有価証券報告書-第115期(令和2年1月1日-令和2年12月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大による各国の都市封鎖や外出制限措置を背景に、企業の生産活動や個人消費が低迷し、極めて厳しい状況でスタートしました。途中、感染状況に落ち着きが見られ、社会経済活動の段階的な引き上げで景気回復が期待されたものの、後半は感染が再拡大し、一部の国で再び部分的封鎖が実施されるなど、先行き不透明な状況となっております。
このような経営環境において、当社グループは、中期経営計画「NITTOSEIKO Mission"G"(2019年~2022年)」のもと、新たな事業の柱の一つとしてメディカル新規事業部を立ち上げ、一般手術・診療用照明器「フリーレッド」を開発し販売を開始しました。また、計測制御システム機器の海外展開を加速するため、分析・計測機器分野を得意とし、充実した海外販売ネットワークを持つ企業を子会社化するなど、事業領域を拡充するための施策を積極的に展開してまいりました。併せて、環境の変化への対応力の向上と不測の事態を切り抜ける強い企業文化の醸成を目的とした前例主義廃止改革に全社一丸で取り組みました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ233百万円増加し、46,222百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ24百万円減少し、16,364百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ257百万円増加し、29,858百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の売上高は329億4百万円(前年同期比5.6%減)、営業利益は13億3百万円(前年同期比49.8%減)、経常利益は14億1千8百万円(前年同期比50.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は7億6千4百万円(前年同期比60.5%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。
<ファスナー事業>当事業につきましては、精密ねじは、コロナ禍における外出自粛や大学のオンライン授業・企業のリモート会議などの対応を背景に、ゲーム機やパソコンの需要が好調に推移しました。一般ねじは、新しい生活様式における通勤・通学の手段として注目される自転車向けの需要などが増加しましたが、コロナ前の経済水準までの回復には至らず厳しい状況となりました。
このような状況のもと、自動車の電動化による蓄電池の需要拡大を見据えて、異なる金属同士を強固に密着させる「AKROSE」の販売促進と生産体制の拡充を図りました。また、「AKROSE」に拡散接合を施した「AKROSE HYBRID」や高精度で大量生産を可能にした「ギヤ部品」を開発し、市場に投入しました。また、香港の子会社が、中国の広東省に新会社を設立し、中国南部地区の需要拡大に努めました。
この結果、売上高は234億3千9百万円(前年同期比5.9%減)、営業利益は5億5千7百万円(前年同期比1.5%増)となりました。
<産機事業>当事業につきましては、国内は、自動車のCASEに関わる設備需要が好調に推移しました。また、中国において、各地の自動車の購入促進政策の導入を背景に、自動車関連業界の設備需要が堅調に推移しました。一方、新型コロナウイルスの収束時期の不透明感から、多くの業界において設備投資計画が凍結・延期されるなど、事業環境は、標準機・自動組立ライン共に厳しい状況となりました。 このような状況のもと、ⅠoTなど産業ネットワークに対応したコントローラ「RC77-T1」を開発し需要の拡大に努めました。また、CASE市場を中心に、自動車関連業界で評価が高い高機能型ドライバの販売促進に取り組みました。併せて、国内外の展示会への積極的な出展による需要の拡大に努めました。
この結果、売上高は54億5千4百万円(前年同期比30.1%減)、営業利益は9億1千1百万円(前年同期比52.2%減)となりました。
<制御事業>当事業につきましては、流量計は、新型コロナウイルスの感染拡大を背景に消毒液の需要が増加し、医薬品業界で好調に推移しましたが、主な需要先である造船業界を中心に需要が低調となりました。システム製品および地盤調査機「ジオカルテ」は、一部に需要回復の動きが見られるものの、設備投資計画の凍結・延期の動きが強く、売上に貢献するまでには至りませんでした。また、M&Aにより分析・計測機器の売上が大幅に増加する一方、株式取得関連費用などを計上しました。
このような状況のもと、スクリューウエイト貫入試験を迅速・確実に自動化する「ジオカルテⅣ」および「ジオカルテⅣ SDS」を開発し需要の拡大に努めました。併せて、防爆エリアで安全な定量計測を可能にする定量バッチ制御装置「防爆バッチカウンタPX2」、日中の屋外環境下でも優れた視認性で流量管理を可能にする「高輝度大型表示器DS1」を市場に投入しました。
この結果、売上高は40億1千万円(前年同期比86.3%増)、営業損失は1億6千4百万円(前年同期は営業利益1億4千3百万円)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ7億1千2百万円減少し、82億9千9百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金は、33億6千8百万円の収入(前期は26億3千3百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益13億5千9百万円に加え、減価償却費11億7千6百万円、売上債権の減少14億6千6百万円による資金の増加があった一方、仕入債務の減少6億3千7百万円や法人税等の支払額5億2百万円などによる資金の減少があったことなどによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金は、31億6千4百万円の支出(前期は4億7千6百万円の収入)となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入5億4千7百万円に加え、投資有価証券の償還による収入1億9千万円による資金の増加があった一方、有形固定資産の取得による支出14億5千7百万円や連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出19億8千6百万円による資金の減少があったことなどによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金は、8億7千1百万円の支出(前期は6億6千5百万円の支出)となりました。