有価証券報告書-第31期(令和2年8月1日-令和3年7月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
経営成績の状況
世界的な新型コロナウイルスの感染拡大による経済活動の停滞から企業業績は改善しつつありますが、半導体製造分野等では依然としてその影響を受けており、影響の長期化が懸念されております。国内におきましても、ワクチンの普及が進んでいるものの、未だ収束時期の見通しが不透明な現状におきましては、予断を許さない状況が続いております。
移動体通信分野では、世界各国で第5世代移動通信方式(5G)の商用サービスが開始され、移動体通信の高速化・大容量化、サービス品質の向上に向けての研究開発及び設備投資が継続しております。国内においても2020年3月から5Gの商用サービスが開始され、契約数の順調な拡大に伴い基地局数も増加しており、5Gサービスの拡大と更なる進化に向けた研究開発が継続的に行われております。今後は、自動車を始めとする様々な分野での5G活用に向けた研究開発や、ローカル5G領域での5Gネットワークの構築に向けた取り組み等も積極的に行われ、さらに次世代の通信規格である6Gに向けた検討も進んでいくものと思われます。
固定通信分野では、光ファイバの普及によるブロードバンドサービスが定着し、コロナ渦において、NetflixやAmazonプライム・ビデオ等のビデオストリーミングを中心としたデータトラフィックが急速に増加していることに加え、企業活動におけるテレワークの推進やクラウドサービスの高度化も急速に進んでおります。通信事業者は、急増する多種多様な通信トラフィックに柔軟に対応するため、ネットワークの負荷低減に向けた投資や、ネットワーク処理のソフトウエア化を急速に進めながら、通信インフラの更なる高速化・大容量化を推進しております。
これらの技術や新サービスの導入に伴い、開発投資や設備投資の需要が見込まれる一方で、通信事業者間の加入者獲得競争等によるサービスの低価格傾向は継続しており、通信業界全体の投資意欲に関しましては、新型コロナウイルス感染拡大の収束及び国内外の政治経済の状況並びに業界内の動向を見極めつつ、引き続き慎重かつ選別的な姿勢が継続されるものと予想されます。
このような状況の中、当社グループでは、以下の営業、マーケティング及び研究開発活動を行いました。
(ⅰ) 5Gに対応する製品の開発及び販売並びにテストサービスの受託
(ⅱ) 4Gに対応する製品の販売及び保守並びにテストサービスの受託
(ⅲ) 欧州、中国、韓国、インド、中東等の海外市場における5G及び4G対応製品の販売及び市場開拓
(ⅳ) 次世代ネットワーク及びネットワークセキュリティに対応した製品開発及び商材開拓並びに販売
(ⅴ) ローカル5G等の通信分野における新事業に向けたマーケティング等
その結果、当連結会計年度におけるセグメント別の経営成績は以下のとおりとなりました。
(モバイルネットワークソリューション)3,526,040千円(前期比30.9%増)
当セグメントの売上高は、3,526,040千円となりました。移動体通信市場におきましては、国内大手通信事業者が2020年3月に5Gの商用サービスを開始し、5G向けの研究開発が積極的に行われております。当社では、5Gのフラッグシップ製品となる「DuoSIM-5G」を、当連結会計年度におきましても、引き続き国内の通信事業者及び基地局メーカーに販売したことに加え、岩手県滝沢市に「滝沢テレコムテストセンター」(T3C:Takizawa Telecom Test Center)を竣工し、テストサービスの拡大に注力した結果、前期比で大幅な増収となりました。
セグメント損益につきましては、881,520千円の営業利益(前期比76.0%増)となりました。前期に対し売上高は大幅に増加したことに加え、4G向けの研究開発費及び販売管理費が前期比で減少したことによるものです。
(IPネットワークソリューション)524,841千円(前期比2.4%減)
当セグメントの売上高は、524,841千円となりました。ネットワーク監視におけるパケットキャプチャツール「etherExtractor」の販売及び保守サービス等の提供を行ってまいりましたが、新型コロナウイルスの影響から市場は回復途上にあることから、前期比で若干の減収となりました。
セグメント損益につきましては、前期比で売上高が減少したことに加え、「etherExtractor」の新機種の開発により、研究開発費が増加した結果、45,649千円の営業損失(前期は営業損失62,338千円)となりました。
以上の結果、当連結会計年度におきましては、売上高4,050,881千円(前期比25.4%増)、営業利益835,871千円(前期比90.6%増)、経常利益827,001千円(前期比106.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益793,169千円(前期比80.5%増)となりました。
なお、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う当社の当期業績への影響につきましては、国内における顧客の設備投資計画の変更及び海外における事業活動の制限、並びに半導体不足による調達リスクの顕在化等により、一部で影響を受けましたが、軽微でありました。
財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は7,288,600千円であり、前連結会計年度末に比べ2,606,700千円増加いたしました。受取手形及び売掛金が508,539千円、商品及び製品が223,429千円減少した一方で、現金及び預金が3,342,932千円増加したことが主な要因であります。
