四半期報告書-第67期第1四半期(令和2年1月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/05/22 15:24
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【項目】
43項目
(1)経営成績に関する説明
当第1四半期連結累計期間の主要な取り組み
今期は新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、マラソン大会の中止や規模の縮小、直営店の臨時的な閉店、外出規制等による個人消費の冷え込み等により厳しいスタートとなりました。但し、このような状況に対応して、当社は下記の取り組みを行いました。
◇中国では、1月中旬より新型コロナウイルス感染拡大の影響を大きく受けましたが、デジタル販売の強化や、中国企画開発商品の早期市場投入を加速させるべく秋冬に向けた中国国内での開発生産体制の強化に注力しました。なお、直営店の約6割が臨時休業となっておりましたが、3月後半にはほぼ全ての直営店が再開するなど、回復傾向にあります。
◇デジタル分野では、各国で直営店の臨時休業が続いておりますが、自社Eコマースの売上高は昨年比約60%の成長で好調に推移しました。また、北米では、多くのマラソン大会が中止となりましたが、ASICS Runkeeperを活用したバーチャルレースを展開しました。このような取組みの結果、ASICS Runkeeperの新規登録者数は昨年比で約2倍以上増加しました。
※ASICS Runkeeperはランニングやウォーキング、フィットネスなどさまざまなアクティビティの進捗状況が確認できるアプリです。
※バーチャルレースは、ASICS Runkeeper上で行った、レースと同じ距離または同じコースを走り、通常のレースと同様にタイムを参加者間で競うことができる擬似レースです。
◇マーケティングでは、広告宣伝費の投下を削減するなど、状況に応じて柔軟に対応しました。東京マラソンの規模縮小に対し、これまで以上にデジタルマーケティングに注力するなどマーケティング手法についても従来の方法から見直しを行いました。また、店舗での販売が難しい状況において、デジタルメディア投資を強化し、Eコマース売上の拡大を図りました。
①売上高
新型コロナウイルス拡大の影響もあり、パフォーマンスランニング、オニツカタイガーなどが低調となったことにより、売上高は85,341百万円と前年同期間比13.5%の減収(前年度の為替換算レートを適用した場合10.7%減)となりました。
②売上総利益
上記減収の影響により、40,213百万円と前年同期間比12.8%の減益となりました。
③営業損失
上記減収の影響に加え、広告宣伝費などの増加もあり営業損失は882百万円でした。
④経常損失
上記に加え、ロシアルーブルやブラジルレアルなどの新興国通貨の下落の影響による為替差損の計上などにより、経常損失は3,145百万円となりました。
⑤親会社株主に帰属する四半期純損失
上記経常損失はありましたが、米国子会社において法人税等還付税額を計上したことなどにより、親会社株主に帰属する四半期純損失は243百万円となりました。
カテゴリー別の業績は、次のとおりであります。
なお、一部カテゴリーについて算出方法を変更したことに伴い、前第1四半期連結累計期間の実績を組み替えて表示しております。
(単位:百万円)

(カテゴリー)売上高営業利益
前第1四半期
連結累計期間
当第1四半期
連結累計期間
増減額
(△は減)
前第1四半期
連結累計期間
当第1四半期
連結累計期間
増減額
(△は減)
パフォーマンスランニング43,25738,271△4,9861,839239△1,600
コアパフォーマンススポーツ12,61511,439△1,175662357△305
スポーツスタイル8,9977,386△1,611437△221△659
アパレル・エクィップメント10,7158,273△2,442赤字赤字
オニツカタイガー10,7767,597△3,1792,057228△1,828

① パフォーマンスランニング
売上高は、38,271百万円と前年同期間比11.5%の減収(前年度の為替換算レートを適用した場合7.8%減)となりました。営業利益につきましては、239百万円(前年同期間比87.0%の減益、前年度の為替換算レートを適用した場合83.8%減)となりました。
② コアパフォーマンススポーツ
売上高は、11,439百万円と前年同期間比9.3%の減収(前年度の為替換算レートを適用した場合7.0%減)となりました。営業利益につきましては、357百万円(前年同期間比46.1%の減益、前年度の為替換算レートを適用した場合45.2%減)となりました。
③ スポーツスタイル
売上高は、7,386百万円と前年同期間比17.9%の減収(前年度の為替換算レートを適用した場合13.9%減)となりました。営業損失は221百万円となりました。
④ アパレル・エクィップメント
