有価証券報告書-第67期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

【提出】
2018/06/28 13:30
【資料】
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【項目】
128項目
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
(2018年3月期におけるハイライト)
・売上高は、国内及びアジア市場での玩具販売が好調に推移したことに加え、「トランスフォーマー」「ベイブレードバースト」の海外向け輸出が増加したことにより、177,366百万円(前期比5.8%増)となりました。
・営業利益は13,199百万円(前期比70.4%増)と大幅に増加いたしました。売上高の伸長及び在庫評価減の減少などにより売上総利益が増加したことに加え、海外ビジネスによる収益性が改善したことによるものです。
・経常利益は、前期における為替差益が為替差損に転じたものの、営業利益が大幅に増加したことにより、12,420百万円(前期比58.8%増)となりました。
・親会社株主に帰属する当期純利益は、アメリカズにおける無形固定資産の減損損失などの特別損失2,692百万円を計上したものの、経常利益が大幅に増加したことにより、7,962百万円(前期比48.2%増)となりました。
・国内市場においては、2017年に50周年を迎えた「リカちゃん」や、テレビアニメ「トミカハイパーレスキュー ドライブヘッド」関連商品をはじめとした定番商品が好調に推移いたしました。また、「スナックワールド」「COZMO」「Printoss(プリントス)」などの話題商品を積極的に投入いたしました。年末商戦においては、「ベイブレードバースト」や「うまれて!ウーモ」の人気が継続したことに加え、当社初となる女児向け特撮テレビシリーズ「ミラクルちゅーんず!」や風船アートが楽しめる手作りホビー玩具「ウーニーズ」などの新商品が好評を博しました。
・TOMY Internationalグループにおいては、キャラクター関連玩具やベビー関連商品などの販売が低調に推移したものの、前期に実施した一部商品の値引き販売が減少したことなどから、収益性が改善いたしました。

(経営成績に関する分析)
<セグメント別業績の概況>
(単位:百万円)

前期当期増減増減率(%)
売上高167,661177,3669,7045.8
日本131,810145,85414,04310.7
アメリカズ28,51223,415△5,096△17.9
欧州8,5737,322△1,250△14.6
オセアニア2,5092,067△442△17.6
アジア47,77153,5425,77012.1
消去又は全社△51,515△54,836△3,320-
営業利益又は営業損失(△)7,74413,1995,45570.4
日本10,03014,2554,22542.1
アメリカズ1972363819.5
欧州△581△239341-
オセアニア57△240△297-
アジア7258007410.3
消去又は全社△2,685△1,6121,072-

<日本>(単位:百万円)
前期当期増減
売上高131,810145,85414,043
営業利益10,03014,2554,225

日本では、定番商品において、2017年に50周年を迎え、大きな話題となった「リカちゃん」の関連商品が人気を博すとともに、「トミカ」では当社原作のテレビアニメ「トミカハイパーレスキュー ドライブヘッド」関連商品の販売が好調に推移いたしました。1月には「プラレール」で玩具展開中である「新幹線変形ロボ シンカリオン」のテレビアニメがスタートいたしました。新規商品においては、テレビアニメ・漫画・ゲームソフトなどでも展開している「スナックワールド」の関連商品や、AI搭載ロボット「COZMO」、スマホの写真を手軽にプリントできる「Printoss(プリントス)」などを積極的に展開いたしました。
また、2017年の夏に映画が公開された「トランスフォーマー」や北米・欧州でテレビアニメが放送され、同地域での展開が本格的にスタートした「ベイブレードバースト」の海外向け輸出が大幅に伸長いたしました。
さらに、年末商戦においては、次世代ベーゴマ「ベイブレードバースト」やタマゴを孵化させ楽しむ新感覚ペット「うまれて!ウーモ」の人気が継続したことに加え、当社初となる女児向け特撮テレビシリーズ「ミラクルちゅーんず!」や風船アートが楽しめる手作りホビー玩具「ウーニーズ」などの新商品が好評を得ました。
㈱タカラトミーアーツにおいては、空港で展開するカプセル自販機「空港ガチャ」や「究極のTKG(たまごかけごはん)」などのクッキングトイ関連商品がメディアで多数紹介され大きな話題となりました。
以上のことから、売上高は145,854百万円(前期比10.7%増)となりました。また、販売費及び一般管理費が増加したものの、売上高の伸長や在庫評価減の減少に伴い売上総利益が増えたことにより、営業利益は14,255百万円(同42.1%増)と大幅に増加いたしました。
<アメリカズ>(単位:百万円)
前期当期増減
売上高28,51223,415△5,096
営業利益19723638

アメリカズでは、再建策の一環として“収益性改善を目的とした事業の集中と選択”を引き続き推進しております。農耕車両玩具の販売が堅調に推移したものの、キャラクター関連玩具及びベビー用品の販売が減少したことなどから、売上高は23,415百万円(前期比17.9%減)となりましたが、原価低減などにより、営業利益は236百万円(同19.5%増)と引き続き黒字を継続いたしました。
<欧州>(単位:百万円)
前期当期増減
売上高8,5737,322△1,250
営業損失(△)△581△239341