当連結会計年度末における固定資産は1,690,737千円であり、前連結会計年度末に比べ366,862千円増加いたしました。投資有価証券が91,910千円減少した一方で、テストサービスの事業拡大に向けて岩手県滝沢市にテレコムテストセンターを建設したこと等により建物及び構築物が386,378千円、繰延税金資産が88,700千円増加したことが主な要因であります。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は1,844,981千円であり、前連結会計年度末に比べ235,259千円増加いたしました。支払手形及び買掛金が108,716千円減少した一方で、1年内返済予定の長期借入金が83,784千円、未払法人税等が105,356千円増加したことが主な要因であります。
当連結会計年度末における固定負債は511,110千円であり、前連結会計年度末に比べ191,356千円増加いたしました。滝沢テレコムテストセンター建設のため長期借入金が増加したことが主な要因であります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は6,623,246千円であり、前連結会計年度末に比べ2,546,947千円増加いたしました。新株予約権の行使による自己株式の処分により資本剰余金が1,454,223千円増加し、自己株式が335,610千円減少したことに加え、配当金の支払い及び親会社株主に帰属する当期純利益を計上したことにより利益剰余金が743,483千円増加したことが主な要因であります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は営業活動による収入1,873,203千円、投資活動による支出529,782千円、財務活動による収入1,995,035千円により、資金残高は6,241,890千円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とその主な要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税金等調整前当期純利益792,147千円に対し、減価償却費210,560千円、売上債権の減少額508,459千円、たな卸資産の減少額208,728千円、仕入債務の減少額108,716千円等があった結果、営業活動によって増加した資金は1,873,203千円(前連結会計年度は632,821千円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
有形固定資産の取得による支出597,959千円、投資有価証券の売却による収入105,990千円等があった結果、投資活動によって減少した資金は529,782千円(前連結会計年度は36,988千円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
長期借入れによる収入370,000千円、長期借入金の返済による支出103,026千円、新株予約権の行使による自己株式処分による収入1,786,200千円、配当金の支払額49,300千円等があった結果、財務活動によって増加した資金は1,995,035千円(前連結会計年度は357,644千円の収入)となりました。
③生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
生産実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記金額には消費税等は含まれておりません。
b. 受注実績
受注実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
(注) 上記金額には消費税等は含まれておりません。
c. 販売実績
販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
2.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.当連結会計年度のNokia Solutions and Networks Oy、日本電気株式会社、富士通株式会社及びネットワンシステムズ株式会社については、当該割合が100分の10未満のため、記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に準拠して会社の財産及び損益の状況を正確に開示するように作成されております。その作成において見積りが必要となる事項につきましては、過去の実績やその時点で合理的と考えられる情報に基づき会計上の見積りを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果とは異なる場合があります。
a. たな卸資産及び有価証券の評価
たな卸資産は原価法(連結貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法)を採用しており、陳腐化品及び販売可能性の低い長期滞留品については、必要な評価減を行っております。将来、開発後に売買契約が締結できなかった場合や、顧客から需要が発生せず、受注動向に大きく影響を与える事象が発生した場合は、追加の評価減が発生する可能性があります。
時価のあるその他有価証券は、時価が取得価額に比べ著しく下落し、50%以上下落したほか、将来の市場悪化、又は投資先の業績の悪化により回復可能性が認められない場合には減損処理を行う可能性があります。
