有価証券報告書-第107期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により依然として厳しい状況が続いておりますが、北米では景気は持ち直しており、欧州においては景気は弱い動きとなっております。また、中国では景気は緩やかに回復しつつあり、インドでは景気は持ち直しております。国内経済においても、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、景気は厳しい状況にありますが、持ち直しの動きが続いております。
当社グループの主要取引先であります自動車業界においては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、日本、北米、欧州、中国、アジア地域共に軒並み販売台数が前年同期に比べ減少しております。
こうした状況のなか、当社グループにおいては「安全、品質、ものづくり」の基本を徹底し、構造改革と原価マネジメントの強化により収益確保に努めております。
当連結会計年度の業績は、売上高は4,668億円(前年度比2.0%減)となりました。利益につきましては、部品事業の売上減少等の減益要因により、営業利益は77億円(前年度比26.7%減)、経常利益は79億円(前年度比20.1%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は40億円(前年度比35.6%減)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。なお、第1四半期連結会計期間より、報告セグメントを変更しており、前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えて表示しております。
a. 日本
売上高は得意先各社の自動車生産台数の減少等により2,338億円(前年度比11.5%減)となりました。セグメント利益は売上高の減少等により19億円(前年度比62.3%減)となりました。
b. 北米
売上高は得意先各社の生産台数の減少等により880億円(前年度比12.3%減)となりました。セグメント利益は売上高の減少等により9億円(前年度比41.8%減)となりました。
c. 欧州
売上高はチェコにおける新規車種立上がりによる生産台数増の影響等により340億円(前年度比16.5%増)となりました。セグメント利益は売上高の増加等により9億円(前年度比26.8%増)となりました。
d. 中国
売上高は当社得意先の生産台数の増加等により817億円(前年度比19.8%増)となりました。セグメント利益は売上高の増加等により34億円(前年度比10.1%増)となりました。
e. アジア
売上高は得意先からの支給品単価の上昇の影響等により486億円(前年度比57.4%増)となりました。セグメント利益は合理化改善等により8億円(前年度比237.5%増)となりました。
財政状態は次のとおりであります。
当連結会計年度の総資産については、売上債権、建設仮勘定等の増加により、前連結会計年度末に比べて366億円増加し、2,901億円となりました。負債については、仕入債務、短期借入金等の増加により、前連結会計年度末に比べて259億円増加し、2,029億円となりました。純資産については、為替換算調整勘定等の増加により、前連結会計年度末に比べて107億円増加し、872億円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当社グループの現金及び現金同等物は、前年度末に比べ1億円増加し、95億円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動の結果、得られた資金は227億円であり、前年度に比べ112億円(33.0%減)の減少となりました。これは、売上債権が増加したことなどによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動の結果、使用した資金は246億円、前年度に比べて17億円(6.7%減)の支出の減少となりました。これは、有形固定資産の取得支出が減少したことなどによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動の結果、得られた資金は17億円(前年度は55億円の支出)となりました。これは、借入金の増加などによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の状況
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績は次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しておりません。
2 金額は、製造原価によっております。
3 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
b. 受注状況
当連結会計年度における当社製品におきましては、納入先より3ヶ月程度の生産計画の提示を受け、生産能力を考慮して生産計画をたてております。
なお、治具溶接機については、納入先からの注文に基づき生産しており、受注状況は次のとおりであります。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績は次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
3 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当社グループに関する財政状態及び経営成績の分析・検討内容は原則として連結財務諸表に基づき分析した内容であり、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2021年6月18日)現在において当社グループが判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度における経営成績の前連結会計年度との比較分析、報告セグメントごとの詳細及び財政状態の分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要」に記載しております。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、以下の5つの基本方針を取り組んできたことが挙げられます。
