有価証券報告書-第69期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
(2020年3月期におけるハイライト)

(経営成績に関する分析)
<セグメント別業績の概況>
<日本>(単位:百万円)
2020年3月期は玩具業界において大きなヒット商品がなく、最大の商戦期である年末年始商戦は大きな盛り上がりを欠く結果となりました。
第4四半期は、新型コロナウイルス感染拡大について店頭の購買動向に大きな影響はありませんでした。
定番商品「トミカ」においては、人気の外国産車をラインナップに加え充実を図った「トミカ」単品や今期5周年を迎えた大人向けハイディテールコレクションモデル「トミカプレミアム」などの販売が伸長いたしました。また、1959年に誕生した「プラレール」は発売60周年と合わせた各種マーケティング施策を推し進めたことにより、60周年を記念したレールと車両のセット商品が人気を集めるなど、販売が堅調に推移いたしました。
ボーイズ商品では、10月に新たな世界観でテレビアニメ放送を開始した、恐竜や動物モチーフの自社コンテンツ「ゾイドワイルド」の改造遊びが人気となりました。
ガールズ商品では、コンテンツとしての人気も高い、女児向け特撮テレビドラマシリーズ「ひみつ×戦士 ファントミラージュ!」の関連商品が好調に推移いたしました。また、サプライズドール「L.O.L. サプライズ!」がSNSを中心としたマーケティング活動も寄与し堅調に推移するとともに、カメラ機能付き液晶トイ「すみっコぐらし すみっコさがし」などが人気を集めました。
プリスクール商品では、海外で高い人気を誇るテレビアニメ「パウ・パトロール」関連商品を2019年5月より日本市場にて展開し評価を得るとともに、動かして遊べる手のひらサイズの動物フィギュアシリーズ「アニア」が商品ラインナップを拡充したこともあり、好評を博しました。
7月公開のディズニー&ピクサーのアニメーション映画『トイ・ストーリー4』関連商品は、映画キャラクターのフィギュアやぬいぐるみ、ガチャなどの関連商品をグループ横断で投入し、好調に推移いたしました。また、11月公開のディズニー映画『アナと雪の女王2』はスマホ型トイ「キラキラスマートパレット」やドレスなどの関連商品が人気を集めました。
㈱タカラトミーアーツにおいては、大画面で迫力のバトルが楽しめるアミューズメントマシン「ポケモンガオーレ」が引き続き好評を博しました。
12月にはスマートフォン向けカードゲームアプリ「DUEL MASTERS PLAY'S(デュエル・マスターズ プレイス)」の配信を開始し、500万ダウンロードを突破するとともに2月には第2弾カードパックを配信いたしました。
一方、2015年夏に発売の「ベイブレードバースト」は、会社想定以上の販売を維持し、長く人気が続いておりますが、前期比では減少いたしました。「トランスフォーマー」は、前期における映画関連商品販売の反動減により海外向け輸出が減少するとともに、トレーディングカードゲーム「デュエル・マスターズ」は競争環境の変化もあり軟調に推移いたしました。また、昨年4月より1年間テレビアニメを放送したボーイズ新規商品やグローバル戦略商品「Rizmo(リズモ)」などを積極的に市場投入しヒット化を狙いましたが、期待値には届きませんでした。「リカちゃん」は誕生50周年から2年に亘り好調であった反動もあり販売が減少いたしました。以上により、売上高は138,948百万円(前期比6.6%減)となり、営業利益は13,615百万円(同18.6%減)となりました。
<アメリカズ>(単位:百万円)
第4四半期は、新型コロナウイルス感染拡大について店頭の購買動向に大きな影響はありませんでした。
3月にテレビアニメ「Ricky Zoom」の関連商品を市場展開いたしました。日本でも販売する最高の触り心地を追求したぬいぐるみ「もっちぃもっちぃ、海外商品名:Club Mocchi- Mocchi-」を継続展開し好評を得ました。コアブランドである農耕車両玩具やベビー用品は堅調に推移いたしました。サプライズお世話ペット「Rizmo(リズモ)」やその他新規商品ラインの導入を行いましたが、販売は期待値に届きませんでした。また、前期第1四半期まで展開していたキャラクター玩具の販売が終了したことから、17,214百万円(前期比4.4%減)となり、営業損失は23百万円(前期営業損失81百万円)となりました。
<欧州>(単位:百万円)
第4四半期は、新型コロナウイルス感染拡大について店頭の購買動向に大きな影響はありませんでした。
欧州での販売権を獲得したボードゲームやアクションゲーム「Drumond Parkブランド商品」を市場展開し人気を博しました。また、農耕車両玩具が好調な販売となるとともに、サプライズお世話ペット「Rizmo(リズモ)」を9月に導入いたしました。なお、前期第1四半期まで展開していたキャラクター玩具の販売が終了いたしましたが、売上高は5,507百万円(前期比3.4%増)となりました。営業損失は、新製品投入に伴うマーケティング投資の増加などにより、916百万円(前期営業損失659百万円)となりました。
<オセアニア>(単位:百万円)
第4四半期は、新型コロナウイルス感染拡大について店頭の購買動向に大きな影響はありませんでした。
農耕車両玩具の販売が堅調に推移するとともに9月に「Rizmo(リズモ)」を市場投入したものの、前期第1四半期まで展開のキャラクター玩具販売が終了したことや、「Printoss(プリントス) 、海外商品名:KiiPix」の展開が縮小したことから、売上高は1,442百万円(前期比19.1%減)、営業損失は166百万円(前期営業損失21百万円)となりました。
<アジア>(単位:百万円)
新型コロナウイルスの感染拡大について、当社グループではかねてより生産地移管「チャイナプラスワン」を推進していたこともあり、生産面への影響は限定的なものに留まりました。また、第4四半期における店頭の購買動向に大きな影響はありませんでした。
