有価証券報告書-第34期(2023/08/01-2024/07/31)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
経営成績の状況
国内環境は、海外や国内の旅行者が増加し、雇用・所得環境に改善がみられるなど、景気の緩やかな回復基調が続く一方で、高まる中東情勢の緊迫化やウクライナ情勢の長期化など不安定な国際情勢による地政学リスクの影響、中国経済の景気減速、原材料価格やエネルギーコストの高騰などを背景とした世界的なインフレ再加速が懸念され、さらには資源価格の高騰に加えて、為替相場の大幅な変動による国内経済の先行きについては依然として不透明な状況が続いております。
このような状況のなか、移動体通信分野では、世界各国で第5世代移動通信方式(5G)の商用サービスが開始され、移動体通信の高速化・大容量化、サービス品質の向上に向けての研究開発及び設備投資が継続し、国内においても2020年3月から5Gの商用サービスが開始され、契約数の順調な拡大に伴い基地局数も増加、5Gサービスの拡大と更なる進化に向けた研究開発及び設備投資が継続的に行われておりました。しかし、モバイルキャリアの設備投資は、一部キャリアは5G投資をしているなか、高速通信規格「5G」という新しいネットワークを導入したものの、5Gらしいキラーサービスが見つからず、収益につなげられていない状況となっております。今後は、自動車を始めとする様々な分野での5G活用に向けた研究開発や、非地上系ネットワーク(NonTerrestrial Network)衛星などを用いた通信サービスが相次いで始まっており、また2023年12月に開催されたWRC-23(World Radiocommunication Conference 2023)において5G-Advancedの周波数が合意され、さらに、次世代の通信規格である6Gの研究開発も始まっています。通信事業者におきましては、固定網・移動網の融合による高品質なネットワークの実現などに向けた取り組みが進み、クラウドサービスや5Gサービスの拡大に加え、AI、量子コンピューティングなどの技術が急速に進展しています。一方で、高度化するサイバー攻撃に対する情報セキュリティ強化や、環境保護への貢献も求められています。また、モバイルネットワークの最適化、ネットワークによる消費電力の削減など、AIを活用した通信プラットフォームの創出を目指す「AI-RANアライアンス」が設立されるなど、今後の展開が注目されております。これらの技術や新サービスの導入に伴い、研究開発投資や設備投資の需要が引き続き見込まれる一方で、通信事業者間の加入者獲得競争等によるサービスの低価格傾向は継続しており、2024年度以降も各社の設備投資額の減少傾向は続くことが予想されますが、通信業界全体の投資意欲に関しましては国内外の政治経済の状況を見極めつつ、選別的な姿勢が継続されるものと予想されます。
このような状況の中、当社グループでは、主に以下の営業、マーケティング及び研究開発活動を行いました。
(ⅰ) 5Gに対応する製品の開発及び販売並びにテストサービスの受託
(ⅱ) 4Gに対応する製品の保守及びテストサービスの受託
(ⅲ) 欧州、北米、中国、韓国、インド等の海外市場における5G対応製品の市場開拓及び販売
(ⅳ) 次世代ネットワーク及びネットワーク・セキュリティ等に対応した製品開発及び商材開拓並びに販売
(ⅴ) ローカル5G等の通信分野における新事業に向けたマーケティング活動等
その結果、当連結会計年度におけるセグメント別の経営成績は以下のとおりとなりました。
(物販)1,675,120千円(前年同期比40.6%減)
当セグメントの売上高は1,675,120千円となりました。当連結会計年度におきましても、前連結会計年度より続く顧客新規投資の減速の影響を受けておりますが、国内向け販売が想定を下回り、海外事業も提案はするものの、受注に至らず翌連結会計年度以降へ延期した案件が多く、予想を下回る結果となりました。
セグメント損益につきましては、86,438千円の営業損失(前年同期は87,991千円の営業利益)となりました。
(サービス)1,144,511千円(前年同期比11.5%減)
当セグメントの売上高は1,144,511千円となりました。当社が培ってきたモバイル通信の技術をベースにテストサービスの受託や保守サービスの獲得及び新分野における付加価値の高いサービスを提供してまいりましたが、同様に新規投資の減速の影響を受け、前年同期比で減少となりました。
セグメント損益につきましては、減収ではありますが、118,993千円の営業利益(前年同期比61.7%減)となりました。
以上の結果、当連結会計年度におきましては、売上高2,819,632千円(前年同期比31.4%減)、営業利益32,555千円(前年同期比91.8%減)、経常利益45,506千円(前年同期比89.5%減)、親会社株主に帰属する当期純損失は、143,286千円(前年同期は119,351千円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。
また、当社の100%子会社であるARTIZA VIETNAM SOFTWARE DEVELOPMENT Co.,LTDは、ベトナム国ダナン市にて主にソフトウエアの開発を行うべく設立しておりましたが、昨今の不安定な世界情勢や現地人件費の高騰など、設立当初と比較してメリットを見出せなくなってきたことから閉鎖の意思決定をいたしました。現在清算手続き中であります。