b. 繰延税金資産
繰延税金資産については、「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」(企業会計基準適用指針第26号)に従って過去の税務上の欠損金の発生状況及び中期経営計画に基づく課税所得の見積もりにより企業分類を判定し、一時差異等の解消スケジューリングを行い、回収可能と見込まれる金額について繰延税金資産を計上しております。
繰延税金資産の全部または一部を、将来回収できないと判断した場合、当該判断を行った会計年度に繰延税金資産の調整額を税金費用として計上することがあります。同様に、計上額の純額を上回る繰延税金資産が回収可能であると判断した場合は、当該判断を行った会計年度の税金費用を減少させることがあります。したがって経営環境の変化等により当初見込んでいた課税所得と実績が異なった場合、翌連結会計年度の繰延税金資産の計上額に重要な影響を与える可能性があります。
c. 固定資産の減損
当社グループの保有する固定資産について、「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき、減損処理の要否を検討しております。将来、事業損益見込みの悪化等や、前提とした条件や仮定の変更、受注動向に大きく影響を与える事象が発生した場合は、将来キャッシュ・フローや回収可能価額が減少し、減損損失を計上する可能性があります。
②経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、4,050,881千円となり前連結会計年度に比べ819,265千円増加いたしました。セグメント別の売上高の状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
(売上総利益)
当連結会計年度の売上総利益は、2,655,890千円となり前連結会計年度に比べ722,651千円増加いたしました。前連結会計年度に対し、売上高が819,265千円増加したことに加え、前連結会計年度に引き続き、5G対応基地局の研究開発用テストシステムの販売、テストサービスの受託が国内市場向けに堅調に推移した結果、売上総利益は増加いたしました。
(販売費及び一般管理費並びに営業利益)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、1,820,019千円となり前連結会計年度に比べ325,426千円増加いたしました。5Gに対応する研究開発費は前連結会計年度より継続し、ネットワーク監視用途のパケットキャプチャツール「etherExtractor」シリーズの新製品開発が加わったことにより、研究開発費は増加いたしました。また、人材確保に伴う採用費、人件費、教育費等の人材関連の投資を積極的に行ってまいりました。その結果、販売費及び一般管理費も前連結会計年度に対し増加いたしました。
以上の結果、当連結会計年度の営業利益は、835,871千円となりました。
(経常利益/親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の営業外損益は、資金調達に関連する取扱手数料7,303千円、借入金の支払利息7,158千円を計上した結果、経常利益は827,001千円となりました。また、繰延税金資産計上に伴う法人税等調整額を88,721千円計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、793,169千円となりました。
③財政状態の分析
a. 資産及び負債・純資産の状況
当連結会計年度における資産及び負債・純資産の状況については「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。
b.キャッシュ・フロー
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況については「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
④経営成績に重要な影響を与える要因について
当社の経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しておりますのでご参照ください。
⑤資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製品開発及びサービス提供のための労務費、外注費、設備費、経費、販売用ハードウエア及び電子部品の仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用、市場調査及び販促用のマーケティング費用等であります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金で賄うことを基本方針としておりますが、大型の設備投資や、長期間で多額な研究開発が継続する場合には、一部の運転資金を金融機関からの借入で調達しております。
当連結会計年度におきましては、当社の主力事業におけるモバイルネットワークソリューションにおいて、第5世代(5G)移動体通信規格に対応したテストソリューションにおける新製品の研究開発が継続しております。今後も5Gや次世代通信規格向けの開発は継続することが見込まれるため、金融機関より運転資金として短期の借入による資金調達を実施するとともに、新株予約権を利用した資金調達を行いました。以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は6,241,890千円となり、前連結会計年度末に対し3,342,932千円増加いたしました。