定番商品である「トミカ」は導入アイテムを拡充するとともに店頭マーケティングの強化やイベント開催などの施策により、単品商品を中心に好調に推移いたしました。また、初夏に公開されたディズニー&ピクサーのアニメーション映画『トイ・ストーリー4』関連玩具の販売が好評を博しました。一方、前期に韓国で人気を集めた次世代ベーゴマ「ベイブレードバースト」関連商品の販売が減少したことなどもあり、売上高は51,491百万円(前期比4.7%減)、営業利益は1,248百万円(同38.1%増)となりました。
②財政状態の状況
<資産>流動資産は、前連結会計年度末に比較して6,961百万円減少し、87,153百万円となりました。これは主として、現金及び預金、受取手形及び売掛金が減少したことによるものです。
固定資産は、前連結会計年度末に比較して7,149百万円減少し、42,099百万円となりました。これは主として、のれん、商標利用権、リース資産(純額)、繰延税金資産が減少したことによるものです。
<負債>流動負債は、前連結会計年度末に比較して22,980百万円減少し、36,338百万円となりました。これは主として、1年内返済予定の長期借入金、未払法人税等、未払費用、未払金が減少したことによるものです。
固定負債は、前連結会計年度末に比較して8,774百万円増加し、25,504百万円となりました。これは主として、長期借入金が増加したことによるものです。
<純資産>純資産は、前連結会計年度末に比較して94百万円増加し、67,410百万円となりました。これは主として、為替換算調整勘定の減少、及び自己株式の取得があった一方で、利益剰余金が増加したことによるものです。
③キャッシュ・フローの状況
(単位:百万円)
<営業活動によるキャッシュ・フロー>営業活動によるキャッシュ・フローは、9,006百万円の収入(前年度は21,492百万円の収入)となりました。これは主として、税金等調整前当期純利益7,601百万円、減価償却費6,773百万円等があった一方で、法人税等の支払額5,249百万円等があったことによるものです。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>投資活動によるキャッシュ・フローは、3,381百万円の支出(前年度は4,038百万円の支出)となりました。これは主として、有形固定資産の取得による支出1,658百万円、無形固定資産の取得による支出1,645百万円等があったことによるものです。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>財務活動によるキャッシュ・フローは、12,274百万円の支出(前年度は10,057百万円の支出)となりました。これは主として、長期借入れによる収入16,500百万円等があった一方で、長期借入金の返済による支出21,039百万円、ファイナンス・リース債務の返済による支出3,313百万円等があったことによるものです。
以上の増減額に現金及び現金同等物に係る換算差額などを調整した結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は前連結会計年度末に比べ6,912百万円減少して46,904百万円となりました。
④生産、受注及び販売の実績
当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらず見込み生産によっております。金額も僅少な為、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
このため販売の実績については、「第2 事業の状況、3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析、(1)経営成績等の状況の概要、①経営成績の状況」におけるセグメントの業績に関連づけて示しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2020年6月29日)において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
(a) 重要な会計方針
当社グループの連結財務諸表は我が国において、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、必要となる見積りに関しては、過去の実績等を勘案し、合理的と判断される基準に基づいて行っております。なお、連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況、1連結財務諸表等、(1) 連結財務諸表、注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。
(b) 重要な会計上の見積り
当社グループの連結財務諸表は我が国において、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。これらの連結財務諸表の作成にあたって、連結貸借対照表上の資産、負債の計上額、および連結損益計算書上の収益、費用の計上額に影響を与える見積り、判断ならびに仮定を使用する必要があります。当社グループの重要な会計方針のうち、判断、見積りおよび仮定の割合が高いものは以下と考えております。
(固定資産の減損)
当社グループは必要に応じて、のれん等の無形資産を含む使用中の固定資産の帳簿価額の回収可能性について疑義を生じさせる事象または状況変化がある場合に減損の判定を行っています。減損の兆候があると判断し、帳簿価額が当該固定資産の使用および最後の処分から得られる割引前の見積キャッシュ・フローを超えている場合に、減損が計上されます。
計上する減損の金額は、帳簿価額が回収可能価額を超過する場合のその超過額であり、回収可能価額は主に割引キャッシュ・フロー評価法を用いて決定しています。当社グループは、将来の事業計画を元に見積キャッシュ・フローおよび回収可能価額の算定を実施しており、その算定は合理的に行われたものと考えていますが、当社グループをとりまく市場の動向や経済情勢により、キャッシュ・フローや回収可能価額の見積りは変動する可能性があります。
(繰延税金資産)
