経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
① 売上高
主に、ASIC事業においてLSIの市場需要が減少したこと等により、売上高は36,169百万円(前年同期比14.5%減)となりました。
② 売上原価・販売費及び一般管理費並びに営業利益
当連結会計年度の売上原価は30,656百万円となりました。売上の製品構成の変化等に伴い原価率は前年同期比3.2ポイント増加し84.8%となったことに加え、売上高の減少に伴い売上総利益は5,512百万円(前年同期比29.6%減)となりました。
販売費及び一般管理費は5,687百万円となり、前連結会計年度と比較して50百万円増加いたしました。この主な内訳は、給料、賞与引当金繰入額等の人件費が2,121百万円(同2.3%減)、研究開発費が1,756百万円(同2.3%増)となっております。
以上の結果、当連結会計年度の営業損失は174百万円(前年同期は2,190百万円の営業利益)となりました。
当社は連結売上高営業利益率を重要な指標と考えており、その動向を注視しております。当該指標等の5年間の推移は次のとおりであります。
| 回次 | 第32期 | 第33期 | 第34期 | 第35期 | 第36期 |
| 決算年月 | 2022年3月 | 2023年3月 | 2024年3月 | 2025年3月 | 2026年3月 |
| 売上高(百万円) | 75,256 | 70,722 | 57,942 | 42,326 | 36,169 |
| 研究開発費(百万円) | 2,537 | 1,972 | 2,045 | 1,715 | 1,756 |
| 営業利益又は営業損失(△)(百万円) | 7,030 | 6,029 | 5,483 | 2,190 | △174 |
| 売上高営業利益率(%) | 9.3 | 8.5 | 9.5 | 5.2 | △0.5 |
(注)1.各指標の計算方法は下記のとおりであります。
売上高営業利益率: 営業利益/売上高×100
2.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
③ 税金等調整前当期純利益
営業外収益として受取利息が232百万円、投資事業組合に係る投資有価証券評価益が480百万円それぞれ発生した一方で、投資事業組合管理費が354百万円発生したこと等により、営業外収益及び営業外費用の差引額は176百万円の収益となりました。
また、特別利益としてSiTime社の株式を一部売却したことにより投資有価証券売却益が15,150百万円発生した一方で、特別損失として固定資産除却損が1,406百万円、棚卸資産評価損が110百万円それぞれ発生したこと等により、特別利益及び特別損失の差引額は13,573百万円の利益となりました。
以上の結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は13,574百万円(前年同期比68.3%増)となりました。
④ 親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の法人税、住民税及び事業税の額は4,258百万円(前年同期比51.6%増)、法人税等調整額が3百万円(前年同期はマイナス133百万円)となった結果、親会社株主に帰属する当期純利益は9,284百万円(72.8%増)となりました。
当社は自己資本当期純利益率を重要な指標と考えており、その動向を注視しております。当該指標の5年間の推移は次のとおりであります。
| 回次 | 第32期 | 第33期 | 第34期 | 第35期 | 第36期 |
| 決算年月 | 2022年3月 | 2023年3月 | 2024年3月 | 2025年3月 | 2026年3月 |
| 自己資本当期純利益率(%) | 46.9 | 10.0 | 5.1 | 4.9 | 6.1 |
(注)1.各指標の計算方法は下記のとおりであります。
自己資本当期純利益率: 親会社株主に帰属する当期純利益/期中平均自己資本×100
2.各指標は、連結ベースの財務数値により計算しております。
(2) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
① 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループは、経営環境が急激に変化するような状況下におきましても、顧客にとって基幹部品である当社製品を長期にわたり安定的に供給し続けるという社会的使命を担っております。この使命を確実に果たしていくため、財務基盤の安定性を高め、内部留保の充実に努めるとともに、一定の水準で資金流動性を維持することを基本方針としております。
当連結会計年度末における総資産は255,158百万円(前連結会計年度末比105,217百万円の増加)となりました。流動資産は、現金及び預金、受取手形、売掛金及び契約資産を中心に36,002百万円(7,600百万円の減少)となりました。固定資産は、投資有価証券を中心に219,156百万円(112,818百万円の増加)となりました。
流動負債は12,881百万円(4,919百万円の増加)となり、流動比率は279.5%となりました。流動資産から、棚卸資産4,730百万円を控除した額は31,271百万円となり、当座比率は242.8%となりました。このような財務基盤の安定性を確保できている背景は、当社グループが資金を長期に亘り固定化する生産設備等の資産を持たないファブレスメーカーとして事業を展開してきたことによるものです。当社グループは、今後も流動性の向上と健全な資産構成のバランスシートの維持に努めてまいります。
