有価証券報告書-第72期(2025/01/01-2025/12/31)
(経営成績等の状況の概要)
(1) 財政状態及び経営成績等の状況
当連結会計年度の振り返り
2025年も、アシックスの成長モメンタムが強くなっていることを実感した1年でした。売上高は8,109億円(前期比+19.5%)、営業利益は1,425億円(同+42.4%)、営業利益率は17.6%(同+2.8ppt)となり、売上高、営業利益ともに4年連続で過去最高を更新しました。
カテゴリー別では、全てのカテゴリーで増収増益でした。スポーツスタイルとオニツカタイガーでは売上高が初めて1,000億円の大台に乗り、いずれも前期比+40.0%以上で成長しました。カテゴリー利益率も、スポーツスタイルが29.3%(同+2.0ppt)、オニツカタイガーが37.7%(同+3.7ppt)という高水準圏で成長を維持しています。特にオニツカタイガーにおいては、欧州でのプレゼンス拡大に本格的に着手した1年でした。スペイン・バルセロナ、イギリス・ロンドン、フランス・パリなどに大規模直営店をオープンし、いずれも好調な滑り出しとなりました。日本発のラグジュアリーライフスタイルブランドとしてのポジションを確立し始めています。2026年1月には鳥取県境港市においてオニツカイノベーティブファクトリーが稼働し、日本製のモノづくりにこだわったクラフトマンシップを誇る工場にて、更なるブランド価値の向上を目指します。
地域別でも全リージョンで増収増益を達成。特にアシックスジャパンでは前期比+34.7%成長の売上高となりました。中でもインバウンド売上高が同+84%と牽引。国内向けのパフォーマンスランニング、スポーツスタイルも大きく伸長しました。引き続き日本国内におけるアシックスブランドの強化にも注力していきます。東南・南アジアでの売上高は同+33.4%の成長。10月には、インド・ニューデリーにおいて初めてのアシックス直営店をオープンしました。既にアシックスブランドが強く高いマーケットシェアを持つ欧州においても、同+25.9%の売上高成長を記録。また、中華圏は経済の弱含みが懸念されている中でも、売上高は同+19.9%と堅調に推移しました。
さらに、複数の栄誉ある外部評価もいただきました。主要な2つの賞をご紹介します。
1つ目は、一般社団法人日本IR協議会が選定する「IR優良企業賞2025」における「IR優良企業大賞」です。2023年の初受賞から3回連続での受賞をもってこの度、大賞をいただきました。経営層が主導的にIR活動を充実させている点や個人投資家向け施策を強化している点が特に評価されました。
2つ目は、一般社団法人日本取締役協会が主催する「コーポレートガバナンス・オブ・ザ・イヤー2025」における大賞「Grand Prize Company」の受賞です。ステークホルダー対話型ガバナンスを実践し、政策保有株式を全売却して緊張感を持った取締役会運営を志向している点、また資本コストの低減を目指した経営を行い、役職員の報酬体系に有機的に連携させている点などが選定のポイントとなりました。
2025年は、業績や外部評価のみならず、今後のアシックスの大きな飛躍に向けた種まきができた1年でもありました。
アシックスがオフィシャルパートナーを務めた東京2025世界陸上競技選手権大会や、これに先駆けて5月に実施した様々なレベルのランナーが自己ベスト更新に挑戦したレースイベント「Tokyo:Speed:Race」などの機会を通して、アシックスブランドを日本国内で、そして日本発で発信することができました。第25回夏季デフリンピック競技大会 東京2025では、日本選手団のオフィシャルパートナーとしてサポートしました。アシックスのイノベーション力を詰め込んだシリーズ最軽量のMETASPEED RAYも発売し、多くのアスリートにMETASPEEDシリーズを着用いただきました。これらの取組みを基点に、アシックスブランド高揚の大きな足掛かりをつくることができました。
また、アシックスは過去数年にわたり複数のレース登録会社を買収し、商品購入時のみならずレース登録からレース後までのランナージャーニーをサポートするランニングエコシステムを展開してきました。11月には新たにスペインとタイのレース登録会社をグループ会社化することを発表。世界中のランナーとの更なる接点拡大に向けた布石を打てました。
イノベーション分野では、日本国内に限定されていた研究開発拠点をグローバルに拡大し、多様な知見を取り入れることを目的に、12月に米国ミシガン大学とのパートナーシップを締結しました。「アシックスーミシガン・スポーツ・イノベーションセンター」を設置し、今後はミシガン大学の持つ世界水準のスポーツとテクノロジーを融合した先端研究やアスリートアクセスプログラムを活用していきます。アシックススポーツ工学研究所と密に連携し、これまで以上にアスリートのパフォーマンスに寄与するイノベーションの創造を目指します。
ビジネス基盤としては、過去の売上実績データなどを活用し、業績見通しと生産計画との整合性を定期的に検証する仕組みを整備してきました。商品レベルでの需給計画管理を強化し在庫最適化を進め、着実にオペレーショナルエクセレンスの実現に向かって進んでいます。
アシックスは、2024年の資本政策を経て資本市場と真正面から向き合う「ガチンコ経営」を実践しています。2025年は、多くの株主の皆様との個別の議論、株主総会での賛成を経て、4月に一般財団法人ASICS Foundationを設立しました。創業理念に立ち返り、より多くの人々が運動・スポーツを楽しむことで、心身ともに健康になる社会を実現すべく設立した本財団において、初年度は、日本、インド、インドネシア、カンボジアの4カ国6団体に対し、最長3年間、助成金を給付することで活動拡充をサポートしていきます。これにより中長期的なアシックスグループの企業価値向上に向けて大きな一歩を踏み出しました。
以上のように、2025年は、2026年、そして2027年からの次期中計期間におけるアシックスの更なる躍進の基盤作りができたと考えています。
2026年の主要な取組み
2026年は、売上高9,500億円、営業利益1,710億円、営業利益率18.0%を計画しています。これまでの成長のスピードを緩めることなく、2026年も走り続けます。
パフォーマンスランニングでは、主要マラソン大会でのシェアNo.1を目指して、イノベーティブな商品開発を継続します。コアパフォーマンススポーツでは、引き続きテニスに注力しつつ、テニスに次ぐスポーツカテゴリーの強化を推進します。スポーツスタイルでは、商品ラインナップの拡充を図りながら巨大な市場の中で持続的な成長を目指します。オニツカタイガーでは、欧州でのブランドポジションをより強固にするとともに、2027年以降の米国への再進出を見据えた検討を進めます。
さらに、全ての地域において持続的な成長に向けた手を打ちます。例えば中華圏ではまだまだ拡大の余地があり、アシックスブランドのフットプリントを伸張していきます。北米ではランニング専門店での売上高を着実に伸ばしており、ここで培ったブランドエクイティを生かしてより大きな市場がある中価格帯商品の展開をより強化します。また、2026年は「Year of ASIA」を掲げ、愛知・名古屋2026大会のモメンタムも活用しながら、アジアでの更なるブランド向上に力を尽くします。特に、昨今ランニング市場が急拡大している東南アジアにおいてより一層成長を加速させ、東南アジア各国において売上高100M米ドルの早期達成を目指します。
