有価証券報告書-第72期(2024/04/01-2025/03/31)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、改善が進む雇用・所得環境の下、円安によるインバウンド需要の増加や個人消費の持ち直しもあり、景気は緩やかな回復基調で推移しました。一方で、原材料及びエネルギー資源の高騰や、海外景気の下振れ、金融資本市場の変動等も重なり、先行き不透明な状況が継続しております。
住宅設備機器業界におきましては、新設住宅着工における持家の伸び悩みが続く中、資材価格や物流コスト、人件費等が高騰し、厳しい状況となりました。
このような中、当社グループは、今年度新たにスタートした中期経営計画「2024中期経営計画(2024-2026年度)」に則り、「ファン化促進」「専業力強化」を進め、企業価値の向上に努めてまいりました。
商品面では、高級価格帯システムキッチン「CENTRO(セントロ)」や中高級価格帯システムキッチン「STEDIA(ステディア)」を中心に、付加価値の高い商品を市場に提供してまいりました。さらに、2024年9月には普及価格帯システムキッチン「rakuera(ラクエラ)」をモデルチェンジし、商品バリエーションの拡大を図りました。また、システムバスルームにおいては、2024年2月に新発売した「SELEVIA(セレヴィア)」及び「rakuvia(ラクヴィア)」の定着・拡販に注力し、サニタリー商品のシェア向上に努めました。
販売面では、大切な顧客接点であるショールームでの価値提供強化を図るため、2024年7月に熊本ショールーム、2024年11月につくばショールームとさいたまショールーム、2025年2月に港北ショールーム、2025年3月に広島ショールームと、計5ヶ所を移転または改装にてオープンしました。また、「オンライン相談」や「オンラインショールーム」などのWebコンテンツの提供にも継続的に取り組んでまいりました。
生産面では、東西の生産拠点での生産性向上、VE活動を推進し、原価低減に努めてまいりました。
当連結会計年度の売上高を部門別にみますと、厨房部門は前期比0.1%増の105,293百万円、浴槽・洗面部門は同0.1%増の14,833百万円となりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は、前期比1.6%増の129,987百万円となりました。利益面では、引き続き、原材料やエネルギーの価格高騰等の影響がありましたが、販売価格改定効果がようやく顕在化してきたこともあり、売上総利益率が上昇するとともに、販管費率の低下もあり、営業利益は同61.5%増の2,070百万円、経常利益は同44.8%増の2,621百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同17.1%増の1,719百万円となりました。
(単位:百万円)
(資産の部)
当連結会計年度末の資産合計は90,485百万円となり、前連結会計年度末に比べ706百万円減少いたしました。流動資産は55,467百万円となり、301百万円減少いたしました。これは電子記録債権が581百万円、有価証券が522百万円、商品及び製品が336百万円減少した一方、現金及び預金が687百万円増加したこと等によります。固定資産は35,018百万円となり、405百万円減少いたしました。これは無形固定資産が139百万円増加した一方、有形固定資産が392百万円、投資その他の資産が152百万円減少したことによります。
(負債の部)
当連結会計年度末の負債合計は33,388百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,134百万円減少いたしました。流動負債は27,812百万円となり、300百万円減少いたしました。これは電子記録債務が2,485百万円、未払金が342百万円減少した一方、短期借入金が1,500百万円、1年内返済予定の長期借入金が669百万円、未払消費税等が443百万円増加したこと等によります。固定負債は5,575百万円となり、833百万円減少いたしました。これは長期借入金が500百万円減少したこと等によります。
(純資産の部)
当連結会計年度末の純資産合計は57,097百万円となり、前連結会計年度末に比べ427百万円増加いたしました。これは親会社株主に帰属する当期純利益が1,719百万円、配当金の支払が1,118百万円あったこと等によります。この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の62.1%から63.1%になりました。
(単位:百万円)
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ187百万円(1.0%)増加して18,767百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、営業活動の結果得られた資金は4,348百万円(前期比78.7%増)となりました。これは税金等調整前当期純利益が2,490百万円、減価償却費が5,401百万円、売上債権の減少が432百万円あった一方、仕入債務の減少が2,582百万円、法人税等の支払が697百万円あったこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、投資活動の結果使用した資金は4,497百万円(前期比16.1%減)となりました。これは生産設備への投資・改修、ショールーム移転・改装等により有形固定資産の取得による支出が3,289百万円、情報システム構築に伴う無形固定資産の取得による支出が1,186百万円あったこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、財務活動の結果得られた資金は251百万円(前期は572百万円の使用)となりました。これは、長期借入金の返済による支出が2,831百万円、配当金の支払が1,118百万円あった一方、長期借入れによる収入が3,000百万円あったこと等によるものです。