なお、キャッシュ・フローの状況の詳細につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・
フローの状況」をご参照ください。
⑥経営者の問題認識と今後の方針について
問題認識等については、「第2事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりでありますが、次期における、当社グループのセグメント別の取り組みに関しましては、以下のように考えております。
(モバイルネットワークソリューション)
移動体通信市場におきましては、第5世代移動通信方式(5G)の商用サービスが開始され、当社の顧客である通信事業者及び通信機器メーカーの開発投資及び設備投資の重点は、4Gから5Gへ移行していくものと思われます。また、並行して、通信事業者及び通信機器メーカーの一部では、次世代の通信規格となる6Gを見据えての技術仕様の標準化等に関する研究活動が開始され、今後活発な活動が展開されるものと予想されます。
モバイルネットワークソリューションにつきましては、当期に引き続き、5G向けの製品販売及びテストサービスの受託等を見込んでおります。また、開発及びサポート体制の強化を図り、5G向け製品の海外向け販売を積極的に展開してまいります。
(IPネットワークソリューション)
IPネットワークソリューションでは、ネットワーク監視用途のパケットキャプチャツール「etherExtractor」の販売及び保守サービスの獲得に注力しつつ、新機種の開発及び販売、ネットワーク・セキュリテイ分野の商材開拓・販売を行ってまいります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
経営成績の状況
世界的な新型コロナウイルスの感染拡大による経済活動の停滞から企業業績は改善しつつありますが、半導体製造分野等では依然としてその影響を受けており、影響の長期化が懸念されております。国内におきましても、ワクチンの普及が進んでいるものの、未だ収束時期の見通しが不透明な現状におきましては、予断を許さない状況が続いております。
移動体通信分野では、世界各国で第5世代移動通信方式(5G)の商用サービスが開始され、移動体通信の高速化・大容量化、サービス品質の向上に向けての研究開発及び設備投資が継続しております。国内においても2020年3月から5Gの商用サービスが開始され、契約数の順調な拡大に伴い基地局数も増加しており、5Gサービスの拡大と更なる進化に向けた研究開発が継続的に行われております。今後は、自動車を始めとする様々な分野での5G活用に向けた研究開発や、ローカル5G領域での5Gネットワークの構築に向けた取り組み等も積極的に行われ、さらに次世代の通信規格である6Gに向けた検討も進んでいくものと思われます。
固定通信分野では、光ファイバの普及によるブロードバンドサービスが定着し、コロナ渦において、NetflixやAmazonプライム・ビデオ等のビデオストリーミングを中心としたデータトラフィックが急速に増加していることに加え、企業活動におけるテレワークの推進やクラウドサービスの高度化も急速に進んでおります。通信事業者は、急増する多種多様な通信トラフィックに柔軟に対応するため、ネットワークの負荷低減に向けた投資や、ネットワーク処理のソフトウエア化を急速に進めながら、通信インフラの更なる高速化・大容量化を推進しております。
これらの技術や新サービスの導入に伴い、開発投資や設備投資の需要が見込まれる一方で、通信事業者間の加入者獲得競争等によるサービスの低価格傾向は継続しており、通信業界全体の投資意欲に関しましては、新型コロナウイルス感染拡大の収束及び国内外の政治経済の状況並びに業界内の動向を見極めつつ、引き続き慎重かつ選別的な姿勢が継続されるものと予想されます。
このような状況の中、当社グループでは、以下の営業、マーケティング及び研究開発活動を行いました。
(ⅰ) 5Gに対応する製品の開発及び販売並びにテストサービスの受託
(ⅱ) 4Gに対応する製品の販売及び保守並びにテストサービスの受託
(ⅲ) 欧州、中国、韓国、インド、中東等の海外市場における5G及び4G対応製品の販売及び市場開拓
(ⅳ) 次世代ネットワーク及びネットワークセキュリティに対応した製品開発及び商材開拓並びに販売
(ⅴ) ローカル5G等の通信分野における新事業に向けたマーケティング等
その結果、当連結会計年度におけるセグメント別の経営成績は以下のとおりとなりました。
(モバイルネットワークソリューション)3,526,040千円(前期比30.9%増)
当セグメントの売上高は、3,526,040千円となりました。移動体通信市場におきましては、国内大手通信事業者が2020年3月に5Gの商用サービスを開始し、5G向けの研究開発が積極的に行われております。当社では、5Gのフラッグシップ製品となる「DuoSIM-5G」を、当連結会計年度におきましても、引き続き国内の通信事業者及び基地局メーカーに販売したことに加え、岩手県滝沢市に「滝沢テレコムテストセンター」(T3C:Takizawa Telecom Test Center)を竣工し、テストサービスの拡大に注力した結果、前期比で大幅な増収となりました。
セグメント損益につきましては、881,520千円の営業利益(前期比76.0%増)となりました。前期に対し売上高は大幅に増加したことに加え、4G向けの研究開発費及び販売管理費が前期比で減少したことによるものです。
(IPネットワークソリューション)524,841千円(前期比2.4%減)