2026年以降もアシックスが大きな成長を継続していく中で、キャッシュ創出力が非常に強くなっていく見通しです。将来の更なる成長に向けた投資について、戦略の策定に向けた議論を本格化させます。
Global Integrated Enterprise(以下、「GIE」という。)への変革を通じた企業価値最大化のために、財務資本に並んで重要である人的資本についても、強化に取り組んでいます。具体的には、全社最適の観点で外国籍人財を本社ポジションに配置していることや、将来の経営人財の育成を見据えた若手社員の海外派遣制度の導入、新入社員の初任給を大卒で33万円に、大学院卒で35万円に設定したことなどが挙げられます。中長期的な企業価値の向上に不可欠な人的資本投資についても積極的に対応を検討、推進していきます。
2026年は、2027年から2029年を対象とする次期中期経営計画の発射台となる意味でも重要な年となります。更なる成長、GIEへの変革を見据え次期中期経営計画については、幅広いステークホルダーの皆様のご意見もいただきながら、アシックス社員がグローバル一体で議論を進めてまいります。
「あの日々を、強さに変えていけ。」これまでの取組みを更なる成長への確かな原動力として、2026年も走り続けます!
当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、次のとおりであります。
① 財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前期末に比べ67,485百万円増加し、586,480百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前期末に比べ29,071百万円増加し、313,125百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前期末に比べ38,414百万円増加し、273,355百万円となりました。
② 経営成績
当連結会計年度における売上高は810,916百万円と前期比19.5%の増収、営業利益は142,519百万円と前期比42.4%の増益、経常利益は139,295百万円と前期比50.4%の増益、親会社株主に帰属する当期純利益は98,719百万円と前期比54.7%の大幅増益となりました。
報告セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
(2) キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは109,912百万円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは29,414百万円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは105,875百万円の支出となりました。
以上の結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前期末に比べて14,751百万円減少し、112,221百万円となりました。
(生産、受注及び販売の状況)
アシックスグループは、生産実績の割合が僅少であるため記載を省略しております。また、受注状況につきましても、受注生産を行っている割合が僅少であるため記載を省略しております。なお、報告セグメント別の売上高につきましては、「第2 「事業の状況」 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)(1)当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」をご参照ください。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
経営者の視点によるアシックスグループの経営成績等に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、記載内容のうち将来に関する事項につきましては、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
(1) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
① 財政状態
当連結会計年度末の財政状態につきましては、総資産586,480百万円(前連結会計年度末比13.0%増)、負債合計313,125百万円(前連結会計年度末比10.2%増)、純資産合計273,355百万円(前連結会計年度末比16.4%増)となりました。
総資産は、翌シーズンに向けた在庫の積み増しにより棚卸資産が増加したことで増加しており、これに伴う運転資本の拡大により負債も増加しております。一方で、親会社株主に帰属する当期純利益の順調な積み上げが自己株式取得の影響を上回ったことから、純資産は増加しました。
また、自己資本比率につきましては、総額500億円の自己株式取得を実行したものの、利益の着実な積み上げにより46.3%と、前連結会計年度末比1.4ppt上昇しました。
a. 流動資産
商品及び製品の増加などにより、409,933百万円(前連結会計年度末比11.0%増)となりました。
b. 固定資産
機械装置及び運搬具や使用権資産の増加などにより、176,546百万円(前連結会計年度末比17.8%増)となりました。
c. 流動負債
支払手形及び買掛金や未払法人税等の増加などにより、243,726百万円(前連結会計年度末比25.2%増)となりました。
d. 固定負債
償還予定が1年以内となった社債の固定負債から流動負債への振り替えによる減少などにより、69,399百万円(前連結会計年度末比22.3%減)となりました。
e. 純資産
自己株式の取得による減少はあるものの、利益剰余金の増加などにより、273,355百万円(前連結会計年度末比16.4%増)となりました。
② 経営成績
当連結会計年度における売上高は全カテゴリー、全地域で売上が成長したことにより810,916百万円と前期比19.5%の増収となり、初めて8,000億円を超えました。収益性についても、粗利益率の改善を背景に、営業利益は142,519百万円(前期比42.4%増)、経常利益は139,295百万円(前期比50.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は98,719百万円(前期比54.7%増)、いずれも大幅な増益となりました。この結果、売上高をはじめ各段階利益はいずれも過去最高を記録しました。
a. 売上高
全てのカテゴリー、地域で好調に推移し、810,916百万円と前期比19.5%の増収となりました。
b. 売上総利益
上記増収の影響や粗利益率の改善により、460,632百万円と前期比21.6%の増益となりました。
c. 営業利益
高付加製品への注力による粗利益率改善を背景に過去最高を更新し、142,519百万円と前期比42.4%の大幅増益となりました。
d. 経常利益
上記増収増益の影響などにより、139,295百万円と前期比50.4%の大幅増益となりました。
e. 親会社株主に帰属する当期純利益
上記増収増益の影響などにより、98,719百万円と前期比54.7%の大幅増益となりました。
カテゴリー別の経営成績は、次のとおりであります。
a. パフォーマンスランニング
