有価証券報告書-第119期(2024/01/01-2024/12/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、米国の大統領選挙による先行き不透明感が一時強まったものの、米国を中心に緩やかな回復基調となりました。一方、ウクライナ情勢の長期化をはじめとした地政学的リスクによる資源価格の高騰、中国における不動産市場の停滞などから、一部の地域や業界において景気回復に鈍化が見られました。わが国においては、政府の景気刺激策により個人消費が好調を維持する形で緩やかに伸長しました。一方で、欧州・中国の消費低迷や米国の高金利政策の影響で輸出が鈍化するなど外需の停滞や物価上昇が回復抑制の要因となりました。
このような経営環境において、長期経営ビジョン“世界中で認められ、求められる「モノづくりソリューショングループ」を目指す”の第2ステージとして、持続可能な成長重視の4つの戦略(事業拡大戦略・環境戦略・人財戦略・財務戦略)を掲げた中期経営計画「Mission G-second(2023年~2025年)」のもと、有機溶剤リサイクル分野への進出を見据えたイーセップ株式会社との共同開発や顧客ニーズに応じた環境対応製品の市場投入を推進しました。また、インドの冷間圧造部品メーカーの子会社化の決定や欧州での展示会出展、グローバルサイトの開設など、新たな市場の開拓に努めました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ22億6千万円増加し、556億4百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ7千1百万円増加し、170億1千2百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ21億8千8百万円増加し、385億9千1百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の売上高は470億6千9百万円(前期比5.2%増)、営業利益は33億2千6百万円(前期比27.3%増)、経常利益は35億7千3百万円(前期比26.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は21億9千9百万円(前期比26.8%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。
<ファスナー事業>当事業につきましては、主な需要先である自動車関連業界においては、型式認証問題に起因した生産停止による影響を受けつつもCASE関連製品の需要拡大により堅調に推移しました。海外は、欧州・中国における消費の低迷による需要の減少がある一方、東南アジアで電機・電子部品やIT・情報機器の分野において需要が高まり、売上増加の一因となりました。一方でエネルギー価格や原材料価格の高騰は、生産コストの増加を生み、収益を減少させる要因となっています。
このような状況のもと、需要が拡大しているCASE関連製品や各種電動車の軽量化や省スペース化に寄与するクリンチングスタッドボルト「ジョイスタッド」や車載バッテリー端子に採用された「アクローズ」についても堅調に推移し、電子部品の増加に伴い締結粉飛散防止を目的とした「CPグリップ」も売上増加に貢献しました。また材料費や賃金などの上昇に対するコスト増加分は価格転嫁を徐々に進めるとともに、さらに材料費や加工費の低減、工場の集約化による消費燃料・電力料の削減など、利益率向上に向けた取り組みを進めました。
この結果、売上高は336億6千4百万円(前期比2.5%増)、営業利益は16億3千6百万円(前期比0.7%増)となりました。
<産機事業>当事業につきましては、米国の需要の先行き不透明感や高金利政策の影響による設備投資意欲の低下の影響もあった一方で、国内で円安を背景とした輸出向け製品の需要が高まり売上増加に繋がりました。また労働力不足を背景とした自動化需要が高まり、電機・電子、エネルギー関連の分野が堅調に推移しました。さらに価格転嫁や高付加価値製品群受託の影響もあり、利益率の増進に繋がりました。
このような状況のもと、「協働ロボット用ねじ締めユニット:PD400シリーズ」のアップデートを行い市場拡大に繋がるモノづくりを推進したほか、「NXドライバT3シリーズ」に低トルクモデルを追加するなど省人・省力化をはじめとする顧客ニーズに応じた製品展開を図りました。また自動車業界の動向に対応したプロジェクトの発足など既存取引業界へのさらなる拡販に加え、新たな業界への参入による事業領域の拡大など継続して取り組みを進めました。
この結果、売上高は66億4千2百万円(前期比11.5%増)、営業利益は11億4千1百万円(前期比38.9%増)となりました。
<制御事業>当事業につきましては、戸建着工件数の減少や建築資材の高騰による住宅・建築業界の需要回復の遅れに伴い地盤調査機「ジオカルテ」が低調となりましたが、化学や食品分野に対する流量計が堅調に推移したことに加え、自動車向けシステム製品および環境分野での分析装置が増進しました。特に欧州のPFAS規制に対応する「自動試料燃焼装置 AOF/AQF-5000H」の受注が業績に大きく貢献しました。
このような状況のもと、造船業界のカーボンニュートラルに伴う新燃料に対応する質量流量計の安定供給や検査の省人化に寄与するシステム製品の受注拡大に向けて取り組みを進めました。分析装置においても引き続き優位性を訴求し安定供給を目指すとともに、欧州以外の地域においても需要の掘り起こしを行い増販に向けた取り組みを進めました。
この結果、売上高は67億4千3百万円(前期比14.0%増)、営業利益は6億6千9百万円(前期比140.4%増)となりました。
<メディカル事業>当事業につきましては、ターゲット市場である医療業界において、高齢化社会に向け、さまざまな仕組みの改革が進められました。診療報酬改定では、医療機関への報酬の見直しが行われ、医療の質の向上や効率化、医療従事者の働き方改革などの施策が講じられました。