財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は7,688,448千円であり、前連結会計年度末に比べ565,232千円減少いたしました。売掛金が118,252千円増加した一方で、現金及び預金が365,193千円、商品及び製品が136,152千円、未収還付法人税等が106,974千円減少したことが主な要因であります。
当連結会計年度末における固定資産は1,236,349千円であり、前連結会計年度末に比べ241,554千円減少いたしました。繰延税金資産が188,890千円減少したことが主な要因であります。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は1,547,273千円であり、前連結会計年度末に比べ164,527千円減少いたしました。買掛金が31,487千円、1年内返済予定の長期借入金が45,500千円減少したことが主な要因であります。
当連結会計年度末における固定負債は387,721千円であり、前連結会計年度末に比べ222,259千円減少いたしました。社債が60,000千円、長期借入金が144,984千円減少したことが主な要因であります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は6,989,803千円であり、前連結会計年度末に比べ420,000千円減少いたしました。親会社株主に帰属する当期純損失143,286千円の計上及び配当金の支払い273,927千円により利益剰余金が417,214千円減少したことが主な要因であります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動による収入226,760千円、投資活動による支出59,619千円、財務活動による支出532,090千円により、現金及び預金残高は6,455,131千円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とその主な要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税金等調整前当期純利益55,956千円に対し、減価償却費127,403千円、売上債権及び契約資産の増加額111,996千円、棚卸資産の減少額219,036千円、法人税等の還付額97,522千円等があった結果、営業活動によって増加した資金は226,760千円(前連結会計年度は233,226千円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資有価証券の取得による支出200,000千円、投資有価証券の償還による収入150,000千円等があった結果、投資活動によって減少した資金は59,619千円(前連結会計年度は100,837千円の収入)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
長期借入金の返済による支出190,484千円、社債の償還による支出60,000千円、配当金の支払額272,235千円等があった結果、財務活動によって減少した資金は532,090千円(前連結会計年度は258,799千円の支出)となりました。
③生産、受注及び販売の実績
提出会社に係る生産、受注及び販売の実績は次のとおりであります。
a. 生産実績
生産実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
(注)金額は販売価格によっております。
b. 受注実績
受注実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
c. 販売実績
販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
2.前連結会計年度の日本電気株式会社及びソフトバンク株式会社については、当該割合が100分の10未満のため、記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に準拠して会社の財産及び損益の状況を正確に開示するように作成されております。その作成において見積りが必要となる事項につきましては、過去の実績やその時点で合理的と考えられる情報に基づき会計上の見積りを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果とは異なる場合があります。
a. 棚卸資産及び有価証券の評価
棚卸資産は原価法(連結貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法)を採用しており、陳腐化品及び販売可能性の低い長期滞留品については、必要な評価減を行っております。将来、開発後に売買契約が締結できなかった場合や、顧客から需要が発生せず、受注動向に大きく影響を与える事象が発生した場合は、追加の評価減が発生する可能性があります。
市場価格のない株式等以外のその他有価証券は、時価が取得価額に比べ著しく下落し、50%以上下落したほか、将来の市場悪化、又は投資先の業績の悪化により回復可能性が認められない場合には減損処理を行う可能性があります。
b. 繰延税金資産