① 「安全、品質、ものづくり」の基本の徹底
② 安定した収益確保のための構造改革と原価マネジメントの強化
③ 拠点最適化と経営資源の効率的な配分
④ コア技術の更なる進化と新規分野への活用
⑤ 人材育成と組織力の強化
また、5ヵ年計画を達成すべく「グローバルにおける部品事業の利益最大化」「電動化に対応した開発強化」「ボデー部品の新たなビジネスモデルに向けた開発・生産体制構築」を推進してまいりました。
企業価値の向上を目指すにあたっては、売上高、営業利益率、経常利益率、ROE(株主資本当期純利益率)を重要な経営指標と位置づけ、その向上に取り組んでまいりました。
財政面におきましては、財務体質の強化として有利子負債の削減と自己資本比率の向上に取り組んでまいりました。
各セグメントにつきましても上記基本方針に取り組んでまいりました。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、2020年度上期は主要得意先の稼働調整や操業停止等が相次ぎ、日本、北米、欧州の各セグメントにおいて売上高及び利益が前年同期と比べて減少しましたが、2020年度下期では、新車需要の回復に伴い、すべてのセグメントにおいて売上高及び利益が前年同期と比べて増加しております。
なお、重要な経営指標に掲げられている指標の分析については次のとおりです。
売上高につきましては、部品事業の売上減少等により4,668億円(前年度比2.0%減)となりました。営業利益率につきましては、前年度と比べて0.5%減少しました。この主な要因は、部品事業の売上減少等の減益要因により営業利益が減少したためです。経常利益率につきましては、前年度と比べて0.4%減少しました。この主な要因は、営業利益の減少に伴い経常利益も減少したためです。ROEにつきましては、親会社株主に帰属する当期純利益が減少したこと等により前年度と比べて3.9%減少しました。有利子負債につきましては、北米、欧州、中国拠点における新規生準投資等に伴う借入金の増加により、前年度と比べて54億円増加しております。自己資本比率につきましては、その他包括利益累計額の増加や親会社株主に帰属する当期純利益を計上したこと等により26.8%(前年度比0.2%増)となりました。
重要な経営指標の推移
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び流動性に係る情報
a. キャッシュ・フローの状況
当社グループの当連結会計年度末における現金及び現金同等物は前連結会計年度末に比べて1億円増加し、ほぼ横ばいの95億円となりました。
なお、当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況の前連結会計年度との比較分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要」に記載しております。
b. 財務政策
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料及び外注部品等の仕入のほか、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。また、剰余金の配当につきましては、配当政策に基づき実施してまいります。
当社グループの運転資金、設備投資資金及び剰余金の配当等は、主として内部資金により充当し、必要に応じて借入れによる資金調達を実施することを基本方針としております。
当連結会計年度の当社グループの設備投資資金につきましては、内部資金、資本市場からの調達及び借入により充当いたしました。
今後は、資本の効率化と財務の安全性確保を重視しつつ、有利子負債の圧縮を視野にいれながら、バランスをとった財務運営を目指してまいります。
c. 今後のキャッシュ・フロー
2022年3月期の設備投資につきましては、生産性向上のための合理化・省力化投資、新規受注に伴う金型等投資及び海外生産拠点への投資を中心に実施する予定です。詳細につきましては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却の計画」に記載しております。
当該資金調達につきましては、内部資金又は借入にて充当する予定です。
(参考)
新5ヵ年計画の公表(2016年5月23日)
直近2ヵ年の実績及び連結業績予想
「新5ヵ年計画の公表(2016年5月23日)」の連結売上高及び連結営業利益率については、2016年5月において、入手可能な情報と一定の前提に基づき策定したものであります。2020年度上期は新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受け、2016年5月23日に公表しました新5ヵ年計画の通期目標営業利益3.5%の達成はできませんでしたが、2020年度下期は売上高の回復や全社的な改善活動等により、下期営業利益率は4.4%となりました。
また、当社は2021年度以降の会社の方向性とめざす姿を示すため、2021年5月19日に2021年度から2023年度を対象とする中期経営計画を策定いたしました。以下の3つの中期経営方針を柱とし、経営・収入基盤をさらに充実させるとともに、デジタル化とモノづくりのイノベーションにリソーセスを投下し、強固で持続可能なグローバル企業を目指して参ります。
(1) 選ばれる会社、勝ち抜く会社に向けた強化
・お客様目線を意識した活動(困りごとの解決提案)
・部品事業の収益最大化
(2) 真のグローバル企業への取り組み強化
・本社のグローバル化促進
・中長期の事業戦略の実行
(3) 持続可能な企業基盤の強化
・企業価値の向上
・デジタル社会への環境整備
・新しい時代に向けた意識改革
現状、コロナ禍の収束がみられない上、半導体やナイロンの供給不足、物流業界の労働力不足など、自動車業界における様々な環境の変化および逆風により見通しが不透明な状況がありますが、当面、新5ヵ年計画の最終目標でありました連結営業利益率3.5%をコンスタントに出せるよう目指してまいります。なお、実際の業績は、その情報の不確実性のほか、今後の経済情勢、市場動向、株価・為替動向等の状況変化により予想数値と異なる可能性があります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
a. 繰延税金資産の回収可能性