これは主に、長期借入れによる収入3億9千5百万円による資金の増加があった一方、長期借入金の返済による支出3億8千6百万円や配当金の支払3億7千1百万円による資金の減少があったことなどによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
(注)1 「(a)生産実績」及び「(b)受注実績」における金額は販売価格によっております。
2 下記金額には、消費税等は含まれておりません。
(a)生産実績
(b)受注実績
(C)販売実績
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発債務の開示、並びに報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行い、提出日現在において判断したものであり、将来に関しては不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えています。
(a) 固定資産の減損処理
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し減損損失として計上しております。 減損損失の認識及び測定にあたり、その時点における合理的な情報等を基に将来キャッシュ・フローの見積りを行っておりますが、事業計画や経営環境の悪化等により、その見積りの前提とした条件や仮定に変動が生じ回収可能価額が減少した場合、固定資産の減損処理が必要となる可能性があります。
(b) 投資有価証券の減損処理
投資有価証券の評価方法については、時価のある有価証券については時価法を、時価のない有価証券については原価法を採用しています。保有する有価証券につき、時価のあるものは株式市場の価格変動リスクを負っていること、時価のないものは投資先の業績状況等が悪化する可能性があること等から、合理的な基準に基づいて投資有価証券の減損処理を行っています。
この基準に伴い、将来の市況悪化または投資先の業績不振等により、現状の簿価に反映されていない損失または簿価の回収不能が発生し、減損処理が必要となる可能性があります。
(c) 繰延税金資産の回収可能性の評価
繰延税金資産については、将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性を十分に検討し、回収可能見込額を計上しています。しかし、繰延税金資産の回収可能見込額に変動が生じた場合には、繰延税金資産の取崩しまたは追加計上により利益が変動する可能性があります。
また、会計上の見積りにあたっての新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載のとおりでありますが、新型コロナウイルス感染症の収束時期及び経済環境への影響が変化した場合には、見積りの結果に影響し、翌期以降の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、次のとおりであります。
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、M&Aによる連結子会社の増加はあったものの、コロナ禍による国内外の受注減少の影響は大きく、329億4百万円(前年同期比5.6%減)となりました。
(営業利益)
新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、利益率の高い産機事業が設備投資の延期、凍結で売上が減少したことやM&A関連費用の計上などによる販管費の増加により、13億3百万円(前年同期比49.8%減)となりました。
(経常利益)
為替差損の計上などがあったものの、受取利息や受取賃貸料の計上などにより、14億1千8百万円(前年同期比50.3%減)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
子会社の資産売却による減損損失9千7百万円や法人税、住民税及び事業税4億7千3百万円の計上により、7億6千4百万円(前年同期比60.5%減)となりました。
当社グループの当連結会計年度の財政状態は、次のとおりであります。
(資産)
当連結会計年度における資産の残高は、M&Aによる子会社株式の取得に伴い現金及び預金が8億1千6百万円減少した一方、連結子会社の増加などに伴い、原材料及び貯蔵品が4億7千3百万円、のれんが5億5千3百万円増加したことなどにより前連結会計年度末に比べ2億3千3百万円増加し、462億2千2百万円(前年同期比0.5%増)となりました。
(負債)
当連結会計年度における負債の残高は、短期借入金が2億7千3百万円増加した一方、支払手形及び買掛金が2億3千5百万円、電子記録債務が2億1百万円減少したことなどにより前連結会計年度末に比べ2千4百万円減少し、163億6千4百万円(前年同期比0.1%減)となりました。
(純資産)
当連結会計年度における純資産の残高は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等に伴う利益剰余金の増加3億9千3百万円などにより前連結会計年度末に比べ2億5千7百万円増加し、298億5千8百万円(前年同期比0.9%増)となりました。
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