繰延税金資産については、「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」(企業会計基準適用指針第26号)に従って過去の税務上の欠損金の発生状況及び中期経営計画に基づく課税所得の見積りにより企業分類を判定し、一時差異等の解消スケジューリングを行い、回収可能と見込まれる金額について繰延税金資産を計上しております。
当社グループの将来の中期経営計画の策定に際しては、主な顧客が通信事業者及び通信機器メーカーの研究開発部門、製造部門等に集中しているため、将来の売上高は当該顧客の研究開発に関する投資方針や進捗に大きく影響を受けます。また、顧客及び当社グループによる研究開発は国際的な通信規格の標準化に関する規格の検討・策定の状況に左右されます。さらに、これらの検討の動向に関連して当社グループには予測しえない技術仕様の変更が行われた場合、当社グループは中期経営計画では予定していなかった研究開発投資を行うことがあります。
繰延税金資産の見積りの基礎となる将来の中期経営計画は、上記の顧客の経営動向等を考慮して将来の受注見込みに基づき売上高を見積り、通信規格の開発状況を考慮して発生が見込まれる原価及び費用を見積もっております。
繰延税金資産の全部または一部を、将来回収できないと判断した場合、当該判断を行った会計年度に繰延税金資産の調整額を税金費用として計上する必要があります。同様に、計上額の純額を上回る繰延税金資産が回収可能であると判断した場合は、当該判断を行った会計年度の税金費用を減少させることになります。したがって経営環境の変化等により当初見込んでいた課税所得と実績が異なった場合、翌連結会計年度の繰延税金資産の計上額に重要な影響を与える可能性があります。
c. 固定資産の減損
当社グループの保有する固定資産について、「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき、減損処理の要否を検討しております。将来、事業損益見込みの悪化等や、前提とした条件や仮定の変更、受注動向に大きく影響を与える事象が発生した場合は、将来キャッシュ・フローや回収可能価額が減少し、減損損失を計上する可能性があります。
②経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、2,819,632千円となり前連結会計年度に比べ1,293,613千円減少いたしました。セグメント別の売上高の状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
(売上総利益)
当連結会計年度の売上総利益は、1,662,385千円となり前連結会計年度に比べ1,089,187千円減少いたしました。前連結会計年度に対し、国内向け販売が想定を下回ったこと等により売上高が1,293,613千円減少したことから、前年同期比で売上総利益は減少いたしました。
(販売費及び一般管理費並びに営業利益)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、1,629,829千円となり前連結会計年度に比べ723,376千円減少いたしました。5G向け等の既存製品の開発費は減少、新規5G関連および自社製品の研究開発も検討案件を取捨選択して費用を低減したことにより、研究開発費は減少いたしました。また、人材確保に伴う採用、教育費は必要性を再度見直しいたしました。その結果、販売費及び一般管理費は前連結会計年度に対し減少いたしました。
以上の結果、当連結会計年度の営業利益は、32,555千円となりました。
(経常利益/親会社株主に帰属する当期純損失)
当連結会計年度の営業外損益は、受取利息及び配当金15,928千円、投資有価証券償還益14,052千円等を計上した結果、経常利益は45,506千円となりました。また、関係会社清算益16,104千円等、法人税、住民税及び事業税4,567千円、繰延税金資産減少に伴う法人税等調整額を194,585千円計上した結果、親会社株主に帰属する当期純損失につきましては、143,286千円となりました。
③財政状態の分析
a. 資産及び負債・純資産の状況
当連結会計年度における資産及び負債・純資産の状況については「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。
b. キャッシュ・フロー
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況については「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
④経営成績に重要な影響を与える要因について
当社の経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しておりますのでご参照ください。
⑤資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製品開発及びサービス提供のための労務費、外注費、設備費、経費、販売用ハードウエア及び電子部品の仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用、市場調査及び販促用のマーケティング費用等であります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金で賄うことを基本方針としておりますが、大型の設備投資や、長期間で多額な研究開発が継続する場合には、金融機関からの借入及び社債の起債で調達しております。