繰延税金資産の認識にあたり、将来減算一時差異、繰越欠損金および繰越税額控除の一部又は全部が将来課税所得に対して利用できる可能性を考慮しています。繰延税金資産の回収可能性の評価においては、予定される繰延税金負債の取崩し、予測される将来課税所得およびタックス・プランニングを考慮しています。
当社グループでは、過去の課税所得水準および将来の事業計画を元に繰延税金資産が計上可能な期間における将来課税所得の予測を作成し繰延税金資産を算定しており、その算定は合理的に行われたものと考えていますが、当社グループをとりまく市場の動向や経済情勢により、将来課税所得の予測は変動する可能性があります。
(会計上の見積りを行う上での新型コロナウィルス感染症の影響に関する仮定)
「第5 経理の状況、1連結財務諸表等、(1) 連結財務諸表、注記事項(追加情報)」及び「第5 経理の状況、2財務諸表等、(1) 財務諸表、注記事項(追加情報)」でも記載をしておりますが、2020年3月期決算固有の事象として会計上の見積りを行う上での新型コロナウィルス感染症の影響を以下の通りと仮定して見積りを行っております。2021年3月期の半ばまでには現在の社会混乱がおおよそ落ち着き、通常の社会生活、経済活動を取り戻せるとの仮定を置いて、繰延税金資産の回収可能性、のれん、商標利用権及びその他無形固定資産の評価等の会計上の見積りを行っております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(a) 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因
「第2 事業の状況、1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等、[中長期的な会社の経営戦略、会社の対処すべき課題と対応方針]」をご確認ください。
(b) 当連結会計年度の当社グループの経営成績及びキャッシュ・フローの概況
「第2 事業の状況、3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析、(1)経営成績等の状況の概要」をご参照ください。
(c) 当社グループの資本の財源及び資金の流動性
(財務戦略の基本的な考え方)
当社グループは、強固な財務体質と高い資本効率を両立しつつ、企業価値向上のために戦略的に経営資源を配分することを財務戦略の基本方針としております。強固な財務体質の維持に関しては、自己資本比率の水準を55%以上とする目標を掲げ、現状を上回る信用格付(日本の格付機関)の取得・維持を目指し、リスク耐性の強化を図ります。
同時に、適切な情報開示・IR活動を通じて資本コストの低減に努めると共に、営業キャッシュ・フローによる十分な債務償還能力を前提に、厳格な財務規律のもとで負債の活用も進めることにより、資本コストの低減および資本効率の向上にも努めて参ります。
当社グループはこれまで広告宣伝費、研究開発費などの先行投資を実行し、積極的な商品投入により売上高を伸長させ、利益成長を目指してきましたが、新型コロナウイルスの感染拡大に端を発して外部環境が大きく変化しており、市場が一旦縮小、かつ消費者の購買行動が変容する前提で営業キャッシュ・フローによる十分な債務返済能力を有することを前提として、設備投資や研究開発費等での成長投資に資金の配分を行って参ります。
(資金需要の主な内容)
当社グループの資金需要は、金型及び筐体の購入費用のほか、仕入代金の支払、製造費、広告宣伝費、研究開発費を含む販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主として新製品の開発・製造のために必要な設備投資及び物流設備投資等であります。
(経営資源の配分に関する考え方)
当社グループは、適正な手元現預金の水準について検証を実施しております。売上高の3ヵ月以上を安定的な経営に必要な手元現預金水準とし、それを超える分については、「追加的に配分可能な経営資源」と認識し、企業価値向上に資する経営資源の配分に努めます。
手元現預金及び今後創出するフリーキャッシュ・フロー、そして有利子負債の活用により創出された追加的に配分可能な経営資源については、当社グループの事業の維持拡大、株主還元のさらなる充実に活用する考えです。
株主還元に関しては、安定的な配当の継続を基本に業績及び配当性向などを勘案したうえ配当金額を決定していく方針です。
(資金調達)
当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金および外部資金を有効に活用しております。短期運転資金は自己資金を中心に賄い、一部金融機関からの短期借入金として資金調達を行うことを基本としております。設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入等を基本としており、一部リースによる設備投資を行っております。
また、安定的な外部資金調達能力の維持向上は重要な経営課題と認識しており、主要な取引先金融機関とは良好な取引関係を維持しており、また、利用にあたっては信用リスクを軽減するために格付けの高い金融機関とのみ取引を行っております。加えて強固な財務体質を有していることから、当社グループの事業の維持拡大、運営に必要な運転資金、投資資金の調達に関しては問題なく実施可能と認識しています。
(d) 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは収益性重視の観点から、重要な経営指標として連結営業利益率を掲げており、中長期的に安定して8%以上を目指しております。
2020年3月期においては売上高は、164,837百万円(前期比6.8%減)となりました。定番商品「トミカ」や映画『トイ・ストーリー4』及び『アナと雪の女王2』関連商品などの販売が伸長いたしました。一方、最大商戦期の年末年始商戦では玩具全体の市況に勢いが見られませんでした。また、2015年夏に発売し5年目となる「ベイブレードバースト」の販売減少や「トランスフォーマー」映画関連商品販売の反動減に加え、ボーイズ新規商品及びグローバル戦略商品「Rizmo(リズモ)」の販売が期待値に届かず、新たなヒット商品の創出に至りませんでした。営業利益は、販売費及び一般管理費が減少したものの、売上高減少により売上総利益が減少したことなどから、10,683百万円(前期比25.8%減)となりました。結果として営業利益率は6.5%となり、目標とした水準を下回りました。