③経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
④資本の財源及び資金の流動性
a.資金需要
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製品製造のための原材料及び部品の購入費や製造経費のほか、販売費及び一般管理費等であります。また、設備投資需要としては建物や機械装置等の生産設備の投資等があります。
b.財務政策
当社グループは、運転資金及び設備資金については、内部資金または借入により資金調達することにしております。このうち、借入による資金調達に関しましては、運転資金については短期借入金で、生産設備など長期資金につきましては、長期借入金で調達しております。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響の長期化を想定し、一時的な運転資金需要やグループ会社の経営安定化支援のための資金確保のため、2020年7月に金融機関との間で2021年6月末を期限とする10億円のコミットメントライン契約を新たに締結しました。
当連結会計年度末において、取引銀行4行との間で合計41億円の貸出コミットメントライン契約(借入実行残高21億2千5百万円、借入未実行残高19億7千5百万円)を、また、取引銀行12行との間で合計34億5百万円の当座貸越契約(借入実行残高4億6千5百万円、借入未実行残高29億3千9百万円)を締結しております。
⑤経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
2020年2月13日に公表いたしました当連結会計年度の当初業績予想に対しては、売上高は8.6%減、営業利益は49.9%減、営業利益率は4.0%(業績予想は7.2%)となりました。
今後の経済情勢につきましては、新型コロナウイルスが収束するまでの間は、経済の回復が遅れ、企業の財務体質だけでなく、コロナ禍の緊急事態における各国の財政政策や金融支援を背景とした国や地方の債務拡大の問題が考えられます。
当社グループは、持続的成長のために業績拡大と次代への種まきに注力するとともに、デジタル革新を積極的に取り入れ、地域の活性化とグローバル化を両面で推進してまいります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大による各国の都市封鎖や外出制限措置を背景に、企業の生産活動や個人消費が低迷し、極めて厳しい状況でスタートしました。途中、感染状況に落ち着きが見られ、社会経済活動の段階的な引き上げで景気回復が期待されたものの、後半は感染が再拡大し、一部の国で再び部分的封鎖が実施されるなど、先行き不透明な状況となっております。
このような経営環境において、当社グループは、中期経営計画「NITTOSEIKO Mission"G"(2019年~2022年)」のもと、新たな事業の柱の一つとしてメディカル新規事業部を立ち上げ、一般手術・診療用照明器「フリーレッド」を開発し販売を開始しました。また、計測制御システム機器の海外展開を加速するため、分析・計測機器分野を得意とし、充実した海外販売ネットワークを持つ企業を子会社化するなど、事業領域を拡充するための施策を積極的に展開してまいりました。併せて、環境の変化への対応力の向上と不測の事態を切り抜ける強い企業文化の醸成を目的とした前例主義廃止改革に全社一丸で取り組みました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ233百万円増加し、46,222百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ24百万円減少し、16,364百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ257百万円増加し、29,858百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の売上高は329億4百万円(前年同期比5.6%減)、営業利益は13億3百万円(前年同期比49.8%減)、経常利益は14億1千8百万円(前年同期比50.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は7億6千4百万円(前年同期比60.5%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。
<ファスナー事業>当事業につきましては、精密ねじは、コロナ禍における外出自粛や大学のオンライン授業・企業のリモート会議などの対応を背景に、ゲーム機やパソコンの需要が好調に推移しました。一般ねじは、新しい生活様式における通勤・通学の手段として注目される自転車向けの需要などが増加しましたが、コロナ前の経済水準までの回復には至らず厳しい状況となりました。
このような状況のもと、自動車の電動化による蓄電池の需要拡大を見据えて、異なる金属同士を強固に密着させる「AKROSE」の販売促進と生産体制の拡充を図りました。また、「AKROSE」に拡散接合を施した「AKROSE HYBRID」や高精度で大量生産を可能にした「ギヤ部品」を開発し、市場に投入しました。また、香港の子会社が、中国の広東省に新会社を設立し、中国南部地区の需要拡大に努めました。
この結果、売上高は234億3千9百万円(前年同期比5.9%減)、営業利益は5億5千7百万円(前年同期比1.5%増)となりました。
<産機事業>当事業につきましては、国内は、自動車のCASEに関わる設備需要が好調に推移しました。また、中国において、各地の自動車の購入促進政策の導入を背景に、自動車関連業界の設備需要が堅調に推移しました。一方、新型コロナウイルスの収束時期の不透明感から、多くの業界において設備投資計画が凍結・延期されるなど、事業環境は、標準機・自動組立ライン共に厳しい状況となりました。 このような状況のもと、ⅠoTなど産業ネットワークに対応したコントローラ「RC77-T1」を開発し需要の拡大に努めました。また、CASE市場を中心に、自動車関連業界で評価が高い高機能型ドライバの販売促進に取り組みました。併せて、国内外の展示会への積極的な出展による需要の拡大に努めました。