当連結会計年度におきましては、第5世代(5G)移動体通信規格に対応した新製品の研究開発が継続しております。
以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は6,455,131千円となり、前連結会計年度末に対し365,193千円減少いたしました。
なお、キャッシュ・フローの状況の詳細につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
⑥経営者の問題認識と今後の方針について
問題認識等については、「第2事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりでありますが、次期における、当社グループのセグメント別の取り組みに関しましては、以下のように考えております。
(物販セグメント)
物販セグメントにつきましては、5G向けの製品販売、新製品の販売並びにローカル5G向け商材の販売等を見込んでおります。また、ネットワーク監視用途のパケットキャプチャツール「etherExtractor」シリーズの新製品販売注力しつつ、ネットワーク・セキュリテイ分野の商材開拓及び販売等を行い、新分野における製品開発及び販売を展開することにより、開発及びサポート体制の強化を図り、5G向け製品の海外向け販売活動を積極的に展開して参ります。
(サービスセグメント)
サービスセグメントでは、当社が培ってきたモバイル通信の技術をベースにテストサービスの受託や保守サービスの獲得及び新分野における付加価値の高いサービスを提供してまいります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
経営成績の状況
国内環境は、海外や国内の旅行者が増加し、雇用・所得環境に改善がみられるなど、景気の緩やかな回復基調が続く一方で、高まる中東情勢の緊迫化やウクライナ情勢の長期化など不安定な国際情勢による地政学リスクの影響、中国経済の景気減速、原材料価格やエネルギーコストの高騰などを背景とした世界的なインフレ再加速が懸念され、さらには資源価格の高騰に加えて、為替相場の大幅な変動による国内経済の先行きについては依然として不透明な状況が続いております。
このような状況のなか、移動体通信分野では、世界各国で第5世代移動通信方式(5G)の商用サービスが開始され、移動体通信の高速化・大容量化、サービス品質の向上に向けての研究開発及び設備投資が継続し、国内においても2020年3月から5Gの商用サービスが開始され、契約数の順調な拡大に伴い基地局数も増加、5Gサービスの拡大と更なる進化に向けた研究開発及び設備投資が継続的に行われておりました。しかし、モバイルキャリアの設備投資は、一部キャリアは5G投資をしているなか、高速通信規格「5G」という新しいネットワークを導入したものの、5Gらしいキラーサービスが見つからず、収益につなげられていない状況となっております。今後は、自動車を始めとする様々な分野での5G活用に向けた研究開発や、非地上系ネットワーク(NonTerrestrial Network)衛星などを用いた通信サービスが相次いで始まっており、また2023年12月に開催されたWRC-23(World Radiocommunication Conference 2023)において5G-Advancedの周波数が合意され、さらに、次世代の通信規格である6Gの研究開発も始まっています。通信事業者におきましては、固定網・移動網の融合による高品質なネットワークの実現などに向けた取り組みが進み、クラウドサービスや5Gサービスの拡大に加え、AI、量子コンピューティングなどの技術が急速に進展しています。一方で、高度化するサイバー攻撃に対する情報セキュリティ強化や、環境保護への貢献も求められています。また、モバイルネットワークの最適化、ネットワークによる消費電力の削減など、AIを活用した通信プラットフォームの創出を目指す「AI-RANアライアンス」が設立されるなど、今後の展開が注目されております。これらの技術や新サービスの導入に伴い、研究開発投資や設備投資の需要が引き続き見込まれる一方で、通信事業者間の加入者獲得競争等によるサービスの低価格傾向は継続しており、2024年度以降も各社の設備投資額の減少傾向は続くことが予想されますが、通信業界全体の投資意欲に関しましては国内外の政治経済の状況を見極めつつ、選別的な姿勢が継続されるものと予想されます。
このような状況の中、当社グループでは、主に以下の営業、マーケティング及び研究開発活動を行いました。
(ⅰ) 5Gに対応する製品の開発及び販売並びにテストサービスの受託
(ⅱ) 4Gに対応する製品の保守及びテストサービスの受託
(ⅲ) 欧州、北米、中国、韓国、インド等の海外市場における5G対応製品の市場開拓及び販売
(ⅳ) 次世代ネットワーク及びネットワーク・セキュリティ等に対応した製品開発及び商材開拓並びに販売
(ⅴ) ローカル5G等の通信分野における新事業に向けたマーケティング活動等
その結果、当連結会計年度におけるセグメント別の経営成績は以下のとおりとなりました。
(物販)1,675,120千円(前年同期比40.6%減)
