有価証券報告書-第112期(2025/04/01-2026/03/31)
(1) 経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、中東情勢や金融資本市場の変動、米国の政策動向による影響等により先行きが不透明な状況が続いておりますが、一部の地域において弱さがみられるものの、緩やかな持ち直しが続いております。国内においては、雇用・所得環境の改善や企業収益が堅調に推移したことを背景に、景気は緩やかに回復しました。自動車業界全体としましては、世界の新車販売台数は回復基調を維持しています。
こうした状況のなか、当社グループにおいては、企業価値の向上を目指すに当たり、営業利益率、ROE(自己資本利益率)を重要な経営指標と位置づけ、その向上に取り組んでおります。その一環として、2025年度から2027年度までを計画期間とする中期経営計画の目標として、2027年度営業利益率(対支給品を除く売上高)5.0%及びROE10.0%を設定しております。
当連結会計年度の業績は、売上高につきましては、支給品単価や材料建値の下降、為替影響等により6,779億円(前年度比4.1%減)となりました。利益につきましては、支給品や材料建値変動、為替影響等を除く実質売上高が増加したことによる利益の増加や、合理化改善、価格転嫁の実施等により、営業利益は187億円(前年度比23.3%増)、経常利益は208億円(前年度比56.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は160億円(前年度比158.1%増)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
a. 日本
売上高は3,201億円(前年度比2.7%減)となりましたが、支給品や材料建値変動等を除く実質売上高が増加したことによる利益の増加や、合理化改善、価格転嫁の実施等により、セグメント利益は83億円(前年度比41.2%増)となりました。
b. 北米
売上高は1,778億円(前年度比13.8%減)となりましたが、支給品や材料建値変動、為替影響等を除く実質売上高が増加したことによる利益の増加や、合理化改善、価格転嫁の実施等により、セグメント利益は37億円(前年度比38.6%増)となりました。
c. 欧州
売上高は680億円(前年度比10.5%増)となりました。セグメント利益は21億円(前年度比11.6%減)となりました。
d. 中国
売上高は626億円(前年度比11.2%減)となりました。セグメント利益は30億円(前年度比33.5%増)となりました。
e. アジア
売上高は609億円(前年度比18.9%増)となりました。セグメント利益は12億円(前年度比32.7%減)となりました。
財政状態は次のとおりであります。
当連結会計年度の総資産については、現金及び預金、有形固定資産の増加等により、前連結会計年度末に比べて204億円増加し、3,343億円となりました。負債については、買掛金の減少等により、前連結会計年度末に比べて22億円減少し、1,884億円となりました。純資産については、利益剰余金の増加等により、前連結会計年度末に比べて226億円増加し、1,458億円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当社グループの現金及び現金同等物は、前年度末に比べ69億円増加し、202億円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動の結果、得られた資金は382億円であり、前年度に比べ135億円(54.5%増)の増加となりました。これは、税金等調整前当期純利益の増加等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動の結果、使用した資金は264億円であり、前年度に比べて32億円(14.0%増)の支出の増加となりました。これは、有形固定資産の取得支出の増加等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動の結果、使用した資金は63億円であり、前年度に比べて39億円(38.4%減)の支出の減少となりました。これは、長期借入による収入の増加等によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の状況
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績は次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しておりません。
2 金額は、製造原価によっております。
b. 受注状況
当連結会計年度における当社製品におきましては、納入先より3ヶ月程度の生産計画の提示を受け、生産能力を考慮して生産計画をたてております。
なお、外販設備事業については、納入先からの注文に基づき生産しており、受注状況は次のとおりであります。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績は次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当社グループに関する財政状態及び経営成績の分析・検討内容は原則として連結財務諸表に基づき分析した内容であり、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年6月17日)現在において当社グループが判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度における経営成績の前連結会計年度との比較分析、報告セグメントごとの詳細及び財政状態の分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要」に記載しております。