また、当社グループは2018年5月に2019年3月期から2021年3月期までの将来3年間を対象とした中期経営計画を公表しております。
中期経営計画において、以下の中期事業戦略を掲げており、以下の事業戦略を推進しております。
①自社オリジナルグローバルブランド戦略の推進
「ゾイドワイルド」を第3の柱に育成、さらに新規コンテンツへの投資を推進
②日本、アジアオリジナルブランドの創出
定番商品発コンテンツ、女児実写コンテンツなどを創り出し、展開拡大
③カテゴリーNo.1戦略
グループ企業3社(タカラトミー、タカラトミーマーケティング、タカラトミーフィールドテック)による、三位一体の営業体制が機能
④ ハイターゲットおよび高齢者向けビジネスの拡大
グループ横断で高年齢層に向けた商品化を幅広く展開
⑤ アジア市場の拡大
定番商品に加え、コンテンツ・新規商品を積極展開
⑥ 欧米の完全立て直し
コアブランドの強化と新規商品投入による売上基盤強化
当該中期経営計画においては下記の指標を経営目標として設定しております。
① 事業の拡大を目指す指標として売上高、営業利益
② 稼ぐ力を図るための指標としてEBITDA
③ 資本の健全性を高めるための指標として自己資本比率
上記指標の定量的な目標として当初は2021年3月期において「売上高1,900億円、営業利益140億円、EBITDA 230億、自己資本比率50%」の達成を目指しておりましたが、2019年5月に2021年3月期の目標を「売上高1,900億円、営業利益160億円、EBITDA 250億、自己資本比率55%」に上方修正致しました。
しかしながら、新型コロナウイルスの感染拡大による消費活動の停滞の程度や感染拡大が収束する時期を見通すことは難しく、その影響を合理的に算定することが困難なことから、現時点では2021年3月期の業績予想は未定としております。今後業績への影響を見極め、合理的な予想の開示が可能となった段階で速やかに公表いたします。
また、各指標の過去5年間の推移は以下のとおりです。
各指標はいずれも当社連結ベ-スの財務数値を用いて算出しております。
EBITDA = 営業利益 + 減価償却費 + のれん償却費
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
(2020年3月期におけるハイライト)
| ・ 新型コロナウイルスの感染拡大について、当社グループではかねてより生産地移管「チャイナプラスワン」を推進していたこともあり、生産面への影響は限定的なものに留まりました。また、第4四半期は、店頭における購買動向に大きな影響はなく、2020年3月期の業績に与える影響は限定的でありました。なお、感染拡大の防止を進めるため、当社グループ従業員の外出や出社の大幅な抑制を実現すべくテレワークを推進するとともに、海外・国内出張の原則禁止、6名以上集合する社内会議や6名以上で行う商談の禁止などの対策を実施しております。 ・ 売上高は、164,837百万円(前期比6.8%減)となりました。定番商品「トミカ」や映画『トイ・ストーリー4』及び『アナと雪の女王2』関連商品などの販売が伸長いたしました。一方、最大商戦期の年末年始商戦では玩具全体の市況に勢いが見られませんでした。また、2015年夏に発売し5年目となる「ベイブレードバースト」の販売減少や「トランスフォーマー」映画関連商品販売の反動減に加え、ボーイズ新規商品及びグローバル戦略商品「Rizmo(リズモ)」の販売が期待値に届かず、新たなヒット商品の創出に至りませんでした。 ・ 営業利益は、販売費及び一般管理費が減少したものの、売上高減少により売上総利益が減少したことなどから、10,683百万円(前期比25.8%減)となりました。 ・ 経常利益は、営業利益が減少したことに加え、為替差損が発生したことなどにより、10,204百万円(前期比28.7%減)となりました。 ・ 親会社株主に帰属する当期純利益は、TOMY Internationalグループにおける、オセアニア子会社ののれん及び保有する無形固定資産の全額ならびに米国子会社が保有する無形固定資産の一部についての減損損失など2,816百万円の特別損失を計上したことなどにより、4,507百万円(前期比51.5%減)となりました。 ・ 日本においては、「トミカ」単品や「トミカプレミアム」などの販売が伸長するとともに、発売60周年となる「プラレール」は各種マーケティング施策が奏功し堅調に推移いたしました。10月より新たなテレビアニメ放送を開始した「ゾイドワイルド」は改造遊びが人気となりました。また、女児向け特撮テレビドラマシリーズ「ひみつ×戦士 ファントミラージュ!」の関連商品が好調に推移するとともに、液晶トイ「すみっコぐらし すみっコさがし」や動物フィギュア「アニア」などが人気を集めました。さらに、映画『トイ・ストーリー4』及び『アナと雪の女王2』関連商品の販売が伸長いたしました。一方、ボーイズ商品においては販売が大幅に減少いたしました。「ベイブレードバースト」は、会社想定以上の販売を維持し、長く人気が続いておりますが、前期比では減少となりました。「トランスフォーマー」は、前期に展開した映画関連商品販売の反動減から海外向け輸出が減少するとともに、「デュエル・マスターズ」は競争環境の変化もあり軟調に推移いたしました。また、2019年4月よりテレビアニメ放送を開始したボーイズ新規商品の販売も苦戦いたしました。さらに、グローバル戦略商品として「Rizmo(リズモ)」を投入したものの販売は伸び悩みました。 12月には、新たにスマートフォン向けカードゲームアプリ「DUEL MASTERS PLAY'S(デュエル・マスターズ プレイス)」の配信を開始し、2月には第2弾カードパックを配信いたしました。 ・ TOMY Internationalグループにおいては、日本と連動し企画・開発を進めたグローバル大型商品「Rizmo(リズモ)」など、新規商品ラインを展開いたしましたが期待値には届かず、前期第1四半期まで展開していたキャラクター玩具の販売も終了したことなどから、売上高は減少いたしました。 |