(単位:百万円)
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度の生産実績を事業部門別に示すと次のとおりであります。
(注)金額は平均販売価格によっております。
b. 商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績を事業部門別に示すと次のとおりであります。
(注)金額は仕入価格によっております。
c. 受注実績
当社グループの受注生産品の売上高は、僅少でありますので記載を省略しております。
d. 販売実績
当連結会計年度の販売実績を事業部門別に示すと次のとおりであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 財政状態及び経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、改善が進む雇用・所得環境の下、円安によるインバウンド需要の増加や個人消費の持ち直しもあり、景気は緩やかな回復基調で推移しました。一方で、原材料及びエネルギー資源の高騰や、海外景気の下振れ、金融資本市場の変動等も重なり、先行き不透明な状況が継続しております。
住宅設備機器業界におきましては、新設住宅着工における持家の伸び悩みが続く中、資材価格や物流コスト、人件費等が高騰し、厳しい状況となりました。
このような中、当社グループの売上高は、前連結会計年度に比べ1.6%増の129,987百万円となりました。主力の厨房部門では、高級価格帯のシステムキッチン「CENTRO(セントロ)」が前期比において数量、金額とも増、中高級価格帯の「STEDIA(ステディア)」は数量、金額とも減、2024年9月にモデルチェンジした普及価格帯の「rakuera(ラクエラ)」は数量、金額とも減となりました。この結果、厨房部門の売上高は前連結会計年度比0.1%増の105,293百万円となりました。浴槽・洗面部門では、2024年2月に新発売したシステムバスルーム中高級価格帯の「SELEVIA(セレヴィア)」は数量、金額とも減、普及価格帯の「rakuvia(ラクヴィア)」は数量減、金額増、洗面化粧台においては数量減、金額増となりました。この結果、浴槽・洗面部門の売上高は前連結会計年度比0.1%増の14,833百万円となりました。
売上原価は、売上原価率が前連結会計年度に比べ0.4ポイント低下し68.4%、88,864百万円となりました。売上原価率低下の主な要因は、原材料やエネルギーの価格高騰等の影響がありましたが、増収効果や原価低減によるものであります。
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ399百万円増加し、39,052百万円となりました。これは主に人件費、減価償却費等の増加によるものであります。売上高に対する販売費及び一般管理費の比率は0.2ポイント低下いたしました。
この結果、営業利益は2,070百万円となり、前連結会計年度に比べ788百万円の増益となりました。営業利益率は1.6%となり、前連結会計年度に比べ0.6ポイント改善いたしました。
営業外損益については、純額で550百万円の収益で前連結会計年度に比べ22百万円増加いたしました。
この結果、経常利益は2,621百万円となり、前連結会計年度に比べ811百万円の増益となりました。
特別損益については、特別利益は、投資有価証券売却益等の減少により前連結会計年度に比べ472百万円減少の61百万円となりました。特別損失は、固定資産圧縮損の増加等により191百万円となり、前連結会計年度に比べ10百万円の増加となりました。
この結果、税金等調整前当期純利益は2,490百万円となり、前連結会計年度に比べ327百万円の増益となりました。
法人税等については、前連結会計年度に比べ76百万円増加し、771百万円の計上となりました。
以上により、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ250百万円増益の1,719百万円となりました。
b. 経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの連結売上高に占める厨房部門の売上高割合は、当連結会計年度81.0%、前連結会計年度82.2%となっております。当連結会計年度の新設住宅着工戸数は81万6千戸でありましたが、今後の新築需要、リフォーム需要動向が悪化した場合、原材料費や物流コストの著しい高騰、競合他社との競争が一層激化した場合、消費者ニーズに合致した新商品を適時に導入できなかった場合、また、自然災害等により当社グループの生産設備に甚大な影響を及ぼした場合において、厨房部門のシステムキッチンの販売動向に影響し、当社グループの経営成績に影響を与えることが考えられます。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの資金状況は、営業活動によって得られた資金は、前連結会計年度に比べ1,915百万円増加し、4,348百万円となりました。
投資活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ861百万円減少し、4,497百万円となりました。
財務活動の結果得られた資金は、251百万円(前期は572百万円の使用)となりました。