欧州においては、「ポケモン」関連玩具の販売が堅調に推移したものの、ベビー用品やプリスクール関連商品の販売が低調であったことなどから、売上高は7,322百万円(前期比14.6%減)となりました。なお、前期に実施した一部商品の値引き販売が減少したことによる売上総利益の増加などにより、営業損失は239百万円(前期営業損失581百万円)と改善いたしました。
<オセアニア>(単位:百万円)
前期当期増減
売上高2,5092,067△442
営業利益又は営業損失(△)57△240△297

オセアニアにおいては、「The First Years」などのベビー用品の販売が堅調に推移したものの、キャラクター関連玩具の販売が低調であったことから、売上高は2,067百万円(前期比17.6%減)となりました。また、一部商品において在庫評価減を計上したことなどから売上総利益が減少し、営業損失240百万円(前期営業利益57百万円)となりました。
<アジア>(単位:百万円)
前期当期増減
売上高47,77153,5425,770
営業利益72580074

アジアにおいては、次世代ベーゴマ「ベイブレードバースト」が韓国、香港、台湾に続く東南アジア各地でのテレビアニメ放送に加え、店頭マーケティングを強化したことで、好評を博しました。また、テレビアニメ「トミカハイパーレスキュー ドライブヘッド」や「ポケモン」関連玩具が人気を得るとともに、2017年夏に映画公開された「トランスフォーマー」関連玩具の出荷が増えたことにより、売上高は53,542百万円(前期比12.1%増)、営業利益は800百万円(同10.3%増)となりました。

②財政状態の状況
<資産>流動資産は、前連結会計年度末に比較して12,735百万円減少し、90,156百万円となりました。これは主として、受取手形及び売掛金が増加した一方で、現金及び預金、商品及び製品が減少したことによるものです。
固定資産は、前連結会計年度末に比較して5,127百万円減少し、49,645百万円となりました。これは主として、のれん、商標利用権が減少したことによるものです。
<負債>流動負債は、前連結会計年度末に比較して9,692百万円増加し、53,342百万円となりました。これは主として、1年内返済予定の長期借入金、未払費用が減少した一方で、1年内償還予定の社債が増加したことによるものです。
固定負債は、前連結会計年度末に比較して32,282百万円減少し、30,150百万円となりました。これは主として、社債、長期借入金が減少したことによるものです。
<純資産>純資産は、前連結会計年度末に比較して4,711百万円増加し、56,322百万円となりました。これは主として、為替換算調整勘定が減少した一方で、利益剰余金が増加したことによるものです。
③キャッシュ・フローの状況
(単位:百万円)
平成29年3月期平成30年3月期増減額
営業活動によるキャッシュ・フロー24,89616,346△8,549
投資活動によるキャッシュ・フロー△3,793△3,692100
財務活動によるキャッシュ・フロー△1,927△24,670△22,742
現金及び現金同等物の期末残高58,53046,206△12,324

<営業活動によるキャッシュ・フロー>営業活動によるキャッシュ・フローは、16,346百万円の収入(前年度は24,896百万円の収入)となりました。これは主として、税金等調整前当期純利益9,967百万円、減価償却費7,986百万円等があった一方で、法人税等の支払額3,259百万円等があったことによるものです。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>投資活動によるキャッシュ・フローは、3,692百万円の支出(前年度は3,793百万円の支出)となりました。これは主として、有形固定資産の取得による支出2,956百万円、無形固定資産の取得による支出1,189百万円等があったことによるものです。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>財務活動によるキャッシュ・フローは、24,670百万円の支出(前年度は1,927百万円の支出)となりました。これは主として、長期借入金の返済による支出22,375百万円、ファイナンス・リース債務の返済による支出3,018百万円等があったことによるものです。
以上の増減額に現金及び現金同等物に係る換算差額などを調整した結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は前連結会計年度末に比べ12,324百万円減少して46,206百万円となりました。
④生産、受注及び販売の実績
当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらず見込み生産によっております。金額も僅少な為、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
このため販売の実績については、「第2 事業の状況、3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析、(1)経営成績等の状況の概要、①経営成績の状況」におけるセグメントの業績に関連づけて示しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は我が国において、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、必要となる見積りに関しては、過去の実績等を勘案し、合理的と判断される基準に基づいて行っております。なお、連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況、1連結財務諸表等、(1) 連結財務諸表、注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の当社グループの経営成績及びキャッシュ・フローの概況につきましては、「第2 事業の状況、3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析、(1)経営成績等の状況の概要」をご参照ください。当連結会計年度まで実施しておりました“前・中期経営計画” では、「1.意識改革」「2.商品改革」「3.ビジネスの構造改革」の3つの改革を着実に実行し、2014年度から3年連続で営業利益の成長を成し遂げ、当連結会計年度では過去最高の営業利益を達成、2016年度以降においては利益体質も大幅に改善しております。さらに、2018年度からは新たに“新・中期経営計画”をスタートさせ、事業戦略を推進いたします。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況、1経営方針、経営環境及び対応すべき課題等、[中長期的な会社の経営戦略、会社の対応すべき課題と対応方針]」をご確認ください。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、当社グループの運転資金の需要のうち主なものは、金型及び筐体の購入費用のほか、仕入代金の支払、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主として新製品の開発・製品のために必要な設備投資及び物流設備投資等であります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保し、グループ内で効率的に活用することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金を中心に賄い、一部金融機関からの短期借入金として資金調達を行うことを基本としております。設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入等を基本としており、一部リースによる設備投資を行っております。