売上高は、主に欧州地域と東南・南アジアで好調に推移し、363,542百万円と前期比11.2%の増収となりました。カテゴリー利益につきましては、上記増収の影響などにより、86,035百万円と前期比21.6%の増益となりました。
主要マラソン大会でのシェア拡大に加え、中高価格帯やトレイルランニング市場、新興国市場での成長を加速させてまいります。
ASICS DESIGN PHILOSOPHYに基づく妥協なきモノづくりと継続的な製品イノベーションを通じて、パフォーマンスランニングフットウェアカテゴリーにおけるNo.1プレミアムブランドの実現に向けた攻勢を継続してまいります。
b. コアパフォーマンススポーツ
売上高は、全ての地域で好調に推移し、86,017百万円と前期比9.4%の増収となりました。カテゴリー利益につきましては、上記増収の影響や粗利益率の改善などにより、16,771百万円と前期比18.9%の増益となりました。
収益の柱となるテニス事業については、トップアスリートとの共創による製品開発や主要国際大会での着用を起点としたマーケティングコミュニケーション、各種メディア露出、主要パートナーとの協業を通じてブランド価値向上を推進し、更なる売上の向上を図ります。
また、テニスに続く注力サブカテゴリーとして、インドア、ワーキングのグローバル展開を強化することで、事業の成長を加速させてまいります。
c. アパレル・エクィップメント
売上高は、主に欧州地域が好調に推移したことから、42,072百万円と前期比10.5%の増収となりました。カテゴリー利益につきましては、上記増収の影響や粗利益率の改善などにより、5,940百万円と前期比36.9%の増益となりました。
これまで推進してきた選択と集中により事業基盤が強化されたことを受け、今後は次なる成長ステージに向けて、主力商品であるランニングアパレルに加え、運動時以外のシーンに寄り添った新しいコレクション 'PERFORMANCE LIFE'の商品展開を開始し、持続的な収益成長の実現を目指してまいります。
d. スポーツスタイル
売上高は、全ての地域で好調に推移し、141,324百万円と前期比43.6%の増収となりました。カテゴリー利益につきましては、上記増収の影響により、41,338百万円と前期比53.8%の増益となりました。
スポーツスタイルの提供価値や独自性をより良く訴求するためのグローバルでのマーケティング活動により、ブランド認知強化及び価値向上に努めます。また、ファッション感度の高いお客様に強い販売アカウントとの連携などを通じて高付加価値製品への販売訴求を実施することで、売上成長と収益性の向上を図ってまいります。
e. オニツカタイガー
売上高は、全ての地域で好調に推移し、136,519百万円と前期比43.0%の増収となりました。カテゴリー利益につきましては、上記増収の影響や粗利益率の改善などにより、51,489百万円と前期比58.7%の増益となりました。
ラグジュアリーライフスタイルブランドとしての地位確立に向け、統一ブランドガバナンスによる一貫性確保、フラッグシップ店舗の拡張を実施します。ブランド初の専用生産拠点であるオニツカイノベーティブファクトリー、ミラノデザインセンター、スポーツ工学研究所によるイノベーションを連動させ、製品力と創造性を向上させます。これにより新たな価値を創造することを目指し、グローバルでの持続的成長に向けた基盤構築を推進してまいります。
報告セグメント別の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
a. 日本地域
売上高は、パフォーマンスランニングやオニツカタイガーが好調だったことにより、204,236百万円と前期比22.7%の増収となりました。
セグメント利益につきましては、上記増収の影響や粗利益率の改善などにより、44,734百万円と前期比61.7%の増益となりました。
パフォーマンスランニングやテニス、ワーキングシューズ市場などの注力した製品カテゴリーでマーケットシェアNo.1に向けた取り組みと、マラソン大会におけるランニングエコシステムを通じた顧客体験価値向上を図り、ブランド力向上を目指します。また、DTC比率の更なる拡大や、デジタルを活用した業務改革および効率化により収益性を高めることで、健全な利益を持続的に創出できるよう取り組んでまいります。
b. 北米地域
売上高は、ECにおける販売商品の戦略的な絞り込みを行いながらも、主にスポーツスタイルが好調だったことにより、141,192百万円と前期比4.6%の増収となりました。
セグメント利益につきましては、上記増収の影響などにより、16,018百万円と前期比42.1%の増益となりました。
アシックスの強みであるパフォーマンスランニングやテニスでのビジネス拡充に注力し、マラソン大会、ランニング専門店におけるシェア拡大を目指します。また、ブランド価値向上のため戦略的に直営店舗の適正化を進め、更なる成長を目指します。
c. 欧州地域
売上高は、全てのカテゴリーが好調だったことにより、225,805百万円と前期比25.9%の増収となりました。
セグメント利益につきましては、上記増収の影響などにより、36,746百万円と前期比45.3%の増益となりました。
マラソン大会におけるランニングエコシステムを通じた顧客体験価値向上、OneASICSメンバーシッププログラム強化施策により、ブランドエンゲージメントの向上を図ってまいります。また、欧州地域で高い人気があるスポーツスタイルの成長戦略を実行することで、更なる収益性向上を目指します。
d. 中華圏地域
売上高は、全てのカテゴリーが好調だったことにより、120,514百万円と前期比19.9%の増収となりました。
セグメント利益につきましては、上記増収の影響や粗利益率の改善などにより、25,099百万円と前期比29.8%の増益となりました。
今後はパフォーマンスランニングを軸に、マラソン大会を活用したブランド価値向上、国内販売網の拡大を見据えた取引先との連携強化により更なる成長を目指します。
また継続して現地ニーズに適合した製品の企画・開発に取り組むとともに、最適化されたサプライチェーン管理の実現を目指して取り組んでまいります。
e. オセアニア地域
売上高は、全てのカテゴリーが好調だったことにより、49,649百万円と前期比15.5%の増収となりました。
セグメント利益につきましては、上記増収の影響などにより、7,927百万円と前期比3.8%の増益となりました。
オセアニア地域におけるパフォーマンスランニング市場No.1の地位を圧倒的なものとするため、ランニングエコシステムでの接点の拡大、先進的な取り組みの実行によって顧客体験価値の向上を図ります。また、スポーツスタイルビジネスを拡大させることで、更なる成長を目指します。
f. 東南・南アジア地域
売上高は、全てのカテゴリーが好調だったことにより、49,780百万円と前期比33.4%の増収となりました。
セグメント利益につきましては、上記増収の影響などにより、10,946百万円と前期比47.6%の増益となりました。
今後は「Year of ASIA」として特に東南アジアで成長を加速させてまいります。シンガポール、タイ、マレーシア、インドネシア、インドでパフォーマンスランニングのシェアNo.1を獲得するため、マラソン大会におけるランニングエコシステムを通じた顧客体験価値向上を図り、直営店の拡大を推進し、更なる収益性向上を目指します。また、更なる成長加速のため各国のスポーツトレンド(パデル、ピックルボールなど)をとらえた販売戦略の展開を進めてまいります。インドにおいては現地生産の推進やDTC比率を上昇させることで、成長を加速させます。