当セグメントの売上高は1,675,120千円となりました。当連結会計年度におきましても、前連結会計年度より続く顧客新規投資の減速の影響を受けておりますが、国内向け販売が想定を下回り、海外事業も提案はするものの、受注に至らず翌連結会計年度以降へ延期した案件が多く、予想を下回る結果となりました。
セグメント損益につきましては、86,438千円の営業損失(前年同期は87,991千円の営業利益)となりました。
(サービス)1,144,511千円(前年同期比11.5%減)
当セグメントの売上高は1,144,511千円となりました。当社が培ってきたモバイル通信の技術をベースにテストサービスの受託や保守サービスの獲得及び新分野における付加価値の高いサービスを提供してまいりましたが、同様に新規投資の減速の影響を受け、前年同期比で減少となりました。
セグメント損益につきましては、減収ではありますが、118,993千円の営業利益(前年同期比61.7%減)となりました。
以上の結果、当連結会計年度におきましては、売上高2,819,632千円(前年同期比31.4%減)、営業利益32,555千円(前年同期比91.8%減)、経常利益45,506千円(前年同期比89.5%減)、親会社株主に帰属する当期純損失は、143,286千円(前年同期は119,351千円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。
また、当社の100%子会社であるARTIZA VIETNAM SOFTWARE DEVELOPMENT Co.,LTDは、ベトナム国ダナン市にて主にソフトウエアの開発を行うべく設立しておりましたが、昨今の不安定な世界情勢や現地人件費の高騰など、設立当初と比較してメリットを見出せなくなってきたことから閉鎖の意思決定をいたしました。現在清算手続き中であります。
財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は7,688,448千円であり、前連結会計年度末に比べ565,232千円減少いたしました。売掛金が118,252千円増加した一方で、現金及び預金が365,193千円、商品及び製品が136,152千円、未収還付法人税等が106,974千円減少したことが主な要因であります。
当連結会計年度末における固定資産は1,236,349千円であり、前連結会計年度末に比べ241,554千円減少いたしました。繰延税金資産が188,890千円減少したことが主な要因であります。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は1,547,273千円であり、前連結会計年度末に比べ164,527千円減少いたしました。買掛金が31,487千円、1年内返済予定の長期借入金が45,500千円減少したことが主な要因であります。
当連結会計年度末における固定負債は387,721千円であり、前連結会計年度末に比べ222,259千円減少いたしました。社債が60,000千円、長期借入金が144,984千円減少したことが主な要因であります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は6,989,803千円であり、前連結会計年度末に比べ420,000千円減少いたしました。親会社株主に帰属する当期純損失143,286千円の計上及び配当金の支払い273,927千円により利益剰余金が417,214千円減少したことが主な要因であります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動による収入226,760千円、投資活動による支出59,619千円、財務活動による支出532,090千円により、現金及び預金残高は6,455,131千円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とその主な要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税金等調整前当期純利益55,956千円に対し、減価償却費127,403千円、売上債権及び契約資産の増加額111,996千円、棚卸資産の減少額219,036千円、法人税等の還付額97,522千円等があった結果、営業活動によって増加した資金は226,760千円(前連結会計年度は233,226千円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資有価証券の取得による支出200,000千円、投資有価証券の償還による収入150,000千円等があった結果、投資活動によって減少した資金は59,619千円(前連結会計年度は100,837千円の収入)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
長期借入金の返済による支出190,484千円、社債の償還による支出60,000千円、配当金の支払額272,235千円等があった結果、財務活動によって減少した資金は532,090千円(前連結会計年度は258,799千円の支出)となりました。
③生産、受注及び販売の実績
提出会社に係る生産、受注及び販売の実績は次のとおりであります。
a. 生産実績
生産実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2023年8月1日 至 2024年7月31日) | 前年同期比(%) |