企業価値の向上を目指すにあたっては、売上高、営業利益率、ROE(自己資本利益率)を重要な経営指標と位置づけており、資本収益性を測定するKPIとしてROEの目標を10%以上と設定しております。プレスの生産性・ライン稼働率の向上を目指したベストプラクティス活動の展開やデジタル技術を活用したバーチャルワンファクトリーの構築による間接業務のスリム化等の活動を通じて、企業価値の向上に取り組んでおります。
財政面におきましては、財務体質の強化として有利子負債の削減と自己資本比率の向上に取り組んでまいりました。投資上限の設定による投資キャッシュ・フロー管理やグループ内の資金効率向上等の活動により上記の実現に努めております。
各セグメントにつきましても上記を基本方針として取り組んでまいりました。
なお、当連結会計年度の各セグメントの経営成績の分析につきましては、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
重要な経営指標に掲げられている指標の分析については次のとおりです。
売上高につきましては、主として支給品単価や材料建値の下降、為替影響等により6,779億円(前年度比4.1%減)となりました。営業利益率につきましては、前年度と比べ0.7ポイント増加しました。この主な要因は、支給品や材料建値変動、為替影響等を除く実質売上高が増加したことによる利益の増加や、合理化改善の成果や価格転嫁の実施等により営業利益が増加したためです。ROEにつきましては、親会社株主に帰属する当期純利益が前年度に比べ98億円増加し、12.5%(前年度比7.4ポイント増)となり、目標である10%以上を達成しました。有利子負債につきましては、前年度と比べ2億円減少しております。自己資本比率につきましては、利益剰余金やその他の包括利益累計額の増加により自己資本が前年度と比べ212億円増加し、41.5%(前年度比4.0ポイント増)となりました。
重要な経営指標の推移
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び流動性に係る情報
a. キャッシュ・フローの状況
当社グループの当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて69億円増加し、202億円となりました。
なお、当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況の前連結会計年度との比較分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要」に記載しております。
b. 財務政策
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料及び外注部品等の仕入のほか、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。また、剰余金の配当につきましては、配当政策に基づき実施してまいります。当社グループの運転資金、設備投資資金及び剰余金の配当等は、主として内部資金により充当し、必要に応じて借入による資金調達を実施することを基本方針としております。当連結会計年度の当社グループの設備投資資金につきましては、内部資金及び借入金にて充当いたしました。今後も、資本の効率化と財務の安全性確保を重視しつつ、バランスの取れた財務運営を目指してまいります。
c. 今後のキャッシュ・フロー
2027年3月期の設備投資につきましては、生産性向上のための合理化・省力化投資、新規受注に伴う金型等投資及び海外生産拠点への投資を中心に実施する予定です。詳細につきましては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載しております。当該資金調達につきましては、内部資金及び借入金にて充当する予定です。
(参考)
当社グループは2025年5月に2025年度以降の会社の方向性と目指す姿を示すため、中期経営計画を策定しております。成長投資をテーマに既存事業の成長、新規事業の事業化、経営基盤の強化に取り組みながら、企業価値の向上と発展を目指します。
(1) 既存事業の成長
・売上拡大に向けた開発、能力向上
・電動化ニーズに合わせた新たなシステム開発
・成長市場での拠点拡大と事業基盤強化
(2) 新規事業の事業化
・開発を加速し早期事業化
(3) 経営基盤の強化
・稼ぐ力の向上
・人への投資
・カーボンニュートラル
直近2ヵ年の実績及び連結業績予想
また、「PBR1倍の早期達成に向けて、収益力の向上を図る」をテーマとして、2025年度から2027年度の具体的な目標を、ROEは10%以上、2027年度の連結営業利益率(対支給品除く)は売上高で5.0%としております。
なお、実際の業績は、その情報の不確実性のほか、今後の経済情勢、市場動向、株価・為替動向等の状況変化により予想数値と異なる可能性があります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
a. 繰延税金資産の回収可能性
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
b. 固定資産の減損
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
c. 貸倒引当金
当社グループは売上債権等の貸倒損失に備えて回収不能となる見積額を貸倒引当金として計上しておりますが、将来、得意先の財務状況が悪化し支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。
d. 製品保証引当金