売上高は、8,273百万円と前年同期間比22.8%の減収(前年度の為替換算レートを適用した場合21.0%減)となりました。営業損益につきましては、粗利益率の改善および販管費の減少により赤字幅が減少しました。
⑤ オニツカタイガー
売上高は、7,597百万円と前年同期間比29.5%の減収(前年度の為替換算レートを適用した場合27.3%減)となりました。営業利益につきましては、228百万円(前年同期間比88.9%の減益、前年度の為替換算レートを適用した場合88.3%減)となりました。
報告セグメント別の業績は、次のとおりであります。
① 日本地域
売上高は、3月以降の新型コロナウイルス拡大の影響もあり、30,325百万円(前年同期間比8.3%減)となりました。
セグメント利益につきましては、上記減収の影響に加え直営店関連費用の増加などにより、1,075百万円(前年同期間比51.8%減)となりました。
② 北米地域
売上高は、3月以降の新型コロナウイルス拡大の影響もあり、15,666百万円(前年同期間比21.1%減、前年度の為替換算レートを適用した場合20.0%減)となり、セグメント損失は1,578百万円でした。
③ 欧州地域
売上高は、年初から堅調に推移していましたが、3月後半から新型コロナウイルス拡大の影響により急速に鈍化し、21,709百万円(前年同期間比12.1%減、前年度の為替換算レートを適用した場合8.4%減)となりました。
セグメント利益につきましては、上記減収の影響などにより、499百万円(前年同期間比39.9%減、前年度の為替換算レートを適用した場合37.4%減)となりました。
④ 中華圏地域
売上高は、新型コロナウイルス蔓延の影響もあり、6,931百万円(前年同期間比17.2%減、前年度の為替換算レートを適用した場合14.1%減)となりました。
セグメント利益につきましては、上記減収の影響などにより、426百万円(前年同期間比65.0%減、前年度の為替換算レートを適用した場合64.0%減)となりました。
⑤ オセアニア地域
売上高は、パフォーマンスランニングが好調であったことにより、4,742百万円(前年同期間比4.9%増、前年度の為替換算レートを適用した場合14.5%増)となりました。
セグメント利益につきましては、仕入為替に係る原価率悪化の影響などにより、542百万円(前年同期間比13.7%減、前年度の為替換算レートを適用した場合5.8%減)となりました。
⑥ 東南・南アジア地域
売上高は、新型コロナウィルス拡大の影響もあり、2,749百万円(前年同期間比8.4%減、前年度の為替換算レートを適用した場合5.8%減)となりました。
セグメント利益につきましては、上記減収の影響などにより、203百万円(前年同期間比52.7%減、前年度の為替換算レートを適用した場合50.6%減)となりました。
⑦ その他地域
売上高は、韓国および南米における新型コロナウイルス拡大の影響もあり、7,324百万円(前年同期間比29.0%減、前年度の為替換算レートを適用した場合19.9%減)となり、セグメント損失は92百万円でした。
(2)財政状態に関する説明
当第1四半期連結会計期間末の財政状態といたしましては、総資産317,140百万円(前連結会計年度末比0.3%増)、負債の部合計171,974百万円(前連結会計年度末比5.0%増)、純資産の部合計145,166百万円(前連結会計年度末比4.7%減)でした。
①流動資産
未収還付法人税の増加などにより、216,618百万円(前連結会計年度末比1.0%増)となりました。
②固定資産
使用権資産、投資有価証券の減少などにより、100,521百万円(前連結会計年度末比1.1%減)となりました。
③流動負債
短期借入金の増加などにより、90,188百万円(前連結会計年度末比11.2%増)となりました。
④固定負債
リース債務の減少などにより、81,786百万円(前連結会計年度末比1.1%減)となりました。
⑤株主資本
利益剰余金の減少などにより、151,937百万円(前連結会計年度末比2.3%減)となりました。
⑥その他の包括利益
為替換算調整勘定の減少などにより、△7,394百万円となりました。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
なお、当社は財務および事業の方針の決定を支配する者のあり方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。
会社の支配に関する基本方針について
① 会社の支配に関する基本方針の内容
当社は、上場会社として当社株式の自由な売買を認める以上、当社の取締役会の賛同を得ずに行われる、い
わゆる「敵対的買収」であっても、当社の企業価値・株主共同の利益に資するものであれば、これを一概に否
定するものではありません。特定の者による当社株式の大規模な買付行為等に応じて当社株式の売却を行うか
否かは、最終的には当社株式を保有する当社株主の皆様の判断に委ねられるべきものであると考えます。