(経営成績に関する分析)
<セグメント別業績の概況>
| (単位:百万円) |
| 前期 | 当期 | 増減 | 増減率(%) | ||
| 売上高 | 176,853 | 164,837 | △12,016 | △6.8 | |
| 日本 | 148,732 | 138,948 | △9,783 | △6.6 | |
| アメリカズ | 17,998 | 17,214 | △784 | △4.4 | |
| 欧州 | 5,325 | 5,507 | 182 | 3.4 | |
| オセアニア | 1,783 | 1,442 | △340 | △19.1 | |
| アジア | 54,033 | 51,491 | △2,542 | △4.7 | |
| 消去又は全社 | △51,018 | △49,767 | 1,251 | - | |
| 営業利益又は営業損失(△) | 14,407 | 10,683 | △3,724 | △25.8 | |
| 日本 | 16,734 | 13,615 | △3,118 | △18.6 | |
| アメリカズ | △81 | △23 | 58 | - | |
| 欧州 | △659 | △916 | △257 | - | |
| オセアニア | △21 | △166 | △144 | - | |
| アジア | 903 | 1,248 | 344 | 38.1 | |
| 消去又は全社 | △2,468 | △3,074 | △605 | - | |
<日本>(単位:百万円)
| 前期 | 当期 | 増減 | |
| 売上高 | 148,732 | 138,948 | △9,783 |
| 営業利益 | 16,734 | 13,615 | △3,118 |
2020年3月期は玩具業界において大きなヒット商品がなく、最大の商戦期である年末年始商戦は大きな盛り上がりを欠く結果となりました。
第4四半期は、新型コロナウイルス感染拡大について店頭の購買動向に大きな影響はありませんでした。
定番商品「トミカ」においては、人気の外国産車をラインナップに加え充実を図った「トミカ」単品や今期5周年を迎えた大人向けハイディテールコレクションモデル「トミカプレミアム」などの販売が伸長いたしました。また、1959年に誕生した「プラレール」は発売60周年と合わせた各種マーケティング施策を推し進めたことにより、60周年を記念したレールと車両のセット商品が人気を集めるなど、販売が堅調に推移いたしました。
ボーイズ商品では、10月に新たな世界観でテレビアニメ放送を開始した、恐竜や動物モチーフの自社コンテンツ「ゾイドワイルド」の改造遊びが人気となりました。
ガールズ商品では、コンテンツとしての人気も高い、女児向け特撮テレビドラマシリーズ「ひみつ×戦士 ファントミラージュ!」の関連商品が好調に推移いたしました。また、サプライズドール「L.O.L. サプライズ!」がSNSを中心としたマーケティング活動も寄与し堅調に推移するとともに、カメラ機能付き液晶トイ「すみっコぐらし すみっコさがし」などが人気を集めました。
プリスクール商品では、海外で高い人気を誇るテレビアニメ「パウ・パトロール」関連商品を2019年5月より日本市場にて展開し評価を得るとともに、動かして遊べる手のひらサイズの動物フィギュアシリーズ「アニア」が商品ラインナップを拡充したこともあり、好評を博しました。
7月公開のディズニー&ピクサーのアニメーション映画『トイ・ストーリー4』関連商品は、映画キャラクターのフィギュアやぬいぐるみ、ガチャなどの関連商品をグループ横断で投入し、好調に推移いたしました。また、11月公開のディズニー映画『アナと雪の女王2』はスマホ型トイ「キラキラスマートパレット」やドレスなどの関連商品が人気を集めました。
㈱タカラトミーアーツにおいては、大画面で迫力のバトルが楽しめるアミューズメントマシン「ポケモンガオーレ」が引き続き好評を博しました。
12月にはスマートフォン向けカードゲームアプリ「DUEL MASTERS PLAY'S(デュエル・マスターズ プレイス)」の配信を開始し、500万ダウンロードを突破するとともに2月には第2弾カードパックを配信いたしました。
一方、2015年夏に発売の「ベイブレードバースト」は、会社想定以上の販売を維持し、長く人気が続いておりますが、前期比では減少いたしました。「トランスフォーマー」は、前期における映画関連商品販売の反動減により海外向け輸出が減少するとともに、トレーディングカードゲーム「デュエル・マスターズ」は競争環境の変化もあり軟調に推移いたしました。また、昨年4月より1年間テレビアニメを放送したボーイズ新規商品やグローバル戦略商品「Rizmo(リズモ)」などを積極的に市場投入しヒット化を狙いましたが、期待値には届きませんでした。「リカちゃん」は誕生50周年から2年に亘り好調であった反動もあり販売が減少いたしました。以上により、売上高は138,948百万円(前期比6.6%減)となり、営業利益は13,615百万円(同18.6%減)となりました。
<アメリカズ>(単位:百万円)
| 前期 | 当期 | 増減 | |
| 売上高 | 17,998 | 17,214 | △784 |
| 営業損失(△) | △81 | △23 | 58 |
第4四半期は、新型コロナウイルス感染拡大について店頭の購買動向に大きな影響はありませんでした。
3月にテレビアニメ「Ricky Zoom」の関連商品を市場展開いたしました。日本でも販売する最高の触り心地を追求したぬいぐるみ「もっちぃもっちぃ、海外商品名:Club Mocchi- Mocchi-」を継続展開し好評を得ました。コアブランドである農耕車両玩具やベビー用品は堅調に推移いたしました。サプライズお世話ペット「Rizmo(リズモ)」やその他新規商品ラインの導入を行いましたが、販売は期待値に届きませんでした。また、前期第1四半期まで展開していたキャラクター玩具の販売が終了したことから、17,214百万円(前期比4.4%減)となり、営業損失は23百万円(前期営業損失81百万円)となりました。
<欧州>(単位:百万円)