この結果、売上高は54億5千4百万円(前年同期比30.1%減)、営業利益は9億1千1百万円(前年同期比52.2%減)となりました。
<制御事業>当事業につきましては、流量計は、新型コロナウイルスの感染拡大を背景に消毒液の需要が増加し、医薬品業界で好調に推移しましたが、主な需要先である造船業界を中心に需要が低調となりました。システム製品および地盤調査機「ジオカルテ」は、一部に需要回復の動きが見られるものの、設備投資計画の凍結・延期の動きが強く、売上に貢献するまでには至りませんでした。また、M&Aにより分析・計測機器の売上が大幅に増加する一方、株式取得関連費用などを計上しました。
このような状況のもと、スクリューウエイト貫入試験を迅速・確実に自動化する「ジオカルテⅣ」および「ジオカルテⅣ SDS」を開発し需要の拡大に努めました。併せて、防爆エリアで安全な定量計測を可能にする定量バッチ制御装置「防爆バッチカウンタPX2」、日中の屋外環境下でも優れた視認性で流量管理を可能にする「高輝度大型表示器DS1」を市場に投入しました。
この結果、売上高は40億1千万円(前年同期比86.3%増)、営業損失は1億6千4百万円(前年同期は営業利益1億4千3百万円)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ7億1千2百万円減少し、82億9千9百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金は、33億6千8百万円の収入(前期は26億3千3百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益13億5千9百万円に加え、減価償却費11億7千6百万円、売上債権の減少14億6千6百万円による資金の増加があった一方、仕入債務の減少6億3千7百万円や法人税等の支払額5億2百万円などによる資金の減少があったことなどによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金は、31億6千4百万円の支出(前期は4億7千6百万円の収入)となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入5億4千7百万円に加え、投資有価証券の償還による収入1億9千万円による資金の増加があった一方、有形固定資産の取得による支出14億5千7百万円や連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出19億8千6百万円による資金の減少があったことなどによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金は、8億7千1百万円の支出(前期は6億6千5百万円の支出)となりました。これは主に、長期借入れによる収入3億9千5百万円による資金の増加があった一方、長期借入金の返済による支出3億8千6百万円や配当金の支払3億7千1百万円による資金の減少があったことなどによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
(注)1 「(a)生産実績」及び「(b)受注実績」における金額は販売価格によっております。
2 下記金額には、消費税等は含まれておりません。
(a)生産実績
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年1月1日 至 2020年12月31日) | |
| 金額(千円) | 前年同期比(%) | |
| ファスナー | 17,095,374 | 90.0 |
| 産機 | 4,034,486 | 64.7 |
| 制御 | 4,500,485 | 208.9 |
| 合計 | 25,630,346 | 93.6 |
(b)受注実績
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年1月1日 至 2020年12月31日) | |||
| 受注高(千円) | 前年同期比(%) | 受注残高(千円) | 前年同期比(%) | |
| ファスナー | 23,888,624 | 97.5 | 3,824,754 | 113.3 |
| 産機 | 5,565,687 | 79.9 | 1,528,177 | 107.9 |
| 制御 | 4,133,507 | 205.2 | 692,550 | 220.9 |
| 合計 | 33,587,818 | 100.3 | 6,045,482 | 118.4 |
(C)販売実績
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年1月1日 至 2020年12月31日) | |
| 金額(千円) | 前年同期比(%) | |
| ファスナー | 23,439,439 | 94.1 |
| 産機 | 5,454,288 | 69.9 |
| 制御 | 4,010,811 | 186.3 |
| 合計 | 32,904,538 | 94.4 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発債務の開示、並びに報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行い、提出日現在において判断したものであり、将来に関しては不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えています。
(a) 固定資産の減損処理
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し減損損失として計上しております。 減損損失の認識及び測定にあたり、その時点における合理的な情報等を基に将来キャッシュ・フローの見積りを行っておりますが、事業計画や経営環境の悪化等により、その見積りの前提とした条件や仮定に変動が生じ回収可能価額が減少した場合、固定資産の減損処理が必要となる可能性があります。