| 物販(千円) | 848,950 | 43.8 |
| サービス(千円) | 858,536 | 62.2 |
| 合計(千円) | 1,707,486 | 51.4 |
(注)金額は販売価格によっております。
b. 受注実績
受注実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2023年8月1日 至 2024年7月31日) | |||
| 受注高(千円) | 前年同期比(%) | 受注残高(千円) | 前年同期比(%) | |
| 物販 | 1,677,263 | 97.9 | 248,522 | 101.0 |
| サービス | 1,094,607 | 92.8 | 307,613 | 86.2 |
| 合計 | 2,771,870 | 95.9 | 556,135 | 92.3 |
c. 販売実績
販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2023年8月1日 至 2024年7月31日) | 前年同期比(%) |
| 物販(千円) | 1,675,120 | 59.4 |
| サービス(千円) | 1,144,511 | 88.5 |
| 合計(千円) | 2,819,632 | 68.6 |
(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2022年8月1日 至 2023年7月31日) | 当連結会計年度 (自 2023年8月1日 至 2024年7月31日) | ||
| 金額(千円) | 割合 (%) | 金額(千円) | 割合 (%) | |
| 日本電気株式会社 | - | - | 690,357 | 24.5 |
| 株式会社NTTドコモ | 1,948,440 | 47.4 | 655,683 | 23.3 |
| 富士通株式会社 | 1,041,393 | 25.3 | 409,375 | 14.5 |
| ソフトバンク株式会社 | - | - | 326,546 | 11.6 |
2.前連結会計年度の日本電気株式会社及びソフトバンク株式会社については、当該割合が100分の10未満のため、記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に準拠して会社の財産及び損益の状況を正確に開示するように作成されております。その作成において見積りが必要となる事項につきましては、過去の実績やその時点で合理的と考えられる情報に基づき会計上の見積りを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果とは異なる場合があります。
a. 棚卸資産及び有価証券の評価
棚卸資産は原価法(連結貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法)を採用しており、陳腐化品及び販売可能性の低い長期滞留品については、必要な評価減を行っております。将来、開発後に売買契約が締結できなかった場合や、顧客から需要が発生せず、受注動向に大きく影響を与える事象が発生した場合は、追加の評価減が発生する可能性があります。
市場価格のない株式等以外のその他有価証券は、時価が取得価額に比べ著しく下落し、50%以上下落したほか、将来の市場悪化、又は投資先の業績の悪化により回復可能性が認められない場合には減損処理を行う可能性があります。
b. 繰延税金資産
繰延税金資産については、「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」(企業会計基準適用指針第26号)に従って過去の税務上の欠損金の発生状況及び中期経営計画に基づく課税所得の見積りにより企業分類を判定し、一時差異等の解消スケジューリングを行い、回収可能と見込まれる金額について繰延税金資産を計上しております。
当社グループの将来の中期経営計画の策定に際しては、主な顧客が通信事業者及び通信機器メーカーの研究開発部門、製造部門等に集中しているため、将来の売上高は当該顧客の研究開発に関する投資方針や進捗に大きく影響を受けます。また、顧客及び当社グループによる研究開発は国際的な通信規格の標準化に関する規格の検討・策定の状況に左右されます。さらに、これらの検討の動向に関連して当社グループには予測しえない技術仕様の変更が行われた場合、当社グループは中期経営計画では予定していなかった研究開発投資を行うことがあります。
繰延税金資産の見積りの基礎となる将来の中期経営計画は、上記の顧客の経営動向等を考慮して将来の受注見込みに基づき売上高を見積り、通信規格の開発状況を考慮して発生が見込まれる原価及び費用を見積もっております。
繰延税金資産の全部または一部を、将来回収できないと判断した場合、当該判断を行った会計年度に繰延税金資産の調整額を税金費用として計上する必要があります。同様に、計上額の純額を上回る繰延税金資産が回収可能であると判断した場合は、当該判断を行った会計年度の税金費用を減少させることになります。したがって経営環境の変化等により当初見込んでいた課税所得と実績が異なった場合、翌連結会計年度の繰延税金資産の計上額に重要な影響を与える可能性があります。
c. 固定資産の減損