このような状況のもと、医療従事者や患者の負担軽減に繋がる「医療用生体内溶解性高純度マグネシウム材料」の米国特許を取得しました。また早期製品化に向け、一貫製造設備の整備並びに非臨床試験に向けた試料の製作や性能試験に加え、大学病院と共同研究契約を継続し、手技確立のための動物実験を実施しております。この他、医療機器の製造販売業許可による新たな医療機器の開発や製造受託に関しても取り組みを進めました。
この結果、売上高は1千9百万円(前期比15.2%増)、営業損失は1億2千万円(前期は営業損失1億1千2百万円)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ15億7千7百万円増加し、96億4百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金は、37億7百万円の収入(前期は31億5千1百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益34億4千2百万円に加え、減価償却費14億2百万円や棚卸資産の減少2億4百万円などによる資金の増加があった一方、法人税等の支払額8億5千5百万円、売上債権の増加3億3千9百万円などによる資金の減少があったことなどによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金は、8億9千9百万円の支出(前期は11億8千7百万円の支出)となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入2億8百万円などによる資金の増加があった一方、有形固定資産の取得による支出9億3千7百万円や定期預金の預入による支出2億8千7百万円などによる資金の減少があったことなどによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金は、14億2千6百万円の支出(前期は20億7千4百万円の支出)となりました。これは主に、配当金の支払6億8千9百万円に加え、借入金の返済3億7千2百万円や自己株式の取得による支出2億5千万円などによる資金の減少があったことなどによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
(注)「(a)生産実績」及び「(b)受注実績」における金額は販売価格によっております。
(a)生産実績
(b)受注実績
(C)販売実績
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態は、次のとおりであります。
(資産)
当連結会計年度における資産の残高は、現金及び預金が17億3千万円、電子記録債権が11億2千万円増加した一方で、受取手形及び売掛金が5億9千6百万円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ22億6千万円増加し、556億4百万円(前期比4.2%増)となりました。
(負債)
当連結会計年度における負債の残高は、電子記録債務が3億6千3百万円増加した一方で、短期借入金が2億4千9百万円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ7千1百万円増加し、170億1千2百万円(前期比0.4%増)となりました。
(純資産)
当連結会計年度における純資産の残高は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等に伴う利益剰余金の増加13億9千3百万円や為替換算調整勘定が4億3千9百万円増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ21億8千8百万円増加し、385億9千1百万円(前期比6.0%増)となりました。
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、次のとおりであります。
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、制御事業のエネルギー関連・環境分野向けの分析装置や自動車業界向け部品検査機、OA機器向けのファスナー製品が好調に推移するとともに、産機事業のねじ締め機の価格転嫁が進んだことにより、470億6千9百万円(前期比5.2%増)と過去最高額を計上しました。
(営業利益)
資源・原材料価格の高騰や賃金の上昇など生産コストは増加した一方、産機事業のねじ締め機の価格転嫁が進んだことや制御事業で高付加価値の分析装置の出荷が増加したことにより、33億2千6百万円(前期比27.3%増)となりました。
(経常利益)
受取賃貸料8千4百万円や円安の進展による為替差益6千9百万円の計上などにより、35億7千3百万円(前期比26.0%増)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
固定資産売却損6千5百万円、投資有価証券評価損3千1百万円および関係会社株式売却損3千万円計上したことなどにより、21億9千9百万円(前期比26.8%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。
a.資金需要
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製品製造のための原材料および部品の購入費や製造経費のほか、販売費および一般管理費等であります。また、設備投資需要としては建物や機械装置等の生産設備の投資等があります。
b.財務政策
当社グループは、運転資金および設備資金については、内部資金または借入により資金調達することにしております。このうち、借入による資金調達に関しましては、運転資金については短期借入金で、生産設備など長期資金につきましては、長期借入金で調達しております。前連結会計年度より、グループ会社との間でCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入し、グループ各社における余剰資金の有効活用に努めております。