当社製品の品質保証に伴う損失の支出に備えるため、売上高に対する過去のクレーム実績率を基礎として発生したクレーム費用の個別の実情を考慮したうえで、当社が求償を受けると見込まれる金額を見積って計上しておりますが、実際に求償される額が見積り額と乖離した場合には利益に影響を与える可能性があります。
e. 環境対策引当金
将来発生が見込まれる土壌汚染対策等の環境関連費用に備えるため、当連結会計年度末における費用発生見込額を計上しておりますが、実際に発生する費用が見積りと乖離した場合には利益に影響を与える可能性があります。
f. 解体撤去引当金
将来発生が見込まれる固定資産の撤去費用に備えるため、当連結会計年度末における費用発生見込額を計上しておりますが、実際に発生する費用が見積りと乖離した場合には利益に影響を与える可能性があります。
g. 退職給付に係る資産・負債
従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上使用される前提条件に基づいて算出しております。これらの前提条件には、割引率、退職率、死亡率、昇給率及び年金資産の長期期待運用収益率など多くの見積りが含まれており、実際の結果が前提条件と異なる場合や前提条件が変更された場合、又は法改正や退職給付制度の変更があった場合、その影響は累積されて将来にわたり規則的に認識されることとなり、将来の退職給付費用及び債務に影響を与える可能性があります。
h. 有価証券の減損処理
当社グループは長期的な取引関係維持のため、得意先及び金融機関の株式を保有しておりますが、これら株式は株式市場の価格変動リスクを負っているため、合理的な基準に基づく有価証券の減損処理を行っております。将来、株式市場の悪化又は投資先の業績不振により、評価損を計上することがあり、その場合、利益に影響を与える可能性があります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、中東情勢や金融資本市場の変動、米国の政策動向による影響等により先行きが不透明な状況が続いておりますが、一部の地域において弱さがみられるものの、緩やかな持ち直しが続いております。国内においては、雇用・所得環境の改善や企業収益が堅調に推移したことを背景に、景気は緩やかに回復しました。自動車業界全体としましては、世界の新車販売台数は回復基調を維持しています。
こうした状況のなか、当社グループにおいては、企業価値の向上を目指すに当たり、営業利益率、ROE(自己資本利益率)を重要な経営指標と位置づけ、その向上に取り組んでおります。その一環として、2025年度から2027年度までを計画期間とする中期経営計画の目標として、2027年度営業利益率(対支給品を除く売上高)5.0%及びROE10.0%を設定しております。
当連結会計年度の業績は、売上高につきましては、支給品単価や材料建値の下降、為替影響等により6,779億円(前年度比4.1%減)となりました。利益につきましては、支給品や材料建値変動、為替影響等を除く実質売上高が増加したことによる利益の増加や、合理化改善、価格転嫁の実施等により、営業利益は187億円(前年度比23.3%増)、経常利益は208億円(前年度比56.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は160億円(前年度比158.1%増)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
a. 日本
売上高は3,201億円(前年度比2.7%減)となりましたが、支給品や材料建値変動等を除く実質売上高が増加したことによる利益の増加や、合理化改善、価格転嫁の実施等により、セグメント利益は83億円(前年度比41.2%増)となりました。
b. 北米
売上高は1,778億円(前年度比13.8%減)となりましたが、支給品や材料建値変動、為替影響等を除く実質売上高が増加したことによる利益の増加や、合理化改善、価格転嫁の実施等により、セグメント利益は37億円(前年度比38.6%増)となりました。
c. 欧州
売上高は680億円(前年度比10.5%増)となりました。セグメント利益は21億円(前年度比11.6%減)となりました。
d. 中国
売上高は626億円(前年度比11.2%減)となりました。セグメント利益は30億円(前年度比33.5%増)となりました。
e. アジア
売上高は609億円(前年度比18.9%増)となりました。セグメント利益は12億円(前年度比32.7%減)となりました。
財政状態は次のとおりであります。
当連結会計年度の総資産については、現金及び預金、有形固定資産の増加等により、前連結会計年度末に比べて204億円増加し、3,343億円となりました。負債については、買掛金の減少等により、前連結会計年度末に比べて22億円減少し、1,884億円となりました。純資産については、利益剰余金の増加等により、前連結会計年度末に比べて226億円増加し、1,458億円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当社グループの現金及び現金同等物は、前年度末に比べ69億円増加し、202億円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動の結果、得られた資金は382億円であり、前年度に比べ135億円(54.5%増)の増加となりました。これは、税金等調整前当期純利益の増加等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動の結果、使用した資金は264億円であり、前年度に比べて32億円(14.0%増)の支出の増加となりました。これは、有形固定資産の取得支出の増加等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動の結果、使用した資金は63億円であり、前年度に比べて39億円(38.4%減)の支出の減少となりました。これは、長期借入による収入の増加等によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の状況