g. その他地域
売上高は、全てのカテゴリーが好調に推移したことにより、52,078百万円と前期比16.1%の増収となりました。
セグメント利益につきましては、上記増収の影響や粗利益率の改善などにより、8,107百万円と前期比23.9%の増益となりました。
南米ではブラジルでの継続的な成長に加え、他の南米諸国の成長を加速させ、事業規模を拡大してまいります。また、ECチャネルの拡大や現地生産を活用し、現地ニーズへの迅速な対応を実施することで売上成長と営業利益率の向上を目指します。
(2) キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローにおきましては、当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、112,221百万円と前期比14,751百万円減少しました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は109,912百万円となり、前期比5,298百万円の収入増加となりました。
収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益138,749百万円、減価償却費25,266百万円、支出の主な内訳は、棚卸資産の増加額32,901百万円、売上債権の増加額10,117百万円、法人税等の支払額28,055百万円です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は29,414百万円となり、前期比21,856百万円の支出増加となりました。
収入の主な内訳は、有形固定資産の売却による収入3,612百万円、支出の主な内訳は、有形固定資産の取得による支出16,191百万円、無形固定資産の取得による支出14,107百万円です。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は105,875百万円となり、前期比21,553百万円の支出増加となりました。
収入の主な内訳は、短期借入金の純増額2,500百万円であり、支出の主な内訳は、自己株式の取得による支出50,003百万円、社債の償還による支出25,000百万円、配当金の支払額15,734百万円、リース債務の返済による支出14,980百万円です。
キャッシュ・フロー指標のトレンド
(注) 自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
1.各指標はいずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
3.営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いにつきましては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
(3)資本の財源及び資金の流動性についての分析
アシックスグループの資金運営は、営業キャッシュ・フローで獲得した資金を主な財源としております。また、アシックスグループは、事業活動を行うための資金の調達に際し、低コストで安定的な資金の確保を重視しております。当連結会計年度末の有利子負債は98,529百万円であります。
資金効率の向上と金融費用の削減、並びに財務面のグループガバナンス強化を目的として、グローバル・キャッシュ・マネジメント・システム(GCMS)を2016年3月より金融機関と構築しており、GCMS参加グループ会社を一体とみなして資金の預入及び借入を行っております。これに伴い、従来アシックスから行っておりました一部子会社への貸付けを解消いたしました。当該GCMSにおいて、預入金及び借入金の相殺表示を行うためのすべての要件を満たしているため、相殺表示を行っております。なお、当連結会計年度末の相殺金額は44,777百万円であります。
(4)経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況
当連結会計年度の通期見通しが2023年11月に設定した2026年の目標を超過するなど、業界No.1の収益性実現に向け成長が加速していることから、財務目標を中心に「中期経営計画2026」の上方修正を2024年11月に実施いたしました。見直し後の2026年12月期の数値目標は、「連結営業利益1,300億円以上」「連結営業利益率17.0%以上」「ROA15%前後」を設定しております。アシックスグループは見直し後の計画に基づき、「グローバル×デジタル」の推進、更なるブランド力、イノベーション強化を図り、持続的な成長を目指します。
当連結会計年度は、パフォーマンスランニングにおいて、反発性と推進感を特徴とするBOUNCEモデルが売上を牽引したことに加え、スポーツスタイル及びオニツカタイガーが全地域で増収となった結果、全てのカテゴリーで増収となりました。また、仕入為替の悪化があるものの、高付加価値製品への注力等が奏功した結果、粗利益率が改善し、売上高、各段階利益は過去最高額を記録しました。その結果、営業利益は142,519百万円(前期比42.4%増)、営業利益率は17.6%(前期比2.8ppt改善)、ROAは17.9%(前期比4.9ppt改善)となりました。業界No.1の収益性実現に向けて成長を加速させ、営業利益額の更なる成長を図ります。
「中期経営計画2026」ではグローバルでの収益を伴った売上成長を実現するために、収益基盤であるパフォーマンスランニングの更なる成長に加え、次なる収益の柱として、他カテゴリーの成長を加速させます。当連結会計年度はスポーツスタイルやオニツカタイガーが躍進し、収益拡大に貢献しました。また、地域成長戦略としては、欧州地域や中華圏地域などの既存の収益基盤である地域の持続的な成長と東南・南アジア地域の高成長地域の売上成長の加速と営業利益率向上の双方を目指します。
(5)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
アシックスグループの連結財務諸表は、日本において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(1) 財政状態及び経営成績等の状況
当連結会計年度の振り返り
2025年も、アシックスの成長モメンタムが強くなっていることを実感した1年でした。売上高は8,109億円(前期比+19.5%)、営業利益は1,425億円(同+42.4%)、営業利益率は17.6%(同+2.8ppt)となり、売上高、営業利益ともに4年連続で過去最高を更新しました。
カテゴリー別では、全てのカテゴリーで増収増益でした。スポーツスタイルとオニツカタイガーでは売上高が初めて1,000億円の大台に乗り、いずれも前期比+40.0%以上で成長しました。カテゴリー利益率も、スポーツスタイルが29.3%(同+2.0ppt)、オニツカタイガーが37.7%(同+3.7ppt)という高水準圏で成長を維持しています。特にオニツカタイガーにおいては、欧州でのプレゼンス拡大に本格的に着手した1年でした。スペイン・バルセロナ、イギリス・ロンドン、フランス・パリなどに大規模直営店をオープンし、いずれも好調な滑り出しとなりました。日本発のラグジュアリーライフスタイルブランドとしてのポジションを確立し始めています。2026年1月には鳥取県境港市においてオニツカイノベーティブファクトリーが稼働し、日本製のモノづくりにこだわったクラフトマンシップを誇る工場にて、更なるブランド価値の向上を目指します。