| 前期 | 当期 | 増減 | |
| 売上高 | 5,325 | 5,507 | 182 |
| 営業損失(△) | △659 | △916 | △257 |
第4四半期は、新型コロナウイルス感染拡大について店頭の購買動向に大きな影響はありませんでした。
欧州での販売権を獲得したボードゲームやアクションゲーム「Drumond Parkブランド商品」を市場展開し人気を博しました。また、農耕車両玩具が好調な販売となるとともに、サプライズお世話ペット「Rizmo(リズモ)」を9月に導入いたしました。なお、前期第1四半期まで展開していたキャラクター玩具の販売が終了いたしましたが、売上高は5,507百万円(前期比3.4%増)となりました。営業損失は、新製品投入に伴うマーケティング投資の増加などにより、916百万円(前期営業損失659百万円)となりました。
<オセアニア>(単位:百万円)
| 前期 | 当期 | 増減 | |
| 売上高 | 1,783 | 1,442 | △340 |
| 営業損失(△) | △21 | △166 | △144 |
第4四半期は、新型コロナウイルス感染拡大について店頭の購買動向に大きな影響はありませんでした。
農耕車両玩具の販売が堅調に推移するとともに9月に「Rizmo(リズモ)」を市場投入したものの、前期第1四半期まで展開のキャラクター玩具販売が終了したことや、「Printoss(プリントス) 、海外商品名:KiiPix」の展開が縮小したことから、売上高は1,442百万円(前期比19.1%減)、営業損失は166百万円(前期営業損失21百万円)となりました。
<アジア>(単位:百万円)
| 前期 | 当期 | 増減 | |
| 売上高 | 54,033 | 51,491 | △2,542 |
| 営業利益 | 903 | 1,248 | 344 |
新型コロナウイルスの感染拡大について、当社グループではかねてより生産地移管「チャイナプラスワン」を推進していたこともあり、生産面への影響は限定的なものに留まりました。また、第4四半期における店頭の購買動向に大きな影響はありませんでした。
定番商品である「トミカ」は導入アイテムを拡充するとともに店頭マーケティングの強化やイベント開催などの施策により、単品商品を中心に好調に推移いたしました。また、初夏に公開されたディズニー&ピクサーのアニメーション映画『トイ・ストーリー4』関連玩具の販売が好評を博しました。一方、前期に韓国で人気を集めた次世代ベーゴマ「ベイブレードバースト」関連商品の販売が減少したことなどもあり、売上高は51,491百万円(前期比4.7%減)、営業利益は1,248百万円(同38.1%増)となりました。
②財政状態の状況
<資産>流動資産は、前連結会計年度末に比較して6,961百万円減少し、87,153百万円となりました。これは主として、現金及び預金、受取手形及び売掛金が減少したことによるものです。
固定資産は、前連結会計年度末に比較して7,149百万円減少し、42,099百万円となりました。これは主として、のれん、商標利用権、リース資産(純額)、繰延税金資産が減少したことによるものです。
<負債>流動負債は、前連結会計年度末に比較して22,980百万円減少し、36,338百万円となりました。これは主として、1年内返済予定の長期借入金、未払法人税等、未払費用、未払金が減少したことによるものです。
固定負債は、前連結会計年度末に比較して8,774百万円増加し、25,504百万円となりました。これは主として、長期借入金が増加したことによるものです。
<純資産>純資産は、前連結会計年度末に比較して94百万円増加し、67,410百万円となりました。これは主として、為替換算調整勘定の減少、及び自己株式の取得があった一方で、利益剰余金が増加したことによるものです。
③キャッシュ・フローの状況
(単位:百万円)
| 2019年3月期 | 2020年3月期 | 増減額 | |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 21,492 | 9,006 | △12,486 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △4,038 | △3,381 | 657 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | △10,057 | △12,274 | △2,216 |
| 現金及び現金同等物の期末残高 | 53,817 | 46,904 | △6,912 |
<営業活動によるキャッシュ・フロー>営業活動によるキャッシュ・フローは、9,006百万円の収入(前年度は21,492百万円の収入)となりました。これは主として、税金等調整前当期純利益7,601百万円、減価償却費6,773百万円等があった一方で、法人税等の支払額5,249百万円等があったことによるものです。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>投資活動によるキャッシュ・フローは、3,381百万円の支出(前年度は4,038百万円の支出)となりました。これは主として、有形固定資産の取得による支出1,658百万円、無形固定資産の取得による支出1,645百万円等があったことによるものです。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>財務活動によるキャッシュ・フローは、12,274百万円の支出(前年度は10,057百万円の支出)となりました。これは主として、長期借入れによる収入16,500百万円等があった一方で、長期借入金の返済による支出21,039百万円、ファイナンス・リース債務の返済による支出3,313百万円等があったことによるものです。
以上の増減額に現金及び現金同等物に係る換算差額などを調整した結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は前連結会計年度末に比べ6,912百万円減少して46,904百万円となりました。
④生産、受注及び販売の実績