なお、詳細につきましては、第2[事業の状況]4[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況に記載しておりますので、ご参照ください。
以上の結果、当連結会計年度末の資金は、前連結会計年度末に比べ187百万円増加し、18,767百万円となりました。
当社グループは、現在、運転資金及び設備投資資金について、内部留保資金又は借入により調達することとしております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって連結決算日における資産・負債の報告数値及び連結会計年度における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる要因に基づき判断し、行っております。実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表の作成において、以下の重要な会計方針が、当社グループの重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
a. 収益の認識
当社グループの商品又は製品の販売に係る収益は、主に卸売又は製造等による販売であり、顧客との販売契約に基づいて商品又は製品を引き渡す一時点において、顧客が当該商品又は製品に対する支配を獲得して充足されると判断し、引き渡し時点で収益を認識しております。
また、請負契約による当社グループの商品又は製品の納入等に係る収益については、履行義務を充足するにつれて、一定の期間にわたり収益を認識しており、履行義務の充足に係る進捗度の見積りの方法は、主として発生原価に基づくインプット法によっております。なお、請負契約における取引開始日から完全に履行義務を充足すると見込まれる時点までの期間がごく短い契約については代替的な取扱いを適用し、一定の期間にわたり収益を認識せず、完全に履行義務を充足した時点で収益を認識する方法によっております。
b. 貸倒引当金
当社グループは、顧客の支払い不能時に発生する貸倒損失に備えるため、貸倒引当金を計上しております。顧客の財政状態が悪化し、その支払い能力が低下した場合、追加引当が必要となる場合があります。
c. 投資の減損
当社グループは、長期的に円滑かつ密接な関係を維持するために特定の顧客及び金融機関に対する少数持分を所有しております。これらの株式には市場価格のある公開会社の株式と、市場価格のない非公開会社株式が含まれます。当社グループは、著しい投資価値の下落について、回復可能性がないと判断した場合、投資の減損損失を計上しております。
d. 税効果会計
当社グループは、繰延税金資産の計上にあたっては、将来回収可能性に基づき計上しております。将来の課税所得及び実現可能性の高い税務計画を検討し、回収可能性がないと考えられるものについては、評価性引当額を計上しております。繰延税金資産の全部又は一部を将来実現できないと判断した場合、当該判断を行った期間に繰延税金資産の調整額を費用として計上します。同様に、計上金額の純額を上回る繰延税金資産を今後実現できると判断した場合、繰延税金資産への調整により当該判断を行った期間に利益を増加させることになります。
e. 退職給付会計
従業員退職給付費用及び退職給付債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には、割引率、将来の報酬水準、退職率、死亡率及び年金資産の長期期待運用収益率などが含まれます。当社グループの確定給付企業年金制度において退職給付債務の割引率は、退職給付の支払見込期間及び支払見込期間ごとの金額を反映した単一の加重平均割引率を使用して算出しております。長期期待運用収益率は、運用収益の実績等に基づき、見直しの必要性を検討しております。実際の結果が前提条件と異なる場合、又は、前提条件が変更された場合、その影響は数理計算上の差異として認識され、将来(認識後10年)にわたって償却されるため、将来期間において認識される費用に影響を及ぼします。
f. 固定資産の減損
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損損失の金額に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、改善が進む雇用・所得環境の下、円安によるインバウンド需要の増加や個人消費の持ち直しもあり、景気は緩やかな回復基調で推移しました。一方で、原材料及びエネルギー資源の高騰や、海外景気の下振れ、金融資本市場の変動等も重なり、先行き不透明な状況が継続しております。
住宅設備機器業界におきましては、新設住宅着工における持家の伸び悩みが続く中、資材価格や物流コスト、人件費等が高騰し、厳しい状況となりました。
このような中、当社グループは、今年度新たにスタートした中期経営計画「2024中期経営計画(2024-2026年度)」に則り、「ファン化促進」「専業力強化」を進め、企業価値の向上に努めてまいりました。
商品面では、高級価格帯システムキッチン「CENTRO(セントロ)」や中高級価格帯システムキッチン「STEDIA(ステディア)」を中心に、付加価値の高い商品を市場に提供してまいりました。さらに、2024年9月には普及価格帯システムキッチン「rakuera(ラクエラ)」をモデルチェンジし、商品バリエーションの拡大を図りました。また、システムバスルームにおいては、2024年2月に新発売した「SELEVIA(セレヴィア)」及び「rakuvia(ラクヴィア)」の定着・拡販に注力し、サニタリー商品のシェア向上に努めました。