地域別でも全リージョンで増収増益を達成。特にアシックスジャパンでは前期比+34.7%成長の売上高となりました。中でもインバウンド売上高が同+84%と牽引。国内向けのパフォーマンスランニング、スポーツスタイルも大きく伸長しました。引き続き日本国内におけるアシックスブランドの強化にも注力していきます。東南・南アジアでの売上高は同+33.4%の成長。10月には、インド・ニューデリーにおいて初めてのアシックス直営店をオープンしました。既にアシックスブランドが強く高いマーケットシェアを持つ欧州においても、同+25.9%の売上高成長を記録。また、中華圏は経済の弱含みが懸念されている中でも、売上高は同+19.9%と堅調に推移しました。
さらに、複数の栄誉ある外部評価もいただきました。主要な2つの賞をご紹介します。
1つ目は、一般社団法人日本IR協議会が選定する「IR優良企業賞2025」における「IR優良企業大賞」です。2023年の初受賞から3回連続での受賞をもってこの度、大賞をいただきました。経営層が主導的にIR活動を充実させている点や個人投資家向け施策を強化している点が特に評価されました。
2つ目は、一般社団法人日本取締役協会が主催する「コーポレートガバナンス・オブ・ザ・イヤー2025」における大賞「Grand Prize Company」の受賞です。ステークホルダー対話型ガバナンスを実践し、政策保有株式を全売却して緊張感を持った取締役会運営を志向している点、また資本コストの低減を目指した経営を行い、役職員の報酬体系に有機的に連携させている点などが選定のポイントとなりました。
2025年は、業績や外部評価のみならず、今後のアシックスの大きな飛躍に向けた種まきができた1年でもありました。
アシックスがオフィシャルパートナーを務めた東京2025世界陸上競技選手権大会や、これに先駆けて5月に実施した様々なレベルのランナーが自己ベスト更新に挑戦したレースイベント「Tokyo:Speed:Race」などの機会を通して、アシックスブランドを日本国内で、そして日本発で発信することができました。第25回夏季デフリンピック競技大会 東京2025では、日本選手団のオフィシャルパートナーとしてサポートしました。アシックスのイノベーション力を詰め込んだシリーズ最軽量のMETASPEED RAYも発売し、多くのアスリートにMETASPEEDシリーズを着用いただきました。これらの取組みを基点に、アシックスブランド高揚の大きな足掛かりをつくることができました。
また、アシックスは過去数年にわたり複数のレース登録会社を買収し、商品購入時のみならずレース登録からレース後までのランナージャーニーをサポートするランニングエコシステムを展開してきました。11月には新たにスペインとタイのレース登録会社をグループ会社化することを発表。世界中のランナーとの更なる接点拡大に向けた布石を打てました。
イノベーション分野では、日本国内に限定されていた研究開発拠点をグローバルに拡大し、多様な知見を取り入れることを目的に、12月に米国ミシガン大学とのパートナーシップを締結しました。「アシックスーミシガン・スポーツ・イノベーションセンター」を設置し、今後はミシガン大学の持つ世界水準のスポーツとテクノロジーを融合した先端研究やアスリートアクセスプログラムを活用していきます。アシックススポーツ工学研究所と密に連携し、これまで以上にアスリートのパフォーマンスに寄与するイノベーションの創造を目指します。
ビジネス基盤としては、過去の売上実績データなどを活用し、業績見通しと生産計画との整合性を定期的に検証する仕組みを整備してきました。商品レベルでの需給計画管理を強化し在庫最適化を進め、着実にオペレーショナルエクセレンスの実現に向かって進んでいます。
アシックスは、2024年の資本政策を経て資本市場と真正面から向き合う「ガチンコ経営」を実践しています。2025年は、多くの株主の皆様との個別の議論、株主総会での賛成を経て、4月に一般財団法人ASICS Foundationを設立しました。創業理念に立ち返り、より多くの人々が運動・スポーツを楽しむことで、心身ともに健康になる社会を実現すべく設立した本財団において、初年度は、日本、インド、インドネシア、カンボジアの4カ国6団体に対し、最長3年間、助成金を給付することで活動拡充をサポートしていきます。これにより中長期的なアシックスグループの企業価値向上に向けて大きな一歩を踏み出しました。
以上のように、2025年は、2026年、そして2027年からの次期中計期間におけるアシックスの更なる躍進の基盤作りができたと考えています。
2026年の主要な取組み
2026年は、売上高9,500億円、営業利益1,710億円、営業利益率18.0%を計画しています。これまでの成長のスピードを緩めることなく、2026年も走り続けます。
パフォーマンスランニングでは、主要マラソン大会でのシェアNo.1を目指して、イノベーティブな商品開発を継続します。コアパフォーマンススポーツでは、引き続きテニスに注力しつつ、テニスに次ぐスポーツカテゴリーの強化を推進します。スポーツスタイルでは、商品ラインナップの拡充を図りながら巨大な市場の中で持続的な成長を目指します。オニツカタイガーでは、欧州でのブランドポジションをより強固にするとともに、2027年以降の米国への再進出を見据えた検討を進めます。
さらに、全ての地域において持続的な成長に向けた手を打ちます。例えば中華圏ではまだまだ拡大の余地があり、アシックスブランドのフットプリントを伸張していきます。北米ではランニング専門店での売上高を着実に伸ばしており、ここで培ったブランドエクイティを生かしてより大きな市場がある中価格帯商品の展開をより強化します。また、2026年は「Year of ASIA」を掲げ、愛知・名古屋2026大会のモメンタムも活用しながら、アジアでの更なるブランド向上に力を尽くします。特に、昨今ランニング市場が急拡大している東南アジアにおいてより一層成長を加速させ、東南アジア各国において売上高100M米ドルの早期達成を目指します。
2026年以降もアシックスが大きな成長を継続していく中で、キャッシュ創出力が非常に強くなっていく見通しです。将来の更なる成長に向けた投資について、戦略の策定に向けた議論を本格化させます。
Global Integrated Enterprise(以下、「GIE」という。)への変革を通じた企業価値最大化のために、財務資本に並んで重要である人的資本についても、強化に取り組んでいます。具体的には、全社最適の観点で外国籍人財を本社ポジションに配置していることや、将来の経営人財の育成を見据えた若手社員の海外派遣制度の導入、新入社員の初任給を大卒で33万円に、大学院卒で35万円に設定したことなどが挙げられます。中長期的な企業価値の向上に不可欠な人的資本投資についても積極的に対応を検討、推進していきます。
2026年は、2027年から2029年を対象とする次期中期経営計画の発射台となる意味でも重要な年となります。更なる成長、GIEへの変革を見据え次期中期経営計画については、幅広いステークホルダーの皆様のご意見もいただきながら、アシックス社員がグローバル一体で議論を進めてまいります。
「あの日々を、強さに変えていけ。」これまでの取組みを更なる成長への確かな原動力として、2026年も走り続けます!