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績は次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 日本 | 287,072 | 96.3 |
| 北米 | 164,076 | 85.0 |
| 欧州 | 62,721 | 111.8 |
| 中国 | 56,192 | 87.6 |
| アジア | 57,725 | 121.2 |
| 合計 | 627,789 | 95.3 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しておりません。
2 金額は、製造原価によっております。
b. 受注状況
当連結会計年度における当社製品におきましては、納入先より3ヶ月程度の生産計画の提示を受け、生産能力を考慮して生産計画をたてております。
なお、外販設備事業については、納入先からの注文に基づき生産しており、受注状況は次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 日本 | 5,017 | 94.9 | 3,445 | 107.5 |
| 中国 | 33 | 12.6 | 17 | 6.9 |
| 合計 | 5,050 | 91.0 | 3,462 | 100.1 |
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績は次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 日本 | 308,505 | 97.2 |
| 北米 | 177,761 | 86.2 |
| 欧州 | 68,058 | 110.5 |
| 中国 | 62,630 | 88.8 |
| アジア | 60,963 | 118.9 |
| 合計 | 677,919 | 95.9 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 販売高(百万円) | 割合(%) | 販売高(百万円) | 割合(%) | |
| トヨタ自動車㈱ | 213,902 | 30.3 | 207,371 | 30.6 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当社グループに関する財政状態及び経営成績の分析・検討内容は原則として連結財務諸表に基づき分析した内容であり、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年6月17日)現在において当社グループが判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度における経営成績の前連結会計年度との比較分析、報告セグメントごとの詳細及び財政状態の分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要」に記載しております。
企業価値の向上を目指すにあたっては、売上高、営業利益率、ROE(自己資本利益率)を重要な経営指標と位置づけており、資本収益性を測定するKPIとしてROEの目標を10%以上と設定しております。プレスの生産性・ライン稼働率の向上を目指したベストプラクティス活動の展開やデジタル技術を活用したバーチャルワンファクトリーの構築による間接業務のスリム化等の活動を通じて、企業価値の向上に取り組んでおります。
財政面におきましては、財務体質の強化として有利子負債の削減と自己資本比率の向上に取り組んでまいりました。投資上限の設定による投資キャッシュ・フロー管理やグループ内の資金効率向上等の活動により上記の実現に努めております。
各セグメントにつきましても上記を基本方針として取り組んでまいりました。
なお、当連結会計年度の各セグメントの経営成績の分析につきましては、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
重要な経営指標に掲げられている指標の分析については次のとおりです。
売上高につきましては、主として支給品単価や材料建値の下降、為替影響等により6,779億円(前年度比4.1%減)となりました。営業利益率につきましては、前年度と比べ0.7ポイント増加しました。この主な要因は、支給品や材料建値変動、為替影響等を除く実質売上高が増加したことによる利益の増加や、合理化改善の成果や価格転嫁の実施等により営業利益が増加したためです。ROEにつきましては、親会社株主に帰属する当期純利益が前年度に比べ98億円増加し、12.5%(前年度比7.4ポイント増)となり、目標である10%以上を達成しました。有利子負債につきましては、前年度と比べ2億円減少しております。自己資本比率につきましては、利益剰余金やその他の包括利益累計額の増加により自己資本が前年度と比べ212億円増加し、41.5%(前年度比4.0ポイント増)となりました。
重要な経営指標の推移
| 回次 | 第110期 | 第111期 | 第112期 |
| 決算年月 | 2024年3月 | 2025年3月 | 2026年3月 |
| 売上高 | 7,958億円 | 7,071億円 | 6,779億円 |
| 営業利益率 | 2.4% | 2.1% | 2.8% |
| ROE(自己資本利益率) | 11.7% | 5.1% | 12.5% |
| 有利子負債残高 | 620億円 | 567億円 | 565億円 |
| 自己資本比率 | 37.2% | 37.5% | 41.5% |
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び流動性に係る情報