(b) 投資有価証券の減損処理
投資有価証券の評価方法については、時価のある有価証券については時価法を、時価のない有価証券については原価法を採用しています。保有する有価証券につき、時価のあるものは株式市場の価格変動リスクを負っていること、時価のないものは投資先の業績状況等が悪化する可能性があること等から、合理的な基準に基づいて投資有価証券の減損処理を行っています。
この基準に伴い、将来の市況悪化または投資先の業績不振等により、現状の簿価に反映されていない損失または簿価の回収不能が発生し、減損処理が必要となる可能性があります。
(c) 繰延税金資産の回収可能性の評価
繰延税金資産については、将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性を十分に検討し、回収可能見込額を計上しています。しかし、繰延税金資産の回収可能見込額に変動が生じた場合には、繰延税金資産の取崩しまたは追加計上により利益が変動する可能性があります。
また、会計上の見積りにあたっての新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載のとおりでありますが、新型コロナウイルス感染症の収束時期及び経済環境への影響が変化した場合には、見積りの結果に影響し、翌期以降の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、次のとおりであります。
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、M&Aによる連結子会社の増加はあったものの、コロナ禍による国内外の受注減少の影響は大きく、329億4百万円(前年同期比5.6%減)となりました。
(営業利益)
新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、利益率の高い産機事業が設備投資の延期、凍結で売上が減少したことやM&A関連費用の計上などによる販管費の増加により、13億3百万円(前年同期比49.8%減)となりました。
(経常利益)
為替差損の計上などがあったものの、受取利息や受取賃貸料の計上などにより、14億1千8百万円(前年同期比50.3%減)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
子会社の資産売却による減損損失9千7百万円や法人税、住民税及び事業税4億7千3百万円の計上により、7億6千4百万円(前年同期比60.5%減)となりました。
当社グループの当連結会計年度の財政状態は、次のとおりであります。
(資産)
当連結会計年度における資産の残高は、M&Aによる子会社株式の取得に伴い現金及び預金が8億1千6百万円減少した一方、連結子会社の増加などに伴い、原材料及び貯蔵品が4億7千3百万円、のれんが5億5千3百万円増加したことなどにより前連結会計年度末に比べ2億3千3百万円増加し、462億2千2百万円(前年同期比0.5%増)となりました。
(負債)
当連結会計年度における負債の残高は、短期借入金が2億7千3百万円増加した一方、支払手形及び買掛金が2億3千5百万円、電子記録債務が2億1百万円減少したことなどにより前連結会計年度末に比べ2千4百万円減少し、163億6千4百万円(前年同期比0.1%減)となりました。
(純資産)
当連結会計年度における純資産の残高は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等に伴う利益剰余金の増加3億9千3百万円などにより前連結会計年度末に比べ2億5千7百万円増加し、298億5千8百万円(前年同期比0.9%増)となりました。
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
③経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
④資本の財源及び資金の流動性
a.資金需要
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製品製造のための原材料及び部品の購入費や製造経費のほか、販売費及び一般管理費等であります。また、設備投資需要としては建物や機械装置等の生産設備の投資等があります。
b.財務政策
当社グループは、運転資金及び設備資金については、内部資金または借入により資金調達することにしております。このうち、借入による資金調達に関しましては、運転資金については短期借入金で、生産設備など長期資金につきましては、長期借入金で調達しております。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響の長期化を想定し、一時的な運転資金需要やグループ会社の経営安定化支援のための資金確保のため、2020年7月に金融機関との間で2021年6月末を期限とする10億円のコミットメントライン契約を新たに締結しました。
当連結会計年度末において、取引銀行4行との間で合計41億円の貸出コミットメントライン契約(借入実行残高21億2千5百万円、借入未実行残高19億7千5百万円)を、また、取引銀行12行との間で合計34億5百万円の当座貸越契約(借入実行残高4億6千5百万円、借入未実行残高29億3千9百万円)を締結しております。
⑤経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
2020年2月13日に公表いたしました当連結会計年度の当初業績予想に対しては、売上高は8.6%減、営業利益は49.9%減、営業利益率は4.0%(業績予想は7.2%)となりました。
今後の経済情勢につきましては、新型コロナウイルスが収束するまでの間は、経済の回復が遅れ、企業の財務体質だけでなく、コロナ禍の緊急事態における各国の財政政策や金融支援を背景とした国や地方の債務拡大の問題が考えられます。
当社グループは、持続的成長のために業績拡大と次代への種まきに注力するとともに、デジタル革新を積極的に取り入れ、地域の活性化とグローバル化を両面で推進してまいります。