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
b. 固定資産の減損
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
c. 貸倒引当金
当社グループは売上債権等の貸倒損失に備えて回収不能となる見積額を貸倒引当金として計上しておりますが、将来、得意先の財務状況が悪化し支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。
d. 製品保証引当金
当社製品の品質保証に伴う損失の支出に備えるため、売上高に対する過去のクレーム実績率を基礎として発生したクレーム費用の個別の実情を考慮した上で、当社が求償を受けると見込まれる金額を見積って計上しておりますが、実際に求償される額が見積り額と乖離した場合には利益に影響を与える可能性があります。
e. 退職給付に係る資産・負債
従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上使用される前提条件に基づいて算出しております。これらの前提条件には、割引率、退職率、死亡率、昇給率及び年金資産の長期期待運用収益率など多くの見積りが含まれており、実際の結果が前提条件と異なる場合や前提条件が変更された場合、又は法改正や退職給付制度の変更があった場合、その影響は累積されて将来にわたり規則的に認識されることとなり、将来の退職給付費用及び債務に影響を与える可能性があります。
f. 有価証券の減損処理
当社グループは長期的な取引関係維持のため、得意先及び金融機関の株式を保有しておりますが、これら株式は株式市場の価格変動リスクを負っているため、合理的な基準に基づく有価証券の減損処理を行っております。将来、株式市場の悪化又は投資先の業績不振により、評価損を計上することがあり、その場合、利益に影響を与える可能性があります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により依然として厳しい状況が続いておりますが、北米では景気は持ち直しており、欧州においては景気は弱い動きとなっております。また、中国では景気は緩やかに回復しつつあり、インドでは景気は持ち直しております。国内経済においても、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、景気は厳しい状況にありますが、持ち直しの動きが続いております。
当社グループの主要取引先であります自動車業界においては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、日本、北米、欧州、中国、アジア地域共に軒並み販売台数が前年同期に比べ減少しております。
こうした状況のなか、当社グループにおいては「安全、品質、ものづくり」の基本を徹底し、構造改革と原価マネジメントの強化により収益確保に努めております。
当連結会計年度の業績は、売上高は4,668億円(前年度比2.0%減)となりました。利益につきましては、部品事業の売上減少等の減益要因により、営業利益は77億円(前年度比26.7%減)、経常利益は79億円(前年度比20.1%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は40億円(前年度比35.6%減)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。なお、第1四半期連結会計期間より、報告セグメントを変更しており、前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えて表示しております。
a. 日本
売上高は得意先各社の自動車生産台数の減少等により2,338億円(前年度比11.5%減)となりました。セグメント利益は売上高の減少等により19億円(前年度比62.3%減)となりました。
b. 北米
売上高は得意先各社の生産台数の減少等により880億円(前年度比12.3%減)となりました。セグメント利益は売上高の減少等により9億円(前年度比41.8%減)となりました。
c. 欧州
売上高はチェコにおける新規車種立上がりによる生産台数増の影響等により340億円(前年度比16.5%増)となりました。セグメント利益は売上高の増加等により9億円(前年度比26.8%増)となりました。
d. 中国
売上高は当社得意先の生産台数の増加等により817億円(前年度比19.8%増)となりました。セグメント利益は売上高の増加等により34億円(前年度比10.1%増)となりました。
e. アジア
売上高は得意先からの支給品単価の上昇の影響等により486億円(前年度比57.4%増)となりました。セグメント利益は合理化改善等により8億円(前年度比237.5%増)となりました。
財政状態は次のとおりであります。
当連結会計年度の総資産については、売上債権、建設仮勘定等の増加により、前連結会計年度末に比べて366億円増加し、2,901億円となりました。負債については、仕入債務、短期借入金等の増加により、前連結会計年度末に比べて259億円増加し、2,029億円となりました。純資産については、為替換算調整勘定等の増加により、前連結会計年度末に比べて107億円増加し、872億円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当社グループの現金及び現金同等物は、前年度末に比べ1億円増加し、95億円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動の結果、得られた資金は227億円であり、前年度に比べ112億円(33.0%減)の減少となりました。これは、売上債権が増加したことなどによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動の結果、使用した資金は246億円、前年度に比べて17億円(6.7%減)の支出の減少となりました。これは、有形固定資産の取得支出が減少したことなどによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動の結果、得られた資金は17億円(前年度は55億円の支出)となりました。これは、借入金の増加などによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の状況