当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、次のとおりであります。
① 財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前期末に比べ67,485百万円増加し、586,480百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前期末に比べ29,071百万円増加し、313,125百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前期末に比べ38,414百万円増加し、273,355百万円となりました。
② 経営成績
| (単位:百万円) | |||||
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減額 (△は減) | 増減率 (%) | 為替影響除く 増減率(%) | |
| 売上高 | 678,526 | 810,916 | 132,389 | 19.5 | 19.4 |
| 売上総利益 | 378,878 | 460,632 | 81,754 | 21.6 | 21.4 |
| 営業利益 | 100,111 | 142,519 | 42,408 | 42.4 | 42.2 |
| 経常利益 | 92,601 | 139,295 | 46,693 | 50.4 | - |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 63,806 | 98,719 | 34,913 | 54.7 | - |
当連結会計年度における売上高は810,916百万円と前期比19.5%の増収、営業利益は142,519百万円と前期比42.4%の増益、経常利益は139,295百万円と前期比50.4%の増益、親会社株主に帰属する当期純利益は98,719百万円と前期比54.7%の大幅増益となりました。
報告セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
| (単位:百万円) |
| セグメント名称 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減額 (△は減) | 増減率 (%) | 為替影響除く 増減率(%) | |
| 日本地域 | 売上高 | 166,432 | 204,236 | 37,804 | 22.7 | - |
| セグメント利益 | 27,673 | 44,734 | 17,061 | 61.7 | - | |
| 北米地域 | 売上高 | 135,040 | 141,192 | 6,151 | 4.6 | 5.8 |
| セグメント利益 | 11,274 | 16,018 | 4,744 | 42.1 | 44.1 | |
| 欧州地域 | 売上高 | 179,388 | 225,805 | 46,416 | 25.9 | 22.1 |
| セグメント利益 | 25,290 | 36,746 | 11,456 | 45.3 | 41.2 | |
| 中華圏地域 | 売上高 | 100,497 | 120,514 | 20,016 | 19.9 | 20.4 |
| セグメント利益 | 19,335 | 25,099 | 5,764 | 29.8 | 30.3 | |
| オセアニア地域 | 売上高 | 42,986 | 49,649 | 6,662 | 15.5 | 19.2 |
| セグメント利益 | 7,634 | 7,927 | 292 | 3.8 | 7.2 | |
| 東南・南アジア地域 | 売上高 | 37,321 | 49,780 | 12,459 | 33.4 | 33.0 |
| セグメント利益 | 7,414 | 10,946 | 3,532 | 47.6 | 47.3 | |
| その他地域 | 売上高 | 44,840 | 52,078 | 7,237 | 16.1 | 21.4 |
| セグメント利益 | 6,541 | 8,107 | 1,566 | 23.9 | 29.5 |
(2) キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは109,912百万円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは29,414百万円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは105,875百万円の支出となりました。
以上の結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前期末に比べて14,751百万円減少し、112,221百万円となりました。
(生産、受注及び販売の状況)
アシックスグループは、生産実績の割合が僅少であるため記載を省略しております。また、受注状況につきましても、受注生産を行っている割合が僅少であるため記載を省略しております。なお、報告セグメント別の売上高につきましては、「第2 「事業の状況」 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)(1)当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」をご参照ください。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
経営者の視点によるアシックスグループの経営成績等に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、記載内容のうち将来に関する事項につきましては、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
(1) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
① 財政状態
当連結会計年度末の財政状態につきましては、総資産586,480百万円(前連結会計年度末比13.0%増)、負債合計313,125百万円(前連結会計年度末比10.2%増)、純資産合計273,355百万円(前連結会計年度末比16.4%増)となりました。
総資産は、翌シーズンに向けた在庫の積み増しにより棚卸資産が増加したことで増加しており、これに伴う運転資本の拡大により負債も増加しております。一方で、親会社株主に帰属する当期純利益の順調な積み上げが自己株式取得の影響を上回ったことから、純資産は増加しました。
また、自己資本比率につきましては、総額500億円の自己株式取得を実行したものの、利益の着実な積み上げにより46.3%と、前連結会計年度末比1.4ppt上昇しました。
a. 流動資産
商品及び製品の増加などにより、409,933百万円(前連結会計年度末比11.0%増)となりました。
b. 固定資産
機械装置及び運搬具や使用権資産の増加などにより、176,546百万円(前連結会計年度末比17.8%増)となりました。
c. 流動負債
支払手形及び買掛金や未払法人税等の増加などにより、243,726百万円(前連結会計年度末比25.2%増)となりました。
d. 固定負債
償還予定が1年以内となった社債の固定負債から流動負債への振り替えによる減少などにより、69,399百万円(前連結会計年度末比22.3%減)となりました。
e. 純資産
自己株式の取得による減少はあるものの、利益剰余金の増加などにより、273,355百万円(前連結会計年度末比16.4%増)となりました。
② 経営成績
当連結会計年度における売上高は全カテゴリー、全地域で売上が成長したことにより810,916百万円と前期比19.5%の増収となり、初めて8,000億円を超えました。収益性についても、粗利益率の改善を背景に、営業利益は142,519百万円(前期比42.4%増)、経常利益は139,295百万円(前期比50.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は98,719百万円(前期比54.7%増)、いずれも大幅な増益となりました。この結果、売上高をはじめ各段階利益はいずれも過去最高を記録しました。
a. 売上高
全てのカテゴリー、地域で好調に推移し、810,916百万円と前期比19.5%の増収となりました。
b. 売上総利益