一方で、当社および当社グループは、株主の皆様をはじめ、お客様、取引先および従業員等のステークホル
ダーとの間に築かれた良好な関係を基本として、スポーツを核とした事業領域で当社が長年つちかってきた
「技術」、「製品」、「ブランド」に対する信頼こそが強みであり、これを維持し促進することが当社の企業
価値・株主共同の利益の確保・向上に資すると考えます。従って、当社の財務および事業の方針の決定を支配
する者としては、これらに関する十分な情報や理解がなくては、将来実現することのできる当社の企業価値・
株主共同の利益を毀損する可能性があり、不適切であると考えます。
② 当社の状況および企業価値向上に向けた取り組み
当社は、「健全な身体に健全な精神があれかし」を創業哲学とし、「スポーツを通して、すべてのお客様に
価値ある製品・サービスを提供する」ことを理念に、お客様の求めるものを徹底的に追求し、世界のスポーツ
をする選手、スポーツを愛するすべての人々や健康を願う方々の役に立つよう、技術とものづくりに対するこ
だわりを持ち続けてまいりました。
当社は、さらなる成長に向けた行動計画「アクションプラン」を策定しました。このアクションプランに基
づき、本社のカテゴリートップが企画・開発からマーケティング、販売までを統括するカテゴリー基軸の経営
管理体制のもと、重点施策を着実に実行しております。
また、2020年の先を見据え、アシックスのビジョンである「スポーツでつちかった知的技術により、質の高
いライフスタイルを創造する」を実現するために、「既存商品領域」に加え、「トレーニング・サービス領
域」、「健康領域」を新たなビジネス領域として設定し、中長期的な企業価値向上のため経営改革に取り組ん
でおります。
加えて、当社グループは、企業価値を継続的に高め、株主の皆様をはじめ、すべてのステークホルダーからさらに信頼される会社となるために、スピードある透明性の高い経営を実現するためのコーポレートガバナンスを目指し、その中で、経営管理体制の整備を行うとともに、企業経営に関する監督および監査機能・内部統制の充実、コンプライアンスの徹底、経営活動の透明性の向上などに努め、株主の視点を経営に反映させることを心がけております。
③ 会社の支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針が支配されることを防止するための取り組み
当社は、2020年3月27日開催の定時株主総会において、当社株式の大規模な買付行為への対応方針の一部を
改定して3年間継続することを決定いたしました(以下、改定後の当社株式の大規模な買付行為への対応方針
を「本対応方針」といいます。)。
本対応方針の概要は次のとおりです。
当社取締役会は、大規模買付者による情報提供及び大規模買付行為に対する取締役会の意見の公表に関する
合理的なルールに従って大規模買付行為が行われることが、当社の企業価値・株主共同の利益に資すると考え、事前の情報提供に関する一定のルール(以下「大規模買付ルール」といいます。)を設定いたしました。
大規模買付ルールの概要は次のとおりです。
(ⅰ)大規模買付者には、大規模買付行為の前に、当社取締役会に対して、当社株主の皆様の判断および当社取締役会としての意見形成のために必要かつ十分な情報(以下「本必要情報」といいます。)を書面で提供していただきます。当社取締役会は、取締役会による評価、検討、意見形成等のため必要かつ十分な本必要情報が大規模買付者から提出されたと判断した場合には、直ちにその旨大規模買付者に通知するとともに、速やかに当社株主の皆様に公表します。なお、大規模買付者からの情報提供の迅速化と当社取締役会が延々と情報提供を求めて情報提供期間を引き延ばす等の恣意的な運用を避ける観点から、この情報提供期間は意向表明書の受領から最長60日とし、延長は行いません。
(ⅱ)当社取締役会は、取締役会による評価、検討、交渉、意見形成、代替案立案のための期間(以下「取締
役会評価期間」といいます。)として、大規模買付者が当社取締役会に対し本必要情報の提供を完了したと公
表した日の翌日から、60日間(対価を現金(円貨)のみとする公開買付けによる当社全株式の買付けの場合)
または90日間(その他の大規模買付行為の場合)を設定します。取締役会評価期間の延長は行いません。
従って、大規模買付行為は、取締役会評価期間の経過後にのみ開始されるものとします。当社取締役会は、取締役会評価期間中、独立委員会に諮問し、必要に応じて外部専門家等の助言および監査役の意見を参考に、提供された本必要情報を十分に評価・検討し、独立委員会からの勧告を最大限尊重したうえで、対抗措置の発動または不発動を含め、当社取締役会としての意見を慎重にとりまとめて決議し公表します。
次に大規模買付行為がなされた場合の対応方針の概要は次のとおりです。
大規模買付者が大規模買付ルールを遵守する場合、当社取締役会は、大規模買付行為に対する対抗措置の発