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績は次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 日本 | 201,831 | 87.2 |
| 北米 | 82,191 | 88.6 |
| 欧州 | 31,289 | 118.5 |
| 中国 | 74,564 | 120.4 |
| アジア | 46,988 | 159.4 |
| 合計 | 436,865 | 98.8 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しておりません。
2 金額は、製造原価によっております。
3 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
b. 受注状況
当連結会計年度における当社製品におきましては、納入先より3ヶ月程度の生産計画の提示を受け、生産能力を考慮して生産計画をたてております。
なお、治具溶接機については、納入先からの注文に基づき生産しており、受注状況は次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 日本 | 5,889 | 88.7 | 4,093 | 93.1 |
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績は次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 日本 | 214,502 | 86.4 |
| 北米 | 88,060 | 88.3 |
| 欧州 | 34,052 | 116.7 |
| 中国 | 81,522 | 120.0 |
| アジア | 48,671 | 157.4 |
| 合計 | 466,809 | 98.0 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
3 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 販売高(百万円) | 割合(%) | 販売高(百万円) | 割合(%) | |
| トヨタ自動車㈱ | 148,694 | 31.2 | 134,884 | 28.9 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当社グループに関する財政状態及び経営成績の分析・検討内容は原則として連結財務諸表に基づき分析した内容であり、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2021年6月18日)現在において当社グループが判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度における経営成績の前連結会計年度との比較分析、報告セグメントごとの詳細及び財政状態の分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要」に記載しております。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、以下の5つの基本方針を取り組んできたことが挙げられます。
① 「安全、品質、ものづくり」の基本の徹底
② 安定した収益確保のための構造改革と原価マネジメントの強化
③ 拠点最適化と経営資源の効率的な配分
④ コア技術の更なる進化と新規分野への活用
⑤ 人材育成と組織力の強化
また、5ヵ年計画を達成すべく「グローバルにおける部品事業の利益最大化」「電動化に対応した開発強化」「ボデー部品の新たなビジネスモデルに向けた開発・生産体制構築」を推進してまいりました。
企業価値の向上を目指すにあたっては、売上高、営業利益率、経常利益率、ROE(株主資本当期純利益率)を重要な経営指標と位置づけ、その向上に取り組んでまいりました。
財政面におきましては、財務体質の強化として有利子負債の削減と自己資本比率の向上に取り組んでまいりました。
各セグメントにつきましても上記基本方針に取り組んでまいりました。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、2020年度上期は主要得意先の稼働調整や操業停止等が相次ぎ、日本、北米、欧州の各セグメントにおいて売上高及び利益が前年同期と比べて減少しましたが、2020年度下期では、新車需要の回復に伴い、すべてのセグメントにおいて売上高及び利益が前年同期と比べて増加しております。
なお、重要な経営指標に掲げられている指標の分析については次のとおりです。
売上高につきましては、部品事業の売上減少等により4,668億円(前年度比2.0%減)となりました。営業利益率につきましては、前年度と比べて0.5%減少しました。この主な要因は、部品事業の売上減少等の減益要因により営業利益が減少したためです。経常利益率につきましては、前年度と比べて0.4%減少しました。この主な要因は、営業利益の減少に伴い経常利益も減少したためです。ROEにつきましては、親会社株主に帰属する当期純利益が減少したこと等により前年度と比べて3.9%減少しました。有利子負債につきましては、北米、欧州、中国拠点における新規生準投資等に伴う借入金の増加により、前年度と比べて54億円増加しております。自己資本比率につきましては、その他包括利益累計額の増加や親会社株主に帰属する当期純利益を計上したこと等により26.8%(前年度比0.2%増)となりました。
重要な経営指標の推移
| 回次 | 第105期 | 第106期 | 第107期 |
| 決算年月 | 2019年3月 | 2020年3月 | 2021年3月 |
| 売上高 | 4,617億円 | 4,761億円 | 4,668億円 |
| 営業利益率 | 1.5% | 2.2% | 1.7% |
| 経常利益率 | 1.4% | 2.1% | 1.7% |
| ROE | 5.3% | 9.5% | 5.6% |
| 有利子負債残高 | 849億円 | 823億円 | 877億円 |
| 自己資本比率 | 26.4% | 26.6% | 26.8% |
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び流動性に係る情報
a. キャッシュ・フローの状況