上記増収の影響や粗利益率の改善により、460,632百万円と前期比21.6%の増益となりました。
c. 営業利益
高付加製品への注力による粗利益率改善を背景に過去最高を更新し、142,519百万円と前期比42.4%の大幅増益となりました。
d. 経常利益
上記増収増益の影響などにより、139,295百万円と前期比50.4%の大幅増益となりました。
e. 親会社株主に帰属する当期純利益
上記増収増益の影響などにより、98,719百万円と前期比54.7%の大幅増益となりました。
カテゴリー別の経営成績は、次のとおりであります。
| (単位:百万円) |
| カテゴリー名称 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減額 (△は減) | 増減率 (%) | 為替影響除く 増減率(%) | |
| パフォーマンス ランニング | 売上高 | 326,936 | 363,542 | 36,605 | 11.2 | 11.2 |
| カテゴリー 利益 | 70,726 | 86,035 | 15,308 | 21.6 | 21.7 | |
| コアパフォーマンス スポーツ | 売上高 | 78,620 | 86,017 | 7,396 | 9.4 | 9.3 |
| カテゴリー 利益 | 14,104 | 16,771 | 2,667 | 18.9 | 19.0 | |
| アパレル・ エクィップメント | 売上高 | 38,065 | 42,072 | 4,007 | 10.5 | 10.1 |
| カテゴリー 利益 | 4,340 | 5,940 | 1,599 | 36.9 | 36.7 | |
| スポーツスタイル | 売上高 | 98,425 | 141,324 | 42,898 | 43.6 | 42.8 |
| カテゴリー 利益 | 26,876 | 41,338 | 14,462 | 53.8 | 52.8 | |
| オニツカタイガー | 売上高 | 95,439 | 136,519 | 41,079 | 43.0 | 43.2 |
| カテゴリー 利益 | 32,435 | 51,489 | 19,053 | 58.7 | 58.9 |
a. パフォーマンスランニング
売上高は、主に欧州地域と東南・南アジアで好調に推移し、363,542百万円と前期比11.2%の増収となりました。カテゴリー利益につきましては、上記増収の影響などにより、86,035百万円と前期比21.6%の増益となりました。
主要マラソン大会でのシェア拡大に加え、中高価格帯やトレイルランニング市場、新興国市場での成長を加速させてまいります。
ASICS DESIGN PHILOSOPHYに基づく妥協なきモノづくりと継続的な製品イノベーションを通じて、パフォーマンスランニングフットウェアカテゴリーにおけるNo.1プレミアムブランドの実現に向けた攻勢を継続してまいります。
b. コアパフォーマンススポーツ
売上高は、全ての地域で好調に推移し、86,017百万円と前期比9.4%の増収となりました。カテゴリー利益につきましては、上記増収の影響や粗利益率の改善などにより、16,771百万円と前期比18.9%の増益となりました。
収益の柱となるテニス事業については、トップアスリートとの共創による製品開発や主要国際大会での着用を起点としたマーケティングコミュニケーション、各種メディア露出、主要パートナーとの協業を通じてブランド価値向上を推進し、更なる売上の向上を図ります。
また、テニスに続く注力サブカテゴリーとして、インドア、ワーキングのグローバル展開を強化することで、事業の成長を加速させてまいります。
c. アパレル・エクィップメント
売上高は、主に欧州地域が好調に推移したことから、42,072百万円と前期比10.5%の増収となりました。カテゴリー利益につきましては、上記増収の影響や粗利益率の改善などにより、5,940百万円と前期比36.9%の増益となりました。
これまで推進してきた選択と集中により事業基盤が強化されたことを受け、今後は次なる成長ステージに向けて、主力商品であるランニングアパレルに加え、運動時以外のシーンに寄り添った新しいコレクション 'PERFORMANCE LIFE'の商品展開を開始し、持続的な収益成長の実現を目指してまいります。
d. スポーツスタイル
売上高は、全ての地域で好調に推移し、141,324百万円と前期比43.6%の増収となりました。カテゴリー利益につきましては、上記増収の影響により、41,338百万円と前期比53.8%の増益となりました。
スポーツスタイルの提供価値や独自性をより良く訴求するためのグローバルでのマーケティング活動により、ブランド認知強化及び価値向上に努めます。また、ファッション感度の高いお客様に強い販売アカウントとの連携などを通じて高付加価値製品への販売訴求を実施することで、売上成長と収益性の向上を図ってまいります。
e. オニツカタイガー
売上高は、全ての地域で好調に推移し、136,519百万円と前期比43.0%の増収となりました。カテゴリー利益につきましては、上記増収の影響や粗利益率の改善などにより、51,489百万円と前期比58.7%の増益となりました。
ラグジュアリーライフスタイルブランドとしての地位確立に向け、統一ブランドガバナンスによる一貫性確保、フラッグシップ店舗の拡張を実施します。ブランド初の専用生産拠点であるオニツカイノベーティブファクトリー、ミラノデザインセンター、スポーツ工学研究所によるイノベーションを連動させ、製品力と創造性を向上させます。これにより新たな価値を創造することを目指し、グローバルでの持続的成長に向けた基盤構築を推進してまいります。
報告セグメント別の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
a. 日本地域
売上高は、パフォーマンスランニングやオニツカタイガーが好調だったことにより、204,236百万円と前期比22.7%の増収となりました。
セグメント利益につきましては、上記増収の影響や粗利益率の改善などにより、44,734百万円と前期比61.7%の増益となりました。
パフォーマンスランニングやテニス、ワーキングシューズ市場などの注力した製品カテゴリーでマーケットシェアNo.1に向けた取り組みと、マラソン大会におけるランニングエコシステムを通じた顧客体験価値向上を図り、ブランド力向上を目指します。また、DTC比率の更なる拡大や、デジタルを活用した業務改革および効率化により収益性を高めることで、健全な利益を持続的に創出できるよう取り組んでまいります。
b. 北米地域
売上高は、ECにおける販売商品の戦略的な絞り込みを行いながらも、主にスポーツスタイルが好調だったことにより、141,192百万円と前期比4.6%の増収となりました。
セグメント利益につきましては、上記増収の影響などにより、16,018百万円と前期比42.1%の増益となりました。
アシックスの強みであるパフォーマンスランニングやテニスでのビジネス拡充に注力し、マラソン大会、ランニング専門店におけるシェア拡大を目指します。また、ブランド価値向上のため戦略的に直営店舗の適正化を進め、更なる成長を目指します。
c. 欧州地域
売上高は、全てのカテゴリーが好調だったことにより、225,805百万円と前期比25.9%の増収となりました。
セグメント利益につきましては、上記増収の影響などにより、36,746百万円と前期比45.3%の増益となりました。
マラソン大会におけるランニングエコシステムを通じた顧客体験価値向上、OneASICSメンバーシッププログラム強化施策により、ブランドエンゲージメントの向上を図ってまいります。また、欧州地域で高い人気があるスポーツスタイルの成長戦略を実行することで、更なる収益性向上を目指します。
d. 中華圏地域
売上高は、全てのカテゴリーが好調だったことにより、120,514百万円と前期比19.9%の増収となりました。
セグメント利益につきましては、上記増収の影響や粗利益率の改善などにより、25,099百万円と前期比29.8%の増益となりました。
今後はパフォーマンスランニングを軸に、マラソン大会を活用したブランド価値向上、国内販売網の拡大を見据えた取引先との連携強化により更なる成長を目指します。
また継続して現地ニーズに適合した製品の企画・開発に取り組むとともに、最適化されたサプライチェーン管理の実現を目指して取り組んでまいります。
e. オセアニア地域
