四半期報告書-第70期第1四半期(令和2年4月1日-令和2年6月30日)

【提出】
2020/08/13 15:26
【資料】
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【項目】
37項目
(1)財政状態及び経営成績の状況
(2021年3月期第1四半期連結累計期間におけるハイライト)
(新型コロナウイルス感染症の影響などについて)
・生産面では、当第1四半期における、中国・ベトナム・タイでの操業は通常通りであるものの、商品によっては一部発売が延期になるなど販売機会の損失が生じました。
・需要面では、一部商品の巣ごもり需要やeコマース購買の高まりはあるものの、「外出自粛」「店舗の臨時休業・営業時間の短縮」や海外におけるロックダウンに加え、「映画公開等の延期」「各種イベントの中止・延期及び縮小」により、商品出荷が減少するなど影響が続きました。
・当社グループでは感染拡大の防止を進めるため、従業員の外出や出社の大幅な抑制を図るためテレワークを推進するとともに、外部との会食の禁止、海外・国内出張の原則禁止などの対策を実施いたしました。
(新型コロナウイルス感染症に対するタカラトミーグループの6月半ば以降の対応については当社ウェブサイトをご覧ください:www.takaratomy.co.jp/support/pdf/20200619.pdf)
(連結業績について)
・売上高は、26,809百万円(前年同期比24.0%減)となりました。今年発売50周年を迎えた「トミカ」では、4月よりテレビアニメ『トミカ絆合体 アースグランナー』の放送をスタートさせ、関連商品を市場投入するとともに、「トミカ50周年自動車メーカーコラボプロジェクト」など50周年の各種マーケティング施策を進めました。「ベイブレードバースト」は北米を中心とした海外向け輸出がテレビアニメ放送の継続などにより伸長いたしました。トレーディングカードゲーム「デュエル・マスターズ」は商品構成を見直したことにより堅調に推移いたしました。コロナ禍による巣ごもり需要として「黒ひげ危機一発(海外商品名:Pop Up Pirates)」などファミリーゲームが国内外で人気を集めました。しかしながら、前述のとおり新型コロナウイルス感染拡大の影響により、店頭プロモーションなど各種マーケティング活動が制約を受けたこともあり、商品出荷は総じて減少いたしました。
・利益面では、広告宣伝費等のコストコントロールにより販売費及び一般管理費が減少したものの、売上高の減少に加え、在庫評価減を計上するなど売上総利益が減少したことから、営業損失は583百万円(前年同期営業利益555百万円)、経常損失は656百万円(前年同期経常利益243百万円)となりました。また、緊急事態宣言を受け臨時休業を実施した小売店等で発生した固定費(人件費・減価償却費)等651百万円を新型コロナウイルス感染症による損失として特別損失を計上したこともあり、親会社株主に帰属する四半期純損失は1,174百万円(前年同期親会社株主に帰属する四半期純利益265百万円)となりました。

(経営成績の概況)
<セグメント別業績の概況>(単位:百万円)
2020年3月期
第1四半期
2021年3月期
第1四半期
増減増減率(%)
売上高35,28826,809△8,478△24.0
日本30,44923,056△7,392△24.3
アメリカズ3,0463,1881414.7
欧州704759547.8
オセアニア2963525518.5
アジア13,16810,283△2,884△21.9
消去又は全社△12,377△10,8301,546-
営業利益又は営業損失(△)555△583△1,138-
日本1,416211△1,204△85.0
アメリカズ△80△83△2-
欧州△235△77157-
オセアニア△521163-
アジア294155△139△47.3
消去又は全社△787△801△13-

<日本>(単位:百万円)
2020年3月期
第1四半期
2021年3月期
第1四半期
増減
売上高30,44923,056△7,392
営業利益1,416211△1,204