当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらず見込み生産によっております。金額も僅少な為、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
このため販売の実績については、「第2 事業の状況、3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析、(1)経営成績等の状況の概要、①経営成績の状況」におけるセグメントの業績に関連づけて示しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2020年6月29日)において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
(a) 重要な会計方針
当社グループの連結財務諸表は我が国において、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、必要となる見積りに関しては、過去の実績等を勘案し、合理的と判断される基準に基づいて行っております。なお、連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況、1連結財務諸表等、(1) 連結財務諸表、注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。
(b) 重要な会計上の見積り
当社グループの連結財務諸表は我が国において、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。これらの連結財務諸表の作成にあたって、連結貸借対照表上の資産、負債の計上額、および連結損益計算書上の収益、費用の計上額に影響を与える見積り、判断ならびに仮定を使用する必要があります。当社グループの重要な会計方針のうち、判断、見積りおよび仮定の割合が高いものは以下と考えております。
(固定資産の減損)
当社グループは必要に応じて、のれん等の無形資産を含む使用中の固定資産の帳簿価額の回収可能性について疑義を生じさせる事象または状況変化がある場合に減損の判定を行っています。減損の兆候があると判断し、帳簿価額が当該固定資産の使用および最後の処分から得られる割引前の見積キャッシュ・フローを超えている場合に、減損が計上されます。
計上する減損の金額は、帳簿価額が回収可能価額を超過する場合のその超過額であり、回収可能価額は主に割引キャッシュ・フロー評価法を用いて決定しています。当社グループは、将来の事業計画を元に見積キャッシュ・フローおよび回収可能価額の算定を実施しており、その算定は合理的に行われたものと考えていますが、当社グループをとりまく市場の動向や経済情勢により、キャッシュ・フローや回収可能価額の見積りは変動する可能性があります。
(繰延税金資産)
繰延税金資産の認識にあたり、将来減算一時差異、繰越欠損金および繰越税額控除の一部又は全部が将来課税所得に対して利用できる可能性を考慮しています。繰延税金資産の回収可能性の評価においては、予定される繰延税金負債の取崩し、予測される将来課税所得およびタックス・プランニングを考慮しています。
当社グループでは、過去の課税所得水準および将来の事業計画を元に繰延税金資産が計上可能な期間における将来課税所得の予測を作成し繰延税金資産を算定しており、その算定は合理的に行われたものと考えていますが、当社グループをとりまく市場の動向や経済情勢により、将来課税所得の予測は変動する可能性があります。
(会計上の見積りを行う上での新型コロナウィルス感染症の影響に関する仮定)
「第5 経理の状況、1連結財務諸表等、(1) 連結財務諸表、注記事項(追加情報)」及び「第5 経理の状況、2財務諸表等、(1) 財務諸表、注記事項(追加情報)」でも記載をしておりますが、2020年3月期決算固有の事象として会計上の見積りを行う上での新型コロナウィルス感染症の影響を以下の通りと仮定して見積りを行っております。2021年3月期の半ばまでには現在の社会混乱がおおよそ落ち着き、通常の社会生活、経済活動を取り戻せるとの仮定を置いて、繰延税金資産の回収可能性、のれん、商標利用権及びその他無形固定資産の評価等の会計上の見積りを行っております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(a) 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因
「第2 事業の状況、1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等、[中長期的な会社の経営戦略、会社の対処すべき課題と対応方針]」をご確認ください。
(b) 当連結会計年度の当社グループの経営成績及びキャッシュ・フローの概況
「第2 事業の状況、3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析、(1)経営成績等の状況の概要」をご参照ください。
(c) 当社グループの資本の財源及び資金の流動性
(財務戦略の基本的な考え方)
当社グループは、強固な財務体質と高い資本効率を両立しつつ、企業価値向上のために戦略的に経営資源を配分することを財務戦略の基本方針としております。強固な財務体質の維持に関しては、自己資本比率の水準を55%以上とする目標を掲げ、現状を上回る信用格付(日本の格付機関)の取得・維持を目指し、リスク耐性の強化を図ります。
同時に、適切な情報開示・IR活動を通じて資本コストの低減に努めると共に、営業キャッシュ・フローによる十分な債務償還能力を前提に、厳格な財務規律のもとで負債の活用も進めることにより、資本コストの低減および資本効率の向上にも努めて参ります。
当社グループはこれまで広告宣伝費、研究開発費などの先行投資を実行し、積極的な商品投入により売上高を伸長させ、利益成長を目指してきましたが、新型コロナウイルスの感染拡大に端を発して外部環境が大きく変化しており、市場が一旦縮小、かつ消費者の購買行動が変容する前提で営業キャッシュ・フローによる十分な債務返済能力を有することを前提として、設備投資や研究開発費等での成長投資に資金の配分を行って参ります。