売上高は、全てのカテゴリーが好調だったことにより、49,649百万円と前期比15.5%の増収となりました。
セグメント利益につきましては、上記増収の影響などにより、7,927百万円と前期比3.8%の増益となりました。
オセアニア地域におけるパフォーマンスランニング市場No.1の地位を圧倒的なものとするため、ランニングエコシステムでの接点の拡大、先進的な取り組みの実行によって顧客体験価値の向上を図ります。また、スポーツスタイルビジネスを拡大させることで、更なる成長を目指します。
f. 東南・南アジア地域
売上高は、全てのカテゴリーが好調だったことにより、49,780百万円と前期比33.4%の増収となりました。
セグメント利益につきましては、上記増収の影響などにより、10,946百万円と前期比47.6%の増益となりました。
今後は「Year of ASIA」として特に東南アジアで成長を加速させてまいります。シンガポール、タイ、マレーシア、インドネシア、インドでパフォーマンスランニングのシェアNo.1を獲得するため、マラソン大会におけるランニングエコシステムを通じた顧客体験価値向上を図り、直営店の拡大を推進し、更なる収益性向上を目指します。また、更なる成長加速のため各国のスポーツトレンド(パデル、ピックルボールなど)をとらえた販売戦略の展開を進めてまいります。インドにおいては現地生産の推進やDTC比率を上昇させることで、成長を加速させます。
g. その他地域
売上高は、全てのカテゴリーが好調に推移したことにより、52,078百万円と前期比16.1%の増収となりました。
セグメント利益につきましては、上記増収の影響や粗利益率の改善などにより、8,107百万円と前期比23.9%の増益となりました。
南米ではブラジルでの継続的な成長に加え、他の南米諸国の成長を加速させ、事業規模を拡大してまいります。また、ECチャネルの拡大や現地生産を活用し、現地ニーズへの迅速な対応を実施することで売上成長と営業利益率の向上を目指します。
(2) キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローにおきましては、当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、112,221百万円と前期比14,751百万円減少しました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は109,912百万円となり、前期比5,298百万円の収入増加となりました。
収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益138,749百万円、減価償却費25,266百万円、支出の主な内訳は、棚卸資産の増加額32,901百万円、売上債権の増加額10,117百万円、法人税等の支払額28,055百万円です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は29,414百万円となり、前期比21,856百万円の支出増加となりました。
収入の主な内訳は、有形固定資産の売却による収入3,612百万円、支出の主な内訳は、有形固定資産の取得による支出16,191百万円、無形固定資産の取得による支出14,107百万円です。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は105,875百万円となり、前期比21,553百万円の支出増加となりました。
収入の主な内訳は、短期借入金の純増額2,500百万円であり、支出の主な内訳は、自己株式の取得による支出50,003百万円、社債の償還による支出25,000百万円、配当金の支払額15,734百万円、リース債務の返済による支出14,980百万円です。
キャッシュ・フロー指標のトレンド
| 2021年12月期 | 2022年12月期 | 2023年12月期 | 2024年12月期 | 2025年12月期 | |
| 自己資本比率(%) | 42.2 | 40.1 | 44.1 | 44.9 | 46.3 |
| 時価ベースの自己資本比率(%) | 135.0 | 125.6 | 174.4 | 428.9 | 453.7 |
| キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) | 2.2 | △6.5 | 1.5 | 1.1 | 0.9 |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) | 28.7 | △8.6 | 18.9 | 19.0 | 21.4 |
(注) 自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
1.各指標はいずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
3.営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いにつきましては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
(3)資本の財源及び資金の流動性についての分析
アシックスグループの資金運営は、営業キャッシュ・フローで獲得した資金を主な財源としております。また、アシックスグループは、事業活動を行うための資金の調達に際し、低コストで安定的な資金の確保を重視しております。当連結会計年度末の有利子負債は98,529百万円であります。
資金効率の向上と金融費用の削減、並びに財務面のグループガバナンス強化を目的として、グローバル・キャッシュ・マネジメント・システム(GCMS)を2016年3月より金融機関と構築しており、GCMS参加グループ会社を一体とみなして資金の預入及び借入を行っております。これに伴い、従来アシックスから行っておりました一部子会社への貸付けを解消いたしました。当該GCMSにおいて、預入金及び借入金の相殺表示を行うためのすべての要件を満たしているため、相殺表示を行っております。なお、当連結会計年度末の相殺金額は44,777百万円であります。
(4)経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況
当連結会計年度の通期見通しが2023年11月に設定した2026年の目標を超過するなど、業界No.1の収益性実現に向け成長が加速していることから、財務目標を中心に「中期経営計画2026」の上方修正を2024年11月に実施いたしました。見直し後の2026年12月期の数値目標は、「連結営業利益1,300億円以上」「連結営業利益率17.0%以上」「ROA15%前後」を設定しております。アシックスグループは見直し後の計画に基づき、「グローバル×デジタル」の推進、更なるブランド力、イノベーション強化を図り、持続的な成長を目指します。
当連結会計年度は、パフォーマンスランニングにおいて、反発性と推進感を特徴とするBOUNCEモデルが売上を牽引したことに加え、スポーツスタイル及びオニツカタイガーが全地域で増収となった結果、全てのカテゴリーで増収となりました。また、仕入為替の悪化があるものの、高付加価値製品への注力等が奏功した結果、粗利益率が改善し、売上高、各段階利益は過去最高額を記録しました。その結果、営業利益は142,519百万円(前期比42.4%増)、営業利益率は17.6%(前期比2.8ppt改善)、ROAは17.9%(前期比4.9ppt改善)となりました。業界No.1の収益性実現に向けて成長を加速させ、営業利益額の更なる成長を図ります。
「中期経営計画2026」ではグローバルでの収益を伴った売上成長を実現するために、収益基盤であるパフォーマンスランニングの更なる成長に加え、次なる収益の柱として、他カテゴリーの成長を加速させます。当連結会計年度はスポーツスタイルやオニツカタイガーが躍進し、収益拡大に貢献しました。また、地域成長戦略としては、欧州地域や中華圏地域などの既存の収益基盤である地域の持続的な成長と東南・南アジア地域の高成長地域の売上成長の加速と営業利益率向上の双方を目指します。
(5)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
アシックスグループの連結財務諸表は、日本において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。