当連結会計年度末の負債合計は69,491百万円(37,792百万円の増加)となりました。負債の主な内容は、LSI製品の製造委託先からの仕入等に対する仕入債務及び未払法人税等、繰延税金負債であります。なお、当連結会計年度末の借入金残高はありません。
純資産合計は185,667百万円(67,425百万円の増加)となりました。
以上の結果、自己資本は184,767百万円となり、自己資本比率は72.4%(同6.2ポイントの下落)となりました。引き続き、経営環境の変化に柔軟かつ迅速に適応できるよう健全で強靭な財務体質を維持してまいります。当社グループの安全性指標等の推移は次のとおりであります。
| 回次 | 第32期 | 第33期 | 第34期 | 第35期 | 第36期 |
| 決算年月 | 2022年3月 | 2023年3月 | 2024年3月 | 2025年3月 | 2026年3月 |
| 流動比率(%) | 269.0 | 350.7 | 535.6 | 547.6 | 279.5 |
| 自己資本比率(%) | 75.1 | 83.7 | 80.9 | 78.6 | 72.4 |
| 時価ベースの自己資本比率(%) | 92.4 | 80.7 | 64.7 | 60.4 | 56.8 |
(注)1.各指標の計算方法は下記のとおりであります。
流動比率: 流動資産/流動負債×100
自己資本比率: 自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率: 株式時価総額(期末株価終値×期末発行済株式数)/総資産
2.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
当社グループは、営業キャッシュ・フローの創出力を強化し、事業運営および持続的成長に必要な資金を安定的に確保するため、売掛債権の回収期間短縮と棚卸資産の効率化を推進してまいります。
また、当社グループの成長に必要な資金を、保有する投資有価証券の売却、銀行借入れなどにより、必要に応じて調達できるものと考えております。
当社グループのキャッシュ・フロー関連指標の5年間の推移は下記のとおりであります。
| 回次 | 第32期 | 第33期 | 第34期 | 第35期 | 第36期 |
| 決算年月 | 2022年3月 | 2023年3月 | 2024年3月 | 2025年3月 | 2026年3月 |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー(百万円) | △195 | 1,241 | 8,160 | △3,726 | 5,297 |
| フリー・キャッシュ・フロー(百万円) | 19,823 | △4,279 | 8,375 | △136 | 15,364 |
| キャッシュ・フロー対借入金比率(%) | - | - | - | - | - |
(注)1.各指標の計算方法は下記のとおりであります。
フリー・キャッシュ・フロー: 営業活動によるキャッシュ・フロー+投資活動によるキャッシュ・フロー
キャッシュ・フロー対借入金比率: 借入金残高/営業活動によるキャッシュ・フロー
2.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
3.キャッシュ・フロー対借入金比率については、借入金残高がないため記載しておりません。
(3) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、当社グループの重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えられる特に重要な会計方針は以下のとおりであります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
① 貸倒引当金
貸倒引当金に関して、債権の貸倒による損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上いたします。
② 棚卸資産
棚卸資産に関して、正味売却価額が取得原価よりも下落した場合に簿価の切下げを行います。
③ 投資有価証券
投資有価証券に関して、時価が著しく低下した場合には、当該投資有価証券は時価で連結貸借対照表に計上し、時価と簿価との差額はその期間の損失として認識いたします。適正な時価が容易に入手できない場合で、当該投資有価証券の実質価額が著しく低下している場合は、実質価額まで簿価の切下げを行います。
詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
④ 有形固定資産、無形固定資産及び長期前払費用
有形固定資産、無形固定資産及び長期前払費用に関して、回収見込額が取得価額よりも下落した場合に簿価の切下げを行います。
⑤ 工事損失引当金
工事契約に関して、工事原価総額が工事収益総額を超過する可能性が高く、かつ、その金額を合理的に見積もることができる場合に、その超過すると見込まれる額を計上いたします。
⑥ 繰延税金資産
繰延税金資産に関して、事業計画やタックス・プランニングを基に将来の課税所得を見積って計上いたします。その見積りの変更により回収が見込めなくなった場合に繰延税金資産の取崩しを行います。