当連結会計年度末において、取引銀行1行と10億円の貸出コミットメントライン契約(借入実行残高10億円、借入未実行残高0円)を、また、取引銀行12行との間で合計62億7千5百万円の当座貸越契約(借入実行残高2億2百万円、借入未実行残高60億7千2百万円)を締結しております。
③経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況
2024年2月13日に公表いたしました当連結会計年度の当初業績予想に対しては、売上高は2.3%減、営業利益は0.8%増、営業利益率は7.1%(業績予想は6.8%)となりました。
今後も、ファスナー事業では、自動車関連業界でのCASE関連製品の需要拡大に対応した新製品の開発に注力するとともに、成長著しいインド市場において事業を本格的に始動させ、事業拡大につなげてまいります。また、産機事業では、国内外の自動化需要に応えるため、高付加価値製品の投入を進め、新たな市場開拓を図ります。
さらに、付加価値を生み出す源泉である「稼ぐ力」を強化するために財務戦略では、投資効果の見える化を進め、投資判断や資産管理を徹底して利益率向上に取り組むと同時に、デジタル技術を活用して業務効率化を推進します。財務の健全性を維持しつつ、投資の効率化を図り、持続可能な成長のための基盤を築き上げます。
④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、決算日における資産・負債の報告数値および偶発債務の開示、並びに報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積りおよび仮定設定を行い、提出日現在において判断したものであり、将来に関しては不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
また、財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、米国の大統領選挙による先行き不透明感が一時強まったものの、米国を中心に緩やかな回復基調となりました。一方、ウクライナ情勢の長期化をはじめとした地政学的リスクによる資源価格の高騰、中国における不動産市場の停滞などから、一部の地域や業界において景気回復に鈍化が見られました。わが国においては、政府の景気刺激策により個人消費が好調を維持する形で緩やかに伸長しました。一方で、欧州・中国の消費低迷や米国の高金利政策の影響で輸出が鈍化するなど外需の停滞や物価上昇が回復抑制の要因となりました。
このような経営環境において、長期経営ビジョン“世界中で認められ、求められる「モノづくりソリューショングループ」を目指す”の第2ステージとして、持続可能な成長重視の4つの戦略(事業拡大戦略・環境戦略・人財戦略・財務戦略)を掲げた中期経営計画「Mission G-second(2023年~2025年)」のもと、有機溶剤リサイクル分野への進出を見据えたイーセップ株式会社との共同開発や顧客ニーズに応じた環境対応製品の市場投入を推進しました。また、インドの冷間圧造部品メーカーの子会社化の決定や欧州での展示会出展、グローバルサイトの開設など、新たな市場の開拓に努めました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ22億6千万円増加し、556億4百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ7千1百万円増加し、170億1千2百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ21億8千8百万円増加し、385億9千1百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の売上高は470億6千9百万円(前期比5.2%増)、営業利益は33億2千6百万円(前期比27.3%増)、経常利益は35億7千3百万円(前期比26.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は21億9千9百万円(前期比26.8%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。
<ファスナー事業>当事業につきましては、主な需要先である自動車関連業界においては、型式認証問題に起因した生産停止による影響を受けつつもCASE関連製品の需要拡大により堅調に推移しました。海外は、欧州・中国における消費の低迷による需要の減少がある一方、東南アジアで電機・電子部品やIT・情報機器の分野において需要が高まり、売上増加の一因となりました。一方でエネルギー価格や原材料価格の高騰は、生産コストの増加を生み、収益を減少させる要因となっています。
このような状況のもと、需要が拡大しているCASE関連製品や各種電動車の軽量化や省スペース化に寄与するクリンチングスタッドボルト「ジョイスタッド」や車載バッテリー端子に採用された「アクローズ」についても堅調に推移し、電子部品の増加に伴い締結粉飛散防止を目的とした「CPグリップ」も売上増加に貢献しました。また材料費や賃金などの上昇に対するコスト増加分は価格転嫁を徐々に進めるとともに、さらに材料費や加工費の低減、工場の集約化による消費燃料・電力料の削減など、利益率向上に向けた取り組みを進めました。
この結果、売上高は336億6千4百万円(前期比2.5%増)、営業利益は16億3千6百万円(前期比0.7%増)となりました。
<産機事業>当事業につきましては、米国の需要の先行き不透明感や高金利政策の影響による設備投資意欲の低下の影響もあった一方で、国内で円安を背景とした輸出向け製品の需要が高まり売上増加に繋がりました。また労働力不足を背景とした自動化需要が高まり、電機・電子、エネルギー関連の分野が堅調に推移しました。さらに価格転嫁や高付加価値製品群受託の影響もあり、利益率の増進に繋がりました。