当社グループの当連結会計年度末における現金及び現金同等物は前連結会計年度末に比べて1億円増加し、ほぼ横ばいの95億円となりました。
なお、当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況の前連結会計年度との比較分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要」に記載しております。
b. 財務政策
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料及び外注部品等の仕入のほか、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。また、剰余金の配当につきましては、配当政策に基づき実施してまいります。
当社グループの運転資金、設備投資資金及び剰余金の配当等は、主として内部資金により充当し、必要に応じて借入れによる資金調達を実施することを基本方針としております。
当連結会計年度の当社グループの設備投資資金につきましては、内部資金、資本市場からの調達及び借入により充当いたしました。
今後は、資本の効率化と財務の安全性確保を重視しつつ、有利子負債の圧縮を視野にいれながら、バランスをとった財務運営を目指してまいります。
c. 今後のキャッシュ・フロー
2022年3月期の設備投資につきましては、生産性向上のための合理化・省力化投資、新規受注に伴う金型等投資及び海外生産拠点への投資を中心に実施する予定です。詳細につきましては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却の計画」に記載しております。
当該資金調達につきましては、内部資金又は借入にて充当する予定です。
(参考)
新5ヵ年計画の公表(2016年5月23日)
| 回次 | 第103期 | 第105期 | 第107期 |
| 決算年月 | 2017年3月 | 2019年3月 | 2021年3月 |
| 連結売上高 | 4,070億円 | 4,200億円 | 4,400億円 |
| 連結営業利益率 | 1.0% | 1.8% | 3.5% |
直近2ヵ年の実績及び連結業績予想
| 回次 | 第106期(実績) | 第107期(実績) | 第108期(連結業績予想) |
| 決算年月 | 2020年3月 | 2021年3月 | 2022年3月 |
| 連結売上高 | 4,761億円 | 4,668億円 | 5,400億円 |
| 連結営業利益率 | 2.2% | 1.7% | 1.9% |
「新5ヵ年計画の公表(2016年5月23日)」の連結売上高及び連結営業利益率については、2016年5月において、入手可能な情報と一定の前提に基づき策定したものであります。2020年度上期は新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受け、2016年5月23日に公表しました新5ヵ年計画の通期目標営業利益3.5%の達成はできませんでしたが、2020年度下期は売上高の回復や全社的な改善活動等により、下期営業利益率は4.4%となりました。
また、当社は2021年度以降の会社の方向性とめざす姿を示すため、2021年5月19日に2021年度から2023年度を対象とする中期経営計画を策定いたしました。以下の3つの中期経営方針を柱とし、経営・収入基盤をさらに充実させるとともに、デジタル化とモノづくりのイノベーションにリソーセスを投下し、強固で持続可能なグローバル企業を目指して参ります。
(1) 選ばれる会社、勝ち抜く会社に向けた強化
・お客様目線を意識した活動(困りごとの解決提案)
・部品事業の収益最大化
(2) 真のグローバル企業への取り組み強化
・本社のグローバル化促進
・中長期の事業戦略の実行
(3) 持続可能な企業基盤の強化
・企業価値の向上
・デジタル社会への環境整備
・新しい時代に向けた意識改革
現状、コロナ禍の収束がみられない上、半導体やナイロンの供給不足、物流業界の労働力不足など、自動車業界における様々な環境の変化および逆風により見通しが不透明な状況がありますが、当面、新5ヵ年計画の最終目標でありました連結営業利益率3.5%をコンスタントに出せるよう目指してまいります。なお、実際の業績は、その情報の不確実性のほか、今後の経済情勢、市場動向、株価・為替動向等の状況変化により予想数値と異なる可能性があります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
a. 繰延税金資産の回収可能性
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
b. 固定資産の減損
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
c. 貸倒引当金
当社グループは売上債権等の貸倒損失に備えて回収不能となる見積額を貸倒引当金として計上しておりますが、将来、得意先の財務状況が悪化し支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。
d. 製品保証引当金
当社製品の品質保証に伴う損失の支出に備えるため、売上高に対する過去のクレーム実績率を基礎として発生したクレーム費用の個別の実情を考慮した上で、当社が求償を受けると見込まれる金額を見積って計上しておりますが、実際に求償される額が見積り額と乖離した場合には利益に影響を与える可能性があります。
e. 退職給付に係る資産・負債
従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上使用される前提条件に基づいて算出しております。これらの前提条件には、割引率、退職率、死亡率、昇給率及び年金資産の長期期待運用収益率など多くの見積りが含まれており、実際の結果が前提条件と異なる場合や前提条件が変更された場合、又は法改正や退職給付制度の変更があった場合、その影響は累積されて将来にわたり規則的に認識されることとなり、将来の退職給付費用及び債務に影響を与える可能性があります。
f. 有価証券の減損処理
当社グループは長期的な取引関係維持のため、得意先及び金融機関の株式を保有しておりますが、これら株式は株式市場の価格変動リスクを負っているため、合理的な基準に基づく有価証券の減損処理を行っております。将来、株式市場の悪化又は投資先の業績不振により、評価損を計上することがあり、その場合、利益に影響を与える可能性があります。