新型コロナウイルス感染拡大により一部商品の巣ごもり需要やeコマース購買の高まりはあるものの、「外出自粛」「店舗の臨時休業、営業時間の短縮」に加え、「映画公開等の延期」「各種イベントの中止・延期及び縮小」、さらに「インバウンド消費の減少」などにより、商品出荷が減少するなど総じて厳しい状況となりました。
発売50周年を迎えた「トミカ」においては、4月よりテレビアニメ放送がスタートした『トミカ絆合体 アースグランナー』関連商品を市場投入するとともに、「トミカ50周年自動車メーカーコラボプロジェクト」やバス会社・菓子メーカーとのコラボレーションなど50周年の各種マーケティング施策を進めました。2015年夏に発売の「ベイブレードバースト」は国内販売が減少傾向にあるものの、北米を中心とした海外向け輸出はテレビアニメ放送の継続などにより伸長いたしました。トレーディングカードゲームにおいては、競争環境が激しさを増す中、商品構成を見直したことにより「デュエル・マスターズ」が評価を得るとともに、ハイターゲット向けの「WIXOSS(ウィクロス)」は話題のバーチャルライバーグループとのコラボ商品を展開したこともあり好調に推移いたしました。また、外出自粛により家の中で楽しめる商品に注目が集まり、家族で遊べる盤ゲーム「人生ゲーム」やロングセラーパーティーゲーム「黒ひげ危機一発」などのファミリーゲームが多くのメディアにも取り上げられるなど好評を博しました。さらに、2019年春より商品展開する海外で高い人気のテレビアニメ『パウ・パトロール』関連商品が引き続き好調に推移いたしました。2019年12月に配信を開始したスマートフォン向けカードゲームアプリ「DUEL MASTERS PLAY'S(デュエル・マスターズ プレイス)」はダウンロード数が500万を超え、2月、4月、6月には新しいカードパックを配信いたしました。
以上の結果、売上高は23,056百万円(前年同期比24.3%減)、営業利益は211百万円(同85.0%減)にとどまりました。

<アメリカズ>(単位:百万円)
2020年3月期
第1四半期
2021年3月期
第1四半期
増減
売上高3,0463,188141
営業損失(△)△80△83△2

新型コロナウイルス感染拡大によりロックダウンが実施されたことから、巣ごもり需要やeコマース購買が高まりました。また、家で過ごす時間が長くなったことにより、生活必需品に準じたベビー向け食器やトイレトレーニングに使用するおまるの需要が高まるなど、ベビー用品が好調に推移いたしました。さらに、農耕車両玩具においては、ロックダウンにより自宅の庭で遊べる乗用玩具が人気を集めるなど、売上高は3,188百万円(前年同期比4.7%増)となりました。営業損失は、プロダクトミックスの変化により83百万円(前年同期営業損失80百万円)となりました。
<欧州>(単位:百万円)
2020年3月期
第1四半期
2021年3月期
第1四半期
増減
売上高70475954
営業損失(△)△235△77157

新型コロナウイルス感染拡大によるロックダウンにより、一時、店舗が閉鎖されるなど影響がありましたが、巣ごもり需要やeコマース購買の高まりが見られました。
コロナ禍により家族で遊べるファミリーゲームに注目が集まり、ロングセラーパーティーゲーム「Pop Up Pirates(日本商品名:黒ひげ危機一発)」、ボードゲームやアクションゲーム「Drumond Parkブランド商品」が好評を博しました。また、プリスクール関連商品も好調に推移したことなどから、売上高は759百万円(前年同期比7.8%増)となり、広告宣伝費等のコストコントロールにより販売費及び一般管理費が減少したこともあり、営業損失は77百万円(前年同期営業損失235百万円)となりました。
<オセアニア>(単位:百万円)
2020年3月期
第1四半期
2021年3月期
第1四半期
増減
売上高29635255
営業利益又は営業損失(△)△521163

新型コロナウイルス感染拡大によるロックダウンの外出制限により、巣ごもり需要の高まりがありました。
家庭で楽しむファミリーゲームが人気となり、ロングセラーパーティーゲーム「Pop Up Pirates(日本商品名:黒ひげ危機一発)」などのゲーム関連商品が伸長するとともに、農耕車両玩具の販売も好調に推移したことなどから、売上高は352百万円(前年同期比18.5%増)となりました。営業利益は、広告宣伝費等のコストコントロールによる販売費及び一般管理費の減少もあり11百万円(前年同期営業損失52百万円)となりました。
<アジア>(単位:百万円)
2020年3月期
第1四半期
2021年3月期
第1四半期
増減
売上高13,16810,283△2,884
営業利益294155△139