このような状況のもと、「協働ロボット用ねじ締めユニット:PD400シリーズ」のアップデートを行い市場拡大に繋がるモノづくりを推進したほか、「NXドライバT3シリーズ」に低トルクモデルを追加するなど省人・省力化をはじめとする顧客ニーズに応じた製品展開を図りました。また自動車業界の動向に対応したプロジェクトの発足など既存取引業界へのさらなる拡販に加え、新たな業界への参入による事業領域の拡大など継続して取り組みを進めました。
この結果、売上高は66億4千2百万円(前期比11.5%増)、営業利益は11億4千1百万円(前期比38.9%増)となりました。
<制御事業>当事業につきましては、戸建着工件数の減少や建築資材の高騰による住宅・建築業界の需要回復の遅れに伴い地盤調査機「ジオカルテ」が低調となりましたが、化学や食品分野に対する流量計が堅調に推移したことに加え、自動車向けシステム製品および環境分野での分析装置が増進しました。特に欧州のPFAS規制に対応する「自動試料燃焼装置 AOF/AQF-5000H」の受注が業績に大きく貢献しました。
このような状況のもと、造船業界のカーボンニュートラルに伴う新燃料に対応する質量流量計の安定供給や検査の省人化に寄与するシステム製品の受注拡大に向けて取り組みを進めました。分析装置においても引き続き優位性を訴求し安定供給を目指すとともに、欧州以外の地域においても需要の掘り起こしを行い増販に向けた取り組みを進めました。
この結果、売上高は67億4千3百万円(前期比14.0%増)、営業利益は6億6千9百万円(前期比140.4%増)となりました。
<メディカル事業>当事業につきましては、ターゲット市場である医療業界において、高齢化社会に向け、さまざまな仕組みの改革が進められました。診療報酬改定では、医療機関への報酬の見直しが行われ、医療の質の向上や効率化、医療従事者の働き方改革などの施策が講じられました。
このような状況のもと、医療従事者や患者の負担軽減に繋がる「医療用生体内溶解性高純度マグネシウム材料」の米国特許を取得しました。また早期製品化に向け、一貫製造設備の整備並びに非臨床試験に向けた試料の製作や性能試験に加え、大学病院と共同研究契約を継続し、手技確立のための動物実験を実施しております。この他、医療機器の製造販売業許可による新たな医療機器の開発や製造受託に関しても取り組みを進めました。
この結果、売上高は1千9百万円(前期比15.2%増)、営業損失は1億2千万円(前期は営業損失1億1千2百万円)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ15億7千7百万円増加し、96億4百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金は、37億7百万円の収入(前期は31億5千1百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益34億4千2百万円に加え、減価償却費14億2百万円や棚卸資産の減少2億4百万円などによる資金の増加があった一方、法人税等の支払額8億5千5百万円、売上債権の増加3億3千9百万円などによる資金の減少があったことなどによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金は、8億9千9百万円の支出(前期は11億8千7百万円の支出)となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入2億8百万円などによる資金の増加があった一方、有形固定資産の取得による支出9億3千7百万円や定期預金の預入による支出2億8千7百万円などによる資金の減少があったことなどによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金は、14億2千6百万円の支出(前期は20億7千4百万円の支出)となりました。これは主に、配当金の支払6億8千9百万円に加え、借入金の返済3億7千2百万円や自己株式の取得による支出2億5千万円などによる資金の減少があったことなどによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
(注)「(a)生産実績」及び「(b)受注実績」における金額は販売価格によっております。
(a)生産実績
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) | |
| 金額(千円) | 前期比(%) | |
| ファスナー | 26,234,363 | 99.3 |
| 産機 | 5,548,911 | 99.1 |
| 制御 | 7,884,106 | 116.7 |
| メディカル | 11,173 | 97.6 |
| 合計 | 39,678,553 | 102.3 |
(b)受注実績
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) | |||
| 受注高(千円) | 前期比(%) | 受注残高(千円) | 前期比(%) | |
| ファスナー | 34,292,279 | 104.7 | 4,531,387 | 116.1 |
| 産機 | 7,173,732 | 115.1 | 2,434,284 | 127.9 |
| 制御 | 6,054,846 | 99.3 | 1,217,705 | 63.9 |
| メディカル | 30,960 | 181.7 | 11,200 | - |
| 合計 | 47,551,818 | 105.4 | 8,194,577 | 106.2 |
(C)販売実績
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) | |
| 金額(千円) | 前期比(%) | |