販売面では、大切な顧客接点であるショールームでの価値提供強化を図るため、2024年7月に熊本ショールーム、2024年11月につくばショールームとさいたまショールーム、2025年2月に港北ショールーム、2025年3月に広島ショールームと、計5ヶ所を移転または改装にてオープンしました。また、「オンライン相談」や「オンラインショールーム」などのWebコンテンツの提供にも継続的に取り組んでまいりました。
生産面では、東西の生産拠点での生産性向上、VE活動を推進し、原価低減に努めてまいりました。
当連結会計年度の売上高を部門別にみますと、厨房部門は前期比0.1%増の105,293百万円、浴槽・洗面部門は同0.1%増の14,833百万円となりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は、前期比1.6%増の129,987百万円となりました。利益面では、引き続き、原材料やエネルギーの価格高騰等の影響がありましたが、販売価格改定効果がようやく顕在化してきたこともあり、売上総利益率が上昇するとともに、販管費率の低下もあり、営業利益は同61.5%増の2,070百万円、経常利益は同44.8%増の2,621百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同17.1%増の1,719百万円となりました。
(単位:百万円)
前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 増減額 | 前期比(%) | |
売上高 | 127,982 | 129,987 | +2,005 | +1.6 |
営業利益 | 1,282 | 2,070 | +788 | +61.5 |
経常利益 | 1,809 | 2,621 | +811 | +44.8 |
親会社株主に帰属する 当期純利益 | 1,468 | 1,719 | +250 | +17.1 |
(資産の部)
当連結会計年度末の資産合計は90,485百万円となり、前連結会計年度末に比べ706百万円減少いたしました。流動資産は55,467百万円となり、301百万円減少いたしました。これは電子記録債権が581百万円、有価証券が522百万円、商品及び製品が336百万円減少した一方、現金及び預金が687百万円増加したこと等によります。固定資産は35,018百万円となり、405百万円減少いたしました。これは無形固定資産が139百万円増加した一方、有形固定資産が392百万円、投資その他の資産が152百万円減少したことによります。
(負債の部)
当連結会計年度末の負債合計は33,388百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,134百万円減少いたしました。流動負債は27,812百万円となり、300百万円減少いたしました。これは電子記録債務が2,485百万円、未払金が342百万円減少した一方、短期借入金が1,500百万円、1年内返済予定の長期借入金が669百万円、未払消費税等が443百万円増加したこと等によります。固定負債は5,575百万円となり、833百万円減少いたしました。これは長期借入金が500百万円減少したこと等によります。
(純資産の部)
当連結会計年度末の純資産合計は57,097百万円となり、前連結会計年度末に比べ427百万円増加いたしました。これは親会社株主に帰属する当期純利益が1,719百万円、配当金の支払が1,118百万円あったこと等によります。この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の62.1%から63.1%になりました。
(単位:百万円)
前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 増減額 | |
流動資産 | 55,769 | 55,467 | △301 |
固定資産 | 35,423 | 35,018 | △405 |
資産合計 | 91,192 | 90,485 | △706 |
流動負債 | 28,113 | 27,812 | △300 |
固定負債 | 6,409 | 5,575 | △833 |
負債合計 | 34,523 | 33,388 | △1,134 |
純資産合計 | 56,669 | 57,097 | +427 |
自己資本比率(%) | 62.1 | 63.1 | +1.0 |
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ187百万円(1.0%)増加して18,767百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、営業活動の結果得られた資金は4,348百万円(前期比78.7%増)となりました。これは税金等調整前当期純利益が2,490百万円、減価償却費が5,401百万円、売上債権の減少が432百万円あった一方、仕入債務の減少が2,582百万円、法人税等の支払が697百万円あったこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、投資活動の結果使用した資金は4,497百万円(前期比16.1%減)となりました。これは生産設備への投資・改修、ショールーム移転・改装等により有形固定資産の取得による支出が3,289百万円、情報システム構築に伴う無形固定資産の取得による支出が1,186百万円あったこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、財務活動の結果得られた資金は251百万円(前期は572百万円の使用)となりました。これは、長期借入金の返済による支出が2,831百万円、配当金の支払が1,118百万円あった一方、長期借入れによる収入が3,000百万円あったこと等によるものです。