(資金需要の主な内容)
当社グループの資金需要は、金型及び筐体の購入費用のほか、仕入代金の支払、製造費、広告宣伝費、研究開発費を含む販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主として新製品の開発・製造のために必要な設備投資及び物流設備投資等であります。
(経営資源の配分に関する考え方)
当社グループは、適正な手元現預金の水準について検証を実施しております。売上高の3ヵ月以上を安定的な経営に必要な手元現預金水準とし、それを超える分については、「追加的に配分可能な経営資源」と認識し、企業価値向上に資する経営資源の配分に努めます。
手元現預金及び今後創出するフリーキャッシュ・フロー、そして有利子負債の活用により創出された追加的に配分可能な経営資源については、当社グループの事業の維持拡大、株主還元のさらなる充実に活用する考えです。
株主還元に関しては、安定的な配当の継続を基本に業績及び配当性向などを勘案したうえ配当金額を決定していく方針です。
(資金調達)
当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金および外部資金を有効に活用しております。短期運転資金は自己資金を中心に賄い、一部金融機関からの短期借入金として資金調達を行うことを基本としております。設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入等を基本としており、一部リースによる設備投資を行っております。
また、安定的な外部資金調達能力の維持向上は重要な経営課題と認識しており、主要な取引先金融機関とは良好な取引関係を維持しており、また、利用にあたっては信用リスクを軽減するために格付けの高い金融機関とのみ取引を行っております。加えて強固な財務体質を有していることから、当社グループの事業の維持拡大、運営に必要な運転資金、投資資金の調達に関しては問題なく実施可能と認識しています。
(d) 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは収益性重視の観点から、重要な経営指標として連結営業利益率を掲げており、中長期的に安定して8%以上を目指しております。
2020年3月期においては売上高は、164,837百万円(前期比6.8%減)となりました。定番商品「トミカ」や映画『トイ・ストーリー4』及び『アナと雪の女王2』関連商品などの販売が伸長いたしました。一方、最大商戦期の年末年始商戦では玩具全体の市況に勢いが見られませんでした。また、2015年夏に発売し5年目となる「ベイブレードバースト」の販売減少や「トランスフォーマー」映画関連商品販売の反動減に加え、ボーイズ新規商品及びグローバル戦略商品「Rizmo(リズモ)」の販売が期待値に届かず、新たなヒット商品の創出に至りませんでした。営業利益は、販売費及び一般管理費が減少したものの、売上高減少により売上総利益が減少したことなどから、10,683百万円(前期比25.8%減)となりました。結果として営業利益率は6.5%となり、目標とした水準を下回りました。
また、当社グループは2018年5月に2019年3月期から2021年3月期までの将来3年間を対象とした中期経営計画を公表しております。
中期経営計画において、以下の中期事業戦略を掲げており、以下の事業戦略を推進しております。
①自社オリジナルグローバルブランド戦略の推進
「ゾイドワイルド」を第3の柱に育成、さらに新規コンテンツへの投資を推進
②日本、アジアオリジナルブランドの創出
定番商品発コンテンツ、女児実写コンテンツなどを創り出し、展開拡大
③カテゴリーNo.1戦略
グループ企業3社(タカラトミー、タカラトミーマーケティング、タカラトミーフィールドテック)による、三位一体の営業体制が機能
④ ハイターゲットおよび高齢者向けビジネスの拡大
グループ横断で高年齢層に向けた商品化を幅広く展開
⑤ アジア市場の拡大
定番商品に加え、コンテンツ・新規商品を積極展開
⑥ 欧米の完全立て直し
コアブランドの強化と新規商品投入による売上基盤強化
当該中期経営計画においては下記の指標を経営目標として設定しております。
① 事業の拡大を目指す指標として売上高、営業利益
② 稼ぐ力を図るための指標としてEBITDA
③ 資本の健全性を高めるための指標として自己資本比率
上記指標の定量的な目標として当初は2021年3月期において「売上高1,900億円、営業利益140億円、EBITDA 230億、自己資本比率50%」の達成を目指しておりましたが、2019年5月に2021年3月期の目標を「売上高1,900億円、営業利益160億円、EBITDA 250億、自己資本比率55%」に上方修正致しました。
しかしながら、新型コロナウイルスの感染拡大による消費活動の停滞の程度や感染拡大が収束する時期を見通すことは難しく、その影響を合理的に算定することが困難なことから、現時点では2021年3月期の業績予想は未定としております。今後業績への影響を見極め、合理的な予想の開示が可能となった段階で速やかに公表いたします。
また、各指標の過去5年間の推移は以下のとおりです。
| 回次 | 65期 | 66期 | 67期 | 68期 | 69期 |
| 決算年月 | 2016年3月 | 2017年3月 | 2018年3月 | 2019年3月 | 2020年3月 |
| 売上高 (億円) | 1,630 | 1,676 | 1,773 | 1,768 | 1,648 |
| 営業利益 (億円) | 26 | 77 | 131 | 144 | 106 |
| 売上高営業利益率 (%) | 1.6 | 4.6 | 7.4 | 8.1 | 6.5 |
| EBITDA (億円) | 116 | 162 | 223 | 224 | 187 |
| 自己資本比率 (%) | 25.5 | 32.4 | 40.0 | 46.5 | 51.6 |
各指標はいずれも当社連結ベ-スの財務数値を用いて算出しております。
EBITDA = 営業利益 + 減価償却費 + のれん償却費