当セグメントの売上高は、524,841千円となりました。ネットワーク監視におけるパケットキャプチャツール「etherExtractor」の販売及び保守サービス等の提供を行ってまいりましたが、新型コロナウイルスの影響から市場は回復途上にあることから、前期比で若干の減収となりました。
セグメント損益につきましては、前期比で売上高が減少したことに加え、「etherExtractor」の新機種の開発により、研究開発費が増加した結果、45,649千円の営業損失(前期は営業損失62,338千円)となりました。
以上の結果、当連結会計年度におきましては、売上高4,050,881千円(前期比25.4%増)、営業利益835,871千円(前期比90.6%増)、経常利益827,001千円(前期比106.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益793,169千円(前期比80.5%増)となりました。
なお、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う当社の当期業績への影響につきましては、国内における顧客の設備投資計画の変更及び海外における事業活動の制限、並びに半導体不足による調達リスクの顕在化等により、一部で影響を受けましたが、軽微でありました。
財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は7,288,600千円であり、前連結会計年度末に比べ2,606,700千円増加いたしました。受取手形及び売掛金が508,539千円、商品及び製品が223,429千円減少した一方で、現金及び預金が3,342,932千円増加したことが主な要因であります。
当連結会計年度末における固定資産は1,690,737千円であり、前連結会計年度末に比べ366,862千円増加いたしました。投資有価証券が91,910千円減少した一方で、テストサービスの事業拡大に向けて岩手県滝沢市にテレコムテストセンターを建設したこと等により建物及び構築物が386,378千円、繰延税金資産が88,700千円増加したことが主な要因であります。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は1,844,981千円であり、前連結会計年度末に比べ235,259千円増加いたしました。支払手形及び買掛金が108,716千円減少した一方で、1年内返済予定の長期借入金が83,784千円、未払法人税等が105,356千円増加したことが主な要因であります。
当連結会計年度末における固定負債は511,110千円であり、前連結会計年度末に比べ191,356千円増加いたしました。滝沢テレコムテストセンター建設のため長期借入金が増加したことが主な要因であります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は6,623,246千円であり、前連結会計年度末に比べ2,546,947千円増加いたしました。新株予約権の行使による自己株式の処分により資本剰余金が1,454,223千円増加し、自己株式が335,610千円減少したことに加え、配当金の支払い及び親会社株主に帰属する当期純利益を計上したことにより利益剰余金が743,483千円増加したことが主な要因であります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は営業活動による収入1,873,203千円、投資活動による支出529,782千円、財務活動による収入1,995,035千円により、資金残高は6,241,890千円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とその主な要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税金等調整前当期純利益792,147千円に対し、減価償却費210,560千円、売上債権の減少額508,459千円、たな卸資産の減少額208,728千円、仕入債務の減少額108,716千円等があった結果、営業活動によって増加した資金は1,873,203千円(前連結会計年度は632,821千円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
有形固定資産の取得による支出597,959千円、投資有価証券の売却による収入105,990千円等があった結果、投資活動によって減少した資金は529,782千円(前連結会計年度は36,988千円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
長期借入れによる収入370,000千円、長期借入金の返済による支出103,026千円、新株予約権の行使による自己株式処分による収入1,786,200千円、配当金の支払額49,300千円等があった結果、財務活動によって増加した資金は1,995,035千円(前連結会計年度は357,644千円の収入)となりました。
③生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
生産実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年8月1日 至 2021年7月31日) | 前年同期比(%) |
| モバイルネットワークソリューション(千円) | 3,276,515 | 121.5 |
| IPネットワークソリューション(千円) | 399,072 | 64.4 |