(単位:百万円)
前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 増減額 | |
営業活動による キャッシュ・フロー | 2,433 | 4,348 | +1,915 |
投資活動による キャッシュ・フロー | △5,358 | △4,497 | +861 |
財務活動による キャッシュ・フロー | △572 | 251 | +824 |
現金及び現金同等物期末残高 | 18,580 | 18,767 | +187 |
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度の生産実績を事業部門別に示すと次のとおりであります。
事業部門の名称 | 当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 前期比(%) |
厨房部門(百万円) | 54,127 | +0.0 |
浴槽・洗面部門(百万円) | 11,778 | △1.5 |
その他(百万円) | 3,054 | +17.9 |
合計(百万円) | 68,960 | +0.4 |
(注)金額は平均販売価格によっております。
b. 商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績を事業部門別に示すと次のとおりであります。
事業部門の名称 | 当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 前期比(%) |
厨房部門(百万円) | 32,846 | △2.8 |
浴槽・洗面部門(百万円) | 2,330 | +3.1 |
その他(百万円) | 711 | △2.4 |
合計(百万円) | 35,888 | △2.5 |
(注)金額は仕入価格によっております。
c. 受注実績
当社グループの受注生産品の売上高は、僅少でありますので記載を省略しております。
d. 販売実績
当連結会計年度の販売実績を事業部門別に示すと次のとおりであります。
事業部門の名称 | 当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 前期比(%) |
厨房部門(百万円) | 105,293 | +0.1 |
浴槽・洗面部門(百万円) | 14,833 | +0.1 |
その他(百万円) | 9,861 | +23.1 |
合計(百万円) | 129,987 | +1.6 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 財政状態及び経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、改善が進む雇用・所得環境の下、円安によるインバウンド需要の増加や個人消費の持ち直しもあり、景気は緩やかな回復基調で推移しました。一方で、原材料及びエネルギー資源の高騰や、海外景気の下振れ、金融資本市場の変動等も重なり、先行き不透明な状況が継続しております。
住宅設備機器業界におきましては、新設住宅着工における持家の伸び悩みが続く中、資材価格や物流コスト、人件費等が高騰し、厳しい状況となりました。
このような中、当社グループの売上高は、前連結会計年度に比べ1.6%増の129,987百万円となりました。主力の厨房部門では、高級価格帯のシステムキッチン「CENTRO(セントロ)」が前期比において数量、金額とも増、中高級価格帯の「STEDIA(ステディア)」は数量、金額とも減、2024年9月にモデルチェンジした普及価格帯の「rakuera(ラクエラ)」は数量、金額とも減となりました。この結果、厨房部門の売上高は前連結会計年度比0.1%増の105,293百万円となりました。浴槽・洗面部門では、2024年2月に新発売したシステムバスルーム中高級価格帯の「SELEVIA(セレヴィア)」は数量、金額とも減、普及価格帯の「rakuvia(ラクヴィア)」は数量減、金額増、洗面化粧台においては数量減、金額増となりました。この結果、浴槽・洗面部門の売上高は前連結会計年度比0.1%増の14,833百万円となりました。
売上原価は、売上原価率が前連結会計年度に比べ0.4ポイント低下し68.4%、88,864百万円となりました。売上原価率低下の主な要因は、原材料やエネルギーの価格高騰等の影響がありましたが、増収効果や原価低減によるものであります。
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ399百万円増加し、39,052百万円となりました。これは主に人件費、減価償却費等の増加によるものであります。売上高に対する販売費及び一般管理費の比率は0.2ポイント低下いたしました。
この結果、営業利益は2,070百万円となり、前連結会計年度に比べ788百万円の増益となりました。営業利益率は1.6%となり、前連結会計年度に比べ0.6ポイント改善いたしました。
営業外損益については、純額で550百万円の収益で前連結会計年度に比べ22百万円増加いたしました。
この結果、経常利益は2,621百万円となり、前連結会計年度に比べ811百万円の増益となりました。
特別損益については、特別利益は、投資有価証券売却益等の減少により前連結会計年度に比べ472百万円減少の61百万円となりました。特別損失は、固定資産圧縮損の増加等により191百万円となり、前連結会計年度に比べ10百万円の増加となりました。
この結果、税金等調整前当期純利益は2,490百万円となり、前連結会計年度に比べ327百万円の増益となりました。
法人税等については、前連結会計年度に比べ76百万円増加し、771百万円の計上となりました。