| ファスナー | 33,664,099 | 102.5 |
| 産機 | 6,642,724 | 111.5 |
| 制御 | 6,743,363 | 114.0 |
| メディカル | 19,760 | 115.2 |
| 合計 | 47,069,948 | 105.2 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態は、次のとおりであります。
(資産)
当連結会計年度における資産の残高は、現金及び預金が17億3千万円、電子記録債権が11億2千万円増加した一方で、受取手形及び売掛金が5億9千6百万円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ22億6千万円増加し、556億4百万円(前期比4.2%増)となりました。
(負債)
当連結会計年度における負債の残高は、電子記録債務が3億6千3百万円増加した一方で、短期借入金が2億4千9百万円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ7千1百万円増加し、170億1千2百万円(前期比0.4%増)となりました。
(純資産)
当連結会計年度における純資産の残高は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等に伴う利益剰余金の増加13億9千3百万円や為替換算調整勘定が4億3千9百万円増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ21億8千8百万円増加し、385億9千1百万円(前期比6.0%増)となりました。
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、次のとおりであります。
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、制御事業のエネルギー関連・環境分野向けの分析装置や自動車業界向け部品検査機、OA機器向けのファスナー製品が好調に推移するとともに、産機事業のねじ締め機の価格転嫁が進んだことにより、470億6千9百万円(前期比5.2%増)と過去最高額を計上しました。
(営業利益)
資源・原材料価格の高騰や賃金の上昇など生産コストは増加した一方、産機事業のねじ締め機の価格転嫁が進んだことや制御事業で高付加価値の分析装置の出荷が増加したことにより、33億2千6百万円(前期比27.3%増)となりました。
(経常利益)
受取賃貸料8千4百万円や円安の進展による為替差益6千9百万円の計上などにより、35億7千3百万円(前期比26.0%増)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
固定資産売却損6千5百万円、投資有価証券評価損3千1百万円および関係会社株式売却損3千万円計上したことなどにより、21億9千9百万円(前期比26.8%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。
a.資金需要
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製品製造のための原材料および部品の購入費や製造経費のほか、販売費および一般管理費等であります。また、設備投資需要としては建物や機械装置等の生産設備の投資等があります。
b.財務政策
当社グループは、運転資金および設備資金については、内部資金または借入により資金調達することにしております。このうち、借入による資金調達に関しましては、運転資金については短期借入金で、生産設備など長期資金につきましては、長期借入金で調達しております。前連結会計年度より、グループ会社との間でCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入し、グループ各社における余剰資金の有効活用に努めております。
当連結会計年度末において、取引銀行1行と10億円の貸出コミットメントライン契約(借入実行残高10億円、借入未実行残高0円)を、また、取引銀行12行との間で合計62億7千5百万円の当座貸越契約(借入実行残高2億2百万円、借入未実行残高60億7千2百万円)を締結しております。
③経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況
2024年2月13日に公表いたしました当連結会計年度の当初業績予想に対しては、売上高は2.3%減、営業利益は0.8%増、営業利益率は7.1%(業績予想は6.8%)となりました。
今後も、ファスナー事業では、自動車関連業界でのCASE関連製品の需要拡大に対応した新製品の開発に注力するとともに、成長著しいインド市場において事業を本格的に始動させ、事業拡大につなげてまいります。また、産機事業では、国内外の自動化需要に応えるため、高付加価値製品の投入を進め、新たな市場開拓を図ります。
さらに、付加価値を生み出す源泉である「稼ぐ力」を強化するために財務戦略では、投資効果の見える化を進め、投資判断や資産管理を徹底して利益率向上に取り組むと同時に、デジタル技術を活用して業務効率化を推進します。財務の健全性を維持しつつ、投資の効率化を図り、持続可能な成長のための基盤を築き上げます。
④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、決算日における資産・負債の報告数値および偶発債務の開示、並びに報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積りおよび仮定設定を行い、提出日現在において判断したものであり、将来に関しては不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
また、財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。