| 合計(千円) | 3,675,588 | 110.8 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記金額には消費税等は含まれておりません。
b. 受注実績
受注実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年8月1日 至 2021年7月31日) | |||
| 受注高(千円) | 前年同期比(%) | 受注残高(千円) | 前年同期比(%) | |
| モバイルネットワークソリューション | 4,494,677 | 100.2 | 2,956,095 | 146.3 |
| IPネットワークソリューション | 585,833 | 133.6 | 45,331 | 172.3 |
| 合計 | 5,080,511 | 103.2 | 3,001,427 | 146.6 |
(注) 上記金額には消費税等は含まれておりません。
c. 販売実績
販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年8月1日 至 2021年7月31日) | 前年同期比(%) |
| モバイルネットワークソリューション(千円) | 3,526,040 | 130.9 |
| IPネットワークソリューション(千円) | 524,841 | 97.6 |
| 合計(千円) | 4,050,881 | 125.4 |
(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2019年8月1日 至 2020年7月31日) | 当連結会計年度 (自 2020年8月1日 至 2021年7月31日) | ||
| 金額(千円) | 割合 (%) | 金額(千円) | 割合 (%) | |
| 株式会社NTTドコモ | 1,014,105 | 31.4 | 2,585,325 | 63.8 |
| Nokia Solutions and Networks Oy | 595,725 | 18.4 | - | - |
| 日本電気株式会社 | 498,622 | 15.4 | - | - |
| 富士通株式会社 | 327,878 | 10.1 | - | - |
| ネットワンシステムズ株式会社 | 326,244 | 10.1 | - | - |
2.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.当連結会計年度のNokia Solutions and Networks Oy、日本電気株式会社、富士通株式会社及びネットワンシステムズ株式会社については、当該割合が100分の10未満のため、記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に準拠して会社の財産及び損益の状況を正確に開示するように作成されております。その作成において見積りが必要となる事項につきましては、過去の実績やその時点で合理的と考えられる情報に基づき会計上の見積りを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果とは異なる場合があります。
a. たな卸資産及び有価証券の評価
たな卸資産は原価法(連結貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法)を採用しており、陳腐化品及び販売可能性の低い長期滞留品については、必要な評価減を行っております。将来、開発後に売買契約が締結できなかった場合や、顧客から需要が発生せず、受注動向に大きく影響を与える事象が発生した場合は、追加の評価減が発生する可能性があります。
時価のあるその他有価証券は、時価が取得価額に比べ著しく下落し、50%以上下落したほか、将来の市場悪化、又は投資先の業績の悪化により回復可能性が認められない場合には減損処理を行う可能性があります。
b. 繰延税金資産
繰延税金資産については、「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」(企業会計基準適用指針第26号)に従って過去の税務上の欠損金の発生状況及び中期経営計画に基づく課税所得の見積もりにより企業分類を判定し、一時差異等の解消スケジューリングを行い、回収可能と見込まれる金額について繰延税金資産を計上しております。
繰延税金資産の全部または一部を、将来回収できないと判断した場合、当該判断を行った会計年度に繰延税金資産の調整額を税金費用として計上することがあります。同様に、計上額の純額を上回る繰延税金資産が回収可能であると判断した場合は、当該判断を行った会計年度の税金費用を減少させることがあります。したがって経営環境の変化等により当初見込んでいた課税所得と実績が異なった場合、翌連結会計年度の繰延税金資産の計上額に重要な影響を与える可能性があります。
c. 固定資産の減損
当社グループの保有する固定資産について、「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき、減損処理の要否を検討しております。将来、事業損益見込みの悪化等や、前提とした条件や仮定の変更、受注動向に大きく影響を与える事象が発生した場合は、将来キャッシュ・フローや回収可能価額が減少し、減損損失を計上する可能性があります。
②経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、4,050,881千円となり前連結会計年度に比べ819,265千円増加いたしました。セグメント別の売上高の状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