以上により、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ250百万円増益の1,719百万円となりました。
b. 経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの連結売上高に占める厨房部門の売上高割合は、当連結会計年度81.0%、前連結会計年度82.2%となっております。当連結会計年度の新設住宅着工戸数は81万6千戸でありましたが、今後の新築需要、リフォーム需要動向が悪化した場合、原材料費や物流コストの著しい高騰、競合他社との競争が一層激化した場合、消費者ニーズに合致した新商品を適時に導入できなかった場合、また、自然災害等により当社グループの生産設備に甚大な影響を及ぼした場合において、厨房部門のシステムキッチンの販売動向に影響し、当社グループの経営成績に影響を与えることが考えられます。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの資金状況は、営業活動によって得られた資金は、前連結会計年度に比べ1,915百万円増加し、4,348百万円となりました。
投資活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ861百万円減少し、4,497百万円となりました。
財務活動の結果得られた資金は、251百万円(前期は572百万円の使用)となりました。
なお、詳細につきましては、第2[事業の状況]4[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況に記載しておりますので、ご参照ください。
以上の結果、当連結会計年度末の資金は、前連結会計年度末に比べ187百万円増加し、18,767百万円となりました。
当社グループは、現在、運転資金及び設備投資資金について、内部留保資金又は借入により調達することとしております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって連結決算日における資産・負債の報告数値及び連結会計年度における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる要因に基づき判断し、行っております。実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表の作成において、以下の重要な会計方針が、当社グループの重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
a. 収益の認識
当社グループの商品又は製品の販売に係る収益は、主に卸売又は製造等による販売であり、顧客との販売契約に基づいて商品又は製品を引き渡す一時点において、顧客が当該商品又は製品に対する支配を獲得して充足されると判断し、引き渡し時点で収益を認識しております。
また、請負契約による当社グループの商品又は製品の納入等に係る収益については、履行義務を充足するにつれて、一定の期間にわたり収益を認識しており、履行義務の充足に係る進捗度の見積りの方法は、主として発生原価に基づくインプット法によっております。なお、請負契約における取引開始日から完全に履行義務を充足すると見込まれる時点までの期間がごく短い契約については代替的な取扱いを適用し、一定の期間にわたり収益を認識せず、完全に履行義務を充足した時点で収益を認識する方法によっております。
b. 貸倒引当金
当社グループは、顧客の支払い不能時に発生する貸倒損失に備えるため、貸倒引当金を計上しております。顧客の財政状態が悪化し、その支払い能力が低下した場合、追加引当が必要となる場合があります。
c. 投資の減損
当社グループは、長期的に円滑かつ密接な関係を維持するために特定の顧客及び金融機関に対する少数持分を所有しております。これらの株式には市場価格のある公開会社の株式と、市場価格のない非公開会社株式が含まれます。当社グループは、著しい投資価値の下落について、回復可能性がないと判断した場合、投資の減損損失を計上しております。
d. 税効果会計
当社グループは、繰延税金資産の計上にあたっては、将来回収可能性に基づき計上しております。将来の課税所得及び実現可能性の高い税務計画を検討し、回収可能性がないと考えられるものについては、評価性引当額を計上しております。繰延税金資産の全部又は一部を将来実現できないと判断した場合、当該判断を行った期間に繰延税金資産の調整額を費用として計上します。同様に、計上金額の純額を上回る繰延税金資産を今後実現できると判断した場合、繰延税金資産への調整により当該判断を行った期間に利益を増加させることになります。
e. 退職給付会計
従業員退職給付費用及び退職給付債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には、割引率、将来の報酬水準、退職率、死亡率及び年金資産の長期期待運用収益率などが含まれます。当社グループの確定給付企業年金制度において退職給付債務の割引率は、退職給付の支払見込期間及び支払見込期間ごとの金額を反映した単一の加重平均割引率を使用して算出しております。長期期待運用収益率は、運用収益の実績等に基づき、見直しの必要性を検討しております。実際の結果が前提条件と異なる場合、又は、前提条件が変更された場合、その影響は数理計算上の差異として認識され、将来(認識後10年)にわたって償却されるため、将来期間において認識される費用に影響を及ぼします。
f. 固定資産の減損
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損損失の金額に影響を及ぼす可能性があります。