動要件を満たすときを除き、当社株主の皆様に対して、当該買付提案に対する諾否の判断に必要な判断材料を
提供させていただくにとどめ、原則として、当該大規模買付行為に対する対抗措置はとりません。
当社取締役会は、大規模買付ルールを遵守しなかった場合のほか、大規模買付ルールが遵守された場合であ
っても、当該大規模買付行為が当社の企業価値・株主共同の利益を著しく損なう場合で、かつ、対抗措置を発
動することが相当であると判断したときに限り、株主総会において株主の皆様に承認を得たうえで、当社株主
の皆様の利益を守るために、当該大規模買付行為に対する対抗措置として、無償割当てによる新株予約権を発
行することができるものとします。なお、当社取締役会が当該判断を行う場合には、外部専門家等および当社
監査役の意見を参考に、提供された本必要情報を十分に評価・検討したうえ、独立委員会の勧告を最大限尊重
するものとします。また、当社取締役会は、対抗措置を発動するに際し、株主総会の開催が著しく困難な場合
を除き、株主総会を招集し、対抗措置に関する当社株主の皆様の意思を確認するものとします。かかる株主意
思確認のための株主総会において、出席株主の議決権の過半数の賛同が得られなければ、対抗措置の発動は行
いません。その場合、大規模買付者は、当社株主の皆様の意思を確認し、対抗措置の発動・不発動が決定され
るまで、大規模買付行為は開始できないものとします。
④ 上記取り組みが会社の支配に関する基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致し、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないことについて
まず、本対応方針は、会社の支配に関する基本方針に沿って、当社株式に対する大規模買付行為がなされた際に、当該大規模買付行為に応じるべきか否かを当社株主の皆様が判断し、あるいは当社取締役会が代替案を提示するために必要な情報や時間を確保し、当社株主の皆様のために大規模買付者と交渉を行うこと等を可能とすることにより、当社の企業価値・株主共同の利益を確保し、向上させるという目的をもって導入されるものです。
次に、本対応方針は、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しない場合や、大規模買付ルールを遵守する
場合であっても、当該大規模買付行為が当社の企業価値・株主共同の利益を著しく損なう場合で、かつ、対抗
措置を発動することが相当であると判断したときに限り、株主総会において株主の皆様の承認を得たうえで、対抗措置が発動されるように設定されており、当社取締役会による恣意的な対抗措置の発動を防止するための
仕組みが確保されています。
また、本対応方針における対抗措置の発動等に際しては、独立社外取締役によって組織された独立委員会に
諮問し、同委員会の勧告を最大限尊重するものとされています。また、その判断の概要については当社株主の
皆様に情報開示をすることとされており、当社の企業価値・株主共同の利益に適うように本対応方針の公正・
透明な運用が行われる仕組みが確保されています。
最後に、本対応方針は、株主総会における当社株主の皆様の承認を条件に継続されるものであり、その継続
について当社株主の皆様の意向が反映されることとなっております。また、本対応方針は、株主総会において
本対応方針の変更又は廃止の決議がなされた場合には、当該決議に従い変更又は廃止されることになります。
従って、本対応方針の継続、廃止または変更の是非の判断には、当社株主の皆様のご意向が反映される仕組み
となっております。
さらに、当社取締役の任期は1年間となっており、毎年の取締役選任手続を通じて本対応方針の継続、廃止
または変更の是非の判断に当社株主の皆様の意向が反映されます。
これらの措置により、本対応方針は、会社の支配に関する基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共
同の利益に合致し、当社役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。
(4)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は1,261百万円(前年同期間比29.3%増)であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5)従業員の状況
① 連結会社の状況
従業員数に著しい変動はありません。
② 提出会社の状況
提出会社につきましては、国内子会社からの移管があったことなどにより前事業年度末に比べ増加いたしました。
(6)生産、受注及び販売の状況
当第1四半期連結累計期間において、生産、受注及び販売実績の著しい増減はありません。
(7)設備の状況
当第1四半期連結累計期間において、主要な設備の著しい変動及び主要な設備の前連結会計年度末における計画の著しい変更はありません。