(売上総利益)
当連結会計年度の売上総利益は、2,655,890千円となり前連結会計年度に比べ722,651千円増加いたしました。前連結会計年度に対し、売上高が819,265千円増加したことに加え、前連結会計年度に引き続き、5G対応基地局の研究開発用テストシステムの販売、テストサービスの受託が国内市場向けに堅調に推移した結果、売上総利益は増加いたしました。
(販売費及び一般管理費並びに営業利益)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、1,820,019千円となり前連結会計年度に比べ325,426千円増加いたしました。5Gに対応する研究開発費は前連結会計年度より継続し、ネットワーク監視用途のパケットキャプチャツール「etherExtractor」シリーズの新製品開発が加わったことにより、研究開発費は増加いたしました。また、人材確保に伴う採用費、人件費、教育費等の人材関連の投資を積極的に行ってまいりました。その結果、販売費及び一般管理費も前連結会計年度に対し増加いたしました。
以上の結果、当連結会計年度の営業利益は、835,871千円となりました。
(経常利益/親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の営業外損益は、資金調達に関連する取扱手数料7,303千円、借入金の支払利息7,158千円を計上した結果、経常利益は827,001千円となりました。また、繰延税金資産計上に伴う法人税等調整額を88,721千円計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、793,169千円となりました。
③財政状態の分析
a. 資産及び負債・純資産の状況
当連結会計年度における資産及び負債・純資産の状況については「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。
b.キャッシュ・フロー
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況については「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
④経営成績に重要な影響を与える要因について
当社の経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しておりますのでご参照ください。
⑤資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製品開発及びサービス提供のための労務費、外注費、設備費、経費、販売用ハードウエア及び電子部品の仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用、市場調査及び販促用のマーケティング費用等であります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金で賄うことを基本方針としておりますが、大型の設備投資や、長期間で多額な研究開発が継続する場合には、一部の運転資金を金融機関からの借入で調達しております。
当連結会計年度におきましては、当社の主力事業におけるモバイルネットワークソリューションにおいて、第5世代(5G)移動体通信規格に対応したテストソリューションにおける新製品の研究開発が継続しております。今後も5Gや次世代通信規格向けの開発は継続することが見込まれるため、金融機関より運転資金として短期の借入による資金調達を実施するとともに、新株予約権を利用した資金調達を行いました。以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は6,241,890千円となり、前連結会計年度末に対し3,342,932千円増加いたしました。
なお、キャッシュ・フローの状況の詳細につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・
フローの状況」をご参照ください。
⑥経営者の問題認識と今後の方針について
問題認識等については、「第2事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりでありますが、次期における、当社グループのセグメント別の取り組みに関しましては、以下のように考えております。
(モバイルネットワークソリューション)
移動体通信市場におきましては、第5世代移動通信方式(5G)の商用サービスが開始され、当社の顧客である通信事業者及び通信機器メーカーの開発投資及び設備投資の重点は、4Gから5Gへ移行していくものと思われます。また、並行して、通信事業者及び通信機器メーカーの一部では、次世代の通信規格となる6Gを見据えての技術仕様の標準化等に関する研究活動が開始され、今後活発な活動が展開されるものと予想されます。
モバイルネットワークソリューションにつきましては、当期に引き続き、5G向けの製品販売及びテストサービスの受託等を見込んでおります。また、開発及びサポート体制の強化を図り、5G向け製品の海外向け販売を積極的に展開してまいります。
(IPネットワークソリューション)
IPネットワークソリューションでは、ネットワーク監視用途のパケットキャプチャツール「etherExtractor」の販売及び保守サービスの獲得に注力しつつ、新機種の開発及び販売、ネットワーク・セキュリテイ分野の商材開拓・販売を行ってまいります。