新型コロナウイルスの感染拡大について、生産面では、4月以降、中国・ベトナム・タイにおいて通常通り操業しております。需要面では、各国においてロックダウンが実施されたことにより、店頭の購買動向に大きな影響がありました。
「プラレール」の拡販を進めたものの、各国におけるロックダウンにより商品の出荷が滞るとともに、イベント・店頭プロモーションが中止になるなどマーケティング施策においても影響を受け、販売が減少いたしました。また、ボーイズ関連商品の販売が減少したことや前期展開した映画関連商品の販売が一巡したことにより、売上高は10,283百万円(前年同期比21.9%減)、営業利益は155百万円(同47.3%減)となりました。
財政状態(連結)の変動状況は次のとおりであります。
<資産>流動資産は、前連結会計年度末に比較して10,045百万円増加し、97,199百万円となりました。これは主として、受取手形及び売掛金が減少した一方で、現金及び預金、商品及び製品が増加したことによるものです。
固定資産は、前連結会計年度末に比較して219百万円減少し、41,880百万円となりました。これは主として、投資その他の資産が増加した一方で、無形固定資産が減少したことによるものです。
<負債>流動負債は、前連結会計年度末に比較して287百万円増加し、36,626百万円となりました。これは主として、未払金、未払費用が減少した一方で、短期借入金、支払手形及び買掛金が増加したことによるものです。
固定負債は、前連結会計年度末に比較して12,790百万円増加し、38,295百万円となりました。これは主として、リース債務が減少した一方で、長期借入金が増加したことによるものです。
<純資産>純資産は、前連結会計年度末に比較して3,252百万円減少し、64,157百万円となりました。これは主として、利益剰余金が減少したこと、及び自己株式の取得があったことによるものです。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第1四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」)は、前連結会計年度末に比較して8,930百万円増加し、55,835百万円となりました。
<営業活動によるキャッシュ・フロー>営業活動によるキャッシュ・フローは、1,795百万円の支出(前年同四半期は4,875百万円の支出)となりました。これは主として、売上債権の減少1,590百万円、減価償却費1,346百万円等があった一方で、たな卸資産の増加2,700百万円、未払金の減少1,515百万円、税金等調整前四半期純損失1,253百万円等があったことによるものです。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>投資活動によるキャッシュ・フローは、606百万円の支出(前年同四半期は853百万円の支出)となりました。これは主として、有形固定資産の取得による支出330百万円、無形固定資産の取得による支出242百万円等があったことによるものです。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>財務活動によるキャッシュ・フローは、11,333百万円の収入(前年同四半期は2,500百万円の支出)となりました。これは主として、長期借入金の返済による支出1,325百万円、配当金の支払額1,320百万円等があった一方で、長期借入れによる収入14,000百万円等があったことによるものです。
(3)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当連結会社の優先的に対処すべき事業上および財務上の課題に重要な変更および新たに生じた課題はありません。
(5)主要な設備
提出日現在において、新たに確定した主要な設備の新設等の計画は、次のとおりです。
会社名
事業所名
所在地セグメントの名称設備の内容投資予定金額資金調達方法着手及び完了予定年月完成後の増加能力
総額
(百万円)
既支払額
(百万円)
(注)
着手完了
㈱タカラトミー
本社
東京都葛飾区日本金型等2,365545自己資金・リース2020年4月2021年3月-
㈱タカラトミーアーツ
本社
東京都葛飾区日本アミューズメント機器・金型1,542692リース2020年4月2021年3月-
㈱トミーテック
本社
栃木県下都賀郡
壬生町
日本金型698172自己資金2020年4月2021年3月-

(注)既支払額の数値は当第1四半期連結累計期間の金額となっています。
(6)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、1,001百万円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。