当社グループの保有する固定資産について、「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき、減損処理の要否を検討しております。将来、事業損益見込みの悪化等や、前提とした条件や仮定の変更、受注動向に大きく影響を与える事象が発生した場合は、将来キャッシュ・フローや回収可能価額が減少し、減損損失を計上する可能性があります。
②経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、2,819,632千円となり前連結会計年度に比べ1,293,613千円減少いたしました。セグメント別の売上高の状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
(売上総利益)
当連結会計年度の売上総利益は、1,662,385千円となり前連結会計年度に比べ1,089,187千円減少いたしました。前連結会計年度に対し、国内向け販売が想定を下回ったこと等により売上高が1,293,613千円減少したことから、前年同期比で売上総利益は減少いたしました。
(販売費及び一般管理費並びに営業利益)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、1,629,829千円となり前連結会計年度に比べ723,376千円減少いたしました。5G向け等の既存製品の開発費は減少、新規5G関連および自社製品の研究開発も検討案件を取捨選択して費用を低減したことにより、研究開発費は減少いたしました。また、人材確保に伴う採用、教育費は必要性を再度見直しいたしました。その結果、販売費及び一般管理費は前連結会計年度に対し減少いたしました。
以上の結果、当連結会計年度の営業利益は、32,555千円となりました。
(経常利益/親会社株主に帰属する当期純損失)
当連結会計年度の営業外損益は、受取利息及び配当金15,928千円、投資有価証券償還益14,052千円等を計上した結果、経常利益は45,506千円となりました。また、関係会社清算益16,104千円等、法人税、住民税及び事業税4,567千円、繰延税金資産減少に伴う法人税等調整額を194,585千円計上した結果、親会社株主に帰属する当期純損失につきましては、143,286千円となりました。
③財政状態の分析
a. 資産及び負債・純資産の状況
当連結会計年度における資産及び負債・純資産の状況については「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。
b. キャッシュ・フロー
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況については「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
④経営成績に重要な影響を与える要因について
当社の経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しておりますのでご参照ください。
⑤資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製品開発及びサービス提供のための労務費、外注費、設備費、経費、販売用ハードウエア及び電子部品の仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用、市場調査及び販促用のマーケティング費用等であります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金で賄うことを基本方針としておりますが、大型の設備投資や、長期間で多額な研究開発が継続する場合には、金融機関からの借入及び社債の起債で調達しております。
当連結会計年度におきましては、第5世代(5G)移動体通信規格に対応した新製品の研究開発が継続しております。
以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は6,455,131千円となり、前連結会計年度末に対し365,193千円減少いたしました。
なお、キャッシュ・フローの状況の詳細につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
⑥経営者の問題認識と今後の方針について
問題認識等については、「第2事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりでありますが、次期における、当社グループのセグメント別の取り組みに関しましては、以下のように考えております。
(物販セグメント)
物販セグメントにつきましては、5G向けの製品販売、新製品の販売並びにローカル5G向け商材の販売等を見込んでおります。また、ネットワーク監視用途のパケットキャプチャツール「etherExtractor」シリーズの新製品販売注力しつつ、ネットワーク・セキュリテイ分野の商材開拓及び販売等を行い、新分野における製品開発及び販売を展開することにより、開発及びサポート体制の強化を図り、5G向け製品の海外向け販売活動を積極的に展開して参ります。
(サービスセグメント)
サービスセグメントでは、当社が培ってきたモバイル通信の技術をベースにテストサービスの受託や保守サービスの獲得及び新分野における付加価値の高いサービスを提供してまいります。