a. キャッシュ・フローの状況
当社グループの当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて69億円増加し、202億円となりました。
なお、当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況の前連結会計年度との比較分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要」に記載しております。
b. 財務政策
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料及び外注部品等の仕入のほか、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。また、剰余金の配当につきましては、配当政策に基づき実施してまいります。当社グループの運転資金、設備投資資金及び剰余金の配当等は、主として内部資金により充当し、必要に応じて借入による資金調達を実施することを基本方針としております。当連結会計年度の当社グループの設備投資資金につきましては、内部資金及び借入金にて充当いたしました。今後も、資本の効率化と財務の安全性確保を重視しつつ、バランスの取れた財務運営を目指してまいります。
c. 今後のキャッシュ・フロー
2027年3月期の設備投資につきましては、生産性向上のための合理化・省力化投資、新規受注に伴う金型等投資及び海外生産拠点への投資を中心に実施する予定です。詳細につきましては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載しております。当該資金調達につきましては、内部資金及び借入金にて充当する予定です。
(参考)
当社グループは2025年5月に2025年度以降の会社の方向性と目指す姿を示すため、中期経営計画を策定しております。成長投資をテーマに既存事業の成長、新規事業の事業化、経営基盤の強化に取り組みながら、企業価値の向上と発展を目指します。
(1) 既存事業の成長
・売上拡大に向けた開発、能力向上
・電動化ニーズに合わせた新たなシステム開発
・成長市場での拠点拡大と事業基盤強化
(2) 新規事業の事業化
・開発を加速し早期事業化
(3) 経営基盤の強化
・稼ぐ力の向上
・人への投資
・カーボンニュートラル
直近2ヵ年の実績及び連結業績予想
| 回次 | 第111期(実績) | 第112期(実績) | 第113期(連結業績予想) |
| 決算年月 | 2025年3月 | 2026年3月 | 2027年3月 |
| 連結売上高(対支給品除く) | 4,422億円 | 4,461億円 | 4,440億円 |
| 連結営業利益率(対支給品除く) | 3.4% | 4.2% | 4.3% |
また、「PBR1倍の早期達成に向けて、収益力の向上を図る」をテーマとして、2025年度から2027年度の具体的な目標を、ROEは10%以上、2027年度の連結営業利益率(対支給品除く)は売上高で5.0%としております。
なお、実際の業績は、その情報の不確実性のほか、今後の経済情勢、市場動向、株価・為替動向等の状況変化により予想数値と異なる可能性があります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
a. 繰延税金資産の回収可能性
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
b. 固定資産の減損
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
c. 貸倒引当金
当社グループは売上債権等の貸倒損失に備えて回収不能となる見積額を貸倒引当金として計上しておりますが、将来、得意先の財務状況が悪化し支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。
d. 製品保証引当金
当社製品の品質保証に伴う損失の支出に備えるため、売上高に対する過去のクレーム実績率を基礎として発生したクレーム費用の個別の実情を考慮したうえで、当社が求償を受けると見込まれる金額を見積って計上しておりますが、実際に求償される額が見積り額と乖離した場合には利益に影響を与える可能性があります。
e. 環境対策引当金
将来発生が見込まれる土壌汚染対策等の環境関連費用に備えるため、当連結会計年度末における費用発生見込額を計上しておりますが、実際に発生する費用が見積りと乖離した場合には利益に影響を与える可能性があります。
f. 解体撤去引当金
将来発生が見込まれる固定資産の撤去費用に備えるため、当連結会計年度末における費用発生見込額を計上しておりますが、実際に発生する費用が見積りと乖離した場合には利益に影響を与える可能性があります。
g. 退職給付に係る資産・負債
従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上使用される前提条件に基づいて算出しております。これらの前提条件には、割引率、退職率、死亡率、昇給率及び年金資産の長期期待運用収益率など多くの見積りが含まれており、実際の結果が前提条件と異なる場合や前提条件が変更された場合、又は法改正や退職給付制度の変更があった場合、その影響は累積されて将来にわたり規則的に認識されることとなり、将来の退職給付費用及び債務に影響を与える可能性があります。
h. 有価証券の減損処理
当社グループは長期的な取引関係維持のため、得意先及び金融機関の株式を保有しておりますが、これら株式は株式市場の価格変動リスクを負っているため、合理的な基準に基づく有価証券の減損処理を行っております。将来、株式市場の悪化又は投資先の業績不振により、評価損を計上することがあり、その場合、利益に影響を与える可能性があります。