有価証券報告書-第130期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

【提出】
2018/06/28 9:34
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【項目】
108項目
業績等の概要
(1)業績
当連結会計年度(平成29年4月1日から平成30年3月31日)におけるわが国の経済環境は、雇用・所得環境の改善が続く中で、個人消費は持ち直し、企業業績の改善、業況判断の改善による設備投資の増加等により、景気は緩やかな回復基調が続いていると見られます。世界の景気も緩やかに回復している一方で、中国を始めアジア新興国等の経済の先行き、政策に関する不確実性による影響、通商問題の動向、金融資本市場の変動の影響等について留意する必要がある状況となっております。
当社に関連する市場のうち、建設関連市場、電子部品関連市場、自動車関連市場は堅調な動きとなっております。一方太陽エネルギー関連市場は、平成29年4月より改正FIT法の施行に伴う行政側の事業計画認定審査の長期化については解消が進みつつありますが、当連結会計年度を通しては低調に推移いたしました。また、アパレル市場も低調に推移いたしました。
このような環境の下、当社グループでは太陽エネルギー関連分野、繊維関連分野で売上が減少しましたが、建設資材関連分野、樹脂関連分野、電子部品関連分野で売上が増加した結果、全体としては売上が増加しました。販売費及び一般管理費については、売上増加に応じて対売上高比率でほぼ横ばいとなり、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益は増加しました。
この結果、当社グループの当期における売上高は、85,310百万円(前連結会計年度比0.6%増)、営業利益は1,638百万円(同3.4%増)、経常利益は1,847百万円(同11.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,325百万円(同0.7%増)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
①建材
建設資材関連分野におきまして、需要の増加が前年度後半期より継続しており、売上が大幅に増加しました。一方太陽エネルギー関連分野は、改正FIT法の施行に伴う行政側の事業計画認定審査の長期化については解消が進みつつありますが、当連結会計年度を通しては市場が低調に推移したため、住宅用、産業用ともに売上が減少しました。その他の事業分野はほぼ前年並みとなり、建材セグメント全体では減少となりました。一方、工事受注に注力した結果、売上総利益率が改善し、セグメント利益は大幅に増加しました。
この結果、当セグメントの売上高は、48,815百万円(同1.2%減)、セグメント利益は759百万円(同42.2%増)となりました。
②産業資材
繊維関連分野では、アパレル市場が低調に推移したことにより売上は減少しました。また産業繊維関連分野も需要の低迷により売上が減少しました。一方樹脂関連分野では自動車関連市場が、また電子部品関連分野についても市場が堅調に推移し売上が増加したことで、産業資材セグメント全体では売上が増加しました。
しかしながら、電子部品関連分野で海外拠点の拡大、自社工場新設等の準備費用及び体制強化費用が発生したこと等により販売費及び一般管理費が増加しました。その結果、セグメント利益は減少しました。
この結果、当セグメントの売上高は36,142百万円(同3.2%増)、セグメント利益は695百万円(同21.6%減)となりました。
③賃貸不動産
賃貸マンションの収益性改善等により、売上、セグメント利益ともに増加となりました。
この結果、当セグメントの売上高は352百万円(同2.4%増)、セグメント利益は183百万円(同12.4%増)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、2,510百万円となり前連結会計年度末と比べ307百万円の減少となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動における資金の減少は、279百万円(同1,920百万円の減少)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益の計上により増加し、一方で売上債権の増加、たな卸資産の増加、及び仕入債務の減少により減少したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動における資金の減少は、304百万円(同635百万円の減少)となりました。主な要因は、有形固定資産の取得によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動における資金の増加は、265百万円(同2,806百万円の増加)となりました。主な要因は、短期借入金の増加によるものであります。
販売及び仕入の状況
(1)販売実績
当連結会計年度における当社グループの販売実績をセグメント別に示すと次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)
建材48,81598.8
産業資材36,142103.2
賃貸不動産352102.4
合計85,310100.6

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)仕入実績
当連結会計年度における当社グループの仕入実績をセグメント別に示すと次のとおりであります。
セグメントの名称仕入高(百万円)前年同期比(%)
建材45,12598.9
産業資材31,258106.3
賃貸不動産16093.9
合計76,544101.8

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(平成30年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。
当社グループは、特に以下の重要な会計方針が、連結財務諸表の作成において使用される重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
①投資有価証券
当社グループの投資有価証券は市場性のある株式を保有しており、これらの株価の変動により当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
②たな卸資産
当社グループのたな卸資産の中の一部には、季節性のある商品も含まれるため、経年による陳腐化や市場価値の下落により当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
③繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について、将来の課税所得及び実現性の高い継続的な税務計画に基づき回収可能性を検討した上で計上しております。この将来の課税所得及び税務計画に変更が生じた場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
④貸倒引当金
当社グループ取引先の信用不安により予期せぬ貸倒れリスクが顕在化し、追加的な損失や引当金の計上が必要になる場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑤退職給付債務
当社グループの従業員退職給付債務及び費用は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待収益率に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼし、一層の割引率の低下や運用利回りの悪化は当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(2)財政状態の分析
当連結会計年度末において、流動資産は32,095百万円(前連結会計年度末比2.3%増)となりました。主な要因は、配当金、税金の支払等により現金及び預金が307百万円減少し、一方で、受取手形及び売掛金が561百万円、商品及び製品が688百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。
固定資産は11,637百万円(同3.0%増)となりました。主な要因は、時価の上昇等により投資有価証券が335百万円増加したこと等によるものであります。
流動負債は24,718百万円(同2.7%増)となりました。主な要因は、支払手形及び買掛金が699百万円減少し、一方で、短期借入金が1,759百万円増加したこと等によるものであります。
固定負債は3,170百万円(同19.2%減)となりました。主な要因は、長期借入金が849百万円減少したこと等によるものであります。
純資産は15,843百万円(同8.1%増)となりました。主な要因は、利益剰余金が親会社株主に帰属する当期純利益の計上により1,325百万円、時価の上昇によりその他有価証券評価差額金が241百万円それぞれ増加し、一方で配当金の支払いにより利益剰余金が316百万円減少したこと等によるものであります。
(3)経営成績の分析
当社グループにおける売上高は、85,310百万円(前連結会計年度比0.6%増)となりました。
セグメント別の売上高については、「1(業績等の概要)(1)業績」をご参照ください。
売上原価は77,298百万円(同0.4%増)、売上原価率は前連結会計年度より0.2ポイント減少し90.6%となり、売上総利益は8,012百万円(同2.8%増)となりました。
販売費及び一般管理費は、従業員給料及び手当の増加などにより、合計では6,374百万円(同2.6%増)となりました。
以上の結果、1,638百万円の営業利益(同3.4%増)となりました。
営業外収益は、受取利息41百万円、受取配当金101百万円、貸倒引当金戻入額35百万円、為替差益21百万円等の発生により、254百万円(同34.9%増)となりました。
営業外費用は、支払利息43百万円等の発生により、45百万円(同59.4%減)となりました。
以上の結果、1,847百万円の経常利益(同11.2%増)となりました。
特別利益は、投資有価証券売却益33百万円、保険差益12百万円の発生により、46百万円となりました。
特別損失は、減損損失4百万円の発生により、4百万円となりました。
以上の結果、1,325百万円の親会社株主に帰属する当期純利益(同0.7%増)となりました。
(4)キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は2,510百万円と、前連結会計年度末より307百万円の減少(前連結会計年度は616百万円の減少)となりました。
なお、営業活動・投資活動・財務活動それぞれのキャッシュ・フローの詳細については「1(業績等の概要)(2)キャッシュ・